シェパード(Shepherd、Shepard)とは、ドイツ原産の犬の種類。英語圏では人名としても使われる。
曖昧さ回避
- (shepherd)英語で「羊飼い」「牧師」「聖職者」という意味を持つ単語。
- 人名
- グッド・シェパード - アメリカ映画。2006年公開。ロバート・デ・ニーロ監督作。
- シーシェパード - 環境保護団体を自称する海賊、国際エコテロリスト組織。
概要
正式名称はジャーマン・シェパード・ドッグ。
教えることを良く吸収してくれるため、介護犬、救助犬、警察犬など様々な場所で活用される。
嗅覚も優れ、麻薬探査犬としても活躍するが、嗅覚が優れているあまり、臭いのきついものにも反応してしまうこともしばしば見られる。
日本でも人気があるが、大型犬が主流のアメリカでは上位にくるほど人気がある犬種である。
忠誠心と知能が強い反面、主従関係をはっきりと理解させないと、噛みつくことがあるため、ペットとして飼う場合、小さいお子さんを犬の立場から上の者だと理解させなければならない。とはいえ、高い知能とやさしい性格から、敵か家族か、噛むべきかそうでないかを判断できる子も多い。また、散歩をする際、他の犬にちょっかいを出さないように躾けることが必要である。番犬にしたら怖いものいらず。
過去にソフトバンクのCMに登場したことがある真っ白なシェパード、ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ(後述)という種類も人気が出始めている。余談だがお父さん犬(犬種は北海道犬)の事ではないので注意。
「シェパード」と名がつく代表的な他の犬種
日本国内において単にシェパードと言うと、前述の通りジャーマン・シェパード・ドッグを指すのが一般的である。しかし、海外ではそのままシェパードと呼んでも通用しない。これはそもそも英語の"shepherd"には「羊飼い、牧師」という意味が存在するというのもある(ちなみに"shepherd dog"で羊飼いの犬=牧羊犬の意)が、その他にも「シェパード」が名前につく犬種が大量にあるという理由もある。
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ベルギー原産の犬種群。主にペットの他、牧羊犬や警察犬として活躍する。ベルジアン・シェパード・ドッグはここから更に見た目の差によりグローネンダール・タービュレン・マリノア・ラケノアの4種類の犬種に分かれるが、これは元々ベルジアン・シェパード・ドッグは作業用の犬のため、見た目は関係なく能力がいい犬を繁殖させていたため地域によって犬の見た目がバラバラになっていたものを、近代になって一つの犬種としてまとめたからである。同様の現象は同じ境遇のボーダーコリーでも起こっている。(同じボーダーコリー種でも耳の形状や毛の長さなどが異なる)
- グローネンダールは真っ黒な長毛を持つ。性格はやや神経質な面が目立つが飼い主に忠実、状況判断能力に長けている。身体能力が高く、海外ではベルジアン・シェパード・ドッグの中でも特に人気が高い。
- タービュレンはジャーマン・シェパード・ドッグの模様でそのまま長毛にしたような見た目である。日本国内では一番人気が高く、時折ペットショップでこの犬種の子犬が売られていることもある。性格はグローネンダールと比べ穏やかで人懐っこく多少飼いやすい。(とはいえ、大型犬なので飼育は大変であることに変わりはないのだが…)
- マリノアはベルジアン・シェパード・ドッグの中で唯一短毛の犬種である。実用性重視の犬種のためペットとしての飼育は少なく、ベルギー本国やアメリカなどでは警察犬としての使用が多く見られる。性格は警戒心が強く番犬や警察犬向き。
- ラケノアは強い巻いた剛毛を持った犬種であり、ベルジアン・シェパード・ドッグの中で一番飼育頭数が少ない。日本国内ではほとんど飼育されておらず、全世界の飼育されているラケノアの90%はオランダにいると言われている。性格は明朗で快活。
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリア…ではなく実は名前に反してアメリカ原産の犬種。愛称はオウシー。主にペットの他に牧羊犬として使用されている。アメリカでグレート・ピレニーズやコリー、ボーダーコリーが交雑して自然に出来上がった犬種であると言われている。「オーストラリアン」と名前に付いているのは、かつてはオーストラリアから移住してきた羊飼いが現地から連れてきた犬だと思われたからである。
- 見た目はボーダーコリーの身体を大きくして尻尾を短くしたような感じである。人為的に断尾しているコーギーとは異なり、尻尾は生まれつき短い。性格は陽気で活発的、優しく人懐っこい。
- ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ
- スイス原産の犬種。この犬種を簡単に表わせば「ジャーマン・シェパード・ドッグの白バージョン」である。かつては「ジャーマン・シェパード・ドッグのホワイトは出来損ない」とみなされ、ジャーマン・シェパード・ドッグの犬種標準からはずされドッグショーへの出場も不可能となり、さらにはホワイト個体の反対運動も原産国ドイツで行われヨーロッパにおいてホワイト個体はほぼ絶滅しかけていた。その中でホワイト個体を好む動物愛好家によってアメリカなどに残ったホワイト個体の積極的な保護・繁殖活動が活発になり、苦労の末に2011年にはスイス原産の別犬種として、国際畜犬連盟(FCI)に晴れて正式登録された。
- 性格は本家ジャーマン・シェパード・ドッグよりも穏やかで優しく、使役犬よりもペットとしての飼育が多い。日本国内でも飼育する人は少なからず存在する。
その他にもに日本国内にはいないような犬種も含めると、「○○・シェパード」は大量に存在している。
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関連項目
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