ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(THE SUPER MARIO BROS. MOVIE)とは、
2023年4月に公開の『スーパーマリオブラザーズ』を題材とした映画作品である。日本では2023年4月28日に公開された。
概要
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー The Super Mario Bros. Movie |
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基本情報 | |
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原作 | 『マリオシリーズ』(任天堂) |
監督 | アーロン・ホーバス マイケル・イェレニック |
脚本 | マシュー・フォーゲル |
音楽 | ブライアン・タイラー |
製作 | クリス・メレダンドリ 宮本茂 |
制作会社 | イルミネーション 任天堂 |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ 東宝東和(日本) |
公開 | 2023年4月5日(米国) 2023年4月28日(日本) |
上映時間 | 93分 |
映画テンプレート |
『怪盗グルー/ミニオンズ』シリーズ、『SING』などの3DCG作品で知られるイルミネーションと任天堂という強力タッグにて製作される長編アニメーション映画。2023年4月7日に米国、日本では同年4月28日に公開。マリオを題材とした劇場作品は1993年の『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』以来30年ぶり。劇場公開された任天堂作品としても『劇場版 どうぶつの森』以来、17年ぶりである。2018年2月1日に企画開発をしていることがアナウンスされ、2022年10月7日の任天堂公式配信「Nintendo Direct: The Super Mario Bros. Movie」にてトレーラーが解禁された。
以前から任天堂は配給元であるユニバーサル・ピクチャーズと提携関係を結んでおり、関連事業としてUSJにてスーパーニンテンドーワールドをオープンしたのは記憶に新しい。その間に同社の映像作品を展開するための準備を行っており、本作はその始動作とも言えるだろう。
マリオの声には『ジュラシック・ワールド』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で実績のあるクリス・プラット、クッパには『スクール・オブ・ロック』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』のジャック・ブラックをそれぞれ起用。
他にもピーチ姫にアニャ・テイラー=ジョイ、ルイージをチャーリー・デイ、キノピオにはキーガン=マイケル・キーが担当する。
長年ゲームのマリオの声を担当しているチャールズ・マーティネーも、別キャストで出演している。
マリオシリーズではお馴染みのパワーアップアイテムも幾つか登場するが、意外にも本作ではファイアフラワーが登場するにも関わらず、マリオ自身はファイアマリオには変身していない。
監督は『ティーン・タイタンズGO!トゥ・ザ・ムービー』のアーロン・ホーヴァスとマイケル・ジェレニック、脚本は『レゴ® ムービー2』『ミニオンズ フィーバー』のマシュー・フォーゲルが担当。音楽は『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』や『アイアンマン3』のブライアン・タイラー。どれか一つでもシリーズ作品を遊んだ人なら分かる劇判音楽も必聴。
第1弾トレーラーではイルミネーションの技術力を最大に発揮したクッパブレス、
マリオが土管を経て初めてキノコ王国を訪れる様子が公開。
第2弾トレーラーではピーチやドンキーコングも登場、またメインキャラクターの日本語キャストについてもホームページで発表。
初代マリオをベースに、ピーチ姫やクッパ達との出会いを描くオリジンストーリーとなりそうだ。
最終トレーラーでは囚われたルイージたちやドンキーコングやピーチ姫と冒険するマリオの様子が描かれている他、マリオカートのレインボーロードを彷彿とさせるシーンも描かれていた。
製作にまつわる裏話
元々「ゲーム以外で生まれた設定やルールに、ゲーム側が制限を受けたら嫌や」という宮本氏の考えもあり、マリオは高い人気を誇りながらも積極的なメディアミックスは行われていなかった。しかし近年、「任天堂IP(=キャラクターなどの知的財産)に触れる人口の拡大」という任天堂の経営戦略に代表されるように、ゲーム機を持っていない人にもコンテンツを届ける方法が模索されるようになり、『スーパーマリオラン』始め、スマートフォン向けゲームやテーマパークなど、様々な企画が動き始めるようになった。
そのような中、「SUPER NINTENDO WORLD」でユニバーサルと縁ができたことをきっかけに、任天堂とイルミネーションの強力なタッグが実現した。任天堂からは、『ゼルダの伝説』シリーズのデモシーンなどを専門に作っているチームから、映画が好きな人たちを集めている。
今作では、マリオとルイージが、ブルックリンの配管工から世界を救う「スーパーマリオブラザーズ」になっていく過程が描かれているが、これは宮本氏がもともと影の設定として決めていたことが元になっている。ゲームのストーリーも『マリオブラザーズ』ではニューヨークの地下で配管工として活躍するマリオとルイージを、そして『スーパーマリオブラザーズ』ではその続きとして、土管の先が不思議な世界につながっていくストーリーを描いている。なお、30年前の『魔界帝国の女神』も、マリオブラザーズがブルックリンの配管工という点は共通している。
大ヒット、続編制作へ
日本に先駆けて、アメリカでは2023年4月5日に公開されると、3週連続で1位を獲得。全世界興行収入はあっという間に1000億円を突破し、マリオの人気を裏付ける結果となった。5月には早くも1500億円を突破し、『アナと雪の女王2』が打ち立てたアニメ映画の興行収入記録を抜く勢い。
日本ではGWシーズンの公開という事で『劇場版名探偵コナン 黒鉄の魚影』などライバルに囲まれた中での封切り。任天堂がマリオをフィーチャーするCMを放映するなどのプロモーション効果や内容の満足度の高さも相成り、公開10日間で興行収入65億円のロケットスタートを決めた。5月末には100億円を突破し、国内公開のアニメーション洋画作品では最速で達成している。
2024年3月10日には続編の制作が発表された。今作と同じくイルミネーションとの制作で、2026年4月の公開を予定しているとのこと。
キャスト
主人公
- マリオ
- CV:クリス・プラット/宮野真守
言わずと知れたミスターニンテンドー。
今作では弟のルイージと共にニューヨークのブルックリンで働く配管工として登場。いち配管工だった彼が初めてキノコ王国を訪れ、クッパの野望に立ち向かう「スーパーマリオ」になるまでのオリジンを描く。今作ではキノコが嫌いということになっている。
宮本茂曰くマリオがブルックリンからキノコ王国に来るのは映画とは関係なく裏設定として決めていたという。 - ルイージ
- CV:チャーリー・デイ/畠中祐
- 世界一有名な配管工の双子の弟。マリオのことは兄さんと呼んでるが、時々マリオ~になることがある。
周囲にはマリオに振り回されていると思われているが、本人は幼少期から兄を慕っている。土管に吸い込まれた後、クッパの領地ダークランドに迷い込み、カロンに追い掛け回された後ヘイホー、ムーチョに捕まる。クッパから脅迫されヒゲを抜かれるなど、立ち位置はメインヒロインに近い。
キノコ王国
- ピーチ
- CV:アニャ・テイラー=ジョイ/志田有彩
- こちらも言わずと知れたキノコ王国の姫君にして君主。クッパの侵攻にも自らジャングル王国に出向いて冒険したりハルバードを構え立ち向かう、美しく勇敢さも兼ね揃えた女性。別の世界から来たマリオに興味を示し、彼と共にまだ見ぬ世界へ旅立つ。
- キノピオ
- CV:キーガン=マイケル・キー/関智一
- 誰もが知るキノコ王国の国民の一人。かわいいキノピオにしては珍しく勇敢な性格。外の世界から来たマリオが初めて出会うキノピオ。かわいいと自称しているキノピオが多いが、マリオが最初に出会ったキノピオはかわいいって言われるのは飽きたとのことで、共に冒険に旅立つ。
ジャングル王国
- ドンキーコング
- CV:セス・ローゲン/武田幸史
- マリオ史に欠かせないコングにしてライバル。ジャングル王国に住む屈強な戦士であり、マリオと戦うことになる。今作では王族出身で、クランキーの息子であり後継者でもある。初代ドンキーコングのようなデザインとなっている。
- クランキーコング
- CV:フレッド・アーミセン/楠見尚己
- コングの中のコング。本作ではジャングル王国でコング達の長を務めており、玉座にてマリオ達を迎える。王族のためか服装が異なっている。
- ディディーコング
- CV:エリック・バウザ/不明
- ドンキーコングの相棒。マリオとドンキーコングがコロシアムで試合をしている際の観客として登場。ディクシーコング、チャンキーコングと共に観戦し、ドンキーに声援を送っている。
ダークランド
- クッパ
- CV:ジャック・ブラック/三宅健太
- 大勢力を率いる任天堂屈指のヴィラン。スーパースターを強奪し、全世界の支配に向けてキノコ王国への侵攻を図る。ピーチのことが好きで、結婚したいと思っているようだが…。
- カメック
- CV:ケビン・マイケル・リチャードソン/浦山迅
- クッパ軍団随一の魔術使い。大勢を魔術で拘束・駆逐できる高度な魔法をいくつも持つ実力者。今作ではクッパの側近として彼をサポートする。
ブルックリン
- スパイク
- CV:セバスティアン・マニスカルコ/間宮康弘
- イルミネーション側からの提案もあり、『レッキングクルー』からまさかの登場。マリオの初代ライバル。マリオ達が開業した配管工のサイトによれば、兄弟の元上司という情報も。元作品(日本版)ではブラッキーという名前だったが、海外版に合わせて名称変更された
。
- マリオとルイージの父親
- CV:チャールズ・マーティネー
- 初報時点で詳細は公開されていなかったが、ゲーム作品でマリオたちの声を演じるチャールズ氏も"何らかの役"として登場することが示唆されていた。
- その役の正体は、なんとマリオブラザーズの父。ある意味ぴったりの役と言えよう。宮本茂曰くマリオの家族を作るのは昔からの課題で、今回の映画で実現した。
- 企業で働くのをやめて独立したマリオの仕事を快く思っておらず、ルイージのことも巻き込んだと思っている。
- ちなみにチャールズ・マーティネーは他の役でも登場しており、そちらは日本語吹き替え版でも声を聞ける。「NICE JUMP!」
- マリオとルイージの母親
- CV:ジェシカ・ディ・シコ
- 夫と違って息子たちを信じている。
- ポリーン
- CV:ジェシカ・ディ・シコ
- ブルックリンの市長として登場。
その他
- ペンギンの王
- ペンギン王国の王。侵略してきたクッパと戦うが、歯が立たず敗れて囚われる。
- ルマリー
- CV:ジュリエット・ジェレニック/山根あん
- 『スーパーマリオギャラクシー』からよろずやチコが登場。星の子「チコ」のひとり。マイナス思考の持ち主で、ネガティブな言動が多い。新鮮な肉が来たね。
イースターエッグ
今作はマリオファンなら思わずニヤリとできるイースターエッグが至るところに散りばめられている。二回目以降の視聴で探してみるのも面白いだろう。
- ドンキーコング
- スーパーマリオブラザーズ
- クッパ初登場時の音楽はマリオ3の飛行船ステージのアレンジ
- ポールに掴まった際にクリア時のBGMが流れる
- また、パワーアップアイテムの効力が無くなった時のSEがファミコン版マリオのダメージ音(土管に入った時も同じ)
- ブルックリンの地下に書かれた「1-2」
- キノピオのアンティーク店で売られているオルゴールはマリオ3で出てくるもの。この他にもスーパーマリオワールドのパワーバルーンが売られているほか、ドラゴンコインも展示されている。
- クッパとカメックのセッションが地下BGM&コインのSE
- マリオとピーチが冒険の道中で通るプクプクが飛び交う橋は、W2-3などのステージが元ネタ
- キノピオの台詞「Our Princess Is In Another Castle!」は、クッパに捕らわれたキノピオを救出した際の台詞が元ネタ
- スーパースターを取った際に無敵BGMのアレンジが流れる
関連項目
- 任天堂 / イルミネーション
- ユニバーサル・ピクチャーズ
- 映画 / 映画の一覧
- スーパーマリオブラザーズ
- マリオシリーズの関連項目一覧
- YouTubeで映画のネタバレをくらったマリオ
- 劇場版 どうぶつの森(任天堂の関わった映画としての前作)
関連リンク
- 公式サイト
- Super Mario Bros. Plumbing
- 映画内に登場するマリオとルイージの配管工事サービスの公式サイト
- 映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のトレーラーが世界初公開。 - 任天堂ホームページ
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