曖昧さ回避
- サラミス島 - ギリシャに存在する島。
- サラミス市 - 古代ギリシアの都市国家の一つ。
- サラミスの海戦 - サラミス島沖で行われた海戦。時代を隔てて数回起こっている。
- サラミス(軍艦) - ギリシャ海軍ではサラミスの名前を持つ船を何度か保有している。
- サラミス(機動戦士ガンダム) - アニメ「機動戦士ガンダム」およびそのシリーズに登場する架空の艦艇。この記事で記述する。
サラミスとは、アニメ「機動戦士ガンダム」およびそのシリーズに登場する架空の艦艇。ネルソン級やフジ級などの改造艦もこちらで紹介する。
概要
地球連邦軍所属。宇宙軍にとってはほぼ間違いなく主力であり、多数の同型艦が確認されている。戦後も連邦正規軍、ティターンズ、エゥーゴなどの組織で運用がなされていた。
艦種と艦名
艦種は巡洋艦または宇宙巡洋艦。ジオン軍と違い、軽・重の違いはなく、劇中で登場する巡洋艦は本級のみとなっている。ただし、ムサイとの対比やアレキサンドリア竣工後は便宜上、軽巡洋艦と言われることがある。
艦名の由来はギリシャ神話の神サラミスまたはサラミス島またはその周辺海域で行われた古代ギリシャ時代の「サラミスの海戦」から。ただし、シリーズ的な命名傾向は地名が多いため、神話ではなさそうである。
サラミス級宇宙警備艇
実はサラミス級と名のつく艦艇は0079時の巡洋艦が初めてではない。最初のサラミス級は西暦末期から宇宙世紀初期にかけて配備されていた警備艇である。いつから配備されているかは正確には定かではない。恐らく一年戦争時のサラミスはここから名前を引き継いでいると思われる。
全長70mと0070年代以降の宇宙艦艇比較すると非常に小型といえる。エンジンは当時はまだミノフスキー粒子もそれを利用した核融合炉、さらにこれを動力源とする熱核ロケットエンジンなどあるはずもなく、旧来のロケットエンジン4基となっている。
このサラミス級はトラス構造の骨組みを主体としている。また、中央部ブロック下部には艦隊とほぼ同じ長さの太陽電池パネルが接続されている。船首に当たる骨組み主体の構造物の最前部には操艇指揮所が張り出している。その姿は比較的「船」然とした後の航宙艦艇とは違い、むしろロケットエンジン付き人工衛星あるいは宇宙ステーションといった印象を受ける。
その武装にはいくつかバリエーションがあるが、共通する武装は操艇指揮所の下部に装備された高出力レーザー砲と24基の遠隔操作式レーザー衛星である。レーザー衛星はバッテリー、太陽電池パネル、レーザー砲から構成される無人砲台であり、これを展開することで当時としては無類のエリア防御能力を誇っていた。まさしく警備艇らしい装備であるといえる。
この他には中央部ブロック上部に宇宙戦闘機を繋留できるアームや艦の全長とほぼ同じ長さを誇るレールガンを装備した艦などが存在する。
どのような活躍をしたかは明らかとなってはいないが、宇宙世紀00011月1日の改暦セレモニーの際には宇宙ステーションである首相官邸「ラプラス」の警備のため36隻が配備され、全艦が装備している全レーザー衛星を展開することで近寄るものを全て叩き落す防御網を形成していた。しかし、「ラプラス」はその防御網内部からの細工で破壊されたため徒労に終わったといえる。
建艦までの経緯
0058年のジオン共和国の建国と国防隊の設立を受け、連邦軍も翌年の0059年には宇宙軍設立を発表。将来の主戦場は当然に宇宙であることが予測される時代であり、両国の建艦競争は建国・建軍と共にエスカレートする。
当初はジオン(のちに公国へ)側の内紛や経済制裁、もともとの国力差から連邦が優位に立つ。しかし、0069年にはジオン公国においてミノフスキー粒子が発見され、0070年にはこれを応用したメガ粒子砲が開発されると、連邦軍の質的優勢は失われてしまうことが予想された。幸い、0072年には開発者であるトレノフ・Y・ミノフスキー博士が連邦へと亡命し、これらの技術は連邦にも伝わることとなった。
この一連の騒動と前後して建艦が開始されたのがサラミスである。
性能(ビンソン計画以前)
全長は228メートル。横幅は62.2メートル。仮想敵であるムサイとは全長は同等だが、横幅では半分近く小型である。
エンジンは熱核ロケット1基。ムサイが2基であることを考えると若干頼りないが、これは船体に直接組み込む設計が影響したようだ。ただし、航続距離では優れており、各サイドを無補給で巡回できマゼラン級に随伴することが可能である。0060年代以前の艦艇が急速に淘汰された理由はここにあるらしく、優れた汎用性への一助となった。
武装は主砲が単装メガ粒子砲6基。マゼランよりは小口径だが速射性能では有利であったらしい。配置は前後部三面に1基ずつである。ムサイと比べた場合、死角は少ないが火力集中を考えた場合不利な設計であった。
対空砲は連装6基。当初は戦闘艇対策であり、MSには不十分であったとされる。それでも一門の搭載もないムサイよりは確実に有利な設計であり、旧式と言われつつ長い現役生活を送ることができた遠因となった。
ミサイルランチャーは2基。また、大型ミサイルも艦首に8基装備されている。総じて言うとハリネズミと言えるほどの充実ぶりであり、マゼランの護衛艦や各コロニーの警備艦として設計されていたことがうかがえる。
当然ながらMSは配備されていない。トマホークやセイバーフィッシュなどの戦闘艇も標準装備ではなく、専用艦や改造艦に任されていたようだ。
船型は大変に細長く、連邦の典型的な宇宙艦艇と同型である。最下面を除いてブリッジが三つ用意されており、そこから各面の砲を指揮すると言う構造であった。
実戦(序盤)
マゼランと共に大きな期待を抱かれていた本級だったが、開戦後はジオン軍のミノフスキー粒子散布作戦と小回りの利くMSの前に惨敗(ブリッティッシュ作戦)。続くルウム戦役では一矢報いたが、最終的にMSの飽和攻撃の前に敗れ戦力の大半を喪失する被害を受けてしまう。
それでも大量の残存艦はあり、宇宙での優勢を奪われたのちも護衛や偵察など散発的な活動を継続した。有名なところでは地球へと向かうホワイトベースの護衛を担当した姉妹艦マダガスカルがある。
しかし、さすがに連邦軍と言えでもルウム惨敗直後に動けるサラミスは少なかった。地球に降下するジオンの大部隊に対し、僅か3隻しか出撃する事が出来ず、うち1隻は反撃に遭って撃沈されている。
性能(ビンソン計画後)
連邦軍にとってはMS開発と専用艦の竣工が急務となり、その開発と試験運用を兼ねたV作戦が発動される。一方、既存の生産ラインと大量の残存艦の有効活用を狙った軍備再建計画(ビンソン計画)も平行して進められた。
マゼランと並んでサラミスの近代化改修も進められ、サラミスには主に簡易MS搭載能力が与えられることとなった(サラミス後期型)。具体的な搭載数は不明だが、格納庫は設けることができず露天つなぎ止めであり、冷却は下部の放熱板を利用すると言う後世から見ればかなり荒っぽい運用が行われていた。当然、本格的な整備は不可能であり、コロンブス級などを改造した整備艦が随伴していたらしい。反面、主砲は上部の1基を撤去し艦としては弱体化している。これはMSの搭載場所確保もあるが、ジェネレーターをMSの冷却や整備に回す必要があったためのようだ。
ビンソン計画との関連性は不明だが、MS搭載能力をさらに強化した改良艦としてはネルソン級が存在し、こちらはカタパルトと増設格納庫を保持し軽空母に発展分類されている。ただし、マゼランにおけるマゼラン級改と同様に少数生産であったようだ。
また、戦闘用小型ポット(ボール)を積んだ改造艦もあり、前部のメガ粒子砲とミサイルランチャーを全て撤去した上で射出用プラットフォームを6基装備している。ネルソン級とは違い、ある程度の数が生産されたらしく偵察と通商破壊に活躍した。
戦闘艦ではないが、本級の武装を撤去した上で輸送艦としたのがフジ級である。
実戦(一年戦争後期)
ビンソン計画で建造されたサラミスとマゼランはジャブローより打ち上げられ、ルナ2に集結した。打ち上げ途中でゼーゴックの妨害に遭い撃沈されたサラミスもあったが、ジャブロー側の迎撃でゼーゴックを排除し、打ち上げは順調に進んでいった。
ソロモン攻略戦では本級が主力として活躍している。MAのビグ・ザムの攻撃で多数が撃沈されるなどの被害もあったが、作戦自体は成功。続くア・バオア・クーの戦いでも活躍を見せ、本領である艦隊戦の機会も何度か得ている。特にグワジン級を体当たりの末とは言え撃沈し、キシリア座乗のザンジバルを砲撃で沈めるなどの大金星もいくつか挙げている。
また、人材面でもフジ級の艦長であったヘンケン・ベッケナーやマリアナに乗艦していた土方歳三トッシュ・クレイなど、本級で経験を積んだ実戦指揮官も多く存在したようだ。数の上からでも戦争終結を導いたのはペガサス級(ホワイトベース)ではなく、本級であるとする説も根強い。
ソロモンやア・バオア・クーにおけるジオン軍の猛反撃により数え切れないほどのサラミスが撃沈されるもが、それでも大量のサラミスが生き残ったという。
一年戦争後
一年戦争終結後も主力であり続けた。0083年には本級の改良型であるサラミス改級(Z時代と区別し、0083型とも防空型とも)が確認できる。しかし、0083型は防空能力を強化した反面MS搭載能力を縮小(または撤廃)されており、連邦の艦隊戦回帰を物語っている。この戦後の軍備は大きな誤りであり、観艦式の際にデラーズ・フリートの核攻撃を受け多数が大破・沈没した。
デラーズ紛争の反省を受け、残存艦は再び改修され0087年前後にはサラミス改級が竣工。MS格納庫とカタパルトデッキを装備した本格的なMS運用艦に生まれ変わった。また、サブブリッジを廃した上で連装メガ粒子砲を装備し、対空機銃も単装が8基追加されたため火力も大幅に強化されている。エンジンもサブとして2基増設され放熱対策に船型も若干膨らみ、外観も異なることからほぼ新造艦扱いであったようだ。実際、戦後に新規建艦されたモノも少なからず存在した。
サラミスの現役生活は長く、ほぼ全ての宇宙世紀の戦闘に参加し後述する後継艦のアレキサンドリアがほぼ退役したのちも配備が続いた。竣工から実に80年後の0153年のザンスカール戦争でも、ミノフスキークラフト装備艦の配備が確認されている。ただし、主力戦艦であったラー・カイラムや後継艦であるクラップ級に随伴はできず、警備任務や雑役についている。
姉妹艦
- マダガスカル
ルナツー所属艦。艦長はリード中尉。ホワイトベースの護衛にあたった。戦後も残存し、改修を受けた上で0083年のデラーズ紛争に参加。バスク・オムの座乗艦となっている(新造艦説あり)。 - スルガ
フジ級輸送艦。ヘンケン・ベッケナーの一年戦争時の乗艦。なお初代スルガはサラミス級宇宙警備艇だった模様。 - マリアナ
ソロモン戦に参加。トッシュ・クレイの一年戦争時の乗艦。 - ユイリン
0083型。デラーズ・フリートを追撃するアルビオンと合流。ザンジバル級(リリー・マルレーン)の砲撃により戦没。 - ナッシュビル
0083型。ユイリンと同様にアルビオンに合流。シーマ・ガラハウの攻撃により戦没。 - サウスダコタ
巡洋戦艦型(?)。推進剤に余裕があり、デラーズ・フリートの捕捉に成功するも、ノイエ・ジールの攻撃を受け戦没。同型艦4隻も沈没した。 - モンテレー
0083型。核攻撃から生き残ったが、推進剤不足によりデラーズ・フリート追撃を断念。 - サチワヌ
サラミス改級。ティターンズ所属。ガンダムMK-Ⅱ奪取事件後、アレキサンドリア、ボスニアと共にアーガマを追撃。グラナダ入港中、エゥーゴによって拿捕される。 - シチリア
サラミス改級。エゥーゴ所属。ジャブロー攻略作戦中にシロッコにより撃沈させられる。 - ブルネイ
サラミス改級。ティターンズ所属。バスク・オムをグリプスに送り届けた。 - ボスニア
サラミス改級。地球連邦軍所属。艦長はチャン・ヤー少佐。ライラ・ミラ・ライラの乗艦。ティターンズ指揮下に入りアーガマ追撃戦に参加。 - モンブラン
サラミス改級。エゥーゴ所属。レコア・ロンドの地球降下作戦を支援。ジェリド・メサにより撃沈させられる。
後継艦
直系としてはアレキサンドリア級重巡洋艦が挙げられる。本級とムサイの折衷様式であり、前部の船型は本級の影響である。多数の姉妹艦が存在し優秀な性能であったが、多くはティターンズに配備され戦没した。また、生き残りの艦もティターンズ色が嫌われたのか、結局主流となることはなく本級より早く退役してしまったようだ(若干の残存艦はあり)。
続いてクラップ級が竣工し、本級との交代が期待された。しかし、こちらも完全な交代を実現することができないまま旧式化してしまい、結局相当数がザンスカール戦争まで残存した。
その他よもやま
- 一年戦争登場艦のため人気があり、模型化がなされている(当時は宇宙戦艦ヤマトのブームがあり、艦船も重要な商品であった)。
- MS IGLOO にも多数が登場している。ただし、これまでにない変則的な動きをしており、好悪が分かれる。庵野秀明氏はこの点をインタビューで批判している。
- 宇宙世紀の中ではもっとも息が長い兵器である。ただし、核兵器などは旧世紀と変わらないとする描写もあり、小説などでは同様の経緯で原子力潜水艦も登場している。
関連動画
関連項目
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 機動戦士Zガンダム
- ガンダムシリーズのMS・MAの一覧
- 地球連邦軍
- ムサイ
- チベ
カウンターパート - アレキサンドリア
- GM(機動戦士ガンダム)
- ボール(機動戦士ガンダム)
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