ザ・ボーイズとは、ガース・エニスがダリック・ロバートソンと共同で制作したアメリカンコミックスである。この記事ではこれを原作としたAmazonのオリジナルドラマシリーズについて記述する。
概要
ジャンルはSFブラックコメディ。昨今のアメコミブームの中「もしスーパーヒーローが屑だったら?」という発想の元生まれた異色作。
その斬新な設定とR-18+の世界観が世界中で受け、2019年で最も注目を集めた海外ドラマと言っていいほどのヒットを記録した。
シーズン1からシーズン3まではそれぞれ2019年と2020年、2022年に配信開始され、いずれも全8話。シーズン4の製作も決定している。
導入
スーパーヒーローマニアの青年・ヒューイは彼女と歩いている途中、ヒーローのミスにより恋人を失ってしまう。失意のヒューイの前に現れた自称FBI捜査官のイギリス人・ブッチャーの捜査を手伝っていくうちに今まで信頼していたスーパーヒーロー達が実はとんでもないゲス野郎であることが判明する。
登場人物
ザ・ボーイズ
- ヒューイ
演:ジャック・クエイド
電器店で働く平凡な青年。
ある日、恋人と歩道で戯れている途中自分が憧れていたスーパーヒーローのAトレインに恋人を轢き殺されたことにより騒動に巻き込まれていく。
普段は深入りはしない性分だが謝礼金として手渡された4万5千ドルの小切手をアッサリ破り捨てるなど時として大胆。職業柄電子機器に強く口もよく回るがシーズン2ではかなりナーバスになっている。 - ウィリアム・”ビリー”・ブッチャー
演:カール・アーバン
ザ・ボーイズのリーダー。イギリス人。元FBI捜査官。
妻が8年前、とあるスーパーヒーローに強姦されたのち失踪したためスーパーヒーロー自体を強く憎んでいる。 - マザーズミルク
演:ラズ・アロンソ
通称MM。不良少年の更生施設で働いている黒人男性。
昔はやんちゃしていたようだが今では恐妻家のようになっており当時を知っているブーチャーとフレンチ―からはからかわれている。
カウンセラー経験者なためか人の心理を読み取る能力にたけている。
シーズン2ではラブ・ソーセージと言う能力者にひどい目にあわされた。てかこのシーン修正なしで大丈夫なのか… - フレンチー
演:トマー・カポン
坊主頭の白人。フランス出身。LSDなどの薬物を使用している。
昔のいざこざのせいでマザーズミルクとは犬猿の仲。囚われていたキミコを罪滅ぼしのためか手厚く保護する。 - キミコ
演:福原かれん
ヌードル店で監禁されていた日本人女性。
弟と共に誘拐されて戦士として育成されていた。コンパウンドVの影響で察知能力と身体能力、再生能力が異常に発達している。当初は野生児然りと言った風貌で言葉も全く喋らなかった。
セブン
- ホームランダー
演:アントニー・スター
星条旗を背負ったセブンのリーダー。
空を飛べる、怪力、目からビーム、地獄耳、透視能力などその実力はスーパーヒーローの中でも最強だと思われる。
人格面も表向きはヒーローしかりとした立派なもので人々からの尊敬を集めているアメリカのシンボル的な存在。しかし実際は自分の意にそぐわない人や物事は殺してでも解決しようとする残忍な性格でさらに独占欲の強いマザコン。
今シリーズ屈指の人気キャラ。というか真の主人公。 - ザ・ディープ
演:チェイス・クロフォード
セブンの副リーダー。
体にエラがある。遊泳能力に優れており水生生物と意思疎通ができる。
セブン設立当初からいた古株。立場上は№2なのだが能力の都合上派遣される現場はほぼ水辺に限定され、他のメンツと比べて地味だと悩んでいる。水族館のイメージキャラクターとなっているが内心では魚たちを逃そうと画策しているがいつもうまくいかない。権力をちらつかせ初対面のスターライトにフェラを強要するなどしたがそれを告発されたことにより左遷させられるなどセブン屈指の小物。その後は頭を丸刈りにして奇行に走るなど病みまくっていたところを共同教会に目を付けられ入団。ファンからの愛称はディープ様。 - アニー・ジァニュアリー/スターライト
演:エリン・モリアーティ
今作のヒロイン的な存在にして今作屈指の常識人。
コンクリの壁を破壊し電気を操る。
幼いころからスーパーヒーローに憧れており鍛錬をしていたが実情を知って悩む。 - Aトレイン
演:ジェシー・T・アッシャー
自慢の俊足は世界最速を誇るスピードスター。しかしショックウェーブにその座を脅かされておりその不安からかコンパウンドVの常用者となってしまっている。
口下手でありインタビューの際はほぼ台本が用意されるほど。
主人公ヒューイの彼女を焦って殺傷してしまうも反省どころか関係者しか入れない秘密クラブで話のタネにするカス野郎。しかしポップクローのことは真剣に愛している。 - ブラック・ノワール
演:ネイサン・ミッチェル
忍者的な黒いスーツに身を包んだ謎の人物。ピアノを披露したり茶道に勤しむなどどこか知的でホームランダーからの信頼も他のメンバーと比べると高い印象を受ける。
シーズン1ではあまり出番がなかったがシーズン2ではかなり出番が増え「絶対に無視できない存在」になるらしい。 - クイーン・メイヴ
演:ドミニク・マケリゴット
銀の腕枷にティアラというワンダーウーマンポジ。
スーパーヒーローには珍しく精神的にも成熟した大人の女性。バイセクシャルを思わせる描写も。
バスを片手一本で支えられるほどの怪力でトラックに正面衝突されても傷一つ負わないほどの肉体を誇るが飛ぶことはない。
同性でバイタリティー溢れるスターライトを何かと気にかける。 - トランスルーセント
演:アレックス・ハッセル
皮膚を構成する炭素系メタマテリアルにより透明になることが出来るが服までは変異できないため基本裸。腕力は普通だがこの肌は異様に強固でありライフル弾も貫通せず牛を感電死させるレベルの電流でも死なない。
トイレ覗きを趣味としており産婦人科にもしょっちゅう出没するようだ。 - ストームフロント
演:アヤ・キャッシュ
欠員が出たため参入した雷を操り高速で飛ぶベルリン生まれの新参者。
セブンの中では一際小柄。セミロングの七三分けで一部分を刈り上げている。
取材中でもインスタLiveを継続したりホームランダ―をオジイサン呼ばわりするなど奔放かつ挑発的。
しかし言い分自体は的を得ており根はまとも…かと思いきやサディスト&レイシストという破綻者であった。
ボーイズ側(特にキミコ)は言うまでもなくホームランダ―にとっても強大な敵となると思われたが…
文化のために戦う。
ヴォート社
- スタン・エドガー
演:ジャンカルロ・エスポジート
ヴォート社社長。ホームランダ―に対しても面と向かって重要な資産ではない、心が未成熟と言ってのける毅然とした人物。彼がコンパウンドVを意図的に敵側に広めたのもお見通し。 - マデリン・スティルウェル
演:エリザベス・シュー
ヴォート社の副社長。
ホームランダーの担当だが彼とはそれ以上の関係。何度も体外受精にチャレンジした末ようやく子供を授かった。 - アシュリー・バレット
演:コルビー・ミルフィ
ヴォートの広報を担当しているパーマがかった亜麻色の髪の女性。
シーズン2では月経カップの広告をするなど一時本社を離れていたがホームランダ―の推薦で舞い戻る。
ミュージカル好き。最近はストレスに起因する抜け毛に悩まされている。
その他の登場人物
- マロリー
演:ライラ・ロビンス
元CIA副長官にしてザ・ボーイズの創設者。
ランプライターに孫を焼き殺されたのを機に隠居。 - ベッカ・ブッチャー
演:シャンテル・ヴァンサンテン
ビリーの妻。ヴォート社で広報の仕事をしていたが8年前に失踪。 - ライアン・ブッチャー
演:キャメロン・クロヴェッティ
ホームランダ―とベッカとの間に生まれた男の子。生まれてから母子家庭で育った心優しい少年だが父親譲りの凄まじいポテンシャルを秘めている。 - ヴィクトリア・ニューマン
演:クローディア・ドゥーミット
ヴォート社及びホームランダ―を痛烈に批判する上院議員。モデルはアレクサンドリア・オカシオ=コルテス。シーズン2は彼女のもとにヒューイが就職希望で訪れるシーンで幕を閉じる。 - ロビン
演:ジェス・サルゲイロ
ヒューイと会話しながら歩道を歩いている途中、Aトレインに繋いでいた腕だけを残して粉砕された。
その後アニーと仲良く過ごす場面で度々フラッシュバックしヒューイを苦悩させる。 - シェリー
演:ジョーダナ・ラジョイ
フレンチ―の女友達。このドラマ一の美女。 - スーザン・レイナー
演:ジェニファー・エスポジート
CIA副長官。ビリーの元同僚であり彼の心情を理解してサポートを行うがヴォートの強大な権力の前にはタジタジ。シーズン2で手がかりをつかんだボーイズと会うも正体不明の能力者に頭がパーンされヒューイを発狂させる。 - ポップクロー
演:ブリタニー・アレン
女優をしているAトレインの恋人。
手から強固な骨を出せる。主演の映画があるがセブンのメンバーと比べると知名度はかなり落ちる。コンパウンドVを乱用する恋人を心配しているが自身もたまに使う模様。夜は女王様気質。彼女の「危険なクンニ」は今シリーズ屈指のグロさ。 - エゼキエル
演:ショーン・ベンソン
キリスト教系宗教団体であるサマリタンズ・エンブレイズ財団の牧師をしているヒーロー。
身体を伸び縮みさせることが可能なゴム人間。
表向きは敬虔なクリスチャンそのものだが同性愛者でありヒーローご用達の秘密バーでは男娼たちと乱交パーティーを開催していた。 - メズナー
演:ハーレイ・ジョエル・オスメント
元子役俳優で手を握ることで相手の心理を読み取る能力を持つ。妻と子供とは別居中。
風貌がかなり変わっているが演じているのは『シックス・センス』で11歳ながらアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたあの子である。 - ランプライター
演:ショーン・アシュモア
炎を操る元セブン。
物語開始時点でアニーと入れ替わる形で引退済みなのでシーズン1時点では回想のみの登場にとどまっていたがその能力で多数の一般人を事件に巻き込み殺傷していたらしい。
シーズン2六話より本格的に登場。パイロキネシスを有しているが火そのものを生み出すことは出来ないためライターを携行している。 - ドッペルゲンガー
演:ダン・ダリン・ザンコ
変身能力を持つ禿げあがった白人のオッサン。
簡単に姿形を変えられるが長時間の維持はキツイらしい。
ハニートラップやとある人物のオナニーセラピーを手伝う。精神的ブラクラ要素。 - ケンジ・ミヤシロ
演:アブラハム・リム
顎が印象的なキミコの弟。念動力を扱う光解放軍のメンバー。
昔は子ネズミを保護するなど優しい性格だったが今は復讐心に駆られている。 - ゲッコー
演:デイヴィッド・トンプソン
再生能力を持つ青年。アニーとはとあるキャンプで知古の仲。
加虐趣味のある変態相手に男娼まがいのバイトをして稼いでいる。
用語
- ヴォート社
ドラマでの正式名称はヴォート・インターナショナル。200名越えのスーパーヒーローを雇用する巨大企業。露骨なまでの商業主義。本社の外見はスターク・タワーに似ている。 - ザ・ボーイズ
特殊能力を持たない人間がメンバーの対スーパーヒーロー組織。 - セブン
ヴォート社の中から選りすぐりのスーパーヒーロー7人で構成されるエリート集団。 - コンパウンドV
スーパーヒーローの間で蔓延する薬物。
余談
- ヒューイは原作ではスコットランド人であり恋人の死もスコットランドで起こるのだがドラマ版では最初からニューヨークにいる。
- ホームランダーがクライスラービルのてっぺんで自慰に耽るというシーンがあったのだがAmazon側からNGをくらいお蔵入りとなった。撮影自体は済ませており関係者曰く「素晴らしい演技だった」とのこと。撮り直しかは不明だが第二シーズン終盤で日の目を浴びる。
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関連項目
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- 0pt