サイクルヒット(サイクル安打)とは、
概要
1試合で単打、二塁打、三塁打、本塁打を全て打った場合に記録として認められる。
ちなみに「サイクルヒット(cycle hits)」は和製英語であり、正式な英語では「hit for the cycle」という。
1948年に藤村富美男が最初に達成したが、当時は記録として認識されていなかった。
17年後の1965年にダリル・スペンサーがサイクルヒットを達成したにも関わらず、記者に質問されなかった。そのためスペンサーが記者に「これはサイクル安打と言うんだ」と発言したことにより、サイクルヒットが記録として認識されるようになった。そうしてデータを調べなおした結果、それまでに王貞治など23名がサイクルヒットを達成していて、記録として認められた(藤村は2回記録)。
ただし、チームの勝利のために、記録がかかっていたとしても、逃さなければならない例もある。たとえば2001年5月23日の巨人対ヤクルトで、巨人の松井秀喜は単打を打てばサイクル達成の状況で迎えた第5打席で長打を放ち、一塁で止まれば記録達成だったが、チームが3点差で負けていたため迷わず二塁へ向かい二塁打となったため記録を逃した。
三塁打が最も出にくいため、三塁打のみを残したサイクル未遂はわりとよくある。プロ初三塁打がサイクルヒットの試合であったのは中村紀洋がある。サイクルヒットを達成した際の三塁打がプロ人生唯一の三塁打、という例はまだない。
日本のプロ野球では71名により計76回達成されている。直近では2021年8月25日に横浜DeNAベイスターズの牧秀悟が(新人での達成は初)、同年9月18日に東京ヤクルトスワローズの塩見泰隆がそれぞれ達成している。複数回達成しているのはロバート・ローズ(3回)、藤村富美男、松永浩美、福留孝介(各2回)。オールスターゲームでは古田敦也(1992年)と近本光司(2019年)が達成している。ポストシーズンでの達成例はまだない。
メジャーリーグでは277人により計307回達成されている。日本人選手として初めて達成したのが、2019年6月13日の大谷翔平。
ちなみにソロホームラン、2ランホームラン、3ランホームラン、満塁ホームランを達成した場合はサイクルホームランと呼ばれるが、一人の打者の達成者は現在誰も出ていない。
大百科に記事のある達成者(達成順)
NPB
- 藤村富美男(1回目)(阪神、1948年10月2日)
- 金田正泰(阪神、1949年4月16日)
- 藤村富美男(2回目)(阪神、1950年5月25日)
- 青田昇(洋松、1953年4月23日)
- 原田督三(中日、1953年8月17日)
- 大下弘(西鉄、1954年7月15日)
- 川上哲治(巨人、1954年7月25日)
- 飯田徳治(南海、1955年8月24日)
- 毒島章一(東映、1957年6月23日)
- 葛城隆雄(大毎、1957年8月27日)
- 大和田明(広島、1959年6月20日)
- 張本勲(東映、1961年5月7日)
- 近藤和彦(大洋、1961年7月8日)
- 前田益穂(中日、1962年9月16日)
- 王貞治(巨人、1963年4月25日)
- ダリル・スペンサー(阪急、1965年7月16日)
- 和田博実(西鉄、1968年5月28日)
- 山崎裕之(ロッテ、1971年8月14日)
- 弘田澄男(ロッテ、1973年7月11日 )
- 得津高宏(ロッテ、1976年4月17日)
- 衣笠祥雄(広島、1976年7月7日)
- 若松勉(ヤクルト、1976年7月9日)
- 長崎慶一(大洋、1978年5月20日)
- 真弓明信(阪神、1979年5月20日)
- 平野光泰(近鉄、1980年7月17日)
- 大宮龍男(日本ハム、1980年7月29日)
- 福本豊(阪急、1981年5月21日)
- 松永浩美(1回目)(阪急、1982年10月8日)
- 山本浩二(広島、1983年4月30日)
- 栗橋茂(近鉄、1985年5月21日)
- 金村義明(近鉄、1986年7月17日)
- 秋山幸二(西武、1989年7月13日)
- 田村藤夫(日本ハム、1989年10月1日)
- 藤本博史(ダイエー、1990年7月7日)
- 池山隆寛(ヤクルト、1990年8月23日)
- 松永浩美(2回目)(オリックス、1991年5月24日)
- ジャック・ハウエル(ヤクルト、1992年7月29日)
- 中村紀洋(近鉄、1994年9月18日)
- ロバート・ローズ(1回目)(横浜、1995年5月2日)
- ロバート・ローズ(2回目)(横浜、1997年4月29日)
- 立浪和義(中日、1997年8月22日)
- 広沢克(巨人、1997年9月26日)
- 金本知憲(広島、1999年4月24日)
- 仁志敏久(巨人、1999年6月25日)
- ロバート・ローズ(3回目)(横浜、1999年6月30日)
- 松井稼頭央(西武、2000年6月7日)
- 井端弘和(中日、2002年9月21日)
- ホセ・オーティズ(オリックス、2003年5月3日)
- 福留孝介(1回目)(中日、2003年6月8日)
- 稲葉篤紀(ヤクルト、2003年7月1日)
- 村松有人(ダイエー、2003年7月1日)
- 桧山進次郎(阪神、2003年7月2日)
- 細川亨(西武、2004年4月4日)
- アレックス・オチョア(中日、2004年4月13日)
- フリオ・ズレータ(ロッテ、2007年9月22日)
- 小笠原道大(巨人、2008年9月3日)
- ライネル・ロサリオ(広島、2014年9月2日)
- 大島洋平(中日、2016年7月20日)
- 福留孝介(2回目)(阪神、2016年7月30日)
- 柳田悠岐(ソフトバンク、2018年4月21日)
- 山田哲人(ヤクルト、2018年7月9日)
- 桑原将志(DeNA、2018年7月20日)
- 平田良介(中日、2018年8月16日)
- 梅野隆太郎(阪神、2019年4月9日)
- 牧秀悟(DeNA、2021年8月25日)
- 塩見泰隆 (ヤクルト、2021年9月18日)
関連動画
関連項目
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