サックスとは、『銀河英雄伝説』の登場人物である。CV.三戸崇史(朗読版)。
概要
外伝『ユリアンのイゼルローン日記』の登場人物。40代なかばの自由惑星同盟軍少将。
同盟国内における補給船団の指揮に経験を有する人物。共同で補給計画の実施に従事したことのあるアレックス・キャゼルヌに「無能な男じゃないが、あまり他人の意見を聞かないのが欠点」で「肩肘をはりすぎる」と評される、隊内の規律と秩序にうるさいタイプ(ただしヤン艦隊と比較した場合)であり、その専門分野故か、危機対処能力にはいまいち欠ける。
解放捕虜輸送船団の指揮
宇宙暦797年、帝国軍と同盟軍との間で大規模な捕虜交換が妥結すると、サックスは解放された同盟軍捕虜をイゼルローン要塞からハイネセンまで輸送する船団の指揮を任された。しかし、その航海はとても順調とは言い難い経緯をたどることになるのである。
797年2月22日10時、200万人の捕虜と捕虜交換式へと出張ってきた議員たち、そしてハイネセンまで同行する要塞司令官ヤン・ウェンリー大将と随行員5名を載せ、船団はイゼルローンを発した。当初の予定は3月10日までのハイネセン到着であった。この時、サックスはヤンに対し「指揮官は私だ船団指揮の権限はこちらにあるので、たとえ階級が上であろうとも、随行員を含め船団のルールに従ってもらう」旨、釘を刺しており、その人柄が窺える。
3月3日に船団旗艦で起きた乱闘事件に際しては、この乱闘を煽り立てた挙句にMPが動員される頃には渦中を脱していたオリビエ・ポプラン少佐に、自室のあるフロアからの外出禁止を言い渡している。ポプランが参加できずに悔しがった前月27日の乱闘事件の時にはすでにサックスはポプランを要注意人物と目していたが、これはユリアン・ミンツにも「軍隊の秩序、という点では、おおかたの人がサックス少将の味方をする」と評された。
航行の遅れとドールトン事件
しかし、このようなことをしているうちに船団の航行は予定より大幅に遅延しはじめ、到着予定日である3月8日になってもハイネセンに到着できずにいた。この期に及び、船団司令部の秘密主義では問題を覆い隠しきれなくなったと判断したサックスはヤンの客室を訪問し、事情の説明を行っている。そして翌9日、航法コンピュータの抜き打ち検査により、船団がハイネセンより1300光年の遠距離に迷い込み、恒星マズダクに突入する寸前だったことが明らかになったのである。
緊急の航路再計算と船団編成の混乱などのあげく、3月13日までにサックスはこの一件がなんらかの陰謀ないし工作による故意のものであると断定、捜査を開始した。結果、船団航法士官イヴリン・ドールトン大尉の仕業であることが判明し、彼はヤンへ報告することなく対処に移る。これについては、ユリアンは「自分の裁量範囲内で事態を解決したかったのだ、と思う」と当然の判断としているが、結局のところサックスは失敗した。ドールトン大尉が武装して緊急管制室に立てこもる事態が勃発し、サックスは慌ててヤンに助けを求めたのである。
その後も、ヤンにばかり対処を任せる訳にはいかない為にMPを動かして小細工を試み失敗するなどひと悶着あったものの、最終的にはヤンと随行員の行動によって「ドールトン事件」は一応の解決を見た。サックスは政府と軍部の航路計算支援も得て船団のスピードをそれまでより大きく向上させ、3月18日には船団をハイネセンに到着させたことで国内輸送船団の熟練指揮官としての面目を若干ながら取り戻したのだった。
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