シアトルスルー単語

シアトルスルー

シアトルスルーとは、アメリカの元競走馬・種である。
1977年アメリカ三冠を達成、種としても巨大な勢を創り上げるなど、20世紀後半のアメリカでは屈の影を持つと言える。 
名の由来は二組の夫妻が共有していたことから、それぞれにゆかりのある土地シアトル、フロリダの湿地帯スルーの名前を組み合わせたものである。 

概要

後に栄られるシアトルスルーだが、ケンタッキー細牧場でひっそりと生まれていた。
ボールドリーズニングはシアトルスルーが初年度産駒だったが、この少し後に種付け中に蹴飛ばされそれが元で死亡するというなんともトホホなで、種付け料はなんと14万円。安い。これがどうやら配合された決め手だったらしい。
しかし、は直近の世代こそ地味であるが、遡れば一大系の祖に突き当たり、後にさらにGⅠを生むマイチャーマーという名であった。当時はまだ見出されちゃいなかったが。

そういう環境で生まれた彼は、セリに出されたのだが、良い血統や体を誇るが出られるセレクションセールからはお断りされ、安御用達の一般セリに回ることとなった。
なんせ体は曾祖ボールドルーラーに似て大きいのだが、右後脚が外にひん曲がり、顔がやたらデカく尻尾ポニーのごとく短いアンバランスさ加減。牧場でついたあだ名が醜いアヒルの子。ひどい。
そんな彼も一応ちゃんと落札希望額以上の額で落札され、二組の夫妻の共同所有馬となった。

しかし競争に下ろすと強い。猛に強い。デビューから3連勝。3戦は当時最も格の高い2歳GⅠシャンペンステークスだったが10ぶっちぎり逃げ切り圧勝。この活躍で全最優秀2歳に選定された。
誰だこいつを醜いアヒルの子なんて言った大正解だよ白鳥だったよ。

3歳になっても勢いは止まらない。初戦でいきなり1400mの競馬場レコード叩き出すとその後GⅠ2連勝。6戦敗でケンタッキーダービーへ乗り込んだ。
そのケンタッキーダービーではスタートゲートに頭をぶつけてしまう。Oopsしかし気を取り直してハナを奪うと1身3/4差つけて逃げ切る。強い。プリークネスステークスでは2番手に控え3コーナーで後続を振り切るとそのまま快勝。敗のまま三冠に挑戦することになったのであった。
敗の三冠挑戦は、8年前にザ・プリンスことマジェスティックプリンスプリークネスステークスで負傷しながら強行出走し2着に敗れて以来の挑戦である。果たして醜いアヒルの子…もとい白鳥と化したシアトルスルーにそれが出来るのか?
結果から言うと出来ちゃった。しかも一番楽にぶっちぎって圧勝。白鳥どころかなんかとかキマイラの類だったようだ。
ちなみに一般セリ出身の三冠馬は彼のみである。アメリカドリームなんてのは競馬にはそうそういようだ。現実は厳しい。

しかしアメリカ三冠は詰まったローテになるためさすがに疲れ切っていた。調教師は夏休みを提案したがサイド西海に持って行くんだ!自慢したいし!ということでハリウッドパークのGⅠスワップスステークスに向かったがなんと4着惨敗。連勝は9で止まってしまう。
このあと調教師との確執が深まり転厩するが、その転厩先での高熱を出しシーズン後半を棒に振ってしまった。因果応報なのだろうか。いやシアトルスルーには何の罪もないが。

4歳の5月にようやく復帰し一般競争を勝つがまた三ヶ休みでを棒に振り、本格復帰したのは8月。再び一般競争を圧勝、さらに叩きとして9月GⅡを2着し、マールボロカップハンデへ向かう。ここには1978年三冠馬にして、現在最後の三冠馬アファームドも出走してきていた。まさに一騎打ち
どっこい、シアトルスルーは軽くひねる。3身差つけて。しかし競馬ファンは冷めたもんだった。「強いのはわかるが強いだけで面みがねぇ」ってな意見ばかりであった。
強くて何が悪い?って話だが、日本でもテイエムオペラオーがこういうに言われていたのを見ると、ただただ勝つだけじゃ人気にはなりにくいのかも知れない。
そして次走のGⅠもまた圧勝し、当時の最大標と言えたジョッキークラブゴールドカップを迎えた。再戦とは言え前走で格の違いを見せつけたアファームドと、前走で破った欧州から移籍してきた一流エクセラーとその他三頭。正直、またただ勝つだけの簡単なお仕事…のはずだった。 

ゲートが開く前に飛び出す嬌を見せたがアクシデントはあったものの気を取り直してスタートが切られるとアファームドと他一頭が飛び出す。シアトルスルーは逃げ体勢に入りたかったがアファームドともう一頭は退くつもりはない。
ならばぶっ飛ばすまでだ!とばかりにハイペースでぶっ飛ばすシアトルスルー。他一頭が向こう正面で尽き後退していく。
アファームド必死で食らいつく。三冠馬の意地である。しかし3コーナーあたりですでに離されつつあった。シアトルスルーはホッとしたのか、息を入れて直線に備えようとした。その刹那である。
後方にいたエクセラーが猛な捲りを仕掛け、息を入れようとを抜いたシアトルスルーに襲いかかる。その煽りアファームドがズレて万事休す。沈没して行く。 慌てて追い出すシアトルスルーだったが、
やはり余はエクセラーの方があったようで、エクセラーが抜け出す。三冠馬二頭を負かしての金星か!と思われたが
ゴール前、再びシアトルスルーが薄する。観客騒然。しかしハナ差エクセラーが残し切り勝利、エクセラー大金星ゲット
しかし、シアトルスルーも負けてなお凄まじいインパクトを残し、名を高めた。人生万事塞翁がである。
その後、GⅢを1戦しもちろん快勝。引退、種入りした。通算成績17戦14勝。十分立だが、やはり3歳の時の熱病がちょっと悔やまれる気はする。

母マイチャーマーと弟たち

余談になるが、シアトルスルーの大活躍で大牧場へ栄転し大種と言われる種を付けられ始めたイチャーマーは、ノーザンダンサーとの間にイギリスクラシック2000ギニーを勝ったロモンドを輩出しさらに人気が高騰。
ニジンスキーとの間に生まれたシアトルダンサー1985年のセリでなんと1310万ドル(約31億円!) で落札され、世界の度肝をぶち抜いた。
シアトルスルーの落札額1万7500ドルの数倍なのはもちろんだが、高額のが動く種入りの際のシンジケート額としても、
1000万ドルオーバーは血統がいいのはもちろん実績も相当挙げないとつかない額である。参考までに1986年最強ダンシングブレーヴシンジケート日本円に換算すると総額約33億円である。すげぇ。
ところがこのシアトルダンサー競走馬としては5戦2勝で引退となってしまう。稼いだ賞がたったの16万ドル。ガッカリ
まあ、競争で1000万ドル以上稼ぐとかゲームですら難しい話、当時はドバイワールドカップみたいな高額賞レースブリーダーズカップクラシックくらいしかないからなおのこと回収は難しく、事に走ってGⅠたくさんとっても2割に行かないだろう。
ということで本番は種としてだ!…と思ったら、代表産駒欄に当時ローカルGⅠでしかないNHKマイルカップを勝ったタイキフォーチュンが筆頭格で名前を連ねる有様。つまり1310万ドル(約31億円)駄になったということである。南。 

種牡馬として

現役時代も凄いが、種としてはもっと凄いだった。初年度からジョッキークラブゴールドカップなどGⅠを複数制覇したスルーゴールドを輩出。二年クラシック二冠を取ったが折したスウイルを出し、
でも折したランダルースら強を多数輩出しており、種としての才でも抜きん出たところを見せた。
その後、2000年まれのヴィンディケーションまで息長く活躍し多数のGⅠを出したが、一番重要なはやはりエーピーインディであろう。
このエーピーインディ現在アメリカ競馬軸をなす種群の一つの核と言える存在であり、ミスタープロスペクターやその分枝、ストームキャット系に並ぶ第三極を形成している。
要はシアトルスルーは種としてだけでなく、種としても一流だったということである。ハンパなさすぎるぞ、醜いアヒルの子。
セクレタリアトスペクタキュラービッドらその他のボールドルーラーの子孫がにばかり活躍が固まったりパッとしない中、の有後継を多数輩出したシアトルスルーは一躍ボールドルーラー系の救世主となった。

一旦じっくり息を入れる日本競馬と、ひたすらバリバリぶっ飛ばす彼の系統は相性がよくないが、外として輸入された数少ないから
タイキブリザードダンツシアトルという二頭のGⅠやヒシナタリーやマチカネキンノホシといった重賞級を輩出した。さすがの一
しかしタイキブリザードダンツシアトルは種としては成功出来なかった。輸入されたエーピーインディ息子たちもイマイチぱっとしないし、日本はやっぱり向いてないのかも知れない。 

極東のライバル?

同じ年に3歳を迎えたとして、日本マルゼンスキーがいる。マルゼンスキーの圧倒的な走りっぷりから、もしアメリカに残っていたらシアトルスルーの三冠は難しかったかも知れないと言われることもある。
個人的にはもしアメリカに残っていたとしても、欧州志向のが好んで買っていたニジンスキーなのでやっぱり交差することはなかったと思う。
が、もしアメリカ三冠で出会ったとしたら…わからないが、シアトルスルーが気楽にこなしていた三冠達成が難しくなった可性はあるかも知れない。血統的にはニジンスキーの子もアメリカダートはこなせるし。
いずれにせよ、生まれる前に彼らのは別れたし、マルゼンスキーの直系はすでにほぼ滅亡しており子孫がアメリカ三冠で雌雄を決する機会もないため永遠のである。 

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シアトルスルー

1 ななしのよっしん
2013/05/16(木) 21:51:56 ID: dRHJTSHIFU
過去三冠馬セクレタリアトボールドルーラープリンスキロ
このボールドルーラーの孫プリンスキロの孫
2 ななしのよっしん
2018/06/10(日) 17:45:03 ID: 5R+OLErB/J
やっと三冠後輩が現れたな
3 ななしのよっしん
2018/12/15(土) 05:59:36 ID: wjNuTlM430
>>1 だからシアトルスルーセクレタリアトに持つエーピーインディってかなりインブリード強いんだよね ボールドルーラーはもちろんサーゲイロードセクレタリアトサムシングロイヤルが同じ(つまり六代にもプリンスキロがいる)
アメリカ競馬の集大成みたいな血統が今も存続しててしかもアメリカ産界の一を担ってるのは凄いよ

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2019/09/18(水)01時更新