サー・クロコダイルとは、漫画「ONE PIECE」の登場人物である。
概要
王下七武海の一人。裏ではバロックワークスの社長「Mr.0」として、アラバスタ王国乗っ取りを企て暗躍する。
ジャンプ掲載期間にして2年強に渡って続けられた「バロックワークス編」、そしてその最後を締めくくる「アラバスタ王国編」の大ボスとして、麦わらの一味の前に立ちはだかる。
表向きは、下記の海賊退治などで支持を集めつつ、裏で隠蔽工作と一般人や貴族への暴行などを躊躇なく行う、強かかつ冷酷な性格。
魚人や動物系能力者への蔑視が過ぎるところがあるが、近接戦では傲慢さと冷淡さの入り混じった言動で、相手を淡々と始末する猛者でもある。
七武海に入る前の時点での懸賞金は8100万ベリー。後に億超えの海賊たちが数多く登場することを踏まえると見劣りするようにも感じるが、「大きな事件を起こして懸賞金が跳ね上がる前に世界政府に目を付けられ、七武海入りした」と考えれば、その格や実力は決して懸賞金額だけで語れるものではない。
能力
自身の肉体を砂に変えることができ、他の自然系能力者と同様に物理的な攻撃は効かない。ただし、砂は水で固まるという性質があるため、体が濡れると普通に攻撃を受けてしまう。また、1kmを優に越える遠距離で砂嵐を渡らせるなど、エネルや青キジと同格の大技も抱えている。
技
- 砂漠の宝刀(デザート・スパーダ)
- クロコダイルの代表技。手を砂と化し、それを高速で走らせることで砂の刃を発生させる。
- 砂漠の向日葵(デザート・ジラソーレ)
- 砂漠の地中の水脈を感知し、それを刺激することで流砂を発生させる。
- 砂嵐(サーブルス)
- その名の通り、砂嵐を発生させる。砂嵐はやがて成長していき、次第にクロコダイル自身でも止められない規模になる。
- 干割(グラウンド・セッコ) / 浸食輪廻(グラウンド・デス)
- 右掌を当てることでその対象、及びそれを伝うもの全てに「乾き」を与える。地面に右手を当てれば、周囲の草木は枯れ、岩石は砕ける。さらに当て続けることでそれら全てを砂塵と化す。この能力により大抵の障害物は無意味となる。
作中にて
※以下の内容はネタバレを含みます。
初登場以前
アラバスタ王国に隠されているという古代兵器「プルトン」に目を付け、アラバスタ王国を乗っ取り、それを手に入れ自身を元首とする軍事国家を作り出すべく、秘密犯罪会社「バロックワークス」を設立。そこから資金稼ぎや民衆の王国への不信感を煽る計略など地道な活動を続け、ついに王国乗っ取り計画を最終段階へと移す。
そんな彼の裏の顔をまったく知らない王国の人々は、むしろ彼を「国を海賊たちから守ってくれる英雄」として称えていたようである。
ウイスキーピーク編~アラバスタ王国編直前
その名前とシルエットと声のみが登場し、顔などはまだ見られない。作中ではわずかなやり取りがあっただけだが、それでも冷酷な人間性を感じさせるには充分であった。
アラバスタ王国編
いよいよ本格的に本編に絡む。
アラバスタ王国乗っ取り計画の最終段階である「ユートピア作戦」を決行し、自身も国王の下へ直接赴き、最後の仕上げを行おうとする。その過程にてルフィとの戦闘が発生し、2度までもルフィを退け、王下七武海の一角としての実力と風格を見せ付ける。しかし、ミスメリークリスマス以外の動物系能力者への偏見の強さなどがたたって、計画に綻びが生じ始めてしまう。最終的には、ルフィとの3度目の激突にしてついに敗れ、意識を失ったところを国家転覆の事実を知った海軍によって捕らえられる。こうしてアラバスタ王国乗っ取りの野望は潰え、同時に「王下七武海」の称号を剥奪される。
扉絵連載シリーズにて
扉絵連載シリーズ「ミスG・W(ゴールデンウィーク)の作戦名"ミーツバロック"」にちょっとだけ登場。海軍基地に拘留されている姿が描かれている。
作中にて脱走可能な状況になるも、「気が乗らない」という理由でそこに留まり続け、同じく留まったMr.1や直後に同じ場所に拘留されたMr.2ボン・クレー、Mr.3ともどもインペルダウンへ投獄されることになる。
インペルダウン編~マリンフォード編
インペルダウンにてポートガス・D・エースの救出に来たルフィと再会。既に処刑場へ護送されたエースを助けに行きたいルフィと、そこで起こるであろう戦争にて「白ひげ」の首を取りたいクロコダイルの利害が一致し、脱獄のために一時的に手を組むことになる。
マリンフォードでは白ひげの首を狙うも、ルフィや白ひげの部下たちに阻まれ、結局その刃は白ひげに届かなかった。また、終盤にはルフィをサポートするような行動も見られた。
その後はMr.1とともに新世界に入る。
STAMPEDE
原作における新世界編での再登場に先んじて、映画「ONE PIECE STAMPEDE」に登場している。
ここではかつてダグラス・バレットと戦って引き分けたことがある旨が語られている。
新世界編
原作では長らく動向が描写されなかったが、裏で「CROSS GUILD」という組織の設立に向けていろいろと動いていた模様。
本来は王下七武海の座を追われたジュラキュール・ミホークと結託して新組織を発足するつもりだったが、その際にバギーの部下たちを使ったことが仇となって、情報が錯綜して世間的にはミホークともどもバギーの部下という認識になってしまった。このことについてクロコダイルは「屈辱という言葉じゃこの感情は表現しきれない」とまで言っている。
結局はミホークの発案で、バギーを『矢面』に立たせることで合意した。
語録
「!!……いいか小僧……この海をより深く知る者程そういう軽はずみな発言はしねェモンさ
言ったハズだぞ てめェの様なルーキーなんざこの海にゃいくらでもいるとな!!!
この海のレベルを知れば知る程に
そんな夢は見れなくなるのさ!!!」
再登場に当たっての懸念
インペルダウン編での再登場に当たって、読者の間で「ヤムチャ化」と「仲間化」の2つが心配された。
ヤムチャ化について
バトル物の少年漫画において、強さのインフレは必ずといっていいほど通る道である。
クロコダイルは大きな括りで見ても数シリーズ前の敵キャラであり、再登場までの間に強くなるために修行ができるような環境でもなかった。そのため更なる強敵が登場している現在において、その実力が通じるかどうか疑問視されるのも当然のことと言えよう。実際、インペルダウン脱獄中はほとんど解説役になってしまっていた。
本番ともいえるマリンフォード編では、目立った戦果は上げられないまでも、並み居る強豪たちに決して引けを取らない様を見せ、ヤムチャ化はなんとか最低限に収まったと言えるのではないだろうか。
そして最終章とされる段階になって再登場した際には、前述のとおり10億ベリーを大きく上回る懸賞金を懸けられたことが発覚する。立場こそ「バギーの部下」とはいえ、もはや完全にヤムチャ化は回避されたと言って良いだろう。
仲間化について
前述の通り、一時的とはいえルフィと手を組んでいることから発生した、本格的・恒常的にルフィたちの仲間になってしまうのではないかという懸念である。
敵キャラが味方になるのもまた、少年漫画としてはよくあることである。しかしクロコダイルはこれまで、ギャグシーンも全くと言っていいほどない徹底した「悪役」として描かれており、そういった人物が仲間になるというのに大きな抵抗を感じる者も少なくなかっただろう。実際に、マリンフォード編の後半~終盤では、自身の利害を超越してルフィの手助けをしたと思えるシーンが存在し、その懸念は拡大している。
結局ルフィたちの仲間にはならなかったが、後のシリーズでの再登場を匂わせており、まだこの可能性も完全には否定されていない状況である。
実は女性?疑惑
人の性別さえも自在に変えてしまうエンポリオ・イワンコフと何らかの因縁があることが明らかになっており、そこから「実はクロコダイルは女性で、イワンコフによって性別を変えられているんじゃ?」という疑惑が浮上している。
第0話にて22年前のクロコダイルと思われる人物が1コマだけ描かれているのだが、これが後頭部のみで、顔立ちや体格などがちゃんと見えないというのがこの疑惑に拍車をかけている。
関連動画
関連静画
関連項目
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