ゴールデン降格とは、主に深夜などに放送されていたテレビ番組がゴールデン・プライムタイムに枠移動した際に、深夜時代のような人気が得られず、視聴率が低迷し短命に終わったり、または視聴率的にはそこそこの数字を記録し放送は続いているものの、テコ入れにより深夜時代のエッジが効いた番組作りが影を潜めてしまった番組を揶揄することを表す言葉である。
概要
深夜番組が人気を獲得してゴールデンタイムに移動する事例は、1990年代後半あたりから見られるようになった。それまではトライアル版として特番枠で数回放送して、好評だった場合にレギュラー番組化するのが通常であったが、深夜枠で高視聴率を獲得し話題を呼ぶ番組が増えてからは、深夜の人気番組を安易にゴールデンタイムへ昇格させる例も同様に増えてきたのである。
しかし、深夜で高視聴率を獲得したからと言って、ゴールデン・プライムタイムで成功するかと言えば、決してそうではない。その理由は、
これらの要素を見落とし、安易にゴールデン帯へ枠移動した結果爆死してしまった番組が多いことから、このように呼ばれるようになってしまったという訳である。
ゴールデン降格の例
視聴率低迷・短命打ち切りパターン
ここではゴールデン降格後概ね1年以内に打ち切られた番組を記述することとします。該当番組があれば適宜追加してください。
- オリキュン(フジテレビ)…当時デビュー4年目の超若手・オリエンタルラジオの深夜冠番組が僅か3カ月でゴールデンに異動し、史上最速出世記録と謳われたが、まだ早すぎたためか短命に終わってしまった。
- カルトQ(フジテレビ)…深夜ならではのクイズ番組を日曜プライム帯に持ってくると言う話には、きっと誰もが耳を疑っただろう。深夜のままだったら、きっともっと続いていただろうに。
- クイズ仕事人(朝日放送)…関西ローカルの金曜深夜時代に視聴率20%を記録したことで鳴り物入りで全国ネットのゴールデン枠に昇格したが、関東では3%前後と大苦戦(関西では15%程度を記録していた)。司会の島田紳助と解答者の円広志による陰険な掛け合いが関西では笑いに繋がったが、関東の人には嫌みに見えて受け入れられなかったのだろう。時間帯の違いというより、東西文化の違いを見誤った典型的なパターンと言える。
- くりぃむナントカ(テレビ朝日)…ゴールデンでも何とかなると思ったのだろうか。
- サルヂエ(中京テレビ・日本テレビ)…お笑いマンガ道場以来となるメジャー時間帯での名古屋発全国向け番組を目指したかのように見えたが、視聴率が低迷し1年ちょっとで打ち切られた。
- トーキョーライブ22時(テレビ東京)…深夜にトライアル扱いで放送された「トーキョーライブ24時」が好評だったためゴールデン枠でレギュラー化されたが、深夜枠に適した緩さが時間帯にマッチせず1年で終了。出演者はイチゲンさんを尋ねる番組にリニューアル後、もう1年続投した。
- 特命係長只野仁(テレビ朝日)…「フン!フン!フン!」をゴールデンタイムでやってしまうという暴挙に出た。
- 世界は言葉でできている(フジテレビ)…同じく深夜から異動し、それなりに成功を収めた「はねるのトびら」が視聴率低迷により打ち切られた後枠に入ったが、更に数字がダダ下がりし、ゴールデン降格後わずか3カ月で打ち切られた。
- ピカルの定理(フジテレビ)…プライム帯を含めると降格後1年半は放送されていた。水曜10時時代はそこそこの数字を稼いでいたが、ゴールデン進出後特に酷く落ち込んでしまった。
- 人志松本の〇〇な話(フジテレビ)…ゴールデン進出には失敗したが、その後元の深夜枠に戻った珍しい事例。ゴールデン初期はまずまずの視聴率であったが、不運にも松本が入院してしまったためかその後低迷した。
- Matthew's Best Hit TV+(テレビ朝日)…ゴールデン特番で好成績を記録したために降格。深夜時代の毒気が抜けてしまい、短命に終わってしまった。
- マネーの虎(日本テレビ)…人志松本の〇〇な話と同様、深夜(未明)→ゴールデン→深夜(23時台)という枠移動を辿った。ゴールデン時代の成績はノーマネーでフィニッシュしてしまった。
番組内容が変わってしまった等のパターン
視聴率的にはゴールデン帯でもそれなりに人気を集め、ある程度放送が継続したが、ゴールデン向けの内容に変わってしまったため深夜番組時代のファンからは不満の声が多かった番組を記述します。
- 愛のエプロン(テレビ朝日)…出演者が異常にマズい料理を作ってしまい、食べずに捨ててしまう等、食べ物を無駄にする内容が深夜ではウケたが、ゴールデン帯では視聴者に配慮しマイルドなものになってしまった。
- 銭形金太郎(テレビ朝日)…ビンボーさんを取り上げる番組がいつの間にか激安店を探す番組に変わってしまった。
- やりすぎコージー(テレビ東京)…AV女優を扱う企画など、きわどい企画が放送されなくなった。月9の裏という厳しい枠に当たったこともあり、視聴率的にもテレ東の平均よりやや下の水準と苦戦したが、やりすぎ都市伝説の回だけは10%前後を記録するなど強かったため、特番としての放送は現在も続いている。
深夜帯復帰パターン
ゴールデンタイムでの放送後、再び放送枠が変更され23時以降の時間帯に戻ってくるパターンもある。スポンサーの撤退、放送時間も減少するなど一見すると扱いが悪くなったように見えるが、ある意味元鞘に収まる形になるので深夜帯からのファンにとっては一安心という展開と思われる。
- モヤモヤさまぁ〜ず2(テレビ東京)…ゴールデン進出、さらに朝の兄弟番組も放送されるなどパワーアップしつつもゆるい雰囲気はそのままにモヤモヤしてきたが、2022年にプライムタイムへの放送枠に移動した。
- アメトーーク(テレビ朝日)…23時台の枠に加えて日曜のゴールデン枠でも放送するという形式だったが、ゴールデン枠を終了し再び23時台の枠一本となっている。
- しくじり先生(テレビ朝日)…「ゴールデン進出そのものがしくじり」と揶揄されることもあったが、幾多の苦難を経て2019年より深夜枠で放送中。
関連項目
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