サクラダ工務店とは、ゲーム『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下『BotW』)に登場する架空の企業である。
同作に登場する村「イチカラ村」及び続編『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』(以下『TotK』)に登場する企業「エノキダ工務店」についてもこの記事で解説する。
概要
ハイラル南東部ハテール地方ハテノ村に所在する建築会社。「サクラダ前のめり積み工法」と呼ばれる独自の建築工法を売りとしている。
「従業員は名前の最後が『ダ(英語ではson)』で終わるもののみ」という奇妙な社是がある。
サクラダ前のめり積み工法
社長のサクラダが「木材資源と職人が失われたハイラルで街の復興を目指す」という目標のため考案した全く新しい建築工法で、現実世界のコンテナハウスに似ている。
直方体の出来合いの部屋を積み上げて固定することによって住宅を建設する工法で、成人したゴロン族が一人いれば誰でも建築・解体・移動ができ、レイアウトも自由自在と言う触れ込みである。
本社敷地内にあるモデルハウスやイチカラ村で建設された家々は実際にこの工法で建設されている。
サクラダダンス
新築 減築 解体 外構 家の ことなら なんでも ございっ
社長のサクラダ自ら作詞・作曲・振り付けを考案したサクラダ工務店の社歌。独特な振り付けとリズムがハテノ村の子供たちの間で人気となっている。
エノキダ工務店
サクラダが引退後、社員のエノキダがサクラダ工務店の組織を継承する形で設立した会社。ハイラル北東部アッカレ地方イチカラ村に所在する。
事業範囲をハイラル全土にまで広げており、現ハイラル王国の事実上の国家元首であるゼルダ姫による指導のもと大厄災からの復興に邁進している。
社歌
社名変更に伴い新たな社歌が採用されており、社員が作業時に口ずさんでいることが多い。
実際の業務
ゲーム中で実際に行っている業務について記述する。
ブレス オブ ザ ワイルド
家屋の解体/売却
ハテノ村の、持ち主が城下に仕事で引っ越して以降空き家となっていた住宅の解体を村から50000ルピーで請け負ったが、作業中突然現れた旅人であるリンクに3000ルピーで売却した。依頼主に無断で売却していいものなのだろうか。
家具製造・外構建設
リンクに空き家を売却後、家具、外構、武器スタンドを1つ100ルピーで作ってくれる。全てコンプリート(総額1500ルピー)するとさらに売れ残りの家具を譲ってくれるので、他のサクラダ工務店が建設した住居内の家具もサクラダ工務店で製造したものであるらしい。
村の建設
アッカレ地方で一から村を建設すべく社員のエノキダを派遣する。資金・物資の不足と上述の社是によって引き起こされる人手不足により事業は難航するかと思われたが、リンクの全面的協力により目覚ましいスピードで進むこととなる。
イチカラ村
ハイラル北東部アッカレ地方南部に位置するアッカレ湖に浮かぶ円形の台地状の島で、エノキダにより建設が始められた村。村建設前は女神像が建つ池とそれを取り囲むように大岩があるだけの島だが、建設が進むにつれて岩が撤去され、サクラダ工務店社員が経営する店や移住者が住む家が増えていく。女神像のある池は最終的に近代的なデザインの噴水広場に改造される。
ティアーズ オブ ザ キングダム
公共事業
ゼルダ姫やシーカー族の研究者プルアからの指示によりハイラル各地に復興資材置き場や、シーカータワーに代わる新たな測量施設である鳥望台、ハイラル平原の中央にハイラル各地で発生している天変地異の調査拠点である監視砦を建設した。
ゾナウ遺跡調査
ゾナウ調査隊及びオルディン地方の鉱山開発会社ユン組と協力し、アッカレ湖西岸のエノキダ工務店の作業場に空から落下してきて地面にめり込んだ古代ゾナウ文明の遺物である「ゾナウギア」の発掘と調査を行っている。
新築建設・販売
アッカレ地方にて土地の販売と新居建設の事業を行っている。あらかじめ製造された部屋ユニットを顧客自らが組み立ててレイアウトを自由自在に変更可能であるという点を大きな特長としている。前述の通り組み立てには本来成人したゴロン族が必要だと思われるが、リンクは今回の冒険の最初に手に入れた力「ウルトラハンド」を使い自力で部屋を持ち上げ組み立ててしまう。
従業員
- サクラダ(Bolson)
- 棟梁兼社長兼デザイナー。ピンクの口紅にピンクのハチマキとピンクのズボン、襟の大きな羽織を付け、オネエ言葉で喋るハイリア人男性。ハイラルの復興を夢見る熱い心を持った建築家である。
- 初対面のリンクを気に入り、解体中の空き家を安く譲ることを決める。
- エノキダの結婚後、エノキダに会社を譲り引退。嫁探しの旅の途中で流れ着いたウオトリー村で海賊の襲撃に遭遇し、村の復興に尽力することとなる。復興完了後は村の南で新たに開設された水上競技施設「ウオトラリー」の受付として常駐する。
- 名前の由来は今作のハイリア人の命名規則(植物関連)にのっとり「桜田(サクラ+田)」からだろう。
- エノキダ(Hudson)
- きのこの山のような髪型の無口なハイリア人の大工。ゲーム開始時はカツラダと共に空き家を解体しており、空き家がリンクに売却されるとサクラダの命令でアッカレ地方に転勤になる。
- アッカレ地方に転勤後はリンクの助けを得つつイチカラ村の建設に従事し、後に後輩従業員のパウダと結婚し娘をもうける。
- サクラダの引退後は会社を受け継ぎエノキダ工務店を立ち上げる。
- 名前の由来は「榎田(エノキ(ニレ科の落葉高木)+田)」からか。
- カツラダ(Karson)
- 頭を角刈りにしたハイリア人の青年。ゲーム開始時はエノキダと共に空き家を解体しており、空き家のリンクへの売却後はサクラダと共に家の設備の作成を行う。その際のサクラダとの掛け合い→暗転&漢臭い掛け声(スキップできない)は名物。
- 『TotK』ではエノキダ工務店が手掛けた建造物の一つである監視砦に常駐しており、砦の設備の増築やメンテナンスを行っている。
- 名前の由来は「桂田(カツラ(カツラ科の落葉高木)+田)」だと思われる。
以下はイチカラ村建設のためリンクの紹介によって従業員となった人々である。無論全員名前の最後が「ダ」で終わる。
『TotK』では何故か全員リンクの事を忘れている。
- グレーダ(Greyson)
- 土木担当のゴロン族の青年。ゲーム開始時はオルディン地方の南採掘場で鉱石採掘に従事しているが、代わり映えの無い日常にうんざりしており、リンクの紹介により弟と共にイチカラ村に引っ越すこととなる。入社後はいつも楽しげに岩の除去作業にあたっている。
- 『TotK』ではイチカラ村とエノキダ工務店の作業場を繋ぐレールカーの作業場側の管理人をしている。
- 名前の由来は今作のゴロン族の命名規則(重機)からすると「モーターグレーダー(整地作業車)」だと思われる。
- ププンダ(Pelison)
- ゴロン族の少年で、グレーダの弟。イチカラ村で岩の除去作業で出た宝石を「石のお店 ププンダ屋」で売っている。店舗価格なのでとても高く、リンクが利用することはまず無いと思われる。
- 『TotK』では、瘴気のせいで朽ちた武器を様々な素材で補強する流行に対応し、自分で分離できなくなった武器と素材を職人技で分離する店「分解屋」を開いている。加工前と明らかに形が変わっている武器や素材も謎の技術で元に戻してしまう。こちらの店はリンクもスクラビルドで作った武器を分解する為に利用する価値がある。祠内にしか存在しないゾナウ製部品を適当な武器にスクラビルドし、この店で分解してもらうことで祠外に持ち出す事すらでき、彼を「分解の賢者」と呼ぶプレイヤーさえ存在する。
- 名前の由来は「ダンプ」からか。
- パウダ(Rhondson)
- 作業着の修理等を担当するゲルド族の女性。ゲーム開始時はゲルド地方のカラカラバザールでヴォーイハントをしており、裁縫などが得意であることをアピールしていたところリンクにイチカラ村を紹介されたことをきっかけに入社する。業務の傍ら熱砂装備を作り「ブティック ザ・パウダ」で販売している。ゲルド秘密クラブの合言葉を知らない場合ここでしか購入できない。
- 当初はイチカラ村が不満だったようだが、後にエノキダと恋に落ち結婚することとなる。
- 『TotK』ではエノキダ工務店本部の受付を担当している。
- 名前の由来は今作のゲルド族の命名規則(化粧・美容関連)からすると「フェイスパウダー」からか。
- ペーダ(Fyson)
- 物資運搬担当のリト族の青年。ゲーム開始時はヘブラ地方のリトの村でよろず屋「ちゅん天堂」を経営する母ミササに反抗し、自分のよろず屋を経営する夢を見つつ燻っていたところリンクの紹介により入社する。業務の傍ら「ちゅん天堂 イチカラ村支店」で、『BotW』では各種矢を、『TotK』では矢に付けると便利な素材及びマモノエキスを販売している。
- 名前の由来は今作のリト族の命名規則(鶏肉料理)から考えると「ペタ(鶏の腰の皮部分)」か。
- カポーダ(Kapson)
- エノキダとパウダの結婚式のために呼ばれたゾーラ族の神父である老人。ゲーム開始時はラネール地方のゾーラの里で燻っており、リンクに結婚式の神父の仕事があったら紹介してほしいとお願いしてくる。式が終わった後はイチカラ村で宿屋を経営しており、『BotW』ではリンクは無料で利用できる。
- 名前の由来は今作のゾーラ族の命名規則(音楽用語)から「ダ・カーポ(曲の冒頭へ戻る意の演奏記号)」だと思われる。
以下は『TotK』から登場したエノキダ工務店の従業員たちである。無論全員名前の最後が「ダ」で終わる。
- カバンダ(Addison)
- ハイリア人男性。エノキダを真似たキノコのような髪型をしている。「エノキダ社長から直々に任された特別任務」として一人でハイラル各地を巡りエノキダ建設の宣伝用看板を建てている…のだが彼自身は一人で看板を固定する技術を持っておらずいつも看板を自身の手で支えており、いつも通りがかったリンクの(ウルトラハンドの)力を借りて看板を固定している。無事看板を固定した後はリンクへのお礼に20ルピー・おにぎり(リンクの料理ポーチが満杯の場合はもう20ルピー)・バクダン花や馬宿宿泊券など貴重なアイテムを渡し、また他の地に看板を建てにいくためにいずこかへ旅立つ。
- などの理由から、一部のプレイヤーから「カバンダは自分をエノキダ工務店の社員だと思い込んでいる異常者なのではないか」と疑われている。
- 名前の由来は「樺田(カバ(カバノキ科の落葉高木)+田)」だと思われるが、彼がいつも支えている「看板」かあるいは彼がいつも背負っている「鞄」とも掛けているかもしれない。少なくともインドの叙事詩『ラーマーヤナ』に登場する首が無く胴に大きな顔を持つ巨人とは一切関係ないと思われる。
- グラネット(Granté)
- シーカー族の研究者ロベリーとジェリンの息子。
- 『BotW』ではサクラダ工務店の社員ではない一介の顧客だった。修行のためハイラルを旅しつつ防具の勉強をしており、イチカラ村を拠点にハイリアの盾など本来非売品の防具やDLCで追加される防具を販売している。
- 『TotK』ではグラネッダ(Granteson)と改名した上でエノキダ工務店に入社し、新居建設の受付や検査などを担当している。
- 名前の由来は今作のシーカー族の命名規則(果実)から「ポムグラネイト(ザクロ)」だと思われる。
- クヌギダ/ケヤキダ/ツクンダ
- クヌギダとケヤキダはハイリア人男性、ツクンダはリト族男性。
- ハイラル各地で鳥望台の建設と管理を担当しているが、いずれも自力で問題に対処できずに立ち往生しており、リンクの力を借りることになる。
- 名前の由来はそれぞれ「椚田(クヌギ(ブナ科の落葉高木)+田)」「欅田(ケヤキ+田)」「捏ね(肉のすり身を団子状や棒状に整形した食品)」だと思われる。
関係者
工務店の従業員ではないが関係する人物について記す。
- リンク(Link)
- 今作の主人公であるハイリア人の英傑。ハテノ村で解体中だった空き家を購入後、イチカラ村建設のための人材集めなど工務店の業務に度々関わっている。
- ハギ(Hagie)
- ハイリア人男性。娘であるハーニーの病気療養の為に妻のハルリと共にイチカラ村に移住してくる。
- 『TotK』ではレールカーの村側の管理人をしているが、その立場を利用して誰でも無料で使用できるはずのレールカーの利用者から料金を騙し取っている。
- 守銭奴かつ自己中心的な性格。
- ウィッダ(Mattison)
- 厄災が討伐された後にエノキダとパウダの間に生まれた一人娘。ゲルド族のしきたりに従いイチカラ村から遠く離れたゲルドの街に一人引っ越すためにゲルド語を勉強中である。
- 名前の由来は「ウィッグ(鬘)」からか。
- シイダ(Fernison)
- ハイリア人女性でゾナウ調査隊の隊員。ゾナウギアの調査の為にスナザラシラリーのチャンピオンであるパフューを招きイチカラリーを運営している。
- 名前の由来は「椎田(シイ(ブナ科の常緑高木)+田)」だと思われる。
- ジョアダ(Gaddison)
- ゾーラ族の女性で兵士。エノキダから神父探しの依頼を受けた後、彼女に名前の最後が「ダ」であることを指摘するとカポーダを紹介してくれるが、彼女自身は入社しない。
- 名前の由来は「アダージョ(遅い速度)」からか。
- ゼルダ(Zelda)
- 今作のヒロインであるハイラル王国の姫巫女。サクラダ工務店の「従業員は名前の最後が『ダ』で終わるもののみ」という社訓をプレイヤーが聞いた時に真っ先に連想すると思われる人物であり、「イチカラ村のミニチャレンジはゼルダがサクラダ工務店に就職することで完結する(ゼルダの建設)」と予想するプレイヤーも多かったが、『BotW』『TotK』の両作においてそのような展開は無かった。
関連項目
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