株式会社ゴンゾ (GONZO K.K.) とは、アニメーションの企画・開発・制作、販売を行う会社である。
2008年12月5日にはニコニコチャンネルにてニゴンゾ動画をOPENした。
概要
ガイナックスを退社した村濱章司、前田真宏、樋口真嗣、山口宏によって立ち上げられた。ゴンゾ(GONZO)とはイタリア語で「馬鹿」を意味する。創設当初は平成ガメラシリーズのデザインに始まり、ビデオゲーム内のムービーパート等を制作していた。
98年には初の単独制作によるOVA作品『青の6号』を発表。OVAとしては世界初のフルデジタルアニメであり、当時としては珍しい3DCGと2Dアニメーションを融合させたこの作品によって、ゴンゾはデジタルアニメーションの先駆者としてその名を知られるようになった。
2000年には(株)ディジメーションと合併するため持ち株会社として(株)ゴンゾ・ディジメーション・ホールディング(のちに株式会社GDHに商号変更)を設立。GDHグループを形成し、事業を拡大していく。
しかし、00年代後半に業績不振が続いたことによる経営難が深刻化。これに対処するため複数あった制作ラインを1本に削減。事業縮小や関連子会社の売却、さらに09年4月にはGDHによるゴンゾの吸収合併(旧ゴンゾは解散しGDHが新たに株式会社ゴンゾに商号変更)にまで至るも、同年7月には2期連続の債務超過や会計監査人からの監査意見不表明により東証マザーズ上場廃止処分が下された。
2016年にはアサツーディ・ケイ(ADK)の子会社となり、2019年にアニメ制作事業をADKグループに新設されたスタジオKAIに承継。2020年には代表取締役の石川真一郎がADKグループが保有するGONZOの全株式を取得、ADKグループからの独立を果たす。この間GONZOはアニメ制作を自粛しているが、2024年6月のインタビューで石川は新しいアニメを手掛けていると発言しており、GONZOの文字を再びアニメ作品で見る日もそう遠くないのかもしれない。
沿革
デジタルのゴンゾ
創設当初からフルデジタルアニメーションスタジオを設立しデジタル技術に特化。98年の『青の6号』の発表を機にデジタルアニメーションの先駆者としてその名を知られるようになり、しばらくの間ゴンゾのデジタル技術には定評があった。しかしCGを用いることが珍しくなくなったことやスタッフの独立などから次第にデジタル技術のゴンゾとしてのイメージは薄れていった。
そして2009年には経営不振のあおりを受けてデジタル映像部門を(株)キューテックに売却。キューテックの100%子会社、(株)グラフィニカとなった。
海外志向
GONZOブランドのグローバル化を掲げており、アニメ制作会社の中でも特に海外志向が強い。以下は現在推進中の主な海外事業。
- 「GONZO+ (ゴンゾプラス)」事業
- 『アフロサムライ:レザレクション』を中心に、クールなアニメーションの普及を推進する。
- アジアでの事業展開
- 中国を中心としたアジア圏における有力パートナーとの共同事業展開を推進。現在、マレーシアの政府直属組織FINAS(マレーシア映画振興公社)およびアニメ制作スタジオFUNCELとの共同製作で、マレーシア向けアニメ作品『Satria - The Warriors of the 7 Elements』の制作が進行中。また、シンガポールで3Dアニメ学校を運営するArtFusion Media Schoolと業務提携している。
原作破壊?
作品によって出来のむらが激しく、特に原作つきの作品をアニメ化する際には原作ファンに受け入れがたい完成度となってしまうことがしばしばある。 GONZOといえば原作破壊を連想するアニメファンも少なくないようだ。
その一方で、カレイドスターやSoltyReiのようなオリジナル作品には高く評価されているものが多い。 気合の入りようが作品の出来に反映されやすいのだろうか(「瀬戸の花嫁」といったAICとの共同制作の際はAICの力量が勝り、いい作品を残してる場合が多い)。最近ではストライクウィッチーズのヒットが記憶に新しいところ。
練馬の乱
前述の人員削減のためか、特に練馬に社屋を移動した頃に所属プロデューサーやスタッフらによる独立が相次いだ。ゴンゾのプロデューサー小島勉によると巣立ちと呼べるものから、いわゆる宣戦布告のようなものまであったという。[1]
ちなみに現在のゴンゾに残留しているのは「ドルアーガの塔」や「シャングリ・ラ」を制作した旧第4スタジオと旧第5スタジオのうちStudio五組に移籍しなかった面々を中心としている。
以下はこの時期にゴンゾから分離・独立した会社。
- グラフィニカ - ゴンゾのCG部門が売却され、(株)キューテックの子会社となったもの。
- フッズエンタテインメント - 元ゴンゾの永井理と第1スタジオのスタッフらが独立。
- デイヴィッドプロダクション - 元ゴンゾの沖浦泰斗、梶田浩司、第2、第3スタジオのスタッフらが独立。
- Studio五組 - ゴンゾ第5スタジオのスタッフらが独立。
- エンカレッジフィルムズ - 元ゴンゾの池田東陽、追崎史敏らが設立。
- ランドック・スタジオ - 元ゴンゾ企画部部長の鈴木慎二により設立。
- スタジオグラム - 元ゴンゾの石橋淳によりランドックからさらに分社。
- LAMBDA FILM - 現LMD。旧ゴンゾ創設者の村濱章司により設立。
主な作品
テレビアニメ
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
- ロザリオとバンパイア
- ロザリオとバンパイア CAPU2
- ドルアーガの塔 ~the Aegis of URUK~
- BLASSREITER
- S・A~スペシャル・エー~ (AICとの共同制作)
- ストライクウィッチーズ
- 鉄のラインバレル
2009年
- ドルアーガの塔 ~the Sword of URUK~
- シャングリ・ラ
- アラド戦記 ~スラップアップパーティー~ (GK Entertainmentとの共同制作)
- 咲-saki- (15話以降は制作協力にまわりピクチャーマジックが制作に)
- アフロサムライ:レザレクション
2010年
- アライブ 最終進化的少年 (制作中止)
2011年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
OVA
- 青の6号 (1998年)
- メルティランサー The Animation (1999年)
- ゲートキーパーズ21 (2002年)
- 戦闘妖精雪風 (2002年)
- カレイドスター 新たなる翼 -EXTRA STAGE-「笑わない すごい お姫様」 (2004年)
- カレイドスター Legend of phoenix ~レイラ・ハミルトン物語~ (2005年)
- カレイドスター ぐっどだよ! ぐぅーっど! (2006年)
- ピンキーストリート (2006年)
- マルドゥック・スクランブル (制作中止)
- 爆裂天使 -インフィニティ- (2007年)
- ストライクウィッチーズ (2007年)
- デッドガールズ (2007年)
- 瀬戸の花嫁OVA 仁(2008年、AICとの共同制作)
- 瀬戸の花嫁OVA 義(2009年、AICとの共同制作)
劇場アニメ
- 銀色の髪のアギト (2006年)
- ブレイブストーリー (2006年)
- ペギー・スー 蜃気楼へ飛ぶ (制作中止)
- 龍 -RYO- (2013年, アニメミライ)
- ベヨネッタ ブラッディフェイト (2013年)
Webアニメ
PV
- Linkin Park - Breaking The Habit (2004年)
- Perfume - エレクトロ・ワールド (2006年)
- Perfume - Twinkle Snow Powdery Snow (2006年)
- Perfume - ポリリズム (2007年)
- Blood Stain Child - Freedom (2007年)
- DreamTheater - Forsaken (2008年)
- なめこのPV (2012年)
削除状況
関連会社
中核
- 株式会社ゴンゾ - 旧ゴンゾ。2009年に株式会社GDHに吸収合併され、解散。
- 株式会社ディジメーション - 2002年に(株)ゴンゾと合併したデジタルアニメ制作会社。
- 株式会社GDH - 現ゴンゾ。持ち株会社として設立。2009年にゴンゾを吸収合併し、(株)ゴンゾに社名変更。
子会社
元子会社
- 株式会社ゴンゾロッソ - 現ロッソインデックス。オンラインゲーム事業に参入するも2009年に売却。
- 株式会社GDHキャピタル - 現ザイタス・パートナーズ。ファンドの組成・運営を行う。2008年に売却。
- 株式会社GK Entertainment - 韓国でのアニメーション制作。2009年に売却。
- 株式会社フーチャービジョン - アニメ音楽の制作と著作権管理を目的として設立。2013年に売却。
関連人物
- 村濱章司 - 旧ゴンゾ創設者。元代表取締役社長。現LMD代表取締役。
- 前田真宏 - 旧ゴンゾ創設組の一人。監督。
- 樋口真嗣 - 旧ゴンゾ創設組の一人。監督。現カラー所属。
- 山口宏 - 旧ゴンゾ創設組の一人。脚本家。現在はフリー。
- 飯田馬之介 - 監督。創設当初から関わりが深い。
- もりたけし - 監督。創設当初から関わりが深い。
- 千明孝一 - 監督。青の6号で全話演出を務め、以降ゴンゾを拠点に活動。
- 板野一郎 - 監督として複数のゴンゾ作品を手がける。現在はゴンゾCG班の流れを汲むグラフィニカ所属。
- 池田東陽 - プロデューサー。エンカレッジフィルムズの創設者。
- 追崎史敏 - ゴンゾで活躍したアニメーター。現エンカレッジフィルムズ所属。
- ムラオミノル - 元ゴンゾ所属のアニメーター。現在は漫画家として活動。
- Shuzilow.HA - アニメーター。SoltyReiをはじめ複数のゴンゾ作品に関わる。
- 松浦裕暁 - 元ゴンゾ所属。現サンジゲン代表取締役社長。
- ソエジマヤスフミ - 元ゴンゾ所属のCGディレクター。現デイヴィッドプロダクション所属。
- 海老川兼武 - 元ゴンゾ所属のメカデザイナー。
- 鈴木貴昭 - ストライクウィッチーズをはじめゴンゾ作品の設定、考証を務める。
- 冨岡淳広 - シリーズ構成、脚本家として多くのゴンゾ作品を手がける。
- 小林誠 - 主にプロダクションデザインでゴンゾ作品に関わる。特に千明孝一と組むことが多い。
- 草彅琢仁 - キャラクターデザインやコンセプトデザインとして複数のゴンゾ作品に関わる。
- 村田蓮爾 - 主にキャラクターデザインとしてゴンゾ作品に関わることが多い。
- 鶴岡陽太 - 音響監督として多くのゴンゾ作品を手がける。
関連動画
関連チャンネル
関連項目
外部リンク
- GONZO Web Official Site - 公式サイト
- GONZO NEWS - 公式ブログ
- GONZO - 公式YouTubeチャンネル
- GONZODOGA - 公式YouTubeチャンネル その2
- ゴンゾ公式 (@gonzo_anime) / X
脚注
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