『サノス』(THANOS)とは、マーベルコミックスのアメコミに登場する大物スーパーヴィランである。
概要
ライターのジム・スターリンが、ジャック・カービーの書く「ニュー・ゴッズ」に登場するカリスマ的暴君・邪神のダークサイドに感銘を受けサノスが誕生したというのが通説だが、スターリンが語るには、最初に彼が描いたサノスのスケッチは「ニュー・ゴッズ」に登場する知識を探求する科学者・神のメトロンに似ていたそうである。
それでも彼がカービーに受けた影響は大きく、サノス及びタイタニアンズ(タイタンズ、タイタン人とも)は、カービーが後に書いた「エターナルズ」との関連が明らかになる。というか後付け設定で、スタン・リーが作ったウラニアンズもタイタニアンズも、神に近い超種族エターナルズの分派である事が判明した。アメコミなので後付けはいつもの事。
ちなみにサノスという構想自体は、スターリンが大学時代に心理学を専攻していた時に思いついたものらしい。名前(THANOS)の元ネタは、ギリシャ神話にて死や限りある命を司るタナトス(THANATOS)という神からきている。
オリジン(現行設定に基づく)
約75万年前、エターナルズ同士の内戦においてクロノス派に敗れたウラノス派が地球を離れ、コロニーを作って住んでいた。本当は当初ウラノスと彼の部下は地球のエターナルズへ報復し征服する事を企んでいたのだが、大マゼラン雲を支配する列強のクリー帝国軍艦隊と運悪く戦闘になり、せっかく地球への報復用に建造した戦艦も撃沈されてしまう。生き延びたメンバーは命からがら土星の衛星タイタンへと落ち延び、結局はそこでコロニーを作って暮らす事にしたのである。彼らの事をタイタニアンズと呼ぶ。
しかしどれぐらいかの月日が経った頃に超存在ドラゴン・オブ・ザ・ムーンの能力で内戦を煽られ、タイタニアンズは壊滅してしまう。一応スイサンという女性が生き延びるが、彼女は文字通り最後の1人となってしまった。
そこへクロノスの息子のアラースというエターナルズがやってくる。彼もまたかつてのクロノスとウラノス兄弟の内戦と同じように、兄弟のザラスとの争いに敗れて地球を去ったのであった。一応言っておくとアラースは「選挙で」ザラスに敗れたのであって、内戦勃発を嫌って潔く立ち去ったため、ウラノスよりは遥かに人格者である。
タイタンに辿り着いたアラースはスイサンを発見すると2人でタイタン復興を始める。子宝にも恵まれ結構な数の子供が生まれたようだ。新生タイタニアンズの始まりである。メンターと名乗り始めたアラース率いるタイタンのエターナルズ、すなわちタイタニアンズはかつてのように人口も増え、またクロノスがエネルギーの実験に失敗した際に地球のエターナルズはその影響で不死化したため、アラースの子供達にもある程度の不死が備わるようになった。このため少なくとも寿命では死なない。
しかし順調なのはここまでで、タイタニアンズはまたしても不幸に見舞われる事になる。
ある時、メンターとスイサンの間に2人の子供が生まれる。弟はエロスと名付けられたが、兄は他の子供達とは全く異なっていた。というのはその子だけ謎の突然変異で、紫色の肌と縦に複数割れた顎(ケツ顎の進化系)を持つ醜い姿で生まれたのである。しかも体毛ゼロ。どちらかというとエターナルズよりディヴィアンツという種族に似ていた。
…そう、その子供こそサノスだった。
エターナルズは神話の神々のような強く美しい種族である。女性が美しいのは当たり前、男性もイケメンやウホッないい男ばっかり。そんな中で1人だけ醜い怪物のような姿で生まれた所を想像して欲しい。しかも弟のエロスは陽気でイケメン。当然といえば当然だが、彼は暗い性格になりぼっち化した。
一応エロスだけはサノスにも進んで接してくれたのだが、いくらなんでもイケメン一族の中で1人だけブサメンなのはあんまりな話である。まさに格差社会。他にやる事がなかったので勉強していたらしく、バイオニクスやオカルトへの知識が深まった。知識に従い肉体に強化を施すと、タイタニアン最強となる事に成功した。
他にも若い頃には既に「死」への崇拝が始まっており、その思想や精神は完全にニヒリストであった。もしイケメンだったらニヒリストにはならなかった可能性大。どうやらこの過程で宇宙の最上位概念の1人であるデス、すなわち死の概念の化身・全ての死の集積たる存在(一応女性だが決まった姿はなく、どんな姿にもなれる存在)に出会ったようだ。ついでにデスに一目惚れしている。
その後サノスはどうやら犯罪に手を染めたと言われ、メンターにより追放された。次に戻ってきた時のサノスはなんと故郷タイタンに爆撃を行い、大勢のタイタニアンを虐殺した。一説ではこの時に突然変異の原因を調べるために母スイサンを生きたまま解剖したとも言われているが…。この辺りから彼の評判は宇宙の裏社会に知れ渡り、大勢のならず者を部下として大艦隊を編成する。デスの狂信者となったサノスにとって、もはや「他人の命は投げ捨てるもの」になっており、地球に来た時に何の罪もない人間の親子を「目撃されたから」殺害した。
この時はサノスもまだ知らなかったが、密かにこの親子の父親はサノスの祖父クロノスの手で再生しドラックスという戦士に生まれ変わった。親子の娘はメンターに育てられムーンドラゴンという女性戦士となる。しかしこの親子はなぜか再生後にハゲた。ちなみにこの親子を復活させた理由はサノスを倒すため。ドラックスはかの超人ハルクに匹敵する筋力・サノスの位置の感知・ハルクに匹敵する耐久力・飛行・ブラスト・宇宙飛行など数々の超能力をクロノスに与えられ、ムーンドラゴンは訓練を積みX-MENのプロフェッサーX級のチートテレパシー(超広範囲であらゆる存在の精神を自在に操る)と格闘技の腕前を身につけた。祖父と父から暗殺者を送り込まれるってどんだけー。
…アメコミではよくある事だが、これらはほとんど後に判明した設定だったりする。
サノスが初登場した1973年2月のアイアンマン55号ではなんか凄そうなヴィランが登場したという程度で、詳しいオリジンはまだ不明であった。構想自体は既にあったと思うので一概に後付けとは言えないけど。
初期の活躍
血の繋がった家族と敵対しようがお構いなしの彼は、なんとなく銀河征服を思いつく。
現実改変を可能にするコズミック・キューブという立方体の装置を手に入れようと画策し、あっさりと入手してしまった。地球のヒーロー達の妨害もなんのそのである。しかしニヒリズムの影響か、彼は自らミスを犯してしまう。コズミック・キューブを勘違いで破棄してしまい、サノスのライバルの1人の初代キャプテン・マーベル(クリー出身)の手でキューブを粉砕されてしまった。デスからも呆れられたのでサノスは仕方なく退却する。
それから月日が流れ、アダム・ウォーロックという人造人間と出会う。
この頃のアダムは「服従or死」という思想の邪教集団教祖のメイガスと敵対しており、サノス的にもメイガスが色々邪魔だったのでアダムに協力した。この頃はアダムとメイガスがサノスと切り離せないぐらい深い関わりを持つキャラになるとは、まだ誰も思わなかったが…。メイガスの正体は未来のアダムの姿で、アダムのダークサイドであった…そこ、ダークサイドで別の意味を想像しないように。サノスとアダムの連携でタイムラインを弄られメイガスは消滅、一応危機は去った。しかし腹黒いサノスは密かにアダムが持つソウル・ジェムという魂を司る宝玉に目をつけており、パワーを秘密裏に抽出していた。サノスはアダムの友人ピップ・ザ・トロールを精神崩壊させ、天塩にかけ暗殺者として育てていた義理の娘ガモーラも、サノス自身の危険性がガモーラにバレて刃向かわれると殺した。全く容赦がない。
で、これらの凶行とソウル以外の5つのジェムを集めていた事がアダムにバレて、地球のヒーロー達が阻止しにきた。アダムの捨て身の攻撃でサノスは石化して死亡する。死んだアダムはソウル・ジェムの内部世界で密かにピップとガモーラの魂を保護していたので、彼らと平穏に暮らした。一方のサノスはというと、癌を患いヒーロー達に見守られて亡くなった初代キャプテン・マーベルをデスの元へと導いたりしながらしばらく暇を潰していた。
余談だが、最初は「ソウル・ジェムしか」存在しなかったのに、後付け設定で他にも精神・力・空間・現実・時間のジェムが存在していた事になりソウル・ジェムズと呼ばれ始め、最終的にはインフィニティ・ジェムズとして定着した…と思ったら7つ目のジェム、そしてジェムそのものの正体が判明した。アメコミなので気にしたら負け。
インフィニティシリーズ
結構経った頃にデスの手で更に強化されて復活し、デスへの愛からインフィニティ・ジェムズを収集し始める。
エルダーズ・オブ・ザ・ユニバースという何十億年も生きている超存在の一団がインフィニティ・ジェムズでギャラクタス殺害未遂事件を起こした後は、エルダーズのメンバー5人と宇宙意思のような連中の下僕の計6人がそれぞれのジェムを所持していた。ミニシリーズ「サノス・クエスト」の始まりである。
まず様々な機能を持つ浮遊玉座に座ると、宇宙意思の下僕っぽい奴(インビトウィーナー)が囚われている次元へと向かう。サノスの力を以ってしても道のりは険しく、肉体が歪み、溶け、凍り、ひび割れて顔が崩壊し、精神にも悪影響が出ていた…そこは別の次元の住人が来るべき次元ではなく、その次元では本来「異物」であるサノスは未知の法則で引き起される異常現象で心も体もズタズタにされたのだ。だがサノスはその程度では止まらず、「我はサノス、ゆえにこの程度はなんら問題にならん」と心の中で呟きながら強力な再生能力で強引に通過したのだ。
そしてインビトウィーナーのいる次元へと到着、襲い来る番兵の怪物を一瞬で焼き払うとインビトウィーナーを解放する。ギャラクタス殺害未遂事件に関与していたインビトウィーナーは、創造主である秩序の化身マスター・オーダーと混沌の化身ロード・カオスから監禁処分を受けていたので、解放を心から望んでいたのだ。だがそこはサノス、インビトウィーナーをまんまと騙してソウル・ジェムを強奪すると足早にテレポートで退散する。オーダーとカオスに折檻されるインビトウィーナーを置き去りに、サノスは次のジェムを奪いに行く。
タイム・ジェムを所持する園芸オタクのガーデナーは強力な植物操作能力でサノスに襲いかかるも敗北。
ガーデナーからジェムを奪ったサノスは次の目的地へと移動する。
とある惑星で軍隊を軽々と蹴散らせていた格闘技オタクのチャンピオンの元に出現したサノス。お互い軽い自己紹介を済ますと戦闘を開始した。ただでさえハルクのような凄まじい怪力を持つチャンピオンが、パワー・ジェムの力で更に強くなっているのではっきり言って無理ゲーなのだが、格闘技を極めているチャンピオンの攻撃をサノスは捌き続けて少しずつ反撃を行う。相手は何十億年も格闘技を嗜んできた超存在のはずだが、それだけサノスが強いという事だろうか…。
決闘にも関わらず機械でバリアを発生させたサノスの卑劣さに激怒したチャンピオンは空高く上がると、サノス目がけて高速で突撃した。チャンピオンの拳が当たる瞬間にテレポートでサノスが回避すると、チャンピオンの拳がそのまま地面へ激突して惑星を爆発させてしまった。服がボロボロに破れながらも惑星の崩壊=サノスは死んだと確信したチャンピオンだが、無傷のサノスが玉座に座って姿を現す。段々冷静になってきたチャンピオンは自分が宇宙空間で動けない事に気づく。他のエルダーズと違いチャンピオンは宇宙を飛べないようだ。サノスはジェム譲与を条件に救ってやると持ちかけてまんまとチャンピオンを騙し、ジェムを受け取るとその辺の惑星にチャンピオンを捨てた。
次の相手はスペース・ジェムを持つ走りオタクのランナーだったが、余裕で光より速いランナーの猛攻に苦戦する。
だがタイム・ジェムでランナーを赤ん坊に変えて勝利する。
コレクションオタクのコレクターには幼児化したランナー(幼児化した超存在、つまり希少価値がムチャクチャ高い)とリアリティ・ジェムの交換を持ちかけて、交換してもらった。そう、趣味が生き甲斐というエルダーズ共通の弱点を上手く突いたのだ。
最後の強敵はゲームオタクのグランドマスター。
グランドマスターのイカサマすら超える更に卑怯なイカサマでゲームに勝利したサノスはついに全てのジェムを入手し、愛用のガントレットにジェムを装着した(インフィニティ・ガントレット)。
この後のストーリーが有名な「インフィニティ・ガントレット」だが、またも自分から敗北を無意識に望んだため敗北、全能の神すら超えるジェムの力も捨て去り無人の星で農家となった。
しかし農作業から帰ったある日、自宅の管理AIから異常現象の報告を受ける。
データから宇宙規模の危機を察知したサノスは独自に調査を始める。地球では天才科学者Dr.ドゥームぐらいしか異常に気づいておらず、そのドゥームですら詳細までは掴んでいなかった。宇宙意思の1人で時間の化身エターニティがギャラクタスの目の前で死にかけているのを発見したサノスは、センサーを頼りに捜索を行なって謎の城塞を発見する。エターニティを何者かが危険に晒している事を突き止め音声に記録していると、背後から誰かが呼びかけてきた。その正体はあのメイガス。なんとかつて倒したはずのメイガスが、アダム自身に色々あったせいで復活してしまったのだ…「インフィニティ・ウォー」の始まりである。
一時は「インフィニティ・ガントレット」の時のサノスのように宇宙最強になったメイガスを、頭脳と能力を駆使してなんとか撃退・幽閉したサノス達。次の「インフィニティ・クルセイド」ではアダムのライトサイドであるゴッデスの宇宙浄化計画も、サノスとアダムの頭脳プレイで解決した。
90年代後半以降のストーリー
それからも戦いは続く。
呪いで狂戦士化した雷神ソーにヒーロー達が苦戦する中、サノスはソーとタイマンして拘束に成功する。しかし誤解からソーの父オーディンと戦闘になる。惑星どころか恒星すら軽々と素手で破壊するドラックスも最強のヒーローのシルバーサーファーもオーディンに軽く倒され、サノス自身もかなりの苦戦を強いられた(決着はついていない)。さすがに銀河を吹き飛ばすオーディン相手では分が悪いのか。それでもサノスはシルバーサーファー達とは違ってオーディンの攻撃に何度も耐え、反撃している。シルバーサーファーを始めとする星々を砕く実力者が全く相手にならないタイラントという超存在へと挑む事もあった。さすがに自力では打倒不可能。タイラントにエネルギーを搾り取られたモーグというキャラのエネルギーが、タイラントが使った吸収用オーブに僅かに残っていたのを発見すると吸収、おかげでタイラントと対等に戦う事ができた。
ちなみにタイラントはギャラクタスに敗北し力を制限されたとはいえ、かつては銀河を何個も吹き飛ばす激闘をギャラクタスと繰り広げているし、能力が制限されようがシルバーサーファー程度は軽く倒せるのだ。
最強のミュータントX-MANことネイト・グレイとハルクを相手に戦ったり、破棄したはずのクローン達の暴走を止めたり、デスを奪おうとした死の神ウォーカーと戦うためにソーと2代目キャプテン・マーベルの2人と組んだり、ギャラクタスと戦い彼の精神を支配しかけたり船外へぶっ飛ばしたりした(ギャラクタスはサノス以上のチートだが)。ギャラクタスの反撃で重傷を負いつつも、ギャラクタスの無限の飢えがハンガーという超存在に仕組まれていた事を突き止め、これを排除する事に成功した。
かつてビヨンダーと呼ばれた全能の存在が狂って暴れていたので、彼/彼女の精神をシャットダウンして牢獄にぶち込んだりもしており、この頃のサノスは世の役に立っている。
デッドプール:SAMURAI
まさかの登場にデッドプールが打ち切りの危機を感じるほどであったが、とんでもない罪状を引き起こしていた事が判明した。
サノス……「その星は既に滅ぼした」
デビルーク星とは週刊少年ジャンプに掲載されたToLOVEるに登場する夢とロマンの惑星であったため、デッドプールも「アンタは存在しちゃあいけない生き物だ!!」と激怒する事態となった。
死と再生
全生命根絶を目論む異次元の王アニヒラスが起こした大虐殺事件「アナイアレーション」でサノスは、アニヒラスと組んだり離反したりしながら楽しんでいた。そこへドラックスがやってきて、心臓を奪われて久々にお亡くなりになるサノス。最後の言葉は「…興味深い(…INTERESTING)」だった。その後デスとラブラブな生活を送る。
2010年、宇宙規模の危機と戦うヒーローチームのシリーズ「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャクラシー」のストーリーラインで復活。勝手に復活させられデスと離れ離れにされたせいか気が狂い、あらゆるものを一方的に殺しつくす理不尽な強さで暴れた。普段から狂っているけど。
コズミック・キューブの力でなんとか沈静化されたサノスは拘束され、処分を巡ってガーディアンズが議論するが、以前起きた銀河帝国同士の大戦末期に、ある宙域に異次元と繋がる大空洞「フォルト」が出現しており、この大空洞が大量の敵性存在がいる「キャンサーバース」という平行宇宙と繋がっている。なので「戦力としては」文句のないサノスをガーディアンズは味方につける事になった。しぶとく復活したメイガスのせいでアダムは現在死亡している。
能力
新世代エターナルズの一員としてテレパシー、テレキネシス、不老不死、テレポート、エネルギー操作、物質操作、怪力、超スピード、再生はデフォ。
彼の場合は自力で能力を更に開発・強化しているため、エターナルズの中でも総合的にはトップクラスであろう。
しかも現在ではデスの手で更なるパワーアップが施されている。デスの呪いを受けており、「アナイアレーション」の時のようにデスが許可しない限りは死ぬ事すらできない。その影響なのかは不明だが、デッドプールに自分と同じ死ねなくなる呪いをかける事ができた。
至近距離で惑星が爆発しようが意に介さず、精神攻撃に対する耐性もトップクラス。そして異様な再生力も備える。
もちろん彼自身にも強力なテレパシー能力が備わっており、読心や洗脳や精神破壊など応用度は高い。前の宇宙の宇宙意思と融合しているギャラクタスの精神を支配しかけるとかどんなチートだ。
テレキネシスで生物・非生物問わず周囲の物体を操作する事や、部下のスクラルを粛清した時のように分子を操る事で石化させる事もできる。また、マンティスというキャラを分子レベルで分解した事もあった。
ハルクやドラックス、シルバーサーファーといったブラストや腕力で天体を粉砕する事ができるキャラとも互角に殴り合い・撃ち合いする事も可能であるし、ムーンドラゴンクラスのテレパシーを無効化する事もできる。調子が良い時はドラックス、シルバーサーファー、ビヨンダー、テラックス、フォールン・ワンにも勝っている。ちなみにテラックスは愛用の斧で惑星を一刀両断できるが、サノスはそれを白羽取りして撃退している。
勉強ばっかりしていた反動なのか才能なのか、現在では宇宙有数の頭脳を持つ天才科学者となっており、フォースフィールドやテレポートは自力ではなく機械で発動させるのを好む。テレポートの技術に関しては同じ宇宙内ならどこでも行けるし、異次元へと旅立つ事もできて精度も完璧。テレポート装置の小型化に関しても、手の平サイズとなると彼以外にはできないらしく、「アナイアレーション」ではアニヒラス軍も迎撃に当たったクリー帝国軍とスクラル帝国軍もそんな小型かつ高性能なものは持っていなかった。
クローン技術や医学、バイオニクスや医学などあらゆる分野に通じている。ひょっとして万能の天才なのだろうか?長生きしているため単純に知識量も多い。生活や作戦に使用する機材は全て自分で用意できるだけでなく、大型の宇宙船も何隻か建造している。しかしサンクチュアリィ号に関しては何度か戦闘で撃沈している。
ただ知能が高いキャラなら他にもいくらでもいるが、サノスの場合はその場その場での頭の回転も速い。策略や戦略に関してもマスターしているし、困った時は口先で上手く他者の心を操る事で乗り切ってきている。交渉力以外にも豪胆な精神が役立っており、威圧的に振舞うべきか敬意を払った態度を取るべきかの判断も的確。相手との実力差が圧倒的でも恐れを抱かず、ただの強がりではなく正確に全てを把握しつつも凛とした態度を取る。宿敵であるはずのメイガスですらサノスの知性を高く評価しており、「インフィニティ・ウォー」では「サノス以上に優れる策士は、この銀河内に存在しない」と語り、サノスのドッペルゲンガーを作りだして副官につけていた。もちろんメイガス自身も相当頭のキレる策士なのだが…。
非常に能力のバランスがよく、実力的にも大抵のヒーローやヴィランに圧勝できる。
宇宙を管理するコズミック・ビーイング達には及ばないものの、一矢報いる程度ならできるようだ。
超存在ストレンジャーにあっさり捕獲された磁界王マグニートーと、ギャラクタスやオーディンにも善戦したサノスではえらい違いである。もちろん決してマグニートーが弱いわけでもなく、むしろマグニートーも相当なチートキャラだが。
性格
死という究極の虚無を好むために、せっかく手に入れた全能の力を何度か手放している。この場合は無意識にわざとミスするのがお馴染みのパターンであるため、ファンからは「全能の力を持っていない平常時の方がミスしないし強いのでは?」と言われる始末。たとえ卑怯な事でも全く躊躇わず、どちらかというと直接殴り合うよりは(これほどの実力にも関わらず)裏から物事をコントロールする事を好む屈指の頭脳派ヴィランである。
まあアメコミではとても強いヴィランが頭脳派も兼ねているのは珍しくないけど。
他人に敬意を払う事もできるので、ただ威張り散らしているわけでもなく、基本的には至って冷静かつ紳士的。相手の実力が自分以下でも、わざわざ「私には君と戦う意思はないよ、ご婦人。わかって頂けないかね?」と言いながら投降する事もたまにある。単純に毎度毎度力を振りかざしているのではなく、状況に応じて決めているようだ。
血の繋がった家族を容赦なく殺害するなど冷酷さや狂気が目立つため、キチガイ呼ばわりされる事も少なくない。
そもそも異名がマッド・タイタンの時点で公式認定のマジキチ。だがかつて殺したガモーラと再会した時はお互い楽しそうにしていたし、デスに対しては崇拝と深い愛情を抱いている。そのためデッドプールがデスに絶対会えないように不死化させた。
そして宿命のライバル…というより親友のアダム・ウォーロックの存在。
前述のようにこいつら敵対して殺し合いにも発展しているのに、必要に応じて何度も共闘している。
かつてアメコミ邦訳雑誌「マーヴルクロス」には「アダムはサノスと袂を分かった」と書いていたが、袂を分かつどころかサノスの人生の要所要所でアダムが彼にアドバイスを与えている。普通ならとっくに憎しみ合いに発展しているだろうが、彼らは相変わらず仲がいい。はっきり言って公式でありながらこの2人からは「キャプテン・アメリカとアイアンマン」「プロフェッサーXとマグニートー」に勝るとも劣らぬ強烈な腐臭が漂って…おや誰か来たのかな?
もちろんこの2人の801的な二次創作も海外にあったりする。
日本では邦訳された登場作品が一部ゲームと「インフィニティ・ガントレット」「DC vs MARVEL」しかないので、ネット上ではインフィニティ・ガントレットの強さ以外ほとんど知られてないし、ゴリラのような姿が災いし勝手に脳筋キャラ扱いされている。脳筋キャラとは完全に対極に位置しているにも関わらず悲惨な話である。強いて言えば筋脳キャラ(筋肉まで脳でできている)か。
逆に本場アメリカのネット上ではガントレットが無くても有能な事が知られている。だがいかんせん、ダークサイドの模倣キャラなので少なからずアンチもいるようだ。ジム・スターリンはサノス以外にもダークサイドを模倣したキャラを作っているので余計に批判を受けやすい。しかしダークサイドは「自分の支配する惑星に帰還した瞬間に内戦が終結する」という圧倒的なカリスマキャラなので、模倣したくなるのも仕方ないのかも知れない。
だが今となってはダークサイドとサノスの方向性にかなり差が出ているので、充分に差別化はできている。
「DC vs MARVEL」では実際に両者が世界を越えて夢の共演を果たし、どちらも大物の貫録と迫力を漂わせながら対峙した。
マーベル・シネマティック・ユニバースでは
現在進行しているマーベルの実写映画群『マーベル・シネマティック・ユニバース』では、『アベンジャーズ』のエンドクレジット後に姿を現しているほか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でも登場している。その養女であるガモーラは離反し、ピーター・クイルことスターロードらと共に行動を共にしている。
その後は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』2作にて本格参戦。
『インフィニティ・ウォー』ではMCUフェーズ3の大トリを務めるスーパーヴィランとしてアベンジャーズ相手に大立ち回りを演じ、インフィニティ・ストーンを集めて、インフィニティ・ガントレットを完成させ、宇宙の生命の半分を消し去るという野望を一度は達成した。
『エンドゲーム』では量子世界を通じて「タイム泥棒」作戦を実施したアベンジャーズに乗じて、過去の時間軸のサノスがアベンジャーズを急襲。アベンジャーズが集めたインフィニティ・ストーンをめぐっての激戦を繰り広げた。
格闘ゲーム
カプコンの対戦格闘ゲーム「マーベルスーパーヒーローズ(MSH)」「マーベルVSカプコン2(マブカプ2)」に登場している。
「MSH」では、インフィニティガントレットがストーリーの下敷きに使われたのでラスボスを務め、必殺技は
の二つしかもっていないが、そもそも必殺技と勘違いするレベルの通常技が満載されており、地味な必殺技よりも明らかに目立っている。見た目がよりゴリラ化されたせいかパワーも半端ない為、対応を知らないと蹂躙される。
- 巨大な光弾を放つ「ガントレットパワー」
- 前後に出現した壁で挟み込む「ガントレットリアリティー」
- 吸い込んだ瓦礫を相手の頭上から降らせる「ガントレットスペース」
- 相手の体力を吸収する「ガントレットソウル」
- 相手の移動速度とジャンプを遅くする飛び道具「ガントレットタイム」
- 相手の操作を逆にする「ガントレットマインド」
「MSH」ではボスキャラは使用できなかったが、フリープレイして裏コマンドを入力することで使用できた。これは容量の穴埋めの為にいれられたヴァンパイアシリーズの幼女アニタのキャラデータを用いて、プログラマが勝手に操作可能にした際に、一緒に操作可能にされたともいわれている。無論、蹂躙し放題なプレイが可能だが、フリープレイ設定にする必要がある為、店員に直接金を払う必要がある。
「マブカプ2」ではプレイヤーキャラとして登場。インパクト絶大な飛び道具だったしゃがみ強攻撃やガントレットタイム・ガントレットマインドが削除されているが、デススフィアの使い勝手の良さや相手を選ばない基本性能により、優秀な中堅キャラとなっている(上位が壊れキャラばかりな為)。
関連静画
関連動画
関連項目
親記事
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- なし
兄弟記事
- スパイダーマン
- X-MEN
- シーハルク
- パニッシャー
- ファンタスティック・フォー
- ハルク
- アイアンマン
- ゴーストライダー
- キャプテン・アメリカ
- マイティ・ソー
- スクイレル・ガール
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- マーベル・シネマティック・ユニバース
- ドクター・ストレンジ
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- アントマン
- エターナルズ
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- ミズ・マーベル
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