サンドル・アラルコン(Sandle Alarcon)とは、「銀河英雄伝説」の登場人物である。
CV.大友龍三郎(石黒監督版OVA)、丹沢晃之(Die Neue These)。
概要
自由惑星同盟軍人、少将。独立部隊を率いる艦隊指揮官。
石黒監督版OVAにおける旗艦は標準型戦艦の分艦隊指揮対応タイプ艦<マルドゥーク>。
指揮官として能力的な問題はないが、「病的な軍隊至上主義者」だったらしく、民間人・捕虜殺害の嫌疑を受けた前歴がある(いずれも無罪)。第八次イゼルローン要塞攻防戦(要塞対要塞戦)に参加し、戦勝後の追撃戦中に帝国軍の逆撃を受け戦死した。
第八次イゼルローン要塞攻防戦
アラルコンは、ガイエスブルク機動要塞をもって帝国軍がイゼルローン要塞に侵攻した第八次イゼルローン要塞攻防戦の当時、軍中央に属さず地域的な警備を担当した独立部隊のひとつの指揮官であり、2200隻の艦艇を麾下におさめていた。彼の部隊は、この帝国軍大挙侵攻を受けて要塞司令官ヤン・ウェンリー大将がイゼルローンに急遽帰還する(当時ヤンは査問会のためハイネセンに召喚されていた)際、統合作戦本部がかき集めて委ねた援軍4個部隊5500隻の一角を成すこととなる。
戦域に到達した援軍艦隊はヤンの所定の計画どおりに行動し、同盟軍はガイエスブルク要塞を破壊、帝国軍のほとんどを撃滅する大勝利をおさめる。その中で僅かに800隻の残存兵力がナイトハルト・ミュラー大将の指揮のもと敗走したが、ヤンから艦隊に深追いしないようにというかたい指示があったにもかかわらず、アラルコンは部隊に帝国軍を追撃させた。同様に追撃した要塞駐留艦隊のグエン・バン・ヒュー少将の分艦隊とあわせ、敗敵を追う同盟軍部隊の艦艇数は5000隻に及んだ。
この事態は、戦闘による通信の混乱が完全に回復するより前に両部隊が敗走する帝国軍を追い、そのまま無秩序に回廊内を急進するに至ったものだった。しかし敗軍は駆けつけたウォルフガング・ミッターマイヤー、オスカー・フォン・ロイエンタール両上級大将の艦隊に合流しており、同盟軍両部隊は気づかぬうちに敗残兵ではなく偽装後退するカール・エドワルド・バイエルライン中将の部隊を追って“帝国軍の双璧”の築いた陥穽にはまりこむこととなっていた。
同盟軍両部隊は隠れたミッターマイヤー艦隊に後背をさえぎられ、前後から挟撃されるかたちとなった。事態を悟ったアラルコンは空隙と思われた天底方向への退避命令を絶叫したが、そこにはロイエンタール艦隊の艦影があった。アラルコンはグエンの戦死後も5分ないし10分ほどは生き延びたものの、乗艦が光子ミサイルの直撃によって二つに分断され、艦橋のある前半部が味方巡航艦と衝突したことによる爆発とともに戦死するに至った。
人格・能力
アラルコンは概要項のとおり「病的な軍隊至上主義者」として知られていたらしく、その思想と行動についてはヤンの耳にまでかんばしからぬ噂がいくつか流れてきている。
思想的には救国軍事会議の面々と一致し、それどころかより過激な軍国主義者であったようだが、彼が救国軍事会議に参加しないままだったのは、その幹部エベンス大佐と個人的に確執のある仲だったからにすぎないという(これが事実であるのか噂にすぎないのかは判然としない)。
また、民間人や捕虜を殺害したという嫌疑が複数回かけられており、一度ならず簡易軍法会議にかけられている。結局は証拠不十分もしくはその事実なしとの理由で無罪判決を得ているが、ヤンはその判決に至るに軍人内での“仲間どうしのかばいあい”があったのではないか、と疑念をいだいている。
いっぽうで、最終的には帝国軍の陥穽におちいり戦死するにいたったとはいえ、軍人としての指揮能力という点では水準を満たしていたようで、ヤンにも「能力的にはそれほど疑念はない」と判断されている。
関連動画
関連項目
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