ザ・ワンとは、
- 英語で特定の人物や事柄を指す代名詞(The One)。
- 2001年公開の映画。出演:ジェット・リー、ジェイソン・ステイサムなど。
- 2004年公開の映画『ULTRAMAN』に登場する怪獣。正式名称は「ビースト・ザ・ワン」だが、劇中では主に「ザ・ワン」と呼ばれる。
- 漫画『キン肉マン』に登場するキャラクター。
ここでは4.について解説する。
概要
超人の神の一人“調和の神”。
数億年前に超人たちが暴虐を働いていた時代に超人たちを抹殺する案を提唱し、現代に至って同志を率いて地上に下天した「超神」の一人。
口癖は「ボッボッ」。和風の扇を手に携え、恐竜から鳥へ進化する過程のような怪鳥・ラプラスに騎乗している。
超神としての姿は鎧兜に身を包んだバッファローマン以上の巨漢。その力はザ・マンも「勝てるかどうか分からぬ」と評するほど。
「ザ・ワン」とは“慈悲の神”が名乗った「ザ・マン」と同じく特定のものを指す「あの男」「あいつ」と言った意味の他、「創造主」「絶対者」という意味を持っている。超神の名は神の役割や人物像と乖離した名前になる事が多いが、この「ザ・ワン」も“調和”とは正反対の意味と言える。
かつては“慈悲の神”と並んで超人の神々の中でも多くの崇敬を集める神であり、その力量・声望は“慈悲の神”も認めるところだった。神にも解けないとされる「ゴルディアスの結び目」への対処において、“慈悲の神”が結び目にヘッドロックを極めるのとは対照的に、一刀両断にして解決している。
超人達の暴虐に際してはカピラリア七光線照射による抹殺を提唱するが、“慈悲の神”が神の座を捨てて地上で超人を指導する事を申し出るとそれを了承。以後、長きに渡るザ・マンの超人指導の歴史が始まった。若干の空席が残る神の座に就くに相応しい存在を育成するために……。
だが、ザ・マンの超人指導は予想外の問題を生じた。神の座の空席を埋めるためには3名で良かったのに、神の座に相応しい超人が多く生まれすぎたのだ。
ザ・マン自ら「神の座に相応しい」と自信を持って太鼓判を押す直弟子・完璧超人始祖の10名を始め、“知性の神”ら五大邪悪神を打ち破ったキン肉マン達、彼らに匹敵する強大な超人パワーを持つオメガの民。
そして、キン肉マンの持つ火事場のクソ力が多くの超人達に広まった事が原因で超人パワーの過剰な増大が宇宙全体のパワーのバランスを乱し、宇宙崩壊の危機に陥る。地上ではザ・マンが弟子に敗れるという事態が起き、いよいよザ・マンですら超人達を抑えきれないという状況に至った。しかしザ・マンは超人の成長をいたく喜び、宇宙崩壊の危機にも全くの無頓着を決め込んでいる始末。
事ここに至って、ついに“調和の神”も神の座を捨てて下天。同行した神々と共に「超神」と名乗り、「神と超人、共存の道はもはや無し」と宣戦布告。彼に同調し同じく下天した11人の超神と共に再びカピラリア七光線を照射し、超人を殲滅しようとする。
とはいえ、賛同した超神たちにもそれぞれ違った思惑を持つものもおり、ザ・ワン自身もそのことは認識している様子。彼が同士とみなしているのは最大の理解者とするランペイジマンに加え、コーカサスマン、オニキスマン、ザ・バーザーカー、マグニフィセントである。
作中の活躍
キン肉星王位争奪編
キン肉スグルのキン肉星王位戴冠式に100人の善良な神々の一員として姿を現し、この時はキン肉スグルの王位継承を認める立場を取っている。
オメガ・ケンタウリの六鎗客編
この時にはすでに超人殲滅を決断しており、神になりそこねたがゆえの中途半端な存在であるサタンに「神への格上げ」を持ち掛け、ザ・マンの持つ「カピラリアの欠片」を奪おうと暗躍する。
そしてサタンがジャスティスマンに倒され、オメガ・ケンタウリの六鎗客の襲来から始まった一連の騒動の首謀者であることがザ・マンの口から明らかにされると、ザ・マンと五大邪悪神の持つ欠片を狙い、彼に同調して同じく下天した11人の超神と共に地上へ姿を見せる。
超神編
まずは中国の秦始皇帝陵に降下し、その内部の兵馬俑坑へ駆け付けたキン肉マンビッグボディに狙いを定める。“戒律の神”ランペイジマンがカピラリアの欠片の在処を聞き出そうとし、ビッグボディを守ろうと立ちはだかった強力チームの4人を蹴散らしたその時、キン肉マンスーパー・フェニックスがモニター越しに姿を見せる。
“知性の神”が見込んだキン肉マンスーパー・フェニックスの提案に乗り、カピラリアの欠片を賭けた世界各地の4カ所での超神と超人の戦いが行われることになった。
“調和の神”自身はイタリア・ローマのコロッセオへと出向き、同行していたマイティハーキュリーズ(イデアマン&ザ・ノトーリアス)とゴッドセレクテッド(スーパー・フェニックス&ビッグボディ)のタッグ戦を観戦。マイティハーキュリーズが敗れ、さらには別の会場でバイコーンとコーカサスマンも敗れるという結果になる。
そこへザ・マンがモニター越しに出現し、数億年ぶりとなる再会を果たす。お互いの主張が相容れないながらも4人もの超神が敗れるという結果を受け、ザ・マンの提案通り「バベルの塔」の試練を超人が受ける事を了承する。他の超神たちの了承を得たうえで自身とイデアマンとザ・ノトーリアスが持つカピラリアの欠片を超人側へと差し出し、ザ・マンに試練を受ける8人の超人の選定をするように言い残し、バベルの塔へと向かう。
バベルの塔の中でも超神たちは全て敗退、超人側の犠牲者は一人だけという戦局となる。そして自身が待機していた7階にバッファローマンが到着すると、ついに超神としての姿と名を現した。
かつて天界で“慈悲の神”とスパーリングを行っていたリングをバベルの塔に設置し、バッファローマンを迎える。ザ・マンと同等、つまりロンズデーライトパワーを発動するまでは悪魔将軍さえ圧倒された規模の絶大なフィジカルはバッファローマンの攻撃をものともせずに弾き返す。ハリケーンミキサーを跳ね返し、「ミザリースタンプ」で大きなダメージを与え、「エクソシストチョーク」で失神させてしまう。起き上がってきたバッファローマンの奇襲で一度体勢を崩されるが、ハリケーンミキサー、超人十字架落としをかわし、「嘆きのボンバルディエ」で切り返す。
そしてバッファローマンの攻撃が自分に通用しない理由に、バッファローマンが己の系譜を継ぐ超人である事を告げる。バッファロー一族はかつて“調和の神”によって創造された種族だったが、超人に見切りを付けた“調和の神”は自らが生み出した種族を滅亡に導いたのだ。
しかし自分の課す試練に合格した超人が現れた時には再考すべきであり、自分の全てを与えても良いとも考えていた。そしてバッファローマンをその候補者として見込み、ザ・マンの指導を受けて大成したゴールドマンを例に出して、正しい系譜の教えを継ぐようバッファローマンを説得する。バッファローマンは仲間との義理を重んじてそれを拒否し、ハリケーン・ギガブラスターを試みるが、ザ・ワンは真っ向から直撃を受けても鎧が変形しただけに過ぎなかった。ザ・ワンはバッファローマンの体を捉えて「ハルモニアデストラクション」でバッファローマンをKO、勝利を決める。そしてなおも弟子になるよう説得を続け、ついにバッファローマンも承諾。最強の超人に必ず育て上げると約束を交わした。
バベルの塔の最上階で、崩壊していく天界の様子を見てザ・マンから説明を受けている超人達のもとにバッファローマンを伴って現れる。そこで超人達の健闘を見て考えを変えた事を伝え、神と超人の資格の再定義を提案。神にふさわしい超人は神に引き上げ、逆にふさわしくない神は超人に落として天界の改革を行い、さらに資質のない超人は人間にする事でパワーの増大を抑制すると述べる。これは超人の殲滅という当初の目的から譲歩する考えに至ったことを示していた。譲歩した理由は、宇宙の危機を救うかもしれない爆発的なパワーとしてキン肉マンが放つ友情パワーの存在に気付いたからであった。
キン肉マンの友情パワーが他の超人たちにも広がりつつあることから、友情パワーが全超人に広まることで問題を解決できるというザ・マンの考えに理解を示しはしたが、それだけでは間に合わないと発言。その理由は、独立独歩の立場を守る“刻の神”が本格的に動き出したからだった。
“刻の神”はわざと世界を崩壊させ、全てがいなくなった遠い未来で自身が創造した超人と世界のやり直しを目論んでいる。そのために神による超人製造術を復活させ、地上に下天して新たな超人たちを生み出していると推測する。“刻の神”が生み出した超人たちは特殊な能力を備えていたため、他の超人と区別して時間超人と呼ばれていた。
“刻の神”の行動を抑えるため、天界を崩壊に至らしめている巨大なアポロン・ウィンドゥの中にカピラリア光線を照射し、さらにカピラリア光線照射砲によって蓋をする事を提案。そのために超人達が持つカピラリアの欠片を渡すことを求める。すでにカピラリアの欠片と一体化しているジェロニモは自身が砲の一部となって砲を完成させ、大穴を封じることに成功した。しかし砲が持ちこたえられなくなればジェロニモも同時に死んでしまう。その前に“刻の神”を倒すべく行動を起こそうとするが、ザ・マンとザ・ワンはそれぞれ別の動きを取ろうと考えていた。そしてランペイジマンとの会話からロビンマスクが、サンシャインの霊に促されてアシュラマンがザ・ワン陣営へ加入する。陣容が整ったザ・ワンは“刻の神”を倒すまではザ・マンと休戦とし、いずこかへと飛び去っていった。
その後、付いてきた三人と共に超神たちのアジトとしていた"天空の島"を訪れる。時間超人たちの動向を伝えると、短時間でバッファローマンを強化するためにロビンマスクとアシュラマンに時間稼ぎを依頼。
必殺技
- ホーリーロッド・アクセル
- 兜の角「ホーリーロッド」で相手を捕らえ、回転をかけて放り投げる。
- ゴッドインペイルメント
- 兜の角で相手を突き刺す。
背中から心臓を貫通したような位置を突き刺しているのだが、大丈夫なのだろうか……。 - ミザリースタンプ
- 兜の角で突き刺した相手の両腕を捕らえ、両肩をマットに叩き付ける。
落下技としての威力だけでなく、突き刺した角によるダメージも強烈。 - エクソシストチョーク
- 相手の両足を脇に捕らえ、海老反り状態で宙づりにしてチョークスリーパーをかける。
- 嘆きのボンバルディエ
- 上空から落とすパワーボム。
- ハルモニアデストラクション
- 相手の背面から角を突き刺して動きを封じ、逆さにして頭を膝に載せて叩き付ける。落下によって脳天にダメージを与えると同時に「ホーリーロッド」によって相手の体を貫く大技であり、この技によってバッファローマンをKOしている。
自身の膝で相手の頭部を攻撃するのはザ・マンの千兵殲滅落としと似通っている。
「ハルモニア」はギリシャ語で「調和」の意味で、自身の神としての名を冠した奥義と言える。
余談
“戒律の神”ランペイジマンは、“調和の神”と“慈悲の神”の関係はキン肉マンとロビンマスクの関係に似ていると語り、ロビンマスクを“調和の神”によく似ていると評している。そこで読者からは奇行士ロビンマスクに比定されるザ・ワンの奇行の神ぶりも想像・恐怖されている。キン肉マンに比定されるザ・マンの天然ぶりは枚挙にいとまが無いが、今後どのような行動が見られていくのだろうか……。
- バベルの塔の7階にバッファローマンが到着した時、なぜかリング上やその上空では無く、壁に遮られて見えない場所で待ち受け、わざわざ壁を破壊して姿を現した。この7階は天井が無い吹き抜けになっており、周囲には壁の無い部分もあるので壁を壊す意味はどこにも無い。
- 超人に見切りを付けたと言いつつも実は未練タラタラで、試合中に何度も何度もバッファローマンを打ちのめしては弟子入りするよう勧誘。まるで『信長の野望』や『三國志』で好きな武将が登用に応じるまで捕縛しては解放するプレイヤーのようである。
- 説得の中で突然話を切り替え「悪魔将軍、本名ゴールドマン!」とインパクト溢れる一言で話の流れをぐっと引き寄せる話術を見せる。
- ザ・マンとの会話中、ザ・マンが悪魔将軍に敗れた事に触れ「私も耳を疑ったものだ」と語る時に、片手を耳に当てる謎の聞き耳ポーズをやりだす。ザ・マンがガンマンの案を退ける時のバッテンポーズとか、この神様たち変なポーズを自然に取りながら会話する癖があるんだろうか……。
- 「日和見連中は何だって受け入れるさ」とやけに気さくな口調で語りつつ謎のガッツポーズを決める。
- カピラリアの欠片を集めてカピラリア照射砲を完成させる時、気合いを入れた掛け声のはずなのだが「ボフハーーッ!」がなんとも締まらない。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ランペイジマン
- バイコーン(キン肉マン)
- ザ・ナチュラル
- コーカサスマン
- イデアマン
- ザ・ノトーリアス
- ジ・エクスキューショナー
- リヴァイアサン(キン肉マン)
- オニキスマン
- ザ・バーザーカー
- マグニフィセント
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