ゴールキーパー(Goal Keeper)とは、ゴール(目標物)のキーパー(守る人)である。様々のスポーツの分野において、ゴールを敵の攻撃から守る役割分担の一つ。
CIWS(近接防御火器システム)のゴールキーパーに関してはCIWSを参照。
サッカーにおけるゴールキーパー
サッカーにおけるゴールキーパーとは、インプレイ中(=スローイン等を除く)において唯一手を使えるポジションである。キーパー、GKと略される。
ゴールを守る最後の砦であり、1ミス=1失点に等しく、時に失点=GKの責任とされてしまうようなかわいそうな役柄だったりする。一方、裏を返せば最もスーパープレーで魅せられるポジションとも言われる。
体のどこでボールに触ってもいいので体格によるアドバンテージが最も大きいポジションであり、世界水準では190cmはザラ、180cm前半でも小柄扱いであり、日本人にとっては悩みの種になりがちである。
日本では「ゴールキーパーは下手な選手がやるポジション」と考えられがち(さすがに近年は傾向も薄まっているが)だが、ヨーロッパでは1番うまい選手がやるポジションと言われている。特にドイツではその傾向が強く、ドイツでは一番人気のあるポジションである。
ゴールキーパーの役割
- セービング
- 相手のシュートを防ぐ。ゴールキーパーの最も重要な役割である。対処としては手でボールを取る(キャッチング)、体のどこかを使って弾く(パンチング等)があり、弾く場合も味方の選手の方へつなぐか、または敵のいないところへクリアすることが望まれる。
- ハイボールへの対処
- ペナルティエリア内へのハイボールを弾くもしくはキャッチする。一人だけ手が使える以上は圧倒的に有利だが、万が一にも遅れを取ったら失点に直結する。
- フィード
- セーブ後またはゴールキックとなった直後、相手の守備陣形が整っていない場合、ゴールキーパーのロングフィード(パス)がカウンターの起点となる。そうでなくとも精度が高いフィードができれば一気にボールを前進させることができ、攻撃の起点として大きな価値を持つ。
- カバー
- ゴールキーパーはディフェンスラインとゴールの間にいる唯一の選手であり、ラインの裏へ出たボールに対して時にペナルティエリア外に出てでも対処する必要性がある。飛び出したのに先にボールに触れなければ失点と同義であるため、取れるボールを見誤らない判断力が特に試される。
- コーチング
- そのポジション柄、チームで最後尾に位置しピッチ全体を見渡すことができ、フリーの相手選手やスペースを見つけやすい。これに対する対処を(大声で)ディフェンダーに指示する。このことから試合中でも言語による意思疎通が大分必要で、母国語圏外でプレーする場合にはネックになる。
- ビルドアップ
- 攻撃の第一歩となる後方でのパス回しでは、ゴールキーパーもパスコースになる。ミスした時のリスクは例によって絶大だが、そうならないだけの足元の技術があれば自軍が1人増えたも同然になる。かつては軽視されていたが、後方で保持するボールを前線で奪おうとするハイプレスの定着などで重視されるようになり、「守備では多少劣るが足元の上手いキーパー」も普通に起用されうる存在になっている。
著名なゴールキーパー
日本人選手
- 松永成立 - ドーハの悲劇の際の日本代表正GK。
- 川口能活 - マイアミの奇跡、W杯フランス大会、W杯ドイツ大会の日本代表正GK。PKセーブに定評がある
- 楢崎正剛 - W杯日韓大会の日本代表正GK。10年以上も川口と代表GKの座を争った。
- 川島永嗣 - 川口・楢崎に代わりW杯南アフリカ大会から長きにわたって日本代表正GKを務めた。
海外選手
- レフ・ヤシン - 元サッカーソビエト連邦代表。20世紀最優秀GK(IFFHS選定)であり、GKで唯一バロンドールを獲得。2019年にはバロンドールのGK専用枠として「ヤシン・トロフィー」が設立された。
- リカルド・サモラ - 元サッカースペイン代表。
- ゴードン・バンクス - 元サッカーイングランド代表。W杯メキシコ大会でのペレのヘディングのセーブが有名。
- ディノ・ゾフ - 元サッカーイタリア代表。
- ネヴィル・サウスオール - 元サッカーウェールズ代表。
- ゼップ・マイヤー - 元サッカードイツ代表。
- ピーター・シュマイケル - 元サッカーデンマーク代表。
- オリバー・カーン - 元サッカードイツ代表。髪の色と相まって獅子のような、凄みのある顔で有名。
- レネ・イギータ - 元サッカーコロンビア代表。積極的に前に出ることが代名詞であり、髪型とサソリセーブで有名。
- ホセ・ルイス・チラベルト - 元サッカーパラグアイ代表。足元がうまく、挙句にゴールまで決めるGK。
- ジャンルイジ・ブッフォン - 元サッカーイタリア代表。代表GKを20年間務め、6度のW杯に出場した。
- エドウィン・ファン・デル・サール - 元サッカーオランダ代表。
- イケル・カシージャス - 元サッカースペイン代表。
- マヌエル・ノイアー - サッカードイツ代表。果敢な飛び出しと足元の技術に定評がある現代的GKの筆頭。
架空のキャラクター
- 森崎有三 - 漫画「キャプテン翼」のSGGK
- 若林源三 - 漫画「キャプテン翼」のSGGK
- 若島津健 - 漫画「キャプテン翼」の登場人物
- ジノ・ヘルナンデス - 漫画「キャプテン翼」の登場人物
- デューター・ミューラー - 漫画「キャプテン翼」の登場人物
- 円堂守 - ゲーム「イナズマイレブン」シリーズの主人公
- 立向居勇気 - ゲーム「イナズマイレブン」シリーズの登場人物
- 三国太一 - ゲーム「イナズマイレブンGO」の登場人物
- 西園信助 - ゲーム「イナズマイレブンGO」の登場人物
ハンドボールのゴールキーパー
ハンドボールは性質上シュートを打たせること自体を防ぐのが難しいので、キーパーが下手なチームはどれだけフィールドプレイヤーが優秀でも勝つことはできない。ハンドボールはコートが狭いためキーパーからのワンパスからのシュートというシーンも多く、珍プレーではあるがキーパーゾーンから直接相手ゴールを狙うこともあるので守りだけでなく攻撃の要でもある。
外からだとサッカーのキーパーと一緒に見えるかもしれないが実際のプレイングや求められる資質はかなり違っている。体育のハンドボールのときにサッカー部のキーパーがやらされて感覚の違いに戸惑うことも多い。逆もよくある。
役割
- セービング
- サッカーと同じくシュートを防ぎ失点を最小限に留める重要な役割。ボールのスピードや重さはサッカーに劣るが、近距離(6~9m)からから放たれる猛烈なシュートから小さいゴールを守らなければいけないので、体全体でのセービングが求められる。ボールが金的や顔面に直撃してもプレーが終わるまではボールを追っかけなければいけない過酷なお仕事。だけどちょっと前に顔面は反則になったから少し楽になった。ルールの性質上、接触プレーがほぼ皆無であるのもハンドボールのキーパーの特徴。ただしボールとの衝突は一番多い。恐らく全てのスポーツのキーパーの中でも一番ボールをぶつけられるポジション。
- 速攻
- ハンドボールはキーパーがボールを取った瞬間からチームがデフェンスからオフェンスに切り替わるスポーツである。なので最初のボール保持者であるキーパーのパス出し次第で速攻の正否が決まるこれまた重要な役割。サッカーと違いキーパーが止めたボールがエンドラインを割っても自軍ボールになるし、キーパーゾーンにフィールドプレイヤーは入って来れない(=リバウンドが少ない)ので速攻の機会は多い。味方の脚力次第ではキーパーのパスでどんどん点を取ることもできる。
- コーチング
- キーパーはコート全体を見通せるため、フィールドプレイヤーに情報を伝えるのも大事な仕事である。相手のポストプレイを伝えたり、味方のパッシブプレイを防いだり(攻撃が消極的だと審判が判断すると手が挙げられ、それでも消極的だと相手ボールになるというルールがある。フィールドプレイヤーは審判をじっと観ている訳にはいかないのでキーパーが審判の挙手を伝えなければいけない)とやることは色々。
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関連項目
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