ザスパクサツ群馬とは、前橋市を中心とする群馬県全域を本拠地とするプロサッカークラブである。
概要
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クラブの前身は1995年に創設されたリエゾン群馬。2002年より名称を「ザスパ草津」に変更し、2005年にJリーグに加盟。2013年に群馬県全体に愛されるチームであることを明確にする意図で、現在のチーム名となった。[1]。2024年からはクラブのリブランディングにより呼称を「ザスパ群馬」へ変更[2]、クラブエンブレムも変更された。
リエゾン草津時代から取り入れていた「選手が草津温泉で働きながらサッカーの練習・試合を行う」という独特のスタイルがマスコミに取り上げられ、「夢を追うサッカーチーム」のモデルケースとして高い話題性を保ったまま最短ペースでJ2へ加盟したが、草津ではJリーグの試合が行えるスタジアムがない等の理由から、ホームタウンを草津町から「草津町・前橋市を中心とする群馬県全県」へと拡大した経緯がある[3]。その後も実態として活動拠点が前橋市にあり、草津町のクラブとしては活動していないことから、同町の了承を得た上で2024年にホームタウンの中心となる自治体から草津町が外された。
チーム名の由来は英語で温泉を意味する「THE SPA」からで、チーム名そのものがチーム誕生の地、草津温泉を表している。旧エンブレムでは草津町の郷土芸能になっている「前口の獅子舞」が、現エンブレムでは温泉記号と群馬県の上毛三山がモチーフ。クラブマスコットは湯友(ゆうと)とザスパンダ[4]。
ホームスタジアムは正田醤油スタジアム群馬(群馬県立敷島公園県営陸上競技場=群馬県前橋市)。
経営状況は2005年に発覚したの経営問題を発端として恒常的に不安定な状態にあり、Jリーグから融資を受けていた時期もある。そのため成績も低迷が続いているが、群馬県はサッカーどころ(高校サッカーの前橋育英高校などが著名)であり、今後の奮起が期待される。
歴史
- 群馬県社会人リーグ1部所属だった「リエゾン草津」が、2002年、本格的にJリーグ入りを目指し「ザスパ草津」と改称。
元日本代表の小島伸幸、元鹿島の奥野僚右を獲得。奥野が選手兼監督、小島がコーチ兼任としてチームを引っ張り県リーグ1部を全勝優勝。さらに図南SCとの入れ替え戦を制し、関東リーグ2部への昇格を勝ち取る。 - 2003年、「Jリーグ加盟を標榜するクラブに対する優遇措置」(いわゆる飛び級制度)を利用し、地域リーグ決勝大会へ参加。そこで優勝し、JFLへと昇格する。
- 2004年、元ベルマーレ平塚監督の植木繁晴が監督に就任。原則2位以内でJリーグ2部(J2)加盟とされるJFLを3位で終えるが、2位のHonda FCと同勝ち点・同得失点差、総得点が1少なかっただけ、しかも最終戦でHondaに0-3で敗れるまではずっと2位であったという、限りなく2位に近い3位であったため、2005年からのJ2リーグ加盟が認められる。
また同年にはサッカー天皇杯で、J1リーグの強豪・横浜F・マリノスを相手に、2人退場者を出した状態で勝ってしまった。(詳細は天皇杯全日本サッカー選手権大会を参照) - J2リーグ初年度の2005年は手塚聡が監督に就任。他チームとの戦力の差は大きく、5勝8分31敗で最下位に終わる。また、この年の後半に経営問題が浮上し、経理担当社員による内部告発を発端に運営会社の不正行為が発覚する。
- 2006年より植木が2年ぶりに監督に復帰するが、地域密着や財政的な問題もあり2ケタ順位が常と苦しんでいたが、2008年に6月には順位を5位まで浮上するなど躍進の年となった。最終結果は9位。
- 2009年に佐野達が監督に就任。都倉賢がリーグ2位の23得点を挙げる活躍を見せ、順位こそ10位だったものの過去最高の勝ち点を稼ぐ。
- 2010年より元C大阪監督の副島博志が監督に就任。しかし前年にブレイクした都倉が引き抜かれた影響で得点数が半分近くまで減少し、12位に終わる。2011年は9位にまで上がり、2008年以来の好成績を挙げた。しかし2012年は前半戦での7連敗が響き、J2入り後最低順位となる17位でシーズンを終えた。
- 2013年よりクラブの名称を「ザスパクサツ群馬」に変更。監督に秋葉忠宏を招聘。しかし、これまで主力を務めてきた松下裕樹や熊林親吾を放出した影響から大きく低迷し、20位で辛うじてJ2残留となる。
この年、J1ライセンスの交付が決定。 - 2014年、3年連続赤字、債務超過という経営状況を受けて経営陣を刷新。しかし、チームの成績は相変わらず低迷。2015年からは服部浩紀が監督に就任するが2016年まで3年連続で下位に低迷する。2015年の第15節清水戦ではJ2ワースト記録となる8点差の大敗を喫している。
- 2017年、前鳥栖監督の森下仁志が監督に就任。しかし開幕戦で0-4と大敗したのを皮切りに11試合未勝利と低迷。第20節で最下位に転落して以降はそのまま浮上することができず、J3リーグ降格となる。
- J3から再スタートとなったことを受け布啓一郎が監督に就任。2018年はスタートダッシュに失敗したことが最後まで響いて5位に終わる。
- 若手中心のチーム編成となった2019年は、シーズン途中でのシステム変更によってチーム状態が向上。終盤で苦戦したものの、エースに成長した髙澤優也の活躍もあって2位に入り、2年ぶりのJ2リーグ復帰が決定。
- 再びJ2で戦うこととなった2020年はクラブレジェンドの奥野僚右が17年ぶりに監督に復帰。大宮から大前元気を獲得したものの、年間を通して18位より上に浮上することなく、20位でシーズンを終える。
- 2021年も低調な戦いが続き、7月に奥野監督を解任。ヘッドコーチの久藤清一が監督に承認した後も苦戦は続くが、最終節でJ2残留を決める。
- 2022年、元浦和監督の大槻毅組長が監督に就任。シーズン序盤は一時4位に浮上するなど好調だったが、その後11試合未勝利が続き、気が付けばいつも通り残留争いに巻き込まれることに。第41節、残留を争う岩手との直接対決に勝利し、J2残留を決める。最終順位は20位。
- 大槻体制2年目の2023年は第6節で清水エスパルス相手に快勝するなど下馬評を覆す快進撃を見せる。特に、長倉幹樹、佐藤亮といった若いアタッカー陣の成長により課題だった攻撃力が向上し、前半戦はしばらくプレーオフ圏内に位置するなど、J1昇格に期待を膨らませる。7月に躍進の立役者だった長倉が引き抜かれたことで失速したものの、終盤までプレーオフ争いに加わり、最終的に11位に終わったものの充実したシーズンとなった。
- 2024年よりクラブの呼称を「ザスパ群馬」に変更。主力の多くが抜けた穴を埋めきれず、開幕から成績は低迷。14試合終了時点で1勝3分10敗の最下位と危機的状況となったことでついに大槻監督が解任。ヘッドコーチの武藤覚が監督に昇格。しかし、第8節からの連続未勝利記録が15試合に到達するなど、その後も勝ち星を積み重ねることができず、気がつけば断トツで最下位となっていた。そして、9月28日に残り6試合を残して18位以下が確定し、2度目のJ3降格が決定。最終的にわずか3勝に終わり、勝ち点はわずか18位で19位の鹿児島に12ポイント差を付けられる散々なシーズンとなった。
- J3での戦いとなった2025年、前年に現役を引退した細貝萌が社長兼GMに就任し、監督には沖田優が就任。
主なタイトル
現在の所属選手
| 背番号 | Pos. | 国籍 | 選手名 | 生年月日 | 加入年 | 前所属 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| - | 監督 | 沖田優 | 1978.5.2 | 2025 | 北海道コンサドーレ札幌 ヘッドコーチ | 【新】 | |
| 3 | DF | 大畑隆也 | 1997.10.12 | 2024 | カターレ富山 | ||
| 4 | DF | 船橋勇真 | 1997.11.13 | 2024 | 名古屋グランパス | ||
| 5 | MF | 山口一真 | 1996.1.17 | 2025 | 松本山雅FC | 【レ】 | |
| 6 | MF | 米原秀亮(C) | 1998.4.20 | 2025 | 松本山雅FC | 【完】 | |
| 7 | MF | 西村恭史 | 1999.11.4 | 2025 | AC長野パルセイロ | 【完】 | |
| 8 | MF | 山内陸 | 2000.6.24 | 2025 | ヴァンラーレ八戸 | 【完】 | |
| 9 | FW | 青木翔大 | 1990.8.11 | 2025 | ブラウブリッツ秋田 | 【完】 | |
| 10 | FW | 髙澤優也 | 1995.6.1 | 2024 | FC町田ゼルビア | ||
| 11 | MF | 加々美登生 | 1999.2.15 | 2025 | いわてグルージャ盛岡 | 【完】 | |
| 13 | GK | 近藤壱成 | 2001.1.5 | 2024 | ジェフユナイテッド千葉 | ||
| 14 | DF | 菊地健太 | 1997.10.12 | 2023 | 専修大学 | ||
| 15 | MF | 風間宏希 | 1991.6.19 | 2022 | FC琉球 | ||
| 18 | FW | 田中翔太 | 2001.4.10 | 2025 | ガイナーレ鳥取 | 【完】 | |
| 19 | MF | モハマドファルザン佐名 | 2004.6.30 | 2025 | 柏レイソル | 【レ】 | |
| 20 | MF | 下川太陽 | 2002.3.7 | 2025 | カマタマーレ讃岐 | 【完】 | |
| 21 | GK | キム・ジェヒ | 2006.5.16 | 2025 | 盈徳高校 | 【完】 | |
| 22 | DF | 高橋勇利矢 | 1999.3.24 | 2021 | 神奈川大学 | ||
| 24 | DF | 新井夢功 | 2004.10.6 | 2024 | 高崎健康福祉大学高崎高校 | 【卒】 | |
| 25 | DF | 中野力瑠 | 2005.12.15 | 2024 | 桐生第一高校 | ||
| 26 | DF | 秋元琉星 | 2003.1.25 | 2024 | 新潟医療福祉大学 | 【卒】 | |
| 27 | MF | 藤村怜 | 1993.6.1 | 2024 | いわてグルージャ盛岡 | ||
| 30 | DF | 小柳達司 | 1990.2.7 | 2024 | ブラウブリッツ秋田 | 【完】 | |
| 32 | FW | 河田篤秀 | 1992.9.18 | 2024 | サガン鳥栖 | ||
| 33 | MF | 櫻井文陽 | 2003.5.22 | 2025 | 阪南大学 | 【特】 | |
| 35 | MF | 玉城大志 | 2001.4.10 | 2024 | ガイナーレ鳥取 | 【復】 | |
| 36 | MF | 安達秀都 | 2004.7.15 | 2025 | いわてグルージャ盛岡 | 【レ】 | |
| 37 | MF | 瀬畠義成 | 2001.1.19 | 2025 | V・ファーレン長崎 | 【レ】 | |
| 38 | FW | 小西宏登 | 2002.4.11 | 2025 | 立命館大学 | 【卒】 | |
| 39 | GK | 真木晃平 | 1998.7.31 | 2024 | セレッソ大阪 | ||
| 43 | DF | 野瀬翔也 | 2003.2.14 | 2025 | 阪南大学 | 【卒】 | |
| 45 | MF | 小山結友 | 2007.10.11 | 2025 | ルーヴェン高崎FC U-15 | 【2】 | |
| 47 | GK | 志賀一允 | 2001.5.20 | 2025 | 沖縄SV | 【完】 | |
| 48 | FW | 中島大嘉 | 2002.6.8 | 2025 | 北海道コンサドーレ札幌 | 【レ】 | |
| 49 | MF | 小竹知恩 | 2006.4.14 | 2025 | 清水エスパルス | 【レ】 |
※備考欄は【完】=完全移籍での加入、【レ】=レンタル移籍での加入、【復】=レンタル先からの復帰、【新】=新任の監督、【昇】=トップチーム昇格、【卒】=新卒での加入、【特】=特別指定選手、【2】=2種登録、【H】=ホームグロウン選手
背番号「31」は選手兼監督としてチームをJFLに昇格させた奥野僚右の功績を称え、永久欠番となっている。
過去に所属した主な選手
歴代監督
| 国籍 | 監督名 | 在任期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 奥野僚右 | 2002年~2003年 | ・選手兼監督 ・群馬県1部優勝(2002年) ・関東2部優勝(2003年) ・全国地域リーグ優勝&JFL昇格(2003年) |
|
| 植木繁晴 | 2004年 | J2昇格(2004年) | |
| 手塚聡 | 2005年 | ||
| 植木繁晴 | 2006年~2008年 | ||
| 佐野達 | 2009年 | ||
| 副島博志 | 2010年~2012年 | ||
| 秋葉忠宏 | 2013年~2014年 | ||
| 服部浩紀 | 2015年~2016年 | ||
| 森下仁志 | 2017年 | J3降格(2017年) | |
| 布啓一郎 | 2018年~2019年 | J2昇格(2019年) | |
| 奥野僚右 | 2020年~2021年7月 | ||
| 久藤清一 | 2021年7月~12月 | ||
| 大槻毅 | 2022年~2024年5月 | ||
| 武藤覚 | 2024年5月~12月 | J3降格(2024年) | |
| 沖田優 | 2025年~ |
関連動画
関連リンク
関連項目
- サッカー
- Jリーグ - Jリーグチーム一覧
- J2リーグ(2005年 - 2017年、2020年 - 2024年)
- J3リーグ(2018年 - 2019年、2025年)
- JFL(2004年)
- 群馬県
- 北関東
- 草津温泉
脚注
- *この経緯から「ザスパ草津群馬」と書かれることもあるがこれは誤りである.
- *正式名称は「ザスパクサツ群馬」のまま.
- *草津町では2軍(チャレンジャーチーム)が従来通りの活動をしているが、試合は行われていない.
- *権利関係上の問題で湯友のグッズ化などが困難なことから、リブランディングの一環で2024年より追加された.
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