サイタマとは、ONEによるWeb漫画作品「ワンパンマン」の主人公である。ヒーローネームは【ハゲマント】。
概要
元は無職で就職活動に失敗し絶望していた若者だったが、面接落選の帰りに突如現れた怪人(カニランテ)を倒して「アゴの割れたガキ」を救ったことをキッカケに、子供の頃に夢だったヒーローになることを決意。3年間の血の滲むようなトレーニングの末、毛髪と引き換えにほとんどの敵を一撃(ワンパン)できる最強の力を得た。
しかし、その内容は「毎日腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回、ランニング10km、そしてエアコンを使わないで過ごす」というジェノス曰く「一般的な筋力トレーニングで大してきつくもない」というもの。本人はこれで強くなったと思い込んでいたため、つまるところ何故強くなったのかは本人でさえ不明である。
もっとも怪我で文字通り血が滲もうとも、病気になろうとも、怪人が出ようともトレーニングは続けていたためか、それで強くなれたことに自信を持っており、ジェノスに指摘された後も「強さの秘訣はトレーニング」というのは変わらず、他人を諭すときにも「自分で強くなれ」といった旨を話している。
当初は趣味でヒーロー活動していたが、ある日自分の知名度が全くないことに気づき、ヒーロー協会とランクシステムをジェノスから知り登録する。身体能力検査では記録を大幅更新するも、筆記テストが壊滅的でランクは最底辺のC級最下位388位から始まる。その後はイカサマ等を疑われつつも順調に昇進し現在はA級まで昇格している。
頭髪を失った事と異次元の強さの明確な因果関係は解明されておらずそれとなく描写されている程度だが、本人は「ハゲるほど努力した」ためと言っている。人間離れした強さを持ちはじめた頃のエピソードで側頭部に10円ハゲが確認出来る。本人はハゲを非常に気にしており、どうにかして頭髪を復活できないかと日々様々な努力をしているが結果はごらんの通りである。
題名の「ワンパンマン」とは彼のことだが、作中では「サイタマ」「先生(ジェノスのみ)」「ハゲ」などと呼ばれている。
性格
性格はいい加減で、人の名前を間違えて覚える、人の話をだらけた態度で聞く、長い話は理解できない、真剣な場でもお茶を要求するなど不真面目な行動が目立つ。知的さをうかがえる要素は少なく、むしろ就活や協会の筆記試験など頭の悪さを示すほうが多い。しかし(半ば強引に)弟子入りしてきたジェノスや、負けを知りながら怪人に立ち向かった無免ライダーなどに対しては心配したり声援を送るなど、思いやりの心はちゃんと持っている。
「ヒーロー活動は趣味」「自分が好きでやっている」と言い張り、他人から聞かれた時も淀みなくそう答えるため、表面的にはヒーローには見えない。大抵の人間にはヒーローらしくないと思われ、ガロウに至っては「そんなのヒーローじゃない!」とまで言われる。しかし、趣味でやっているからこそ一切の妥協がなく、自分の手柄が横取りされたり、インチキ扱いされてもほとんど気にしないし、人からの罵倒に対して傷つくこともない。それどころか他のヒーローを立てるために自ら悪者になるなどの行為を迷いなくする。
そして時に"ヒーロー"について自分なりの価値観を話すこともあり、実際のヒーロー活動と合わせて彼なりの"ヒーロー像"が垣間見える。
日常的にS級ヒーローでも手を焼くであろうレベルの怪人をワンパンで倒しているが、基本的に協会へ報告しないので実際の活躍とヒーローランキングが乖離している。「正義感」に関しては非常に強く、手柄に興味が無く驕らない姿勢は彼を知る者達からかえって人望を集める結果につながっている。その後も異常すぎる強さゆえ活躍報告にイカサマの疑いを向けられるなどしており、サイタマ自身を知っている人間以外からは基本的にヒーロー扱いされていない。それどころか、たびたび犯罪者と間違われている。
技術的なことを要求されるものや細かい事は苦手。スポーツ(球技など)はそもそも興味が無いとのこと。ゲームもエキサイトして少しでも力が入るとすぐにコントローラーが壊れてしまう。また、ファッションセンスは絶望的に悪い。
戦闘能力
特殊能力などは一切なく、武器は己の肉体のみ。しかしその身体能力が異常の一言。
ワンパンマンの名の通りほぼ全ての敵がワンパン。そして防御面に関しても特に何をしているわけでもないのに全ての攻撃が一切ダメージにならない。強いて言えば服が損害を受ける程度(夢の中は例外)。戦闘以外では、モスキート娘の配下の蚊に刺されたような描写がある程度。おそらくサイタマがハゲた後に受けた最も大きな外傷は番外編でネコに引っかかれた傷である。一方で強くなりかけの頭髪があった頃はしょっちゅう血ダルマになっていた。
地球から人類を倒すために生まれた怪人、S級を倒すほどの強さを持つ海人族の王、液体ででき普通は物理攻撃が通らない怪人、町一つが壊滅する隕石…全てワンパンである。そのためワンパンを耐えただけ、あるいはサイタマの強さを察知するだけでも読者から賞賛される。そもそもそんな敵がほとんどいないのだが。
ただし威力の調整はできるようで、大抵の怪人は文字通り木っ端微塵になるが、人間相手の場合は吹き飛んだりするだけでちゃんと生きているので、かなり器用に調整しているようだ。
一方で体術などは素人同然のようで、ガロウ曰く相手の攻撃は身体能力と反射神経だけでなんとかしているだけとのこと。最も彼にとってはなんの問題もないのだが。
ジャンプ力は空を飛んでいるのかと見まごうレベルで、村田版ではボロス戦にて月面まではじき飛ばされた際に宇宙空間でも息を止めただけで問題無く活動し、地球まで跳ね戻っている。
パンチ
普通のパンチ。が、彼にかかれば災害レベル「竜」以上の怪人ですら一撃粉砕してしまう。
連続普通のパンチ
上記のパンチを連発する。片手版、両手版の2つがある。威力は察してください。
必殺マジシリーズ
マジ殴り
サイタマ本気の殴り。惑星の表面を消し飛ばす程と言われるボロスの「崩星咆哮砲」を押し返し、その余波でそのまま致命傷を負わせるほどの威力。ボロスを絶命せしめており、天候すら変えてしまう天変地異レベルのパンチである。
マジちゃぶ台返し
岩盤に手を伸ばし、そのままひっくり返す。傍から見れば巨大な壁がいきなり現れたように見え、上に飛ばされた者は上下の感覚が狂う。
マジ反復横跳び
反復横跳びしながら通り抜けるだけだが相手には無数に分身したように見え、発生した衝撃波だけで敵を倒す威力がある。
マジ頭突き
ただの頭突きだが怪人化したガロウ(自称・災害レベル神)の体を粉々にする威力。
上記のようなチート染みた戦闘能力を持つので、対等な相手がいない飢餓感に悩まされており、敵と戦うときの高揚感などを無くし、「人として大切なものをなくしているのではないか」と自分自身で考えるほど。それ故か戦闘に関してテンションが上がったり熱くなるような事がない。
周囲の人間でサイタマの強さを理解する人間は少ししかおらずSランクのヒーローでもジェノス、バング、キングくらい。一般市民にはイカサマと疑われて嫌がらせを受けた程。しかし本人は気にしておらず、自分から力をひけらかすこともないため、恐らく当分このままだろう。
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関連項目
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