シエンタ(SIENTA)とは、トヨタが製造・販売する自動車である。ヴィッツのコンポーネンツを使用しているので固有の記号は「P」となる。
概要
2003年に登場したミニバンでヴィッツのコンポーネンツを使用して作られた。初代は非常に安定した人気を保ち、半年の生産休止期間を挟んでいるが、12年と言う長きにわたって生産された。
元々、このクラスにおいてはスパーキーが存在していたのだが、ダイハツに遠慮してかあまり積極的な販売施策をとれなかったことで販売面で非常に苦戦を強いられた。また、並み居るライバルがFFベースであるのに対して、FRでありなおかつ軽ベースであったので使いづらさや商品力不足があったと思われる。
初代
2003年に登場し、ヴィッツ系のコンポーネンツを使った7人乗り小型のミニバンである。丸っこく、一目見て愛嬌のあるスタイルでありながら、両側スライドドア、収納式3列目シートといった合理性にやライバル車の研究などで裏付けされた高い完成度で販売開始より非常に高い人気を誇った。
- 1500ccのミニバン(7人乗り)
- スパーキーの実質後継車。発売当初はネッツ店とカローラ店併売だったのが、マイナーチェンジ後カローラ店専売になったので、カローラスパシオの後継でもあるといえる。
- 当時、モビリオが売れに売れて、その対抗車としてヴィッツのプラットホームを使用して完成。
- カエルみたいな顔をしている。
- 燃費は10・15モードでリッター18.6km(FF)
- トランスミッションはCVT(FF)、4速AT(AWD)
- ライバル車は
こうして長らくトヨタにおける小型ミニバンを担ってきたのだが、並み居るライバルのモデルチェンジなどがあり2008年12月25日に事実上の後継車種となる「パッソセッテ(同社パッソベースの車/ミニバン)」が発売され、シエンタとパッソセッテ併売の後に一旦2010年10月に生産中止になった。
ところが、事実上の後継たるパッソセッテはパッケージングや税制面から販売で非常に苦戦を強いられ、販売店からの要望により半年ちょっと後の2011年5月にマイナーチェンジの上に再生産。新たに「DICE(ダイス)」というさいころをイメージした四角いデザインのグレードが追加になった。CMソングに伝説のお姉さんを起用。何やかやで2015年に2代目にモデルチェンジするまで、実に12年間製造されたこととなった。言うなればシエンタのパッケージングが非常に優れていたことの証左でもある。
この車両は並行輸入扱いではあるが東南アジアにも輸出され、香港などでは正規輸入された。
2代目
2015年7月に初のモデルチェンジ。愛きょうのあるスタイルから一変、アクアやヴィッツにも通じるフロントマスクにトレッキングシューズをイメージした精悍なスタイルとなって登場。また、ハイブリッドモデルも追加となり、商品力がアップした。エンジンも新開発の2NR-FXE型が2WDに採用されたが、4WDについては従来の1NZ-FEのままである。取扱店もこれまでカローラ店のみであったが、全店舗での取り扱いを開始した。
一方で2代目からは本格的に海外進出を図った車両となった。同じ右ハンドル圏内では並行輸入扱いで東南アジア地域に輸出されるケースが多かったが、今回は正規取り扱いとなっている。ライフスタイルの変化ということでこうしたミニバンが浸透する下地が整ったとのことである。香港仕様は日本仕様とほぼ一緒であるが、それ以外の地域では日本仕様と比べると道路事情が悪い箇所がある東南アジアの地域柄、車高が20mm上がっている。また、ギア配置がインパネシフトの日本仕様に対して、フロアシフトになっていることや前期の関係でインパネの形状が若干異なっていたり、パーキングブレーキの形状の違いがある。雨の多い気候を考慮してなのか、ハイブリッドはラインナップされていない。
中でも注目すべきはインドネシア仕様で、CVTに加えてマニュアルギアが用意されている。6速MTであり、ミニバンの装備としては異例中の異例である。日本にも導入してほしいなぁ。
そして当代より左ハンドル仕様も登場する事となった。従来、ウィッシュが導入されていた台湾向けに後継車として登場、日本仕様にはない1800ccが存在し、当地のタクシーとして人気だったウィッシュ同様、タクシーとしてとしての導入が多い。
タイ、インドネシア、マレーシア、香港、台湾などで販売されている。香港は日本仕様をほぼそのまま導入、それ以外の地域ではインドネシア生産分を輸出している。台湾は現地の企業によって生産されている。
ウェルキャブ
初代よりバリアフリー対応の車両として、助手席のリフトシート仕様や車いす乗車可能な車両をラインナップしていた。2代目以降では生産中止となったラクティスの需要を取り込んだ仕様となっている。そのため、一部仕様については形式認定を得て、新車登録時の持込登録省略や車検時における初年度3年間といったものになっている。
車いすの場合、リアサスが車高調整可能なエアサスペンションとなっている。
リコール
2019年6月、伝説のお姉さんの手掛けたCMを見てしまった人たちの予想を裏切ることなく、リコールが発表された。
関連動画
関連商品
関連項目
- トヨタ
- パッソセッテ(初代における後継車種となるはずだった車種。別名「自動車界のキハ130」)
- 自動車製造会社一覧
- 日本仕様公式HP
- インドネシア仕様公式HP
(6速MTの存在が確認できる)
- はいだしょうこ
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