サガ スカーレット グレイスとは、プレイステーションVita専用RPG。
2016年12月15日発売。サガシリーズ久しぶりの完全新作となる。
本稿では同時に、新要素を実装した移植版「サガ スカーレット グレイス 緋色の野望」についても取り扱う。
概要
2014年12月14日サガシリーズ25周年を記念したニコニコ生放送の番組内において『SAGA2015(仮)』として発表され、SCEJA Press Conference 2015において『サガ スカーレット グレイス』と正式名称が発表された。
プロデューサー・シナリオ・ゲームデザインはサガシリーズ生みの親の河津秋敏氏が担当し、キャラクターデザインは小林智美氏、音楽は伊藤賢治氏とお馴染みのスタッフが担当している。
河津秋敏氏は本作を「SSG」と略して呼んでいるが、ファンには美しく「スカーレット」と呼んでほしいらしい。
ストーリー
邪神ファイアブリンガーが倒され、1000年に渡りファイアブリンガーと戦っていた帝国も崩壊してから70年。帝国時代を覚えている人間も多くない時代が舞台となっている。
主人公はそれぞれ目的の違うユラニウス家令嬢のウルピナ、農民のレオナルド、陶芸家のタリア、法廷処刑人バルマンテの4人。この中から一人を選択し、あとは提示される目的に向かうも向かわないも自由に進められる。
主人公
それぞれの主人公に相棒となるキャラクターが一人登場し、主に二人の会話で物語は進行していく。
CVは緋色の野望で新しく設定されたもの。Vita版にボイスは存在しない為注意。
ウルピナ CV:内田真礼
「退路はない。それこそ望むところ。皇帝の剣ユラニウス家が血路を切り開く。」
帝国四将軍家の筆頭と謳われた名門ユラニウス家の当主マクシミアスの娘。誰に対してもオープンで明るく、幸せな未来を夢見ている。兄アントニウスの許嫁エリセドにあこがれる一方でユラニウス家を背負い立ちたいという欲求を渦巻かせている、思い悩む年頃の少女である。故郷シルミウムを襲う炎と兄の誘拐事件を機に、戦いの日々が幕を開けることとなる。
一周目ニューゲーム時の選択肢で主人公として出やすいらしい。
相棒は守役のモンド。初期メンバーはユラニウス家の兵士たちで、いきなりモブ兵士みたいな外見のキャラクターも参加し、ゲームの雰囲気を教えてくれる。
レオナルド CV:内田雄馬
「だったら、最初からはっきり言えよな。無駄話させんじゃねぇよ。」
ヤクサルト辺境州居住の農民。ヤンキー。数年前までは仲間と悪さを繰り返す悪童だったが、突然祖父の農園に戻り農民となっていた。そんな折、農場で行き倒れた女がうわ言で呟いた伝説の都市「アイ・ハヌム」を彼女に代わり探すことを決意。亡き祖父から受け継いだ農場を即座に売り払い、旅に出る。
他の主人公と違い、すぐラスボスに行けるようになっている。勝てないが。
相棒は近所のお金持ちのお嬢様で、ヤンキーたちのリーダー格のエリザベート(リサ)。初期メンバーもエリザベートの取り巻きたちになっている。
タリア CV:田中敦子
「歪んでいるのは私自身なの。それで、焼き物の方にも歪みが出るのよ。」
テルミナ海近くで工房を営む陶芸家の女性。ある日生じた作品の歪みの原因を求め、目の前を飛び去った不死鳥の追跡を始める。何事も自分の手で成し遂げねば気が済まないタイプ。
陶芸家という肩書に似つかわしくない不自然な知識と戦闘技能を持ち、冷徹さの中に過激さが垣間見える危険人物。そんな彼女には秘められた過去があるのだが、その過去は探るまでもなく主人公選択画面にそのまま書いてある。
相棒はたまたま近くで不死鳥を目撃していた冒険者のカーン。初期メンバーはカーンの引き連れていた冒険団「キラーズ」で、「トマト」とか「コンパス」とか適当な名前のキャラクターが揃っている。
バルマンテ CV:楠大典
「下らぬ甘言で、俺を惑わせる気か。無用なことだ。」
ケイ州コハン城の執政シグフレイの恐怖政治のもと、死刑を執行してきた法廷処刑人。その対象は政治家・一般市民・軍人と身分や職業を問わず、ついには政敵に捕らわれたシグフレイ自身にも及んだ。「七度よみがえり、正義を為す」と死に際に言い放ったシグフレイを処刑してから数か月後、宣言通りにシグフレイが現れたとの報が届く。書記官アーサーに言われるまま、シグフレイの首を七度切り落とす為に旅立つ。
屈強な雰囲気と共に豊富な知識も持つ、理知的で賢明な人物。
相棒はコハン城法務書記官のアーサー・ダールトン。チャラい雰囲気だがバルマンテへの協力は惜しまない男で、裏の顔はバルマンテにも決して見せないが、裏の顔があること自体は隠さない、独特の信頼関係がある。初期メンバーはアーサーの護衛団と称するチャラい感じの女たちと、うさんくさい男たち。
フリーワールドシステム
ゲームはロマンシング・サガ、サガフロンティアと同タイプのフリーシナリオ制に近い、フリーワールドシステムと称される。
サガシリーズといえばマップにダンジョンや地名だけが表示されており、一般的なRPGのワールドマップが存在しないということが多かったが、本作は逆にワールドマップしかないという極端な設計となっており、マップをキャラクターが歩き回って街やイベントを探していく。
このシナリオは非常に長いうえ、分岐条件が異常にわかりにくく、同じ主人公で同じようにプレイしても謎の条件で展開が変わるということがザラである。選択肢を間違うと町が気軽に滅んだりするし、どう見ても街の住人にしか見えない無名のキャラクターがいい加減な理由でいきなり仲間になってしかも結構強いなど、展開に予想がつかない。余計な要素をできるだけ実装しない、シナリオに特化したシステムとなっている。
ダンジョンのような場所では特にダンジョンマップはないが、戦闘はたいてい発生する。本作にはランダムエンカウントの概念がなく、バトルも全て固定である。稼ぎたい場合は何度も敵が出る場所で行う。
バトルシステム
HP、BP、LPからなるバトルシステムは、これまでのサガを知っていれば入り込みやすいものとなっている。本作はBPをパーティで共有しており、BPが足りず動けないメンバーは防御する。多くの陣形ではBPはターンが経過すると上がっていき、戦闘の後半ほど大技が発動できるようになっていく(陣形によっては異なる)
また本作は戦闘のタイムラインが表示されており、ターンが始まった時点で敵と味方の行動順が既に開示されている。敵の行動を踏まえて行動を選択していくことになる。大技を使う敵には攻撃を集中する、行動を阻止するなどの対策をするか、特に対策法が思いつかず食らうかのどちらかが求められる。
シリーズおなじみとなっていた連携がなくなり、連撃という新しい要素が導入された。これは誰かが倒れることでパズルゲームのように行動順がくっつくと起きる現象で、ダメージと共に、次のターンのBPに補正が入る。きちんと狙っていくと有効な現象だが、しくじると敵を倒したのに敵の連撃が発動するということも起こりうる。
こうしたバトルシステムはゲーム中のTIPSで丁寧に説明されており、独特ではあるが理解が難しくはない親切な設計となっている。
サガ スカーレット グレイス 緋色の野望
サガ スカーレット グレイス 緋色の野望とは、Steam、Playstation4、Nintendo Switch、Android、iOS用RPG。2018年8月2日発売。スカーレットグレイスの各プラットフォームへの移植版。
追加要素・変更点
- キャラクター、モンスター、「緋の魔物」の追加
- イベント・シナリオ・システム、施設の追加
- 技、術、装備、陣形追加
技は以下の通り
- ロザリオインペール(長剣)
- 逆風の太刀(大剣)
- 風雪即意付け(大剣)
- 月影の太刀(大剣)
- 三花仙(大剣)
- ファイナルレター(小剣)
- 活殺獣神衝(槍)
- 削岩撃(棍棒)
- カバーリング(槍)
と、技には前作には無かった槍のプロテクト技であるカバーリング以外、過去作でメジャーな技が多数追加されている。
また、大剣の風雪即意付け、月影の太刀、三花仙は、新しく追加された「宝刀系」に属する大剣で習得可能。
術は以下の通り - 水行:ウォーターガン(BP4,詠唱1ターン、敵単体、間接)
- 火行ヒロイズム(BP2、詠唱1ターン、味方単体、攻撃力アップ)
- 木行:レストレーション(BP5、詠唱1ターン、味方全体、状態回復)
陣形は以下の通り - ワールウインド
- 鳳天舞の人
- スペキュレイション
- パワーレイズ
- フロンティアライン
- 全バトルキャラクタのボイス収録
主人公たちのCVは上記に変えさせて頂く。
- ほげ
- ほげ
- 伊藤賢治による新楽曲の追加
- ロード時間の短縮
- 移動速度上昇
- 2種類のUI切り替え
- バルマンテと相棒キャラ4人のステータス調整
- 高解像度化
- パーティ編成機能アップデート
- 周回引き継ぎ要素の追加
- 敵の強さ変更機能
- 各種ショートカットの追加
関連動画
関連項目
外部リンク
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