サムスン(SAMSUNG、삼성)とは、
- サムスン・グループ …韓国最大級の財閥。本記事で記載。
- サムスン電子 …1.のグループ企業だが、サムスン・グループ全体の売上の多くをサムスン電子が占めているため、ほとんどの場合「サムスン」と言う言葉はサムスン電子をさすことが多い。
概要
漢字表記は「三星」だが、1998年にカタカナ名称に統一したため日本国内では現在この表記は傘下球団の水原三星ブルーウィングスくらいしか見られない。ちなみに発音は「サムソン」の方が原語に近い。
サムスン電子、サムスンSDI、サムスン物産、サムスン重工業など韓国を代表する企業を多く抱える財閥であり、韓国経済にきわめて大きな影響力を持つ。
サムスン・グループだけで韓国のGDPの約18%、輸入の約21%を占めるといわれている。[1]
中核企業のサムスン電子は2014年度通年売上高205兆4800億ウォン、純利益24兆9400億ウォン[2]と電子・電気機器メーカーとしては世界トップクラスの売り上げを誇る。
スマートフォンでは「Galaxy」の名前で展開され、Samsungという刻印もGalaxyとしてきたが、2023年2月28日に公式オンラインショップを公開したタイミングでサムスンの名前を表記するようになった。
歴史
1938年、李秉喆(イ・ビョンチョル・早稲田大学中退)が後のサムスンの原型とも言えるサムスン商会を設立。1948年には三星物産公司を設立し、その後は時代に応じて製糖、繊維、電子、航空、機会、化学、船舶、金融など多方面に事業を展開してきた。[3]
しかし、日本以上に資源・人材に乏しい韓国で、これまでのように幅広く業種を拡大していくことは、経営的な面でも物理的な面でも限界があった。1988年にサムスン会長に就任した李秉喆の息子である李健煕(イ・ゴンヒ 早稲田大学卒)は、1993年に今までの量産主義的な変え方から脱した徹底的な効率・品質主義を貫く「新経営」という指針を発表した[4]。これにより、売上高・利益が伸びていったが、1997年にアジア通貨危機が発生し、サムスンも他財閥と同様に経営難に陥った。この際、採算性の悪いグループ企業を一気に精算し、中核事業並びに将来性の高い事業に集中的に投資する『選択と集中』をより一層高めていった。
李健熙は2009年に脱税や背任行為でソウル高裁で有罪判決が出たため李洙彬がサムスン電子会長に就任したが、後に李明博大統領が李健熙を恩赦したため、2010年にサムスン電子会長として経営に復帰した。[5]
李健煕会長が2014年に心筋梗塞で倒れ寝たきりになって以降は、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が事実上のトップとしてグループを指揮していた。[6]
李副会長は朴槿恵前大統領の罷免につながった贈収賄スキャンダルで2017年に逮捕。裁判は懲役5年の実刑判決(ソウル地裁)→懲役2年6月執行猶予4年(ソウル高裁)→判決を破棄し高裁に差し戻し(最高裁)と推移、2021年1月の差し戻し控訴審で懲役2年6月の実刑判決が言い渡され、再び収監されることになった。[7]
サムスン電子
常に世界上位の売上高・利益率を誇る電気電子企業であり、また「SAMSUNG」のブランド力は総合電気電子メーカーとしてはトップクラスのブランド価値があるとも言われている[8]。また、薄型テレビ、DRAM、NANDフラッシュメモリの世界シェアは2014年現在首位である[9][10][11]。
常に他社を上回る莫大な投資をしており、研究・開発には多額の資金を注入する。そのような大型投資を行うのは非常にリスクが高いため、膨大な市場や技術の発展に関するデータをあつめ綿密な計画・戦略をたてている。それにより、他社と比較して安価で、顧客が好むデザインや商品を常に発表し続けている[12]。
対日関係
韓国企業の中では、珍しく親日。理由としては、創業者一族が親日家だからである。以下にエピソードを記す。
- 創業者・李乗喆・・・早稲田大学商学部中退。サムスン設立前は共同精米所を開設して、駐留中の日本軍に売って利益を得ていた。
- 二代目・李健熙・・・李秉喆の三男。現サムスン電子会長。早稲田大学商学部卒。兄と共に小学5年生から中学1年生まで日本で過ごす。韓国の中学校に編入したとき、韓国語よりも日本語の方が得意で、更に日本の習慣が身に付いていたため、韓国の中学・高校ではいじめに遭っていた。
- 三代目・李在鎔・・・李健熙の長男。現サムスン電子副会長。ソウル大学卒業後、慶應義塾大学大学院で経営学を専攻し、自社の経営に生かして利益を上げた。
21世紀に入ってサムスンが業績を伸ばした頃、韓国の新聞はこぞって「サムスン大躍進 日本企業を追い越す」と書き立てたが、当の李社長は喜ぶどころか、「まだ日本企業から学ぶべきことがある」と淡々としていた。
関連動画
関連商品
関連リンク
関連項目
脚注
- *【日韓経済戦争】業績悪化が止まらない「サムスンショック」に悲鳴を上げる韓国政財界
2019.9.19
- *韓国サムスン電子、昨年通期は9年ぶり減収 減益幅は3割超、スマホ失速鮮明に - 産経ニュース
(2015年1月8日)
- *韓国国民の世論が招いた韓国崩壊…サムスン解体へ、副会長と朴大統領は起訴で容疑者に
2017.3.1
- *サムスン新経営20周年と課題
情報化レビュー・電子版第213号(公益財団法人日本生産性本部)
- *韓国国民の世論が招いた韓国崩壊…サムスン解体へ、副会長と朴大統領は起訴で容疑者に
- *【日韓経済戦争】サムスントップ李副会長、再び実刑か 「キーマン」失いお先真っ暗?
2019.8.29
- *サムスントップを再び収監へ-李在鎔副会長に懲役2年6月の実刑判決
2021.1.18
- *2014 - Best Global Brands - Interbrand
・・・有名企業の世界のブランド力をランキング形式で発表している米・Interbrand社による調査。サムスン電子は7位に位置している(参考 キヤノン:37位、ソニー:52位、パナソニック:64位)
- *Global market share held by LCD TV manufacturers from 2008 to 2014
statista
- *Global market share held by the leading DRAM chip vendors from 2nd quarter 2010 to 4th quarter 2014
statista
- *NANDフラッシュ、売価下落も市場規模は拡大――2014年10~12月
EE Times Japan(2015年2月6日)
- *例として、当時DRAM生産で世界1位であった東芝は新しく開発した4MBのDRAMを生産・販売した。だがサムスンは自社が立てた戦略にのっとり、あえて世代の古い1MBのDRAMを大量生産し、当時としては安価な価格の1MB-DRAMを実現。多くの顧客が購入し、莫大な利益をもたらした。一方、性能は優れているがまだ高価な4MB-DRAMはあまり売れず、東芝は先端設備等の資金回収もままならないまま、大量の在庫を抱えることになった。そしてサムスンはその利益をまた市場調査・生産にと潤沢に使い、シェアを徐々に伸ばしていった。
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