シベリアンタイガーとは、
ヴァンドギャルドようやく伸びてきた、ヴァンドギャルド馬場の三分どころから伸びてくる、
外からはシベリアンタイガー、なにっ!シベリアンタイガー!?
これは大波乱になるぞ!
通算成績(2024年1月現在):中央平地 57戦3勝[3-1-0-53]
中央障害 16戦2勝[2-1-0-13]
地方 4戦1勝[1-1-1-1]
主な勝ち鞍
2015年:奥尻特別(500万下)
2017年:障害3歳以上オープン
概要
父は日本ダービー馬にしてウオッカの父でもあるタニノギムレット、母はクロネコ、母の父は菊花賞馬ダンスインザダーク。生まれた時期からすると少々重い感じの血統である。
因みに、同期には障害競走の絶対王者と呼ばれたオジュウチョウサンがいる。
生産者は増本良孝氏。馬主は生産牧場の岡田スタッドおよび代表の岡田牧雄氏。
デビュー~3歳
最近X(旧Twitter)でのはじけっぷりが話題になっている加藤和宏厩舎に入厩し、年が明けた1月19日の新馬戦で蛯名正義騎手を鞍上にデビュー。しかし気性の悪さが災いして6着に惨敗。次走の未勝利戦では11番人気にまで人気を落としていたが、あっさりと逃げ切って未勝利を脱出。そういう星の元に生まれてる馬なのだろうか…続いてクラシック路線に臨むべくスプリングステークスに臨んだが、未勝利脱出したばかりの馬に人気が集まるはずもなく165.7倍のブービー人気。レースは逃げたが4角で捕まって12着。相応としか言いようのない結果である。
その後は自己条件に戻り、気性の悪さを見せつつも4戦目で500万下を突破。しかし1000万条件では5着、13着と連敗。加えて気性の悪さがおさまらずに哀れ去勢されることとなった。
4歳~7歳 -二刀流への挑戦-
去勢手術後半年の経過観察を経て復帰するが、気性は大して改善されておらず2戦続けて掲示板外に飛ぶ大敗。4歳夏の降級制度により再度500万下に戻ったが、降級初戦の奥尻特別ではのちにステイヤーズステークス3連覇を果たすアルバートらを相手に逃げ切り(ちなみに20.0倍とはいえ7番人気)、1発で1000万下に復帰する。
しかし戻った1000万下ではやはり実力が足りず、逃げてからの逆噴射で4戦続けて掲示板外。そこで障害競走に挑戦してみると2戦目で2着、5歳初戦となる障害3戦目の未勝利戦で勝利(通算4勝目)を挙げる。これを受けて5歳夏までは平地と障害の二刀流、5歳秋からは障害中心に参戦。掲示板に乗るか乗らないかのレースが続いていたが、2017年8月のオープン戦で8頭立て7番人気(28.5倍)の低評価を覆してオープン戦初勝利。次走では3年半ぶりの重賞となる阪神ジャンプステークス(J・GIII)に参戦した(なお結果は7頭立て7番人気6着)。
しかしながらやはりレースぶりは不安定なものであり、7歳初戦のオープン戦を最後に平地に再転向することとなった。
8歳 - 大波乱になるぞ! -
1年の休養を経て平地競走に戻ってきたものの、相変わらず1000万下では1枚足りない。この年の夏に降級制度がなくなり呼ばれ方も2勝クラスに変わったが本馬には無関係、再転向から5戦連続で掲示板外に沈む。
そして迎えた2019年10月13日、京都競馬場第10レース 三年坂特別。この日のメインレースは牝馬三冠最終戦の秋華賞(勝ち馬:クロノジェネシス)であり、その1つ前の本レースはフジテレビによる全国中継の対象となっていた。そこで本馬は単勝273.6倍のダントツ最低人気。1番人気はのちのドバイ巧者ヴァンドギャルド(1.7倍)であった。
レース本番、本馬は外枠だったこともありハナは奪えず。このまま途中で沈んでいくのがいつものパターンである。ところが。向こう正面を超えても3角を回っても逆噴射しない!なんなら最終直線に入っても外から脚を伸ばしてくるではないか!内を突いたヴァンドギャルドには突き離されたもののなんとなんと2着に大健闘。
馬券はというと馬連が28,950円、ヴァンドギャルドとのワイドでも万馬券(10,650円)という大波乱。実況していた関テレのメロディーレーン大好きおじさん岡安譲アナウンサーも仰天し完全に声が裏返っていた。
そしてこの大一番の直前に行われたレースと実況で一介の条件馬に過ぎないはずのシベリアンタイガーの名は競馬ファンに知れ渡ったのであった。
9歳~12歳 - 勝てない日々
しかし大波乱というのはなかなか起きないから大波乱というもので、すでに8歳に達していた本馬に上積みがあるわけでもない。その後もコンスタントに出走していたが惨敗続き。2020年5月の出走後は半年の休養、その次は1年半の休養。帰ってきたときにはもう11歳になっていた。それでも騸馬である以上(仮についていてもこの成績では種牡馬になれないが)走れるだけ走る以外の道はない。2022年6月の復帰後は月1回のペースでコンスタントに走り続け、厩舎に貴重な出走奨励金を持ち帰ってきたのであった。
1つ後輩のダービー馬のマカヒキが札幌で、同期のオジュウチョウサンも年末の中山でターフを去っていき、いつしかJRA現役の競走馬では単独最年長となっていた2023年も懸命に走り続け、同年末ついに引退…ではなく高知競馬への移籍が発表。グランシュヴァリエなどを管理した雑賀正光厩舎所属として再スタートを切ることとなった。
13歳 - 6年半ぶりの勝利
中央で7000万以上稼いでいる本馬だが、高知競馬では2年以上前の賞金は番組を組む際の算定外としているため最下級のC3クラスからの再スタート。とはいえもう13歳、おまけに通算74戦目での初ダートということもあり2番人気。1番人気は同じくJRAからの移籍組で9歳下のララプロフォンであった。
レース本番、スタートをしっかりと決めると2番手につけ、向こう正面で先頭へ。そのままララプロフォンの追撃を力強く押し切って見事1着。実に6年半ぶり、平地競走では8年半ぶりの勝利の美酒であった。
その7日後に組(クラス内の賞金を下に編成され、数字が小さいほど賞金が多い馬が集まる)を上げたC3-9に1番人気で出走する。しかし、4年前の佐賀記念勝ち馬であるナムラカメタロー[1]と競り合い続け、4コーナーで振り切られるとそのまま差を広げられ続け7馬身差の2着に敗れる。
シベリアンタイガーと陣営にとっては恐ろしい敵が現れてしまったと言えるだろう。賞金的にまだまだ同じクラスで走る可能性があり得るのも怖い所。
このレースの後には間6日で一つ組を落としたC3-10に出走。
ここではナムラカメタオーの様な馬がいないのもあってか1番人気に支持されるが、序盤で前2走程の行脚を出せず、4〜6番手で先行し向こう正面からじわじわと先頭に迫るも逃げるシシガオウを捉えられず、後ろからティアップエックスにも差し切られる3着に敗れる。
そして次走は前走から14日後のC3-9、3戦全て好走続きなことから2番人気に支持されるも、スタートで躓いて先行できずに中団に置かれ、向こう正面からズルズルと下がっていきブービーに4馬身差置かれた殿負けを喫してしまう。
その後、5戦するが4着、5着、5着、9着、9着となり、馬の気持ちが乗らないようで、競走馬登録抹消となった。
今後は東北で乗馬となり、野馬追にも可能ならば参加を目指すとのこと。
血統表
タニノギムレット 1999 鹿毛 |
*ブライアンズタイム 1985 黒鹿毛 |
Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | |||
Kelley's Day | Graustark | ||
Golden Trail | |||
タニノクリスタル 1988 栗毛 |
*クリスタルパレス | Caro | |
Hermieres | |||
*タニノシーバード | Sea-Bird | ||
Flaxen | |||
クロネコ 2001 鹿毛 FNo.3-c |
ダンスインザダーク 1993 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
*ダンシングキイ | Nijinsky | ||
Key Partner | |||
*フサイチグレース 1994 栗毛 |
Storm Cat | Storm Bird | |
Terlingua | |||
Wind Spray | Mill Reef | ||
Lacquer | |||
競走馬の4代血統表 |
クロス:Hail to Reason 4×5(9.38%)、Graustark 4×5(9.38%)、Northern Dancer 5×5(6.25%)
関連項目
脚注
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- なし
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- アジアエクスプレス
- アドマイヤデウス
- アルバート(競走馬)
- オジュウチョウサン
- オナーコード
- コーリンベリー
- ゴールドアクター
- ダンスセイバー
- トーホウジャッカル
- ニシケンモノノフ
- ビッグアーサー
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