サルミアッキ(フィンランド語: salmiakki)あるいはサルミアック(北欧諸語: salmiak)とは、北欧周辺地域でポピュラーに食されている菓子類およびそのフレーバーである。
概要
塩化アンモニウム(塩安)とリコリス[1]を味付けに用いた菓子類とそのフレーバーである。特にサルミアッキのキャンディは北欧5カ国およびバルト三国、北ドイツ、オランダで伝統的に食されており、まさに北部欧州を代表する菓子である。特にフィンランドではキャンディの形である菱形のことをしばしばサルミアッキと呼ぶほどの人気物である。
大抵の場合、色は黒に近い暗褐色(炭素系着色料のカーボンブラックで色づけされている)。検索をかけてみれば、この黒い悪魔に果敢にも挑み、無残に敗れ去った多くの猛者達の苦悶、そして数少ない超越者の歓喜を垣間見る事が出来るだろう。
敗れ去った者達が一様に訴えたのは、塩安が発する強い塩味にアンモニア臭とゴムの味、そして生薬特有の薬臭さと苦味。かつて『探偵ナイトスクープ』内でも、「世界一まずい飴」として紹介された程である。
なんでそんな強烈なもんが入っているのかというと、塩安とリコリスにはそれぞれ去痰作用と消炎・止渇(咳止め)作用があるため。まあ要するに「のど飴」なのである(なお普通のリコリス飴は他の国でもよく食されている)。いずれも摂取し過ぎると副作用が現れる可能性があるが、まあそんなものが出るほど食べなくてはならない状況というのは副作用以前に色々と詰んでいる気がするので、気にすることはないだろう。
更に恐ろしい事にこのサルミアッキ、北欧ではその他の食品や飲料類の味付けとしても使用されている。アイスクリーム、ガム、コーラ、ドーナッツ等の菓子類から豚肉、ウォッカなどにも使われている。
特にウォッカの場合、コスケンコルヴァ(Koskenkorva)という有名ブランドがサルミアッキ味のウォッカ「サルマリ」(Salmari)を販売しているのだが、その強烈な味がアルコール本来の味を消してしまうらしく、30%~40%と高いアルコール度数でありながらジュース感覚で飲めてしまう為、アルコール依存症を誘発するとされて一時は販売が中止された程。
その独特な味ゆえ、日本に限らず他の地域でもあまり食べられていないようだ。フィンランド人が意気揚々と他国の人間に勧めて拒否られた、という話もあることから、日本で例えるならば「納豆は美味しいのになんで外国人は嫌がるのかなあ」というノリなのかも知れない。
異文化交流とはムズカシイものなのである。
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サルミアッキではないものの、この『シュネッケン』もリコリス菓子のひとつである。ご購入は計画的に。
関連項目
脚注
- *甘草の一種。日本では主に基本的な生薬として用いられる。英語での綴りはliquorice(又はlicorice)で、ギリシャ語の「甘い根」を語源とする。ヒガンバナもリコリスと呼ばれることがあるがこっちの綴りはLycorisで、ギリシャ神話の海の精リコリスに由来する。
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