サンキョウセッツとは、1985年生まれの日本の元競走馬であり、
※馬齢表記は当時のものに合わせて旧表記で記載しています。
オークス前の主な成績
父はグリーングラスを輩出したインターメゾ、母の父はあの三冠馬シンザンとけっこう渋い血統の馬。
そんな血統背景もありデビュー前もデビュー後もほとんど注目されることなく、デビュー4戦目に初勝利を挙げる。未勝利戦、そして5戦目の3歳400万以下条件を連勝すると、クラシック戦線に乗るために重賞戦線へ。
と言っても派手な活躍をするわけでもなく、3歳暮れからGⅢで4着、7着、5着という可も無く不可も無くという成績で、この年のクラシック戦線の主役であるシヨノロマン(桜花賞及びエリザベス女王杯2着、ヤエノムテキの嫁)、アラホウトク(桜花賞馬)、スカーレットリボン(スカーレットブーケの姉、桜花賞一番人気)らの影に隠れて目立たなかった。
1988年第49回オークス
フラワーカップで5着に敗れたサンキョウセッツは、次戦を4歳牝馬の頂点を決めるオークスに定める。
出走枠は3枠8番。人気のシヨノロマンと同じく赤い帽子の3枠 である。
一応は鞍上の名手・郷原洋行の牝馬GⅠ初制覇がかかっていたものの、当日の人気は全22頭中16番人気であり、ほとんどのファンはサンキョウセッツに見向きもしていなかったことが伺えるだろう。
期待薄のままゲートの開いたオークスで、サンキョウセッツはアレとかソレとかコレみたいに落馬をすることもなく、道中は後方から二番手を追走していた。(ただし3番人気のスイートローザンヌが故障で競走中止していた。)
そして迎えた直線、レースは思わぬ展開を迎える。
人気馬のアラホウトクやシヨノロマンが伸びない中、するすると上がってくる赤い帽子……。
ファンが「?」マークを浮かべる中で、当日のオークスを放送していたスーパー競馬の実況アナである堺正幸アナは自信を持って叫んだ。動画を見ると、最初は2枠(黒の帽子)のシノクロス(18着)が先頭とか言ってた気もするがそれは言ってはいけない。
サンキョウセッツだ!サンキョウセッツが来た!
そう、なんと先頭に立ったのはサンキョウセッツだというのだ。大波乱もいいところである。赤い帽子の馬はこのままグイグイと伸び、先頭でゴール板を通過。そして実況の堺正幸アナは悲願の牝馬クラシックタイトルを制覇したベテランのために続ける。
サンキョウセッツだ! 郷原です! 郷原やっと牝馬のクラシックタイトルを獲りました!
堺アナが興奮する中、TV画面の中では意気揚々とウイニングランをする赤い帽子の鞍上と、9番のゼッケンをつけた勝ち馬。再び人馬をたたえようと、「9番のサンキョウセッ……」と言いかけたところで違和感を覚えた堺アナはこう続けた。
堺アナ「コスモドリーム、コスモドリームか……いやあ、コスモドリームだったようですね。」
解説の大川慶次郎氏に「コスモドリームですね」とつっこまれ、謝罪する堺アナ。この事件が原因で、堺アナはしばらくの間競馬実況を干される離れることとなる。
勝ったコスモドリームは確かに人気薄ではあったのだが、10番人気とサンキョウセッツよりも人気を集めていた。
鞍上は後に人気薄の馬を勝たせることに定評を得る熊沢重文。当時弱冠20歳3ヶ月でGⅠ初騎乗初勝利を成し遂げた。
ちなみに当のサンキョウセッツは9着と、人気の割にはそこそこ健闘。オークス後は条件馬に降格し、7歳まで走ったものの1勝止まりで繁殖入りした。
血統表
*インターメゾ Intermezzo 1966 黒鹿毛 |
Hornbeam 1953 栗毛 |
Hyperion | Gainsborough |
Selene | |||
Thicket | Nasrullah | ||
Thorn Wood | |||
Plaza 1958 鹿毛 |
Persian Gulf | Bahram | |
Double Life | |||
Wild Success | Niccolo Dell'Arca | ||
Lavinia | |||
ネバーシンザン 1975 鹿毛 FNo.12-f |
シンザン 1961 鹿毛 |
*ヒンドスタン | Bois Roussel |
Sonibai | |||
ハヤノボリ | ハヤタケ | ||
第五バツカナムビユーチー | |||
ネバーキャスト 1967 黒鹿毛 |
*ネヴァービート | Never Say Die | |
Bride Elect | |||
スターキャスト | *ガルカドール | ||
*ダーバリー | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Bois Roussel 5×4(9.38%)、Nasrullah 4×5(9.38%)
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