サンテミリオン単語

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サンテミリオン
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曖昧さ回避
  1. サン=テミリオンフランス西部の町。ワイン産地。
  2. 1を産地とするワインの銘柄。
  3. サン=テミリオン地域…1の町を含む周辺地域。ユネスコ世界遺産
  4. ジョディ・サンテミリオン…『名探偵コナン』の登場人物、ジョディ・スターリングの偽名。2が由来。
  5. 3を名の由来とする日本競走馬本項で記述

サンテミリオン(Saint Emilion)とは、2007年生まれの日本競走馬黒鹿毛

同期三冠と樫の冠を分け合い、そしてその後の明暗も分かれた史上初のGI1着同着

な勝ち
2010年:優駿牝馬(GI)フローラステークス(GII)

概要

ゼンノロブロイ*モテック、*ラストタイクーンという血統。
2004年に史上2頭秋古馬三冠を達成した名。サンテミリオンはその初年度産駒である。同同期にはペルーサなどがいる。
フランスからの輸入繁殖牝馬で、フランスGIIIフロール賞の勝ち
1986年BCマイルキングスタンドSなど英GIを3勝。種牡馬としてもオーストラリアリーディングサイアーくなど海外では活躍したが、日本では期待されたほど結果を出せなかった。ただしキングカメハメハとして日本の血統図に名を残すことになる。

2007年1月30日千歳市の社台ファームで誕生。そのまま社台ファーム代表の吉田照哉がオーナーとなった。デュランダルロゴタイプのような社台グループオーナーズのではなく、あくまで吉田照哉の個人名義での所有馬であるらしい。

生産牧場によると「幼少期から優等生で手がかかった記憶がありません」とのこと。

聖エミリオンの祝福

デビュー~フローラステークス

古賀慎明厩舎に入厩。デビューはやや遅く、3歳となってからの2010年1月5日中山2000mの新馬戦(上は内田博幸)。ここは2番手追走から楽な手応えで抜け出すと、後続の追撃を押し切り快勝。

2戦1月24日の若賞(500万下)。上にはここから横山典弘を迎える。ここは前年のホープフルS(OP)2着のミカエルビスティーが断然の1番人気で、紅一点彼女は3番人気に留まったが、ここも2番手追走からめに抜け出してを蹴散らし2身半差の勝。

この連勝で、重賞初挑戦のフラワーカップ(GIII)では単勝1.6倍の断然の1番人気。しかしここは中団群の中で揉まれるレースとなってしまい、先行で抜け出したオウケンサクラと、同じような位置から外で先に仕掛けたコスモネモシンに置いて行かれ、追い込んだものの3着が精一杯。

収得賞金を積めなかったことや中2週と間隔が厳しいこともあり、桜花賞は断念。オークストライアルフローラステークス(GII)に向かった。ここも815番という外ながら単勝1.9倍の断然の1番人気
隣の大外オルレアンノオトメにべてスタートはそれほどでもなかったが、外を活かして押し気味にそのまま2~3番手の好位を確保。直線に入って逃げる同じゼンノロブロイ産駒アグネスワルツをとらえてかわす。アグネスワルツって叩き合いに突入したが、最後は1身競り落として後続を完封し快勝。重賞初制覇を挙げ、オークスの優先出走権も確保した。
ちなみにこのレース、2着アグネスワルツ、3着ブルーミングアレーとも社台ファームの生産で、社台ファームで馬券内を独占した。

2010年オークス・勝者は2頭

そんなわけで迎えたオークス(GI)。1番人気はもちろん阪神JF桜花賞を勝ち世代トップを走るアパパネだったが、血統的な距離不安や折り合い面、817番など諸々あって単勝3.6倍とやや不安視という感じのオッズ。
以下チューリップ賞勝ち桜花賞4着のショウリュウムーン(5.2倍)、前述のフラワーC勝ち桜花賞2着のオウケンサクラ(6.6倍)、クイーンカップ勝ち桜花賞5着のアプリコットフィズ(6.8倍)と続く混戦ムードの中、サンテミリオンは8.5倍の5番人気だった。
フローラSの勝ち方などを見ればもうちょっと人気しても良さそうに思えるが、18頭立てになって以来1頭も勝ちがいない大外818番、フローラS(4歳牝馬特別)勝ちからのオークス1987年マックスビューティ以来もう20年以上出ておらず、データ的にはこっちもなかなか買いにくい感じであった。

ちなみにこのレース、サンテミリオンをはじめアグネスワルツアニメイトバイオギンボナンザコスモネモシン、ニーマルオトメと18頭中6頭がゼンノロブロイ産駒だった。今では考えられん。

降り続くで稍重となったレース本番。逃げるとされたアグネスワルツを制してニーマルオトメが果敢にハナを切り、2番手につけたアグネスワルツと2頭で大きく後続を離し、1000mは607と、府中2400・限定・稍重ということを考えればかなりハイペース逃げていく。サンテミリオンはなりに中団外に構え、アパパネはぴたりとその後ろにつけた。
4コーナー終わりでニーマルオトメが尽きて沈み、2番手のアグネスワルツが抜け出す。後続が伸びあぐねる中、外から並んで抜け出してきたのがピンク帽子の2頭、サンテミリオンとアパパネ
残り200m手前でアグネスワルツをかわすと、あとは全な2頭の一騎打ちアパパネが先にサンテミリオンをかわして先頭に躍り出るが、サンテミリオンもを発揮して譲らない。最後の200m、必死の追いべのマッチレース、一度はかわされたサンテミリオンが再び並びかけ、2頭が全くの横並びでゴールを駆け抜けた。

さあ府中の長い直線コースに入って、今度はアグネスワルツ先頭に変わった、アグネスワルツ先頭に変わる、さらにはアプリコットフィズ、そして外からサンテミリオンとアパパネ! サンテミリオンとアパパネ、2頭が連れて飛んできている!
サンテミリオンとアパパネ、2頭の一騎打ちになるのか!?
さらにその後ろから、アニメイトバイオ現在5番手から4番手、
先頭は、アパパネ! 先頭はアパパネ
サンテミリオンが食い下がる! サンテミリオンが食い下がる!
3番手アグネスワルツ、3番手アグネスワルツ
前は、アパパネか、サンテミリオンか!
最後サンテミリオンがグイッと伸びたか、外はアパパネ
サンテミリオンか、アパパネか! 2頭の壮絶な追いべ!
最初に出たのはアパパネ! ゴール前、グイッとサンテミリオン!

――フジテレビ 吉田伸男アナ

アパパネ上の蛯名正義は負けたと思い、サンテミリオン上の横山典弘に「おめでとう」とを掛けたが、結果は写真判定に。15分近くにわたった長い写真判定の末、結果はなんと同着JRA史上初のGIでの1着同着となった。エイシンワシントンビービーガルダンが恨めしそうな顔してるぞ。

古賀師は嬉しいGI勝利ゼンノロブロイ産駒ももちろんGI勝利勝利ジョッキーインタビューは2人同時に受け、フジテレビでは放送時間の都合で途中で打ち切られたが蛯名騎手横山騎手は抱き合って喜びを分かち合った。ちなみに蛯名騎手横山騎手は、1992年帝王賞でもナリハヤブサとラシアンゴールドで1着同着になったことがあったりする。

蛯名は負けたと思ったんでねえ」
横山「いやぁけもんだったね」
蛯名「もうホント負けなくて良かったです(笑)
横山(笑)

「勝者は必ず、敗者を作る」とは1996年スプリンターズSフラワーパークエイシンワシントンハナ差1cmの決着を取り上げた2013年JRACMフレーズだが、2010年オークスは、こうして2頭のが樫の栄冠と歓喜を分かち合ったのであった。

ちなみに賞は1着賞9700万円と2着賞3900万円を合わせて折半し、両者6800万円となった。

その後

かくして2頭の樫の女王となったサンテミリオンとアパパネだったが、その後の明暗は悲しいほどにくっきりと分かれた。

秋華賞(GI)に直行したサンテミリオンは、横山典弘の負傷で藤岡佑介に乗り替わりとなり、三冠アパパネと、クイーンSを勝ってきたアプリコットフィズに次ぐ3番人気に支持された。しかしゲート内でに顔をぶつけて痛恨の出遅れ、最後方から全く走る気配を見せないまま、ブービーから6身も離された最下位18着に撃沈。アパパネ牝馬三冠達成をはるか後方で見送るだけだった。

結局、彼女オークス燃え尽きてしまったか、この秋華賞で気持ちが切れてしまったのだろう。6歳1月まで現役を続け、このあと12戦したものの、その後の彼女の競走生活るべきことはほとんど何もないnetkeibaで戦績のページを見て貰えば充分である。触れないことも優しさだってスティルインラブの記事にもあるし……。

2013年AJCCを最後に現役を引退。社台ファームで繁殖牝馬となったが、こちらでも今のところ立った産駒はおらず、2022年になってようやく6番イヴニングスターロードカナロア)が産駒中央初勝利を挙げた。秋華賞アカイトリノムスメを出したアパパネとは、繁殖としても差を付けられてしまっている。
また、ゼンノロブロイ彼女の後にはこれといった大物が出ず、徐々に種付け数も減り産駒地方で走ることが多くなり、2022年に老衰で死亡2024年現在、中央で走っている産駒は数えるほどしかおらず、おそらく彼女が最初で最後のゼンノロブロイ産駒による中央GIとなりそうである。

そして2024年2月に10番*マインドユアビスケッツ)を出産したのち、3月4日、サンテミリオンは病気のため社台ファームで17歳死亡した。

2024年現在も、JRAGIでの1着同着は2010年オークスが史上一。最後の200mの熾な追いべからの同着という決着は「名勝負」としてられることも多いが、しかし、そこにたとえばこの2年前の大接戦ドゴーン!ウオッカダイワスカーレット天皇賞(秋)のような「ライバル同士の」という言葉はつかない。2010年牝馬三冠といえば「三冠アパパネ」の印が強く、サンテミリオンはどうしても忘れられがちである。

三冠の最大のライバルになりそこねた、サンテミリオン。残された彼女アパパネと、あのときのオークスの決着をつける日が来ることを願いたい。

血統表

ゼンノロブロイ
2000 黒鹿毛
*サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
*ローミンレイチェル
1990 鹿毛
*マイニング Mr. Prospector
I Pass
One Smart Lady Clever Trick
Pia's Lady
*モテック
1995 黒鹿毛
FNo.16-g
*ラストタイクー
1983 黒鹿毛
*トライマイベスト Northern Dancer
Sex Appeal
Mill Princess Mill Reef
Irish Lass
Sudaka
1986 黒鹿毛
Garde Royale Mill Reef
Royal Way
Didia Clara Sea Break
Patria

クロスMill Reef 4×4(12.50%)、Buckpasser 5×5(6.25%)

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サンテミリオン

1 ななしのよっしん
2024/03/05(火) 15:40:19 ID: PZ2coxKlB1
昨日病気のため社台ファームで死去したとのこと。17歳
福をお祈りします。

10年オークスサンテミリオン、死す…17歳 病気のため アパパネオークス同着V
https://keiba.sponichi.co.jp/news/20240305s00004000262000cexit
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