ザンスカール帝国(Zanscare Empire)とは、アニメ『機動戦士Vガンダム』に登場する、宇宙世紀(ガンダムシリーズ)の架空の国家のひとつ。
概要
所謂『宇宙戦国時代』と呼ばれる時代区分である、宇宙世紀0140年代にサイド2にて勃興した。
マリア主義を唱える女王マリア・ピァ・アーモニアを絶対君主とした国家であるが、その実権はマリア主義の支持政党であるガチ党の一党独裁政権と、その宰相フォンセ・カガチが握っている。
新興宗教団体の中心人物だったマリアのヒーリング能力に目をつけたカガチによって、マリアの信徒が特に多かったサイド2のコロニーのひとつ「アメリア」の政庁に政治団体ガチ党が発足。後に政権を完全に掌握して、ザンスカール帝国を建国した。
※建国までの詳細な前史は、以下の記事がとても秀逸である為参照のこと。
→マリア主義 →宇宙戦国時代
政権を掌握するに至り、ギロチンで罪人を公開処刑し住民の支持を集めるとともに、対抗勢力に対する恐怖政治を行っていた。このことが、リガ・ミリティア(神聖軍事同盟)という民間ネットワークを刺激し反ザンスカールのレジスタンス組織として再結成させ、ザンスカール帝国が地球上へと侵攻すると、両者との間に激しい戦乱が繰り広げられた。これがザンスカール戦争(宇宙世紀0152年10月~0153年6月23日)である
軍事
ベスパ
ザンスカール帝国の軍部はベスパと呼ばれている。"Ballistic Equipment & Space Patrol Armory"(弾道研究と宇宙偵察部隊本部)の略で、帝国建国と同時に設立された。ベスパとはイタリア語でスズメバチの意で、その名の通りパイロットスーツは黄色を基調としている。
組織構造は建国時に接収した、サイド2に駐留する地球連邦軍の部隊が母体となっており、兵器開発はサイド2やサイド4のサナリィの開発機関や月面の旧アナハイムの関連施設で行われていた。また、地球降下作戦以降はラゲーン基地で地上用MSの開発、生産が行われていた。独自の最新鋭のMSは、当時の腐敗した連邦軍の戦力・MSでは太刀打ちできない強力なものだった。
ちなみに「ジーク・ジオン」同様のフレーズとして、「ハイル・ザンスカール」、「ザンスカール・マリア」がある。
拠点
- サイド2 「アメリア」
ガチ党の一党独裁政権となっているコロニー。ザンスカール帝国の本国とはこのコロニーを指す。サイド2宙域の中では最も地球から離れた場所に位置する。
都市の至る所に女王マリアの肖像が掲げられ、日中の街中でも学徒兵の訓練が行われるなど、内部は軍国主義国家の様相を呈している。中心部にある広場では女王による恩寵の儀式が行われており、ギロチン台も設置されている。
建国に際して反発した他のサイド2コロニーの自治体(サイド2連合)を独自の軍事力で打ちのめし他のコロニーにも勢力を拡大しているが、サイド2全域を完全に掌握している訳ではない模様(「マケドニア」コロニーなど)。また元々このコロニーの住民でガチ党に反発した者は住処を奪われパルチザン運動に発展、その中には後にリガ・ミリティアに参加した者もいるという。
前述の通り、サナリィの拠点の一部を掌握しており、独自のMSを開発できる技術力を有する。
「Zガンダム」や「Gのレコンギスタ」に登場する同名の人物、国家とは無関係。 - サイド4
一部を掌握しており、兵器開発の拠点があるという。 - ネオ・カタルヘナ
月面に存在する軍事拠点。元々はアナハイム・エレクトロニクス社管轄の都市だった。工事現場に偽装している場所は兵器開発の拠点として利用されており、大規模な宇宙船用ドックも存在する。宇宙用の試作機やMA、アドラステア等のバイク型戦艦を開発していた。 - カイラスギリー
ベスパが誇る宇宙要塞。二基の粒子加速器に、ビッグ・キャノンと呼ばれる大砲が接合されている独特なシルエットを持つ。ちんことか言うな。静止衛星軌道から地上を砲撃できるほど射程は長く、更にその破壊力はコロニーレーザーをも凌ぐと言われる。
同軍のスクイード級戦艦「スクイードⅠ」「スクイードⅡ」と接舷可能で、前線の補給基地も兼ねる。逆に砲撃の際には接舷された戦艦がトリガーの役割をしたり、推力を得ることが可能となる。
宇宙軍の力の象徴とも言うべき"戦略衛星"だったが、戦争中期には敵の手に落ち逆に利用されてしまうこととなる。総司令官はタシロ・ヴァゴ大佐。 - ラゲーン基地
地球上の東ヨーロッパ地区に存在するベスパの拠点。ベスパの地球侵攻作戦の標的となり、元々住んでいた住民を焼け出すことで都市はザンスカール帝国関係者の入植先となっており、空港は大規模なMSの開発・軍事拠点に改造されている。
都市の中心部にはマルガレーテ広場という広場があるが、ここには占領後にギロチンが設置され、実際にリガ・ミリティアの中心人物の一人であるオイ・ニュング伯爵の処刑が行われ全世界に中継されたことでも知られる。
司令官はファラ・グリフォン中佐。戦争後期は戦略的価値が薄くなり、更に停戦協定とともに連邦軍に占領されてしまい残存部隊はゲリラ化。定住していたザンスカール帝国の関係者の一部も町を離れている。 - アンダーフック
地球上の北米東海岸にある海中海洋都市。約2万人の住民が生活しているが、マリア主義の信仰が波及しており信徒が非常に多い。しかし皮肉にも、両軍の戦闘に巻き込まれ壊滅状態に陥ってしまう。 - エンジェル・ハイロゥ
戦争終盤に登場した巨大サイコミュ衛星。木製圏の資源で建造され、「ブルー3」を経て戦線に投入された。
巨大な天使の輪のようなリングが重なる多重構造物で、内部には2万人のマリア主義者が「サイキッカー」として眠りの状態についたまま収容されており、更にキールームと呼ばれる中心の艦船に女王マリアが乗り込んで祈り、それをサイキッカー達の力によって増幅、強力なサイコウェーブを照射することができる。
サイコウェーブの影響下にある生物は闘争本能を喪失するとされ、平和的な兵器と表向きには謳われている。しかし実際はそれどころか生物を幼児退行させ死に至らせるという、フォンセ・カガチ宰相の野心を具現化する為に作られた人類抹殺の為の最終兵器である。しかし戦局の中で、次第に彼の思惑とは異なる現象を発現することとなった。
詳細は当該項目を参照。 - サイド2 「ブルー3」
ザンスカール帝国の影響下にある密閉型コロニー。エンジェル・ハイロゥを組み立て、必要なサイキッカーを集結させていた。
所属艦隊、部隊
- ズガン艦隊
ムッターマ・ズガン中将率いる、宇宙でのベスパの主力艦隊。
建国当初にサイド2の連邦軍の艦隊を破り、「無敵のズガン艦隊」と呼ばれている。
実力はあるのだろうが、アニメ本編ではこれといった代表的なパイロットが所属していないためか
ズガン中将共々やや影が薄い。艦隊を再編成しながら、終盤まで戦い続けた。 - カイラスギリー艦隊
宇宙要塞カイラスギリーを運用するための艦隊で、ズガン艦隊同様、宇宙でのベスパの主力部隊だった。
指揮官はタシロ・ヴァゴ大佐。カイラスギリーと旗艦スクイードⅠが敵の手に落ちた後は解体され、
残存部隊はズガン艦隊に合流した。 - イエロージャケット
ベスパの地球侵攻作戦の主力部隊で、ラゲーン基地を中心にヨーロッパで活動する。
カイラスギリー艦隊の傘下で、リガ・ミリティアと初めて交戦した部隊である。
現地で開発した様々な地上用のMSを運用していた。 - ピピニーデン中隊
ラゲーン基地に増援として降下した、アルベオ・ピピニーデン大尉が指揮する部隊である。
トムリアットとともに地上に降下し、ルペ・シノやクワン・リーといった技量の高いパイロットを率いていた。
後にモトラッド艦隊が発足するとピピニーデンやルペ・シノがこれに加わったため、消滅したものと思われる。 - ガッダール隊
バイク型兵器の提唱者であるドゥカー・イク少佐率いる、バイク型試作兵器の運用を目的とした部隊。
戦闘車両を中心とした部隊だが機動力が高く、連邦軍のMSを手玉に取る戦闘力を有する。
第11話以降解体されたようで、その後もイク少佐と副官のレンダは行動を共にしているが、隊名は出てこなくなった。
パイロットスーツは専用のものでオレンジ色を基調としている。 - マチス隊
戦争後期、ラゲーン基地が連邦軍に接収された際、武装解除せず逃走、ゲリラ化し
地上に定住する為にリガ・ミリティアに攻撃を仕掛けた、マチス・ワーカー大尉率いる残党部隊。 - モトラッド艦隊
ガッダール隊で得たデータを基に、ドゥカー・イク少佐が女王に直接プレゼンすることで実現した、
超巨大バイク戦艦アドラステア級、リシテア級のタイヤによって地上を轢き潰す「地球クリーン作戦」を実施するため
戦争後期に発足した部隊である。司令官はクロノクル・アシャー大尉。
上記で挙げた部隊の隊長、ピピニーデン大尉やイク少佐も編入され各艦に乗艦。パイロットの力量は高かった。
当初は圧倒的な強さを誇っていたが戦争終盤に戦力を徐々に落としていき、最終決戦にて全滅した。 - 近衛師団(女王近衛軍団)
女王マリア直属の部隊。エンジェル・ハイロゥに女王が搭乗する為終盤前線に参戦した。
専用のリグ・シャッコーを配備している。水着のお姉さん達、ネネカ隊も元々この近衛師団のMS部隊だった。 - タシロ艦隊
カイラスギリー艦隊を壊滅させ失脚したタシロ大佐が再び招聘され結成された艦隊。
エンジェル・ハイロゥの護衛についていたが、タシロ大佐が造反したことで
帝国の寿命を一気に縮める致命的な失態を犯すこととなった。
軍服
やや地味だがベスパの軍服には多数のバリエーションが存在する。
通常のカラーはカーキーだが、一部のMSパイロットが身に付けているワインレッド、学徒兵などが身に付けているブラックが存在する。また宰相カガチが着用しているものはパープル、失脚して復帰した後のタシロ大佐はネイビーのものを着用している。
所属している機体・艦船
モビルスーツ(MS)
- ZM-S06S ゾロアット
ベスパが開発した最初の主力MS。オーソドックスで操作性の高い機体ながら、メインカメラに複合複眼式マルチセンサー(猫の目・狐目)を採用した高い索敵性能を誇り、電磁兵器ビームストリングスやビームシールドを内蔵しアームによる広い可動域を誇る肩部ユニット、状況に応じて使用できるハードポイントなども備え、総合的な性能は当時の地球連邦軍の主力MSジャベリンを凌駕していた。リガ・ミリティアも鹵獲した機体を白に塗り替え「ホワイトアット」として使用した。 - ZM-S08G ゾロ
ベスパの地球侵攻にあたり開発された初の地上用主力MS。ゾロアットの試作改良機「ZMT-S06G ゾロ・ローター」を経て完成した機体だが、各部パーツのゾロアットとの互換性は低いものとなっている。ビームシールドをプロペラにして推進力として機能させるビームローターを初めて正式採用し、ヘリコプターのトップターミナル(通称ゾロヘリコ/有人)と爆撃機のボトムターミナル(無人)に分離変形を行う。ビームライフル、バズーカ、爆雷など装備も幅広いものが用意された。分離変形や運用面はリガ・ミリティアを意識し対地ゲリラ戦を想定した構成となったものの、MSとしては凡庸でゾロアットほどの突出した性能を発揮できなかった。クロノクル・アシャーやマチス・ワーカーはカラーリングや各所マイナーチェンジを施した専用の機体を使用していた。 - ZMT-S12G シャッコー
ベスパの試作MSで、次期汎用主力機候補として開発された機体(設定では地上試験前に無重力下でテストが行われた模様)。肩にビームキャノンを内蔵しているが固定装備は極力省かれ、白兵戦能力に特化した機体となっており、総合力はゾロを上回る。機体は一時リガ・ミリティアの少年ウッソ・エヴィンに奪取され運用されるが後に回収された。その際の実戦データが評価され、後に「リグ・シャッコー」が開発されている。 - ZMT-S13G ゴッゾーラ
ベスパの試作MSで、次期汎用主力機候補として開発された機体。頭部のメインカメラは猫の目ではなく、目のないような外観の高性能で独特なセンサーを採用。胸部にサーベル兼用ビームガン、股部に対地用ミサイルポッドを固定装備する機体で火力は高いが、正式採用には至らなかった。そのせいか全体的に後の機体との接点に乏しい箇所が多いが、採用された3枚刃の新型ビームローターに関しては評価され、後にドムットリアに採用されている。 - ZM-S09G トムリアット
ゾロの改良型。単独でのヘリ変形機能を備え総合的な能力は高く、複雑な分離機能を廃したためメンテナンス性も向上した。頭部をはじめ、ゾロと比べゾロアットとの共通パーツが多く見られる。装備はゾロ同様のものの他、ビームトマホークが追加。固定武装には変形時両方で使用できる脚部ミサイルポッドなどが追加された。宇宙空間でも使用が可能。 - ZMT-S16G メッメドーザ
地上用の試作機。正式採用には至らなかったが、両肩にビームローターを装備し展開中両腕が使用できる、肩部に固定式のビーム砲を装備、ビームローターを投擲できるなど、独自の機能を持つ。 - ZM-D11S アビゴル
宇宙用の可変MS(TMS/デュアルタイプ)。この時代としては大型なMSだが、変形時他の機体を抱えて牽引できるなどの利点もある。固定武装のビームキャノンやビームカッターに加え、ビームサイス、ビームカタールも装備し白兵戦も優秀な機体だが、正式採用には至らなかった。詳細は当該項目を参照。 - ZMT-D15M ガルグイユ
ザンスカール水泳部水陸両用モMS。アビゴルよりも機体は小さいが機体構造はほぼ同じである。ただし武装は使い捨て魚雷ポッド、クロー、固定式ビームガン、ビームサーベルなど全く異なる。 - ZM-S19S シャイターン
本国など拠点防衛用の機体。脚部も含め8門ものビームキャノンを固定装備するが機動性は低い。 - ZMT-S14S コンティオ
エース用の宇宙用上位主力機。宇宙用ということもあってか、コクピットハッチはモビルスーツとしては珍しく首の後ろに存在する。射撃・格闘戦が可能かつ有線式オールレンジ攻撃が可能なショットクローを両肩に装備、胸部にもビーム砲を内蔵し、火力は高い。ビームサーベルは剣先を楕円状にすることができ、更に発生器の先をアンカーで有線射出できるなど高性能なものを装備している。詳細は当該項目を参照。 - ZM-S22S リグ・シャッコー
シャッコーの正式量産型。バックパックの追加、ビームストリングスの追加、取り回しのいい専用ビームガンの追加などより高性能な機体となった。頭部をはじめ各部のデザインがシャッコーと異なる。また女王近衛師団用の機体も存在する。こちらは本国などのコロニー戦を想定したもので、実体シールドやメタルウィップなどの実体兵装が追加されている。地上ではビームローターを装備した機体も確認できる。 - ZM-S24G ゲドラフ
タイヤ型支援兵器(サブフライトシステム)アインラッドの運用を想定した機体。両腕にビームシールドを展開し、死角を防御できる。戦争後期の主力MS。詳細は当該項目を参照。 - ZM-S06G ゾリディア
ゾロアットの地上用改修機。頭部やスラスターが強化仕様や地上用に換装され、ビームシールドも腕に移動している。アインラッドと運用されることが多かった。V-MSVではバリエーションが数多く存在する。 - ZM-S27G ドムットリア
トムリアットの後継機で、ヘリ系MSの最終生産型だが、配備時期には既にタイヤ型兵器に主力を取って代わられたていた機体。装備や固定武装はトムリアット同様のものだが、頭部に虫の顎のようなショックバイトと呼ばれる格闘兵装が追加されている。 - ZM-S21G ブルッケング
アインラッドを折り畳み式にして装備した機体。固定武装は状況に応じて排除できる上、アインラッド展開・非展開の切り替えを素早く行える高い運動性能・汎用性を持つ機体となったが、生産性はゲドラフの方が勝っていたため少数が量産された。隊長機にはブレードアンテナが追加されている。 - ZM-S20G ジャバコ
コンティオのフレームを流用し、アインラッドとの運用を想定して両腕にシールドを装備した機体。コンティオとは逆に機体単体では白兵戦に特化し、両腕にヒートロッドを装備する。 - ZMT-S29S ザンネック
専用のサブフライトシステムであるザンネック・ベースに搭乗して運用されるサイコミュ搭載の砲戦MS。カイラスギリーをモビルスーツサイズに再現した機体で、専用武装ザンネック・キャノンの破壊力は戦艦の主砲をも凌ぐ。その他にも、ザンネック・キャノン使用時に展開する両肩の粒子加速器はビーム砲にも転用でき、ミサイルポッドやビームサーベルも装備するなど武装面は充実、防御面もザンネック・ベースには底面にビームシールドを装備、更にIフィールドと思しき描写もあるなど攻守共に抜かりない高級機となっている。なお、本機やゲンガオゾなど後期のベスパの試作機はコストを度外視している為か、機体サイズが第一世代モビルスーツ並みに再び大型化している。 - ZMT-S28S ゲンガオゾ
サイコミュ搭載式の試作MS。背面分離可能なサイコミュ兵器バックエンジンユニットに搭載されたマルチプルビームランチャーの火力は、V2バスターガンダムのビームと相殺するほどの出力を持つ。また格闘用装備のビームメイスは、形成したビームの球の表面から任意に突起を発生させることで、白兵戦時の防御や回避を困難にする意表を突いた攻撃が可能である。 - ZMT-S34S リグ・コンティオ
コンティオの発展型。基本性能の向上の他、ヴァリアブルビームランチャーの追加、ショットクローの無線化など武装も強化されるなど高い性能を誇る機体。 - ZMT-S33S ゴトラタン
ザンネック・キャノンにも劣らない威力を誇るビームを放てる長距離用ビームキャノンユニットを装備する試作モビルスーツ。ユニットを排除するとオーソドックスなシルエットとなるが、両腕や頭部の固定武装により白兵戦能力の高い機体となる。 - ZMT-S35S リグ・リング
ゲーム「SDガンダムGジェネレーション」シリーズのIF機体。エンジェル・ハイロゥのサイコウェーブを地球全土に響かせる中継としての役割を想定している。 - ZMT-S37S ザンスパイン
ゲーム「SDガンダムGジェネレーション」シリーズのIF機体。V2ガンダムのデッドコピーを思わせる、ミノフスキードライブユニット搭載型のファラ・グリフォン専用モビルスーツ。ティンクル・ビットというサイコミュ兵器まで装備した強力な機体だが、実践投入される前に戦争が終結したという設定。詳細は当該項目を参照。 - ZM-GE-03 ジョング
漫画作品「Vガンダム外伝」「クロスボーンガンダム・ゴースト」に登場する機体。旧ジオン公国のジオングを参考にした機体で、頭部と腕部だけでなく胴体も上下分離可能。シルエットはほぼジオングを再現しているが、メインカメラはモノアイではなく猫の目になっている。
機体デザインは、ゾロやゾロアット、ゲドラフなどの数体を大河原邦男が、それ以外のほぼ大部分を石垣純哉が担当した。近年の石垣氏のインタビューによれば「子供向けを意識しシルエットで分かるデザインを考えた」「言い方は悪いが少しふざけたようなデザインが多い」とのことであるが、ザンネックやゲンガオゾや後述のサンドージュなど、監督富野由悠季が描いたイメージラフボードを前提、或いはほぼそのまま踏襲した機体もある。
これらデザインに関しては、従来のガンダムファンからは受け入れがたいデザインとする声もある一方、好意的なファンも存在し、近年ザンスカールMSを多く商品化している食頑ブランド『MSアンサンブル』の開発担当者もザンスカールMSやVガンダムに親しい人物であるなど、一定の評価を得ている。またカテジナ役の渡辺久美子も「モビルスーツに関しては正直あまり良く分からないんですけど、ザンスカール帝国のモビルスーツは何となく猫目というか可愛い感じなので好きですね。」と好意的に評価している。
没となった機体や設定も数多く存在する。これらは書籍『NT100%コレクション機動戦士Vガンダム』『それがVガンダムだ』などに設定画やラフが掲載されているが、「ザンコック」というザンネックの前身となった超巨大MSをはじめ、富野氏自らがラフに描いたバイクにまたがる様なMSや、石垣氏の前述のインタビュー内での「戦艦の砲塔に擬態しているMS」などが存在していた。また初期デザイン案においてもジャバコの装備として巨大な実体ブーメランがあったり、リグ・シャッコーの背面にビームカッターがあるなど、様々な独創的かつ奇抜なデザイン案があったとされる。
なおシャッコーは、当時若手で後々ガンダムAGEやビルドファイターズに至るまで数多くのガンダムシリーズに参加する事となる石垣氏が、初めてデザインしたMSである。『NT100%コレクション』では7~8種類にも及ぶシャッコーのデザインが掲載されており、難産な作業だったのを伺わせる(一番初期のデザインの頭部はゴッゾーラに流用された)。氏の画集の最初のページを新規書き下ろしで飾っているなど、思い入れ深さも伺わせる。
モビルアーマー(MA)、その他
- オーバーヘッドホーク
旧ジオン軍のドップを思わせる小型戦闘機。ドップとは異なり主に偵察用として運用された。 - ZMT-A03G ガリクソン
バイク型戦闘メカのデータ収集を目的とした二輪型MA。 - 戦斗バイク(甲タイプ/乙タイプ)
バイク型戦闘メカのデータ収集を目的とした中型の戦闘二輪車。 - ZM-A05G リカール
指揮官用の地上用MA。フライパンと形容される。 - ギガシィ
コロニー内での治安維持用の小型MS(プチモビ)。民生用の機体で各コロニーで運用されているものであるが、ザンスカール帝国やその他サイド2各コロニーでも使用されている。武装はマシンキャノン。 - ココロム
本国「アメリア」コロニー隔壁内の通路で運用されている対人警備用ロボット。2m程の球状で、一見ハロのような愛らしい外見だが、2本の腕状のスタンスティックで侵入者を攻撃する恐ろしいロボットである。 - HW544B サンドージュ
ベスパに売り込まれていた、民間企業サンドージュ社製のモビルワーカー。社長ズブロフ・シモネフ氏自らベスパ仕官同伴の実戦テストを行っている。虫のような多脚型のユニークな外観だが、ビームストリングスによる電磁攻撃でヴィクトリーガンダムを行動不能に陥れるなど、実力は中々のもの。オープニング映像では青色だが、劇中ではオレンジ色の機体が登場。 - ZMT-A31S ドッゴーラ
宇宙用と地上用(水中戦を想定)が存在する竜のようなMA。前身の長いユニットは破壊されても再接続が可能であり、更に変則的な動きから繰り出される多数のビーム砲による射撃や、体当たりを行うことができる。 - ZMT-A30S ビルケナウ
リカール同様に戦闘指揮を目的とした宇宙用MA。対MS戦を想定した格闘用クローアーム、触覚型ビームカッター等を装備しているとされるが、発進直後に友軍機の爆発に巻き込まれ搭載艦もろとも消失し、実戦での成果は挙げられなかった。 - ルガ・ズイジオ
バンダイ発売のPCゲーム「SDガンダムウォーズ」に登場する、非常にマイナーな同作オリジナルMA。厳密にはザンスカール帝国の機体ではないが、猫の目型のメインカメラをはじめ頭部にはビルケナウのような触覚もあり、ザンスカール系の意匠が散りばめられた事実上のIF機体に相当する。I・フィールド、ギガビームキャノン、対空ミサイルランチャー、ビームクロー を装備し、脚部はなく下半身はドッゴーラのようなテールになっていてHPも非常に高いことから、強力な大型MAだと思われる。
艦船
- スクイード級戦艦
スクイードⅠ・Ⅱと2隻が建造された、カイラスギリー管制を主目的とした宇宙戦艦。イカのような外観をしている。終盤は成層圏でも運用されたことから重力下での戦闘も可能なようで、ゲーム媒体でも汎用戦艦として登場するケースが多い。カイラスギリー攻防戦以降、Ⅰはリガ・ミリティアに鹵獲されリーンホースJr.として改修され、Ⅱはズガン艦隊の旗艦「ダルマシアン」となった。 - アマルテア級戦艦
- カリスト級巡洋艦
ベスパ創設時から建造されている宇宙戦艦。タシロ艦隊はアマルテア級を紫色にカラーリングした「シュバッテン」を旗艦として使用した。 - シノーペ級哨戒艇
MSを上下2機搭載できる棒のような外観の小型艇。リガ・ミリティアが鹵獲し、白くカラーリングした「魚の骨」という艦艇も存在する。 - アドラステア級戦艦
- リシテア級巡洋艦
モトラッド艦と呼ばれる、バイク型戦艦。地球上の都市をタイヤで地ならしする地球クリーン作戦の中核を担う戦艦である。リシテア級はアドラステア級をダウンスケールしたもの。飛行時は車輪を4分割する。
なお、この時期のMS運用はビームローターやミノフスキーフライト、ミノフスキードライブを搭載する単独飛行を標準的に可能とした第二期MS(小型MS)が中心の為、重力下での運用の際には必ずしも戦艦を必要とする時代ではなく、イエロージャケットなどラゲーン基地所属の部隊では戦艦を必要としなかった。
これにはザンスカール帝国の規模や地球降下時の活動範囲が、かつてのジオン公国ほどではなくヨーロッパの地域にのみ留まっていたことや、相手が地上部隊を中心とした特定の防衛拠点を持たないゲリラ組織リガ・ミリティアであったこと等も要因として挙げられる。
所属している主な人物
ザンスカール帝国
- マリア・ピァ・アーモニア
帝国の女王であるマリア主義の中心人物。29歳。「Vガンダム」放送当初の文献ではマリア・アーモニアスとも。
人間を治癒する不思議な光を発することのできるヒーリング能力を持ち、国民から絶対的な支持を受けている。また遠くの人間に意志を飛ばすことができ、巨大サイコミュ兵器エンジェル・ハイロゥを起動できる能力があることからニュータイプであるとされている。温厚かつ非常に寛容で、慈愛に満ちた性格。地球にいる隠し子、シャクティを愛している。
公務として国民に定期的に接する傍ら、あらゆる国内の政策、軍事行為における承認権を持っている。戦いに対してはあくまで消極的な立場を取っているが、フォンセ・カガチ宰相によって言葉巧みに丸め込まれており、戦闘行為を承認している。絶対君主であるのは建前で、実際はカガチの傀儡と化している。
小説版によればその出自は壮絶で、元々サイド1アルバニアン政庁の出身だったが、幼い頃は弟クロノクルと共に貧困生活を余儀なくされ娼婦として売春して生計を立てていたという。その中で父親の顔も分からぬ子供(シャクティ)を妊娠したころヒーリング能力に目覚め、占い師をしたり、宗教団体「マリア光の教団」を立ち上げて教祖となった後、サイド2にてフォンセ・カガチ率いるガチ党に担ぎ上げられ女王になったとされる。 - フォンセ・カガチ
ザンスカール帝国宰相、ガチ党党首。帝国中枢に君臨する実質の最高権力者。
65歳。片目は義眼。「増えすぎた人類こそ心理を踏み越えた」などと語り、人類の粛清を果たす野心を抱いている。
実は木星帰りの人物で、最終兵器エンジェル・ハイロゥを木星圏で密かに建造していた。 - クロノクル・アシャー
女王の弟。20歳。階級は中尉→大尉。地球上では防塵用のマスクを着用していて、髪色と同じ赤色をパーソナルカラーとしている。当初はMSパイロットだったが、バイク戦艦による艦隊・モトラッド艦隊が編成されるとその旗艦であるアドラステア級1番艦アドラステアの艦長に任命され、指揮官として活動する。
搭乗したMSの数は非常に多く、シャッコー、ゾロ(専用機)、トムリアット、ゾロアット、コンティオ、リグ・コンティオ。この他にも通常のゾロやヴィクトリーガンダムの操縦経験もある。終盤は黒い専用のパイロットスーツを着用。
姉がカガチに利用されていることを内心恨んでおり、内心では将来カガチを「腐った赤ん坊」にして、自身が政権を奪う野心を抱いている。性格は実直で冷静沈着であり軍規にも忠実であるが、一方で良くも悪くもお人好しな面が強く、そのために重大な局面で作戦を完遂し損ねたり、ミスを犯すことも多い。
姉共々幼少期は貧困で、かつては学校にも行けず不良行為を働いていたとされるが、劇中では概ね真面目な好人物として描かれており、姉の性格(教養)が関連しているのかもしれない。 - カテジナ・ルース
地球連邦政府の管轄下にある地球の土地ウーイッグ出身の女性。17歳。階級は不明。
故郷やリガ・ミリティアに失望していた所を偶然クロノクルに拉致され、そのまま帝国入り。彼の管轄下に置かれる。
搭乗MSはリグ・シャッコー、ゲドラフ、ゾリディア、ゴトラタン。
クロノクルの恋人として彼の理想を実現するため行動するが、当初は「クロノクルの女」と既存の兵士に見下されていた。しかし瞬く間にMSパイロットとしての才能を開花させ、終盤は専用機まで与えられるほどの出世を遂げる。
詳しくは個別項目を参照。 - タシロ・ヴァゴ
カガチの片腕である、帝国を代表する司令官のひとり。階級は大佐。
宇宙軍カイラスギリー艦隊を指揮していたが、艦隊崩壊の責任を負い後に失脚。
ギロチンにより処刑されかけ、カガチに恨みを募らせるようになる。失脚後も再び招聘され、タシロ艦隊を率いる。 - ムッターマ・ズガン
ガチ党のNo.2で階級は中将。カガチの腹心で、彼同様木製帰りの男。
主に宇宙軍の指揮を執り、ズガン艦隊を率いる。 - ドゥカー・イク
旧世紀時代の乗り物「バイク」をこよなく愛する、ある意味での全ての元凶。
階級は大尉→少佐だが、クロノクルに対しては女王の弟であるためか敬語を使っている。
バイク型戦闘メカ「戦斗バイク」シリーズを運用する試験部隊ガッダール隊の隊長だったが、後にそのデータを基に帝国の兵器開発にバイク戦艦の起用をすることを女王に自ら推進。見事承認されると、出来上がったバイク戦艦・リシテア級エムに、自らも艦長として乗艦してモトラッド艦隊に配属された。
搭乗MS/MAは戦斗バイク甲、ガリクソン、ガルグイユ、ジャバコ。ヘルメットの形状が異なったピンク色の、ガッダール隊専用のパイロットスーツを着用している。
ガッダール隊時代からのバイク仲間であり同僚のレンダ・デ・パロマ中尉とは恋仲であり、婚約している。
紳士的な好人物だが、戦闘になると「沈めぇぇぇい!」だの「ちょこざいな事を!」などとよく叫んだり、「バイク乗り魂を見せてやる!」と言いながら水陸両用MSで戦闘するなど、割とお茶目な人物。 - ファラ・グリフォン
階級は中佐。22歳。ヨーロッパのラゲーン基地の司令官。階級は中佐。メッチェ・ルーベンスという恋人の副官がいる。
ギロチン執行人の家系らしく、そのために帝国内で高い要職に就いていることが示唆されている。
しかし独断でギロチンを使用したため一時失脚しメッチェとも死別するが、タシロの部下のMSパイロットとして再出発する。タシロの部下になってからは性格が冷徹で狂気的なものへ変貌し、タシロとも愛人関係にあった。
搭乗MS/MAはリカール、ザンネック、ゲンガオゾ。詳しくは当該項目を参照。 - アルベオ・ピピニーデン
階級は大尉。ピピニーデン中隊を率いる司令官で、クロノクルの士官学校時代の先輩でもある。
MSパイロットとしての腕は中々のもので、停機との連携フォーメーション"ピピニーデン・サーカス"を得意とする。
ラゲーン基地に援軍として地上に降下した後、モトラッド艦隊に配属され、アドラステア級ラステオの艦長となる。
彼もクロノクル同様成り上がる野心を持っている。部下のルペ・シノがお気に入りだが、内心では軽んじられている。
搭乗MS/MAはトムリアット、ビルケナウ。詳細は当該項目を参照。 - ゲトル・デプレ
階級は大尉。ラゲーン基地の副指令。ファラの腰巾着的な人物。16歳の息子がいるらしい。
ラゲーン基地にピピニーデンが来たことで焦り、ゾロで出撃する。キャラオケが趣味。狡猾な性格でクロノクルを度々弄っていたが、ヴィクトリーガンダムのパイロットが少年だと知るや撃墜でなく捕捉しろと慌てるなど、人格者な面も。
搭乗MSはゾロ(トップターミナル)。 - ルペ・シノ
階級は大尉。MSパイロット。当初はピピニーデン中隊に所属していたが後にクロノクルの指揮下に入り、その後再びピピニーデンの艦隊に配属される。
民間人も問答無用で射殺する冷徹な人物。その一方で「子供の純粋さは浄化されたもの」として、ショタコンのような趣向を持つ。カテジナがパイロットになりたての頃に教育をした人物で彼女には忌み嫌われており、本人に聞かれない場所で「おばさん」呼ばわりされている。他にも部下で暴力的なアジス・バギからも「プッツンすると怖い」と言わしめる。
搭乗MS/MAはトムリアット、ゲドラフ、ドッゴーラ、ブルッケング。 - ゴッドワルド・ハイン
階級は中尉。「人喰いの虎」の異名をもつエースパイロット。
凶暴そうな異名とは裏腹に(頑固な性格ではあるが)人格者である。搭乗MSはアビゴル。 - ワタリー・ギラ
階級は大尉。ラゲーン基地所属。騎士道を重んずるスキンヘッド。ドゥカー・イク同様、階級は下だがクロノクルには敬語を使う好人物。騎士道を信条としているが、それが戦場では理想に過ぎない事を自負している。
ガンダムを呪われたMSとして嫌悪している。中破した機体を囮に使って敵を落とし穴にはめたり、MSの手首を高速回転させてパンチを繰り出すなど独特な戦い方をする。
搭乗MSはゾロ。 - マチス・ワーカー
階級は大尉。ラゲーン基地所属。妻子供と共にラゲーン近隣のポイント・カサレリアに定住することを望んでいる。
ザンスカール戦争後期にラゲーン基地が連邦軍に武装解除すると脱走し、部下と共にゲリラになり、リガ・ミリティアに突撃をかける。
搭乗MSはゾロ(専用機)。専用の青色のパイロットスーツを着用する。 - キスハール・バグワット、カリンガ・ヴォーゲル
女王近衛師団のMSパイロットのカップル。リガ・ミリティアを巡る戦闘でお互いに誤解が生じ、悲劇的な運命を辿る。
搭乗MSはリグ・シャッコー(近衛師団専用機)。 - トッリ・アーエス
エンジェル・ハイロゥ護衛隊の隊長。エンジェル・ハイロゥのサイコウェーブを敵に発信する実験を行った。
搭乗MSはゾロアット(サイコミュ端末装備)。 - ネネカ・ニブロー
女王近衛師団のMSパイロット。エンジェル・ハイロゥを護衛していたが、カテジナにそそのかされ水着を着た生身でV2ガンダムに挑む。
搭乗MSはアインラッド付きのリグ・シャッコー(近衛師団専用機)。 - アドラステアの艦内で洗濯をしていた少女兵
コアな「Vガンダム」ファンからよく話題に上がる、「ザンスカール帝国のケルゲレン子」との呼び声も高い学徒兵らしき少女。16歳。アドラステア艦内で、乾燥機から衣類を取り出していた。とても可愛い。
35話で登場。髪は赤茶色、やや癖っ毛で短く切りそろえている。兵士としてよく教育されているようで、礼儀正しく語尾に「であります」とつけるほか、死に際には「ハイル・ザンスカール・・・」と呟いてこと切れている。
ちなみに、23話に登場する"ザンスカール本国で行進の練習をしている学徒兵の少女"と混合されることもあるが、瞳の色や髪型が違うため、可愛くて似ているが別人である。
その他協力者、関連人物
- ズブロフ・シモネフ
モビルワーカー・サンドージュをベスパに売り込もうとしていた企業の社長。
自社製品を兵器として売り出す夢に燃え、ベスパの兵士と共に自らもサンドージュに乗り込み、ヴィクトリーガンダムと交戦する。しかし戦闘中、あまりのウキウキさにベスパの兵士からドン引きされていた。 - エレナ
ザンスカール帝国の信徒が多い地球の海洋都市アンダーフックに住むマリア主義者。
大気圏から降下してMSで遭難していたカテジナを救助し、シャクティを拉致した。 - シャクティ・カリン
女王マリアの娘で、赤ん坊の頃は地球でマリア、クロノクルと暮らしていた。
ザンスカール戦争ではリガ・ミリティアと行動を共にしており、ベスパは彼女を何度か拉致している。
ザンスカール帝国年表
- 0146 サイド2のアメリア政庁野党に政治組織ガチ党が発足。
- 0147 フォンセ・カガチが贈収賄の犯人を糾弾し、ギロチンで処刑。支持を集めガチ党が政権与党に。
- 0149 サイド2がザンスカール帝国の建国を宣言。マリア・ピァ・アーモニアが女王となる。
- 0152.10 地球降下作戦開始。イエロージャケットがヨーロッパのラゲーンに侵攻。同地制圧後、民間航空施設を地球上の軍事拠点"ラゲーン基地"とする。リガ・ミリティアとの戦闘を開始。
- ※以下よりテレビシリーズの物語に突入。
- 0153.4.5 試作MSシャッコーを民間人の少年が強奪。イエロージャケットがリガ・ミリティアの潜伏先である地球連邦軍の特別区・ウーイッグへの無差別爆撃を開始。
- 0153.4.6 リガ・ミリティアからシャッコーの奪回に成功。
- 0153.4.7 イエロージャケットがリガ・ミリティアのMS、ヴィクトリーガンダムと初めて交戦。
- 0153.4.10 クロノクル・アシャー中尉がウーイッグに集結していたリガ・ミリティアの統率者、オイ・ニュング伯爵を拘束。
- 0153.4.11 ガッダール隊がリガ・ミリティアと初めて交戦。バイク型兵器のデータ収集を開始。ラゲーンのマルガレーテ広場にて、ラゲーン基地司令ファラ・グリフォン中佐によって、オイ・ニュング伯爵がギロチンにより公開処刑される。
- 0153.04.12 独断でギロチンを使用したファラ中佐に対し、本国のタシロ・ヴァゴ大佐より召還命令が下る。イエロージャケットがアーティジブラルタルの制圧作戦を開始。
- 0153.04.16 旧バルセロナに設置したギロチンに市民が抵抗。リガ・ミリテイアにより破壊される。
- 0153.04.17 地球連邦軍のバグレ隊が単独でベスパの艦隊に攻撃を開始。
- 0153.04.19 クロノクル中尉のトムリアットがファラ中佐を移送する為宇宙へ上がる。
0153.04.20 ファラ中佐がスクイードⅠ内部で軍事裁判を受け、宇宙漂流刑に処せられる。ズガン艦隊が本国より出陣。バグレ隊を壊滅させる。ジブラルタル沖にて大気圏突破を試みるリガ・ミリティアの大規模艦隊が集結し、これをガッダール隊のガルグイユが強襲。
0153.04.27 リガ・ミリティアがタシロ・ヴァゴ大佐率いるカイラスギリー艦隊に攻撃を開始。自爆用のダミー艦艇やマイクロウェーブによって肉薄し、艦隊戦となるも、カイラスギリーとスクイードⅠをリガ・ミリティアに奪取される。
0153.05.04 サイド2宙域にてリガ・ミリティアの艦隊とズガン艦隊が交戦。リガ・ミリティアのMSがザンスカール本国へ侵入し空襲をかける。侵入したMSと、2名のパイロットを拘束。 - 0153.05.06 ザンスカール本国での恩寵の儀式にて、失脚したタシロ・ヴァゴ大佐、拘束した敵パイロット2名をギロチンにかけようとするもリガ・ミリティアの妨害にあう。鹵獲されたカイラスギリーのビックキャノンがズガン艦隊を砲撃、大損害を与え、直後に中破する。リガ・ミリティアがサイド2宙域から後退。
- 0153.05.19 モトラッド艦隊が月面より地球へ向けて発進。
- 0153.05.21 モトラッド艦隊がリガ・ミリティアの追撃を振り切り、地球の大気圏に突入。
- 0153.05.22 地上でマリア主義の信仰が深かった海洋都市アンダーフックが、両軍の戦闘により壊滅。
- 0153.05.24 モトラッド艦隊がメキシコ湾のタンピコ近海より上陸。「地球クリーン作戦」が開始される。ゲリラを蹴散らし湾岸の街を無差別に轢き潰しながら、北米大陸を北上。
- 0153.05.28 ザンスカール帝国と地球連邦軍の間で休戦協定が発効される。
- 0153.06.05 休戦協定を機に地球連邦軍の駐屯地になっていたラゲーン基地の残存部隊が、武装解除せず独力でリガ・ミリティアに大規模な攻撃をかけるも全滅。
- 0153.06.08 連邦軍の手に落ちたラゲーン基地をMSザンネックが超高空下より狙撃。同基地は壊滅。
- 0153.06.12 リガ・ミリティアと連邦軍ムバラク艦隊の連合艦隊が行動を開始。アドラステア級2番艦ラステオを含む、モトラッド艦隊の一部が撃破される。
- 0153.06.18 エンジェル・ハイロゥが完成し地球へ向けて発進。内部で女王マリアによる起動テストが行われる。
- 0153.06.21 エンジェル・ハイロゥが地球の軌道上に到達。サイコウェーブを照射し、地上の生物への効果を確認。本格的な降下作戦に突入。
- 0153.06.22 タシロ艦隊がエンジェル・ハイロゥに接舷。タシロ・ヴァゴ大佐が造反し、女王マリアを拉致。そのまま戦線を離脱しようとするも、リガ・ミリティアの追撃を振り切れず艦隊ごと全滅。これにより女王マリアが死亡。
0153.06.23 成層圏まで降下したエンジェル・ハイロゥを阻止せんとするリガ・ミリティアと連邦軍の連合艦隊が、総力戦を開始。ベスパはモトラッド艦隊・ズガン艦隊・女王近衛部隊を集結させ応戦。激しい抵抗の中で、リガ・ミリティアの戦艦がアドラステアに特攻をかけ両艦の核融合炉が大爆発。密集していた付近のモトラッド艦隊が全滅し戦局が動き出すと、フォンセ・カガチ宰相、ムッターマ・ズガン中将、クロノクル・アシャー大尉などの主要人物が一気に全滅し指揮系統が壊滅。同時にエンジェル・ハイロゥはマリアの娘の祈りによって突如分解をはじめ、両軍を巻き込みながら大気圏外へ上昇。ザンスカール戦争終結。
主な用語
- ギロチン
ガチ党が粛清に用いる手段。恐怖政治の象徴。宇宙世紀が始まり、1世紀半が過ぎようとしていたこの時代。
MSが人殺しの戦争を行うことが当たり前になっていたことが容易に想像できるこの「宇宙戦国時代」において、
生身の人間を中世の道具で拘束し首を落とす公開処刑という、あまりにもアナクロな殺人は
宇宙に住む人類にとっては、一周回って斬新なものに映ってしまったようだ・・・。
マリア主義に加えこのアイテムによってサイド2の人々は、ザンスカール帝国の建国を後押しするのだった。
かつて、宇宙世紀における粛清といえばコロニー落とし、ソーラ・レイ、G3ガス、隕石落としと、
様々な方法が行われてきた。しかし「機動戦士ガンダムF91」におけるバグは、
富野監督の「毒ガスより直接的な痛みを感じさせるものが欲しい」という依頼を受け登場した(ラポート発行の「F91」ムックより)。
血の通わぬロボットで戦うことがリアルな戦争だと言えるのだろうか、という問いに答えるアイテムである・・・。
見る物に痛々しさを植え付ける、人間を追跡し確実に抹殺する、生々しい回転ノコギリというものだった。
そのバグの直系ともいえるこのギロチンは、富野監督が「Vガンダム」企画時から「ギロチンとファラとガンダム」と考えていたと言わしめるほど、重要なキーワードだったのだという(『それがVガンダムだ』より)。 - 猫の目、キツネ目
ベスパのMSのほぼすべてに採用されているメインカメラのこと。
通常時はキツネ目のようにスリットが閉じているが、戦闘時には展開して赤い瞳にボーダーが入った後、瞳のようなラインが入り、猫の目と呼ばれる。
正式名称を「複合複眼式マルチセンサー」といい、優秀な索敵能力を発揮するとされる。
関連商品
関連動画
関連静画
関連コミュニティ
関連項目
- ガンダムシリーズの関連項目一覧
- 機動戦士Vガンダム
- 宇宙世紀
- 宇宙戦国時代
- マリア主義
- カテジナ・ルース
- クロノクル・アシャー
- ファラ・グリフォン
- アルベオ・ピピニーデン
- アビゴル
- コンティオ
- ゲドラフ
- ザンスパイン
- エンジェル・ハイロゥ
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