一般に、ゴールドカードとはクレジットカードの一種である。
クラシックカード(一般カード)の上級カードとしてカード会社が募集しているものをさし、年会費を高くする反面、保険や空港ラウンジに代表される様々な特典を与え、利用限度額も他のカードより高くしているのが特徴。
などがそれである。
なおアメリカン・エキスプレス・カード(年会費12,960円)やダイナースクラブカード(年会費23,760円)、ラグジュアリーカード Mastercard Titanium Card(年会費54,000円)などは一般カードながら、他社のゴールドカードやプラチナカード級の年会費と相応のサービスが充実してるため、実質的にゴールドカードやプラチナカードとして扱われており、一般カードでさえ所持するだけでも他のゴールドカードよりステータスが高いとも言われる。特にラグジュアリーカードは一般カードそのものがブラックカードと同等とも言われるほどステータスが高いカードとして知られる。
「ドラゴンクエストII」や「桃太郎電鉄シリーズ」にも同名のアイテムが存在する。
また、通販番組の「QVC」でネックレスにつけるものでもある。保証書はつけない。
概要
先述したとおり、ゴールドカードは一般クレジットカードより高いランクのカードとしてカード会社が募集を行なっている。年会費は銀行系カードの場合、1万円程度としている物が多い。
入会審査は一般のカードより厳しく、中には「30歳以上」のような年齢制限、それに「年収500万円以上」のような所得による制限を設けているものも存在する。
しかし最近はカード会社も増収のため、ゴールドカードの発行に力を入れており、以前ほど取得難易度は高くないといえる。そもそも最近はその会社のサービスを常用するのがゴールドカード前提だったり、更なる増収が見込めるプラチナカードの発行を増やすために、ゴールドカードを段階的に改悪してるケースも目立つくらいなので、ますます取得難易度が下がっていたりする。
年会費を2000円~3000円程度に抑え、サービスも一般カードと従来のゴールドカードの中間くらいに抑えた、「低価格ゴールドカード」も最近では発行されている。
2023年10月に行われたインターネットでの標本調査によれば、「初めてゴールドカードを持ったきっかけ(理由)として、最もあてはまるもの1つをお答えください。」という質問に対して「ポイントやマイルが貯まりやすいから」という回答が1位(20.6%)であり、「ステイタス感が魅力的だったから」という7位の回答(4.2%)を大きく引き離している[1]。「ステイタスがあるから」ではなく「お得だから持つ」人が多数派になっていると言えるだろう。
代表的なゴールドカード
- 三井住友ゴールドカード
- 年会費10,000円(税抜)、VISAブランドの日本における創始者である住友クレジット→三井住友カード発行の、正に王道といえるゴールドカードである。なお年会費は、「マイ・ペイすリボ」と呼ばれるサービスに登録することで、4,200円まで抑えることが可能。
- 入会出来るのは30歳以上の者であるが、20代の為に同社は「三井住友プライムゴールドカード」(年会費5,250円)の発行も行なっている。過去には「三井住友ヤングゴールドカード20s」(年会費3,150円)の発行も行っていた(2012年9月30日付けで新規受付を終了)。
- ローソンでこのカードを提示した場合、店長が飛んできて土下座されることがあるという。
- 「VISA」ブランドと「MasterCard」ブランドの2枚持ちも可能。
- 20代向けのゴールドカードである「三井住友プライムゴールドカード」の会員は、満30歳に達して以降の最初のカード更新時に「三井住友ゴールドカード」へ自動的にランクアップする。
- 上位カードに「三井住友プラチナカード」があり、こちらも有名なカード。三井住友カードの利用歴が少ないと銀行系のカードだけに条件が厳しいが、三井住友カードをメインにしているとインビテーションが届くことも少なくない。
- 都市伝説レベルだが最上位カードに「三井住友インフィニットカード」が存在するのではないかという疑惑もある。しかし情報社会の現代において情報が出て来ないところを見ると、おそらく存在する可能性は低い。
- 電子マネー「iD」一体型も発行可能。
- JCBゴールド
- 日本の唯一無二の国際ブランドであるJCBが発行するプロパーカード「JCB ORIGINAL SERIES」の一種。
年会費は¥10,000(税抜)で、先述した三井住友ゴールドカード同様、王道といえるゴールドカードである。 - 三井住友ゴールドカードとは違い、こちらは20歳以上の安定継続収入のある者が入会可能である。但し、この条件を満たしていたとしても、学生は入会することができない。
- 空港ラウンジサービスやグルメ優待サービスなどが受けられる。
- JCBプレミアムカード会員情報誌「THE GOLD」が毎月送付される。
- 20代向けのゴールドカードである「JCB GOLD EXTAGE」の会員は、初回更新時(入会から5年後)に審査通過の上でJCBゴールドへ自動切替となる。
- 年間のショッピング利用合計金額(集計期間:12/16~翌年12/15)が2年間連続で¥1,000,000(税込)以上となった会員には、ワンランク上のゴールドカードである「JCBゴールド ザ・プレミア」の招待Eメールが送付される(但し、会員専用サービス「MyJCB」へのメールアドレス登録が必須である) ゴールドカードではあるものの、付帯サービスからプラチナカード級と言われることもある。
- 2017年10月よりJCBプラチナの発行が開始された。プラチナ級である「JCBゴールド ザ・プレミア」からあえて切り替えるほどの意義はさほどでもないが、年会費25,000(税抜)の割にはサービスが非常に充実しているため、招待制でないことも含め、一般カードやJCBゴールドから切り替えるだけの価値はあるカードとなっている。
- 更に最上位のブラックカードである「JCB THE CLASS」が存在する。目安としてはJCBのプロパーカード(基本はゴールド以上)による高額決済を続けていると招待状が届く。目安としては2年連続¥3,000,000以上の決済、または通算で¥15,000,000以上の決済で招待状が届くケースが多いとのこと。
- 「ディズニー・デザイン」も発行可能。
- 電子マネー「QUICPay」一体型も発行可能。(但し、ディズニー・デザインの場合は発行不可。)
- 日本の唯一無二の国際ブランドであるJCBが発行するプロパーカード「JCB ORIGINAL SERIES」の一種。
- アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード/アメリカン・エキスプレス・グリーン・カード
- ゴールドは年会費29,000円(税抜)とゴールドカードとしては年会費が高いが、それに恥じないサービスが付帯していることから、実質プラチナ級とも言われるほど、各種ゴールドカードの中でも最上位カードのひとつに位置づけられる。
- グリーンですら年会費12,000円(税抜)と既に一般カードの時点で並のゴールドカードよりも高いため、グリーンの時点でもステータスとしてはゴールドカード以上とも言われる。
- どちらもプライオリティ・パスのスタンダード会員に無料登録可能。(日本のプラチナカードの場合、最上位のプレステージ会員に無料登録できる場合が多い)
- グリーンとゴールドの大きな違いは、キャンセルプロテクションの有無と海外旅行保険のみで、基本的にはほぼ同等のサービスを受けられる。
- アメックスの上位カードであるプラチナとブラックはいずれも招待制の為、どちらかのカードで利用実績を踏まないとプラチナカードにすることはできず、ブラックカードに至ってはプラチナで利用実績+αを積まなければならない。
- ブラックカードである最上位カードのアメリカン・エキスプレス・センチュリオン・カードは「これ1枚で戦車が即買える」と言われており、その所以は利用金額に上限がないことから来ている。
- 余談ではあるが、世界の大富豪があえてグリーンカードを持っているというエピソードがある。理由は簡単で、プラチナとブラックの年会費がめちゃくちゃ高く、特にセンチュリオンカードの場合は入会費50万円、年会費35万円(いずれも税抜)で、初年度は85万円(当然税抜)もかかる。そりゃ倹約したい人なら敬遠するのは当然である。もっとも話に上がるレベルの大富豪なら、グリーンカードでも利用制限額などはないであろうが。
- また逆に都市伝説レベルだが、アメックスのプロパーカードは利用実績の少ない所有者に対しては冷たいとの噂がある。特に最近はキャンペーン頻発でアメックスのカード発行の敷居が低くなったため、キャンペーン報酬が目当てのケースが増え、結果的にそのような状況が広まったと考えられる。もっともグリーンカードですら上述しているとおり年会費が高いので、財布や箪笥にしまっておくだけならカードコレクターでもない限り持たない方が賢明である。
- MUFGカード ゴールド
- 先述した「低価格ゴールドカード」の代表。三菱UFJニコスが発行しており、年会費は2,000円。
- 空港ラウンジサービスが一部しか付帯せず、また同社は現在一般クレジットカードの募集を行なっていない(学生と20代向けを除く)ことから、ゴールドという名前ではあるが、実質的に同社の一般カードのような位置づけになっている。
- 一応一般カード的な位置づけのカードもあるにはある。とはいえMUFGブランドではディズニーデザインの一般カードと還元率の低いキャッシュバック式のクレジットカードの2種類なので標準的な一般カードとは言い難い。
- 上位カードにMUFGカード ゴールドプレステージ(年会費10,800円)があり、こちらは標準的なゴールドカードとなっている。
- アメックスブランドのみだが、プラチナカードとして「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」が存在しており、コスパが高いプラチナカードとして知られている。さらに非常に条件が厳しいが、三菱UFJグループの超優良顧客のみに招待状が届く「Recognized VIP」こと「MUFGカード・プラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード<プレミア>」というブラックカードが存在している。
- セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
- 年会費10,000円(税抜)、多数の提携カードを発行しているセゾンカードの中でも、代表的なプロパーゴールドカードである。ただしセゾンとしてはプロパーカードだが、アメックスカードとしては提携カードなので、ブランド力という点ではアメックスの各種プロパーカードよりは落ちる。
- 海外旅行に関する保険・保障制度はゴールドカードの中では充実している部類に入るが、それ以外は標準的なゴールドカードとほぼ同一の機能である。
- 下位カードであるセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードが年会費を実質無料で持てるアメックスブランドのクレジットカードとして特に有名なので、セゾンでは最上位カードにあたるセゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード(招待限定)狙いでもない限り、こちらを持とうとする人は少ないかもしれない。
- 「Visa」「MasterCard」「JCB」ブランドで発行されるゴールドカードセゾンと、その「ツインゴールド」として発行されるセゾンゴールド・アソシエ・アメリカン・エキスプレス・カードがある。こちらは海外旅行に関しては保障関連で劣るものの、国内でのショッピングに関して優遇されている。ちなみに「ツインゴールド」にした場合の年会費は12,000円(税抜)である。
- ただしこっちに関しても下位のプロパーカードであるセゾンカードインターナショナルが年会費無料であるほか、提携カードも年会費無料で、かつ専門店でのポイント優遇が優れているため、あえてゴールドカードを持つ人は少ないかもしれない。
- イオンゴールドカード
- セブンカード・プラス(ゴールド)
- エポスゴールドカード
- エポスカードが発行するゴールドカード。エポスカードで年間50万円以上決済を行うなど、所定条件を満たした会員に招待状が送られ、それを受け取った会員は年会費永年無料で発行することができる。
- 招待状なしでゴールドカードを発行した場合、年会費¥5,000(税込)が課せられるが、年間50万円以上決済を行うと、翌年以降は年会費永年無料となる。
- エポスカードがエポスポイントの有効期限を2年間と定めているのに対し、ゴールドカードは有効期限なしの永久ポイントとして利用することができる。
- 年間の利用額に応じてボーナスポイントが加算される。
- 国内外の空港ラウンジを利用することができる。が、地方空港だと使えない空港ラウンジもあるので注意。
- 海外旅行傷害保険が付帯する。
- 飲食店や宿泊施設などで優待を受けることができる。
- ゴールドカードで年間¥1,000,000以上決済を行うなど、所定条件を満たした会員には「エポスプラチナカード」の招待状が送られる。直接申し込みも可能だが、招待状でのグレードアップで年会費¥30,000(税抜)の価格から¥10,000(税抜)の年会費が永年値引きされたり、プラチナカードだけあってエポスカードの利用実績が乏しいと通らないので、エポスゴールドカードを地道に利用して招待状を受けた方が何かと得である。
- 楽天プレミアムカード
- 楽天カードが発行するゴールドカード。年会費は¥10,800(税込)。
- 「プライオリティ・パス」のプレステージ会員(年会費$399)に無料で登録可能。これは本来ならプラチナカードにつく特典なので、ゴールドカードについているのはこのカードくらいである。
- 国内外の空港ラウンジを利用することができる。
- 楽天のサービス(楽天市場、楽天ブックス等)におけるポイント付与率が倍増する。会員の誕生日月にはポイント付与率が更に倍増する。
- 電子マネー「楽天Edy」一体型も発行可能。
- 2015年12月17日より「楽天ポイントカード」機能が追加された。
- 所定条件を満たした会員には「楽天ブラックカード」(年会費32,400円)の招待状が送られる。ただしブラックカードの名はついているが、カードの紙面に「Platinum」と印字されているため、実質的にはプラチナカードである。しかし審査レベルは完全にブラックカード級の厳しさであり、楽天の上級顧客でないと取得はほぼ不可能である。
- 下位カードとして2016年9月1日より低価格ゴールドカードである「楽天ゴールドカード」(年会費2,160円)が登場した。とはいえ、このカードでも発行当初は通常のゴールドカードクラスにしかつかない空港ラウンジサービスが完全付帯しており、低価格ゴールドカードの中でもコスパは圧倒的である。
- ただし楽天ゴールドカードの空港ラウンジの無料サービスは2018年9月1日に改悪されて年2回(以降は料金がかかる)までとなったため、空港ラウンジの利用が非常に多い人はプレミアムカードに切り替えるか、他社のゴールドカードを利用する必要がある。
- MNOに参入した楽天モバイルの巨額赤字に苦しんだ影響もあるのか2023年12月に還元率が大幅改悪。楽天のヘビーユーザーほど楽天ポイント目当てで保持する意味がないカードになってしまった。そのせいか申請こそ必要だが、前代未聞の年会費返金が月額分割の形で行われることになった。一般カードの還元率が優秀な上に年会費無料、さらに最上級のブラックカードを狙う場合も一般カードで招待が来ることが確認されているため、今後はダウングレードする人も増えそうである。
- dカード GOLD
- 年会費10,000円(税抜)、携帯電話会社大手「NTTドコモ」発行のカード。
- 2023年6月に保有者数が1000万人を突破したことが発表された[2]。同月に「dカード」と「dカード GOLD」の保有者数が合計1700万人突破した……とも発表されているため、dカードを保有する人の中では一般カードよりもこちらのGOLDカードを持っている人の方が多いということになる。
- 「日本での保有者数トップクラスのゴールドカード」と推定されており、2023年10月にインターネット調査に答えたゴールドカード保有者のうち、dカード GOLD保有者の割合は1位の25.6%だった。ただし2位も22.2%と接戦であり、その後に抜かれる可能性もある[3]。
- ドコモの携帯電話やドコモ光の利用料金の10%がポイント還元される。ただし「携帯電話本体の料金を分割で払っている分」「d払い」「消費税」など「毎月ドコモに払っている料金なのに10%ポイント還元の対象にはならない」金額は意外と多いことにも注意が必要。またahamoなど一部の契約形態は対象外。
- 国内&ハワイの主要空港のラウンジが無料。
関連動画
MUFGカード ゴールド
三井住友カードの土下座伝説(画像は一般カード)
ポケモンのゴールドカード
関連項目
脚注
- *ゴールドカード保有者の約63%が個人年収400万円未満で、ゴールドカードは、“大衆化”の時代へ 「全世代のゴールドカード保有・利用に関する調査」を発表|NTTドコモ dカードのプレスリリース
より
- *「dカード GOLD」会員数が1,000万人を突破 - topics_230704_02.pdf
(NTTドコモ公式のプレスリリースPDF)
- *ゴールドカード保有者の約63%が個人年収400万円未満で、ゴールドカードは、“大衆化”の時代へ 「全世代のゴールドカード保有・利用に関する調査」を発表|NTTドコモ dカードのプレスリリース
より。2位のカードが何かについては、NTTドコモからのプレスリリースであるためか公表されていない。
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