ゴールデンバウム朝銀河帝国とは、「銀河英雄伝説」に登場する架空の国家。
始祖はルドルフ・フォン・ゴールデンバウム。首都はヴァルハラ星系惑星オーディン。
名称について
作中では、ローエングラム王朝成立までは両国共に銀河帝国または帝国と呼称。新王朝成立後は区別する意味で旧王朝と称される。本稿では歴史的な観点からゴールデンバウム朝銀河帝国とした。以下、特に断りがない限りは銀河帝国または帝国と記す。
歴史・成立前
西暦2801年、世界初の脱地球的統一政体として成立した銀河連邦はこの年を宇宙暦元年とし、人類の生存圏拡大に着手。初期から中期にかけて飛躍的な拡大を遂げ、のちに人類の黄金時代と呼ばれる繁栄を謳歌した。しかし、長すぎる平和とワープ航法の技術的限界、さらに宗教を中心とした精神文化の消滅と言った要因も重なり、末期には中世的停滞と称されるほど退嬰化してしまう。
宇宙暦268年に銀河連邦の軍人家庭に生まれたルドルフ・フォン・ゴールデンバウムはこの状態を憂慮。軍人として宇宙海賊との戦闘で活躍し、宇宙暦296年には少将に昇進。そのまま退役し政界に進出。若手代議員を結集した国家革新連盟を率いて国政改革に辣腕を振るう。熱烈な大衆の支持を得ることに成功したルドルフはさらに権力を掌握すべく、不文律によって禁じられていた銀河連邦の首相と国家元首職を兼任。のちに終身執政官を名乗り、さらには宇宙暦310年(帝国暦元年)に至って自ら「神聖にして不可侵たる」銀河帝国皇帝ルドルフ1世を称し皇帝に即位。歴史上初の人類統一王朝を成立させた。
成立後~自由惑星同盟まで
皇帝即位まで大衆の支持を得ていたルドルフであったが、即位後は反体制派の弾圧を強化。社会秩序維持局を通じ、拷問・流刑・裁判によらない殺害など非人道的な政策を推し進める。やがてその狂気は一般民衆へも向けられることとなった。帝国暦9年には劣悪遺伝子排除法を制定。身体障碍者・精神異常者とみなした人間を安楽死・断種・ロボトミー手術で廃人にする、福祉政策の撤廃など圧政を敷く。一方、建国の功臣に対しては優れた遺伝子を持つ者として優遇し、爵位や免税特権を与えるなどのちに帝国を支える貴族制度の礎を築くこととなった。
これら一連の悪法や弾圧には大衆も鼻白み、帝国議会に一部残っていた共和勢力が巻き返しを図るが、これに対しルドルフは議会の解散を宣言。名実ともに専制君主となり、もはや反対勢力は皆無となった。ルドルフ生存中、一説によれば全人類の十分の一がその圧政により命を失ったと言われる。
帝国暦42年、ルドルフが崩御すると共和主義者の残党は一斉蜂起するが、後をついだルドルフの長女の子ジギスムント1世と父である帝国宰相ヨアヒム・フォン・ノイエ・シュタウフェン公爵の活躍、さらにルドルフが半世紀に渡り築いた常備軍と官僚組織の強固さの前に反乱は鎮圧される。共和主義者およびその縁者は基本的人権をはく奪され、辺境星域に農奴として送られ、ここに帝国の荘園制・貴族社会は確立した。
自由惑星同盟からラインハルト台頭まで
帝国の支配はもはや揺るぎないものに思えた。しかし、長い平和と飼いならされた領民が増えすぎたため、官憲の能力も相対的に低下。帝国暦164年、奴隷階級としてアルタイル星系において強制労働に就かされていたアーレ・ハイネセンらが星系を離脱、未知の宇宙を目指して逃亡すると言う事件が起きる。帝国側は当初、全くこの事件に関心を示さなかったが、彼らは帝国暦218年に居住可能な惑星を持つ安定した恒星群へと到達。宇宙暦を復活させ自由惑星同盟の建国を宣言する。そして帝国暦331年、ついに帝国に発見されダゴン星域会戦が発生。帝国側の油断と指揮系統の混乱、自由惑星同盟側の士気の高さと将兵の優秀さもあり、帝国は歴史的な大敗北を喫する。
混乱の中で帝位についた第23代皇帝マクシミリアン・ヨーゼフ2世は帝国の立て直しに着手。民政を重視し、劣悪遺伝子排除法を有名無実化するなど一定の成果を挙げる。これにより同盟と帝国民衆が手を組む最悪の事態は避けられたが、同時に内政を優先せざるを得ず大規模な遠征は行えなかった。後をついだ第24代皇帝コルネリアス1世は逆に大規模親征を挙行。一時は同盟首都星ハイネセンへと迫る勢いだったが、帝国本国で宮廷クーデターが発生したために撤退を余儀なくされる。この撤退戦は厳しいものとなり、以降の親征は行われなかった。
一方の同盟も帝国からの流入者の増大で量的な膨張を遂げたが、彼らの中には宮廷闘争に敗れた貴族や犯罪者も混じっており、質的な変遷は避けられなかった。しだいに建国の精神は忘れられ、ただ反帝国のみをよりどころとした政治的紐帯をもとに戦闘が行われる事態が常態化して行く。この間隙をつき、帝国暦373年には地球出身の商人レオポルド・ラープが賄賂と計略をもってフェザーン星系の第二惑星に自治領を建設。帝国領フェザーン自治領を名乗る。彼らは帝国と同盟の交易を独占し、その権益を守るために裏に表に現状維持政策を追求。巧みに国力・軍事力の均衡を維持し、宇宙は三国鼎立の趣さえ帯びはじめていた。
ラインハルト台頭~滅亡まで
この永遠に続くかと思われた戦乱の終結には一人の時代の寵児誕生を待たねばならなかった。帝国暦467年3月14日、帝国の首都星オーディンに下級貴族セバスティアン・フォン・ミューゼルの長男として生まれたラインハルト・フォン・ミューゼルは、姉を第36代皇帝フリードリヒ4世に奪われたことから皇帝ひいては帝国とその貴族制度を憎み打倒を決意。軍人として大きな戦果を挙げ、帝国暦487年には元帥に昇進する。
同年にフリードリヒ4世が崩御すると、クラウス・フォン・リヒテンラーデと共にエルウィン・ヨーゼフ2世を擁立。不満を抱いたオットー・フォン・ブラウンシュヴァイクら帝国貴族はリップシュタット貴族連合を結成するも、民衆の支持を得たラインハルト陣営の前に惨敗を喫する(リップシュタット戦役)。戦後、中央政界から貴族は追放され、荘園や免税特権は解体・はく奪された。同時に彼ら貴族の力によっていた皇帝の権力も急速に衰えて行き、ゴールデンバウム王家はその帝権を実質的に失うこととなった。
帝国暦489年、エルウィン・ヨーゼフ2世はフェザーンに亡命していた貴族の手により同盟へと亡命。ほどなく廃位され、第38代皇帝に生後8か月のカザリン・ケートヘン1世が女帝として即位した。同年、ラインハルトは”神々の黄昏”作戦と呼ばれる同盟への大侵攻を挙行、同盟を併呑する。オーディンに帰還したラインハルトは満を持してカザリン・ケートヘン1世の親権者ペクニッツ公爵を通じて退位を強制させ、自らに帝位を譲渡させた。
これにより38代490年に渡ったゴールデンバウム王朝は、その終焉を迎えたのである。
社会と軍事制度
言うまでもなく専制君主制。ルドルフ時代は皇帝による親政が行われていた。各省庁のリーダーが尚書として皇帝に直接仕える方式もその名残である。もっとも、第2代皇帝ジギスムント1世の時代には帝国宰相が置かれ、その後は親政が行われるかどうかはその皇帝の能力と性格によっていたようである。ただし、歴史が下るにつれ帝国宰相は「歴代皇帝」オトフリート3世の項に後述する理由によって空位の事が多くなり、国務尚書が実際の国政を主導するようになった。
これら帝国組織の他にも、後述する各帝国貴族には領地において広範な自治権が与えられており、ブラウンシュヴァイク公やカストロプ公、リッテンハイム侯のように私兵を持つ者も存在する。このため地方反乱も頻発しており、必ずしもその権威は一枚岩とは言えなかった。
軍事については同盟と技術的な差はほとんどなく、あったとしても直ぐに対抗手段が取られていたとする描写が存在する。ただし、末期からローエングラム王朝期まで激しい争奪戦が行われたイゼルローン要塞、それよりやや旧式小型とされるものの貴族連合の拠点となりワープによりイゼルローン戦に導入されたガイエスブルク要塞など、静的な兵器については明らかに同盟を上回っていた節もある。その理由としては、同盟がアッシュビーを中心とした機動戦論者が幅を利かせていたことと、第二次ティアマト会戦での大敗により帝国が防衛戦を志向したことが大きく、またその体制故に資金的にも潤沢であったことが挙げられる。また、指向性ゼッフル粒子の開発は帝国が同盟に技術的に先んじた例といえるだろう。
その他同盟との違いについては階級に上級大将が設けられている点が挙げられる。これは開祖ルドルフがかつてのドイツ軍を模したとも考えられるが(ただし、旧ドイツ軍には准将が存在せず将官は少将から上級大将までの4階級だったのに対し、銀河帝国軍には准将が置かれ将官は5階級制という違いがある)、軍組織が巨大過ぎる故に大将の比率が大きく、かと言って全軍の最高指揮官である元帥を増やす訳には行かないと言う旧ドイツ軍と同様の理由もあったものと推測される。
社会機構そのものが身分制度を前提としており、当然ながら軍隊でもその傾向が顕著である。ただし、ダゴン星域会戦や第二次ティアマト会戦の大敗から同盟との対抗上、多少の実力主義的気風や人事傾向は存在しており、こと第二次ティアマト会戦における「軍務省にとって涙すべき四〇分間」の影響から、その末期は平民出身の将官もそれほど珍しいものではなくなっていた。彼ら平民と下級貴族の支持を集めたのがラインハルトであり、そう言った意味で帝国軍こそ新王朝の母体であったと言えなくもない。
社会風俗に関しては押しなべてゲルマン調の文化であり、これは貴族から平民の姓名と習慣まで同様である。こう言ったどことなく前近代的な生活様式と低福祉・高税率(!)のためか、または人的資源については潤沢なためか、末期の同盟ほどの極端なインフラ衰退は見られない。もっとも第五次イゼルローン要塞攻略戦に見られた味方殺しや捕虜になることを忌避する価値観もあり、戦死率は同盟とそれほど変わらなかったようだ。
宗教については西暦でほぼ潰えたとする同盟側の歴史観も存在するが、帝国においては北欧神話をもとにした死生観や信仰が存在している(宗教と称しえる程度に組織化されたものでは無いようである)。また、地球がその版図にあるためか、地球教の浸食も同盟以上に進んでいるとされる。
社会そのものは戦争と関係なく衰退期を迎えており、銀河連邦当時3000億を数えた人口も、現在では250億ほどに低下している。
門閥貴族
帝国を支えていた身分制度の中心を担っていたのが門閥貴族と呼ばれる特権階級である。特権の具体的な内容は定かではないが、領地を持ち租税などで一定の免除が受けられる。また、麻薬を除いては刑事・民事において裁判を優位に進められるなどの特典があった模様。当然、兵役も免除されていたが、元帥位にあったオットー・フォン・ブラウンシュヴァイクのように貴族の特権として軍人ないし軍での階級を持つことは多かった。
始まりは上述のようにルドルフが建国の功臣に与えたものだが、戦争による武勲、次男以下が独立した際の叙任、時の皇帝の寵臣・寵妃に与えた例など暫時増加し、王朝末期には数千家を数えたと言う。また、ゴールデンバウム王朝そのものが特に男系にこだわらなかったためか、女性でも家を継ぐことは(異端ではあったが)問題なく、ヴェストパーレ男爵夫人やマリーンドルフ伯爵令嬢ヒルデガルド(相続前に婚姻)ら有能な人物を輩出している。
初期こそは有能な者・働き者の遺伝子をよりよく保存すると言う大義が存在したが、徐々に腐敗・退嬰化して行く。生業は自領における農民への租税(事実上の収奪)や辺境の鉱山開発利権の奪い合い、売官や賄賂であり、下級貴族の出身でありながらラインハルト陣営についたロイエンタールは「制度化された盗賊」と揶揄している。
当然、議会は存在しないため中央政界は彼ら門閥貴族と官僚によって占められていた。主に園遊会やパーティーと言った場で政策はもちろん皇帝の候補まで取り決められており、直系子孫でも有力外戚なしに即位はできず、また即位しても逆らうことができない状態が慢性化していた。
ただし、これら門閥貴族を中心とした身分制度が帝国の礎であり、厳しい統制が500年に渡る王朝を曲がりなりにも維持した側面があることは事実である。
末期に至るまでその権勢は衰えることはなかったが、リップシュタット戦役における貴族連合の敗北により門閥貴族のほとんどが粛清され、特権のはく奪・財産没収・税制の公平化により凋落の一途をたどる。彼らの支持に基礎を置いていたゴールデンバウム王朝にとって、これが致命傷になったのである。
残党はその後、フェザーンや同盟に逃亡。伯爵ヨッフェン・フォン・レムシャイドや伯爵アルフレット・フォン・ランズベルクを中心とした銀河帝国正統政府に糾合されるが、後ろ盾となるはずだった同盟の国力低下と民心の離反からもはや脅威とはならなかった。
皇帝が直接民を統治するローエングラム王朝になってからも当然ながら冷遇が続き、わずかに与えられた補償金も使い果たして没落する家門が続出した。もっとも、ラインハルトは建国の重臣に対して爵位を授けることはなく、逆にはく奪することもしなかったため、制度上は旧王朝の爵位を名乗ることや誇ることを禁じられた訳ではない。ローエングラム王朝下でも存続した貴族としては、マリーンドルフ伯爵家、シャフハウゼン子爵家、キュンメル男爵家(当主ハインリッヒの死により断絶)、ハッセルバック男爵家などがある。
歴代皇帝
「神聖にして不可侵たる」銀河帝国皇帝は「全宇宙の支配者、全人類の統治者」という称号を名乗っていた。それは自由惑星同盟の成立までは真実であり、自由惑星同盟を認めない帝国から見ればその滅亡まで事実であった。
- ルドルフ(1-42)
「大帝」。強力なリーダーシップで王朝の基盤を築き上げるが、晩年は健康と継承問題に悩まされた。 - ジギスムント1世(42-?)
ルドルフの長女カタリナとノイエ・シュタウフェン公爵ヨアヒムの子。
ルドルフが男子に恵まれず、唯一の男子も出産直後に夭折した(直後に医者や母親が処刑されており、先天性白痴だった可能性が示唆されている)ため、彼の時点で王朝の男系は断絶している。 - リヒャルト1世(?-?)
芸術や狩猟を愛したが、政治を擲つことはなく無難な治世となった。 - オトフリート1世(?-123)
「灰色の皇帝」。趣味的なものは一切有せず、保守的を通り越して官僚主義化した。
そのためそのスケジュールを管理する政務秘書官エックハルト子爵の専横を招くこととなった。 - カスパー(123-124)
同性愛者。同性愛者を劣性とみなしたルドルフの皮肉な子孫。エックハルトの娘との婚姻を断り、誅殺するようリスナー男爵に命令、騒動のさなかに溺愛するカストラートの少年フロリアンと姿を消す。 - ユリウス(124-144)
オトフリート1世の弟。帝位についた時76歳、息子フランツ・オットーの才覚が期待されて立てられたショートリリーフのはずが20年に渡って帝位に留まり、そのうちにフランツ・オットー大公が寿命を迎えてしまった。その長男は早世していたため皇太曾孫となったカールに長寿を恐れられ、暗殺される。 - ジギスムント2世(144-159)
「痴愚帝」。フランツ・オットー大公の次男の息子(フランツ・オットーの子は皆早世したのだろうか)、ブローネ侯爵。先帝の暗殺について密告を受け、カールを引きずり降ろして帝位につく。財貨を欲するあまり国政を売り物として「史上最悪の黄金狂」と呼ばれ、最終的に皇太子オトフリートが廃位・軟禁に追い込んだ。 - オトフリート2世(159-165?)
「再建帝」。徴税権の売却といった先帝の暴政を収め、体制を元通り再建して名君と呼ばれたが、その過程で得た多大な過労により在位6年にして崩御。 - アウグスト1世(165?-?)
「後宮の凡君、国政の名君」。私生活は放蕩で長髪の寵姫が病死した際、悲しみの余りその遺髪を食べて胃壁に刺さり一騒動起きるなど褒められたものではないが、国政では父の方針を受け継ぎ、公正で堅実な為政者として大過ない治世を送った。 - エーリッヒ1世(?-?)
- リヒャルト2世(?-?)
- オットー・ハインツ1世(?-?)
- リヒャルト3世(?-247)
皇太子アウグストを快く思わなかったが、長男であり知能にも問題がないため廃立できなかったという。 - アウグスト2世(247-253)
「流血帝」。人類史上最悪のシリアルキラー。父リヒャルト3世の寵姫たちを切っ掛けに無数の人間を処刑。直感と快楽に任せたその粛清は無辜の市民から皇族や貴族にも平等に及び、死者は最大2000万に上ると言われる。皇族であるリンダーホーフ侯爵エーリッヒの叛乱を受け、腹心であった近衛旅団長シャンパーク准将によって殺害された。 - エーリッヒ2世(253-?)
「止血帝」。第14代リヒャルト3世の従兄弟。辺境の所領でアウグスト2世の出頭命令を受け、身の危険を感じて挙兵。戦意の無い鎮圧軍をトラーバッハ星域会戦で破り、第15代皇帝として恐怖に包まれた帝国を再建した。彼のもとで活躍したのが、のちにラインハルトがその名跡を継ぐコンラート・ハインツ・フォン・ローエングラムである。 - フリードリヒ1世(?-?)
- レオンハルト1世(?-?)
- フリードリヒ2世(?-?)
- レオンハルト2世(?-330?)
皇后クリスティーネの意見を容れ、甥フリードリヒを養子として立てた直後に急死。陰謀が囁かれる。 - フリードリヒ3世(330?-336?)
「敗軍帝」。先帝レオンハルト2世の甥でその養子になり、直後に先帝が崩御したため後を継ぐ。
ゴールデンバウム王家が完全な停滞期に入った「灰色の時代」の皇帝で、自由惑星同盟との最初の接触に際して三男ヘルベルトを討伐軍司令官に任じたが、ダゴン星域会戦で大敗を喫した。 - マクシミリアン・ヨーゼフ1世(336?)
先帝フリードリヒ3世の異母兄。ヘルベルトの敗北でフリードリヒ3世の息子たちの後継者争いが激化したため、兄弟を直接後継者にすることを避けショートリリーフとして帝位に就く。 - グスタフ(337?)
「百日帝」。フリードリヒ3世の長男で、生来病弱。わずか三ヶ月で暗殺された。 - マクシミリアン・ヨーゼフ2世(337-357)
「晴眼帝」。フリードリヒ3世の庶子で、帝位を望まなかったが兄弟の失脚もあり病床のグスタフに帝位を譲られる。暗殺未遂を受け毒薬で失明するも、皇后ジークリンデと「弾劾者」司法尚書ミュンツァーの補佐を受けて国内の統治に専念し揺らいだ帝国を立て直した、ゴールデンバウム王朝中興の祖。 悪名高い劣悪遺伝子排除法を有名無実化した事でも有名。 - コルネリアス1世(357-?)
「元帥量産帝」。マクシミリアン・ヨーゼフ2世のまた従弟として先帝の養子になり、内政面では先帝に匹敵する治績を挙げたが、養父の偉大さゆえ「距離の暴虐」を打ち破って同盟領への親征を企図。優れた軍事的才覚をも示して慢心していた同盟軍に勝利したが、ハイネセンを目前に宮廷クーデターを受け撤退を余儀なくされた。とかく元帥号を濫発する悪癖が別名の由来。 - マンフレート1世(?-?)
- ヘルムート(?-398)
庶子が数多かったという。 - マンフレート2世(398-399)
「亡命帝」。幼いころ宮廷内の争いから同盟に亡命していた時期があり、停戦と対同盟宥和を図ったが在位1年で暗殺されたため、既得権益を守ろうとしたフェザーン自治領の暗躍が囁かれている。 - ウィルヘルム1世(?-?)
先帝が夭逝しており、血縁関係は不明。 - ウィルヘルム2世(?-?)
その治世のさなか、次男アルベルトが宮殿の地下迷路を探索に出たまま行方不明となった。後継争いを恐れた実母ドロテーアが逃したとも、息子である長男コルネリアスを帝位につけんとする皇后コンスタンツェの陰謀とも言われている。 - コルネリアス2世(?-?)
在位20年で子をなさぬまま重病に陥った時、突然行方不明の弟アルベルトを騙る男が現れて次期皇帝候補として脚光を浴びた挙句、膨大な献上品とともに姿を消した「にせアルベルト大公事件」が発生した。次代オトフリート3世はそののちに誕生したか、近縁の男子を皇太子として立てたかのどちらかと思われる。 - オトフリート3世(?-?)
若い頃から有能で知られ、皇太子時代には帝国軍三長官を兼任し帝国軍最高司令官を務め、帝国宰相の任にあった。 しかし帝位についた後は周りで蠢く陰謀から猜疑心が増大、毒殺を恐れて食事を摂らず衰弱死した。彼の後、暗黙の了解により帝国宰相の地位は国務尚書が代行し、空位とされることとなった。 - エルウィン・ヨーゼフ1世(?-?)
- オトフリート4世(?-?)
「強精帝」。超銀河リアルハーレム帝。後宮に5000人とも1万人とも言われる寵姫を抱え、在位5年の末ベッドの上で死んだ。その時点で庶子含め624名の子がいたとされる。 - オットー・ハインツ2世(?-?)
- オトフリート5世(?-456)
度を過ぎた吝嗇家。 とにかく金を使いたがらず、イゼルローン要塞の建設責任者セバスティアン・フォン・リューデリッツ伯爵が建設費用の超過の責任をとって自害を余儀なくされたほど。放蕩者の次男も苦労したという。 - フリードリヒ4世(456-487)
原作開始時期の皇帝。
もともと先帝の次男で帝位継承の予定はなく放蕩を尽くしていたが、兄と弟が帝位争いで共倒れした結果お鉢が回ってきた。そのため貴族の後ろ盾がなく逆にその圧力の無い政治を展開し得たが、王朝の行く末について悟ったような節があり、悪政を敷くでも善政を志向するでもなく、徐々に衰退する王朝に何らの手も打つことはなかった。そのため在位30年に至っても特段の治績もなく、帝国自体がただ惰性で動いている状況にある。
若い頃は熟女スキーだったがやがてロリコンにシフトし、アンネローゼ・フォン・ミューゼルを召し出したことがある意味で物語全ての始まりとなった。 - エルウィン・ヨーゼフ2世(487-489)
「幼帝」。先帝フリードリヒ4世の皇太子ルードヴィヒの長男。父の早世で皇太子が空位となり、フリードリヒ4世が継承者を決めずに崩御したためリヒテンラーデ=ローエングラム枢軸の支持を受け弱冠5歳で帝位に就く。ローエングラム体制の完全な傀儡であったが、ランズベルク伯らによる「救出」と亡命の結果、廃位された。 - カザリン・ケートヘン(489-490)
三代前の皇帝の第3皇女の孫でペクニッツ子爵家の生まれ。ゴールデンバウム朝初にして唯一の女帝。
傀儡を必要としたラインハルト・フォン・ローエングラムによって生後8ヶ月で帝位に就き、その公務は父が代行した。ラインハルトの戴冠に伴い(父が)退位宣言書と譲位宣言書に署名し、ゴールデンバウム王朝は滅亡した。
- ルードヴィヒ3世
エルウィン・ヨーゼフ2世から見て「先々帝」とされる人物。
カザリン・ケートヘン1世即位の際にオーベルシュタインが言及したが、本来その位置は第35代オトフリート5世が占めるべき座であり、石黒監督版OVAではオトフリート5世に改められている。 - ゲオルク2世
ランズベルク伯アルフレットの五代前の先祖の時代の人物で、新無憂宮に秘密の地下通路を建設するよう命じた。31代オトフリート3世から33代オトフリート4世ごろの皇帝に比定できるが、1世含め外伝一巻の皇帝一覧に無く詳細不明。OVAのランズベルク伯の台詞では「時の皇帝に~」とぼやかされている。
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