サンダー・ボルトとは、遊戯王OCGに登場する魔法カードである。(一部遊戯王カードWikiより引用)
※その他のサンダーボルト(thunderbolt)については「サンダーボルト」を参照。
概要
通常魔法
(1):相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
「STARTER BOX」(1999年3月18日発売)にて登場。
全体除去魔法の代表格、魔法カードとしても最古参の1枚として多くの決闘者に知られている。
基本的に遊戯王OCGで重要なのはモンスターである。それをノーコスト無条件で破壊できるこのカードは紛れもないパワーカードである。それゆえ最初期は必須カードと見なされていた。
しかし、破壊耐性を持つモンスターは除去できず万能ではない。通常魔法なので相手ターンの防御には使えず、先行で死に札になるカードと言える。
かつて「必須カード」とされていたこのカードが「考えなしに入れてはいけないカード」という認識に置き換わっていることが、遊戯王の歴史、環境の変化を物語っている。
登場から禁止指定まで
初期の公式ルールでは上級モンスターの生け贄(リリース)が必要なく「青眼の白龍」が最強カードであり、召喚されると手のつけようが無かった。その「青眼の白龍」をいとも簡単に破壊し、さらに自分が攻め込むための場を整えられるこのカードは重宝された。今でこそ除去に対して多様な対抗手段があるものの、当時は防ぐのも難しかった。
エキスパートルール制定以降、生け贄などのルールが整えられた後でもノーコストの全体除去は強力だった。魔法・罠の使用にターン制限が無くなり「ハーピィの羽根帚」で伏せカードを破壊→「サンダー・ボルト」でモンスターを破壊→モンスターを召喚して攻撃するのが王道コンボとなった。[1]
どんなデッキにも入る上に効果があまりにも強力すぎることから、制限カード導入(1999年)にともない制限カードに指定。禁止カード導入(2004年3月1日)と同時に禁止カードに指定された。ほぼ下位互換と言える「ブラック・ホール」も後に禁止指定され、長い間緩和されることはなかった。
制限緩和、その後の規制状況
そんな中、TCG(海外)で2014年10月1日に制限カードとなる。大量展開が昔の比にならないほど容易になっていたため、対抗策としての緩和だろう。この改訂は日本でも話題になり、TCG環境でどのような影響があるか注目され、OCGでの緩和も期待されるようになった。
そして2019年4月1日、OCGでも制限カードに緩和。15年1ヶ月ぶりの復帰となり、当時の最長記録を更新した。更に2022年4月1日に準制限、同年7月1日では制限解除に至った。
しかし、サイドデッキに3枚投入して後攻用の戦略を容易にとれることが問題視され、2023年1月1日に再び準制限カードとなった。その後は採用率が低下し2024年10月1日に制限解除されて現在に至る。
制限復帰直後の環境は「オルフェゴール」「サラマングレイト」など効果耐性を持つモンスターを主力とするデッキがトップメタであり、このカードだけでは捲れない有様だった。とはいえ、昨今のカードにみられる名称ターン1制限が無いため、複数回打ってゴリ押しする戦法も可能。除去耐性が控え目なテーマが環境トップに立った時は有効なメタカードになるだろう。
漫画、アニメ、デジタル作品において
- このカードをはじめ、無条件の全体除去は展開の面白味に欠けるためか滅多に使用されない。
- アニメDMでは洗脳された城之内が使用した。原作では「ライトニング・ボルテックス[2]」の名で、効果は「サンダー・ボルト」と同じものを使用している。
- 遊戯王OCGの前身であるゲームボーイ作品『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』シリーズでも登場。
- デュエルリンクスではスキルやアイテムで手札に加えることでのみ使用可能。
- マスターデュエルではチュートリアルで1枚入手可能。発動時に特殊演出が発生する。サービス開始当初は制限カードだったが、2022年9月に準制限へ緩和された。
余談
- 最初期のテキストは「相手モンスターを全て破壊する。」。これに限らず初期のテキストは曖昧である。
- 英語名は「Raigeki」。そのまま「雷撃」である。「Thunderbolt」に出来なかったのだろうか。
- このカードの影響からか、カードを破壊する効果を持つ魔法、罠カードは「ライトニング・ボルテックス」「サンダー・ブレイク」のように雷や落雷などをイメージしているものが多い。
- 専用メタカードとして「避雷針」が存在する。汎用性が低すぎるため、当初から使用されることはなかった。詳細は避雷針(遊戯王)を参照。
- 禁止カード指定後も「BIGINNER'S EDITION 1」(及び、そのリニューアル版)に再録されている。同商品は「強欲な壺」など他の禁止カードも収録されており、コレクター向け商品であることが伺える。
- 2019年4月1日の制限復帰に合わせて「STARTER DECK(2019)」に再録された。その後もストラクチャーデッキなどに時折再録されており、新規の決闘者でも入手しやすくなっている。
- 「QUARTER CENTURY CHRONICLE side:UNITY」(2024年2月23日発売)にて、新規イラストが収録された。「オシリスの天空竜」が上空から元のイラストと同じ構図の雷撃を放っている。
- ニコニコでは長期間禁止カードだったことから、カード紹介や古いレギュレーションでのデュエルで目にするくらいだった。緩和後も、アニメ作品で使われずネタにしづらい為か知名度の割に関連動画は少ない。
関連動画
関連項目
脚注
- *当時、遊戯王OCGは小学生を中心に流行しインターネット環境も未発達だったため「公式ルール下で魔法カードを1ターンに複数使用」「エキスパートルール制定後も上級モンスターを生け贄なしで召喚」など、ルールを正確に把握していない決闘者が多数だったと思われる。
- *OCGのライトニング・ボルテックスとは異なる。
- 3
- 0pt