シカでしたとは、水曜どうでしょうの企画「マレーシアジャングル探検」で誕生した、嬉野雅道ディレクターの名言である。
概要
事件は「マレーシアジャングル探検」第4夜に起こった。それまでのどうでしょう班は、野生動物の貴重な映像を収めるべく、マレーシアのタマン・ヌガラ国立公園に向かい、さまざまな形で動物を探していた。
途中、ブンブン・ブラウというブンブン(動物観察小屋)に宿泊したものの、夜になっても一向に衰えぬ鳥獣の声、ところかまわず侵入してくるネズミ、薄汚れたボロボロのマットレスなどの劣悪な環境に苦しみ、「サイコロ振りてぇ(意訳:帰りてぇ)」などと嘆きながらもひたすら動物を待ち続けていた。
事件発生
午前0時、嬉野Dが闇の向こうに正体不明の動物の姿を捉えたことでブンブン・ブラウ内は騒然となる。
嬉野D:こっち見てるってぇ! こっち見てんじゃんこれ……
藤村D:デケえぞ、あれ! なぁんだ?
大泉:来た 来た 来た……
嬉野D:こっち来てるって! 来なくていいって!
目を光らせてこちらを警戒する謎の大型獣の出現に息を呑むどうでしょう班。カメラ担当で普段は発言することが少ない嬉野Dが完全に正体を失い「ウチはそういう番組じゃない」などとキレ気味に騒ぎまくる傍らで、ミスターは万が一の場合を考え、藤村Dに獣避けの火を焚くことを指示する。
鈴井:火とか焚いた方がいいんじゃないの? ライターとか持ってる?
藤村D:持ってる持ってる
鈴井:万が一の場合はさぁ
藤村D:火だ火だ火だよ……
大泉:何やってんだよ! そこでライターつけたって……何やってんだよ!
藤村D:(苦笑)
鈴井:ちょっと冷静沈着……沈着冷静に。ちょっといい? コレ持ってて
藤村D:いいよいいよ
鈴井:オレちょっと……万が一の場合にバリケード作る!
100円ライターに点火した藤村Dを割とマジな声音で怒る大泉と、真剣に怒られて苦笑する藤村D。その直後、どう考えても一番冷静沈着ではないミスターが「沈着冷静に」と檄を飛ばし、トラの襲撃に備えてバリケード作成に着手。
しかし、この混乱の中でも奇妙に冷静さを保っていた大泉がトラの出現に疑問を呈し始める。
鈴井:違う! あの歩き方、胴体 見たもん
嬉野D:見たよね? オレも見たもん
次の瞬間、嬉野Dのカメラがその動物に生えている「角」を捉えた。
嬉野D:シカでした
あまりに間抜けな声とともに放たれた嬉野Dの一言は先刻までの緊迫した雰囲気を見事にぶち壊し、謎の獣は「シカ」であったことが判明した。
その後、藤村Dがミスターの作成したバリケードに目を留め、「ミスター……沈着冷静にバリケード作ったね」と指摘。カメラに映し出されたそこには、ドアに向かって立てかけられたふにゃふにゃのマットレスが。爆笑するどうでしょう班。ミスターは「いやでもいざとなったら俺がこうやって……」とマットレスを盾にトラを防御する予定だったことを告白。ブンブン・ブラウ内は更なる爆笑に包まれた。後日判明した話によると、この時ミスターはトラが襲撃してきた場合、『腕に巻きつけたTシャツに火をつけ、それを振り回してトラを追い払うつもりだった』との事。
この事件の影響
それまで視聴者の目に触れる形での発言機会があまりなかった嬉野Dが真っ先にシカをトラと誤認して騒ぎ立てたこと、それまでどんなときも余裕を失わなかったミスターが内心ではマットレスをバリケードにするほどパニックを起こしていたこと、こんな状況下に於いても普段通り爆笑しまくる藤村D、一人落ち着き払って「トラではない」ことを真っ先に看破してみせた大泉の際立った冷静さなど、このトラ事件はどうでしょう班のあまりにも多くの意外な一面をさらけ出す結果となった。
かくして、ブンブン・ブラウ、そしてマレーシアのジャングルは、どうでしょう班にとって二度と行きたくない場所となったのである。
その後
「マレーシアジャングル探検」から6年が経った2004年、どうでしょう班は「ミスターの行きたいところに行く」ということで、「シンガポールでサッカーを観戦後、国際列車でアンコールワットを見に行く」という(大泉に伝えられた)内容の旅を敢行。しかし、途中宿泊したマレーシア・クアラルンプールのホテルにて、この「シカ事件」について、「トラを見た」と主張するミスターと「トラはいない」と主張する藤村Dが口論になった(勿論「大泉だまし」の一環)結果、ミスターの「だったら見に行きましょうよ」の一言で、「ジャングル・リベンジ」として、二度と行きたくなかったタマン・ヌガラ国立公園に再び向かうこととなった。
関連動画
ニコニコ動画では、シカが現れるとコメントされたり、タグとしてつけられる。下記動画3:30頃を参照。
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関連項目
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