サカイマッスル(Sakai Muscle)とは、大阪を南北に貫く通りの名「堺筋(さかいすじ)」の誤訳である。
概要
大阪メトロの公式ホームページが外国語対応になった際、「堺筋線」が「Sakai Muscle Line」と訳されていた。これでは「堺筋肉線」となってしまうということで、2019年3月に大きな話題を呼んだ。
他にも、「天下茶屋→World Teahouse(世界喫茶店)」「3両目→3 eyes(三つの瞳)」など誤訳が多く発見されている。実はMicrosoft社の自動翻訳ソフトで訳されたものを確認せずそのまま使っていたのである。2019年3月19日現在、外国語ページは公開を停止している。
大阪の筋
通りの名前に「筋」を使うことは全国的に見れば珍しく、大都市では大阪と神戸のみに見られる。これらの街では東西の通りの名前には「通」を使う一方、南北の通りの名前には「筋」を使っている傾向がある。例えば大阪には御堂マッスルや谷町マッスル、今里マッスル御堂筋や谷町筋、今里筋などがある。
江戸時代の大阪では、基本的に大阪城に向かう通りを「通」と呼んでいた。大阪城は街の東側にあったため、通や町も東西に形作られた。現在でも大阪の町は東西に細長いものが多い(例:本町周辺)。それらをつないだ通りが「筋」と呼ばれるようになった。「筋」には細長い線という意味があり、実際に当初の計画では東西の通りより南北の通りの方が細かった[1]。ここから東西の通りを「通」、南北の通りを「筋」と名づける慣習が生まれた。戦前にはこの名づけ方は絶対的なルールではなかったものの、大戦後の街づくりの際に通り名にこの法則で名前が付けられたことで、多くの東西の通りが「通」、南北の通りが「筋」と呼ばれるようになった[2]。
幕末から街づくりが進められた神戸は、大阪の「通」「筋」のルールに従って名前をつけたのではないかと考えられている。
関連項目
脚注
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