シミター(英語: scimitar, scimiter, scimetar, cimeter, etc...)とは、
本記事は、主に1.について記述する。
概要
イスラム圏の代表的な近接武器。中世ペルシア語で「刀剣」を意味するシャムシェールまたはシャフシェール( شمشیر/شپشیر šamšēr/šafšēr, 現代語ではシャムシール šamšīr)[1]が欧州語化したシミターという単語が初めて登場したのは、9~10世紀頃とされている。シミターはフィクション作品の影響から、三日月型の刀身を持つ湾刀をイメージされるが、イスラム圏では鉄器時代以降、直線的な諸刃の刀剣…つまり直剣が用いられてきた。
イスラム圏において湾刀が登場したのは9世紀後半であり、使い始めたのはトルコにいたアジア系遊牧騎馬民族といわれている。しかし、この民族を除けばイスラム圏ではまだまだ直剣が主流だった。イスラム圏において湾刀が標準化したのは14世紀頃であり、これはイスラム圏が東方へ進出したことで中央・東アジアの文化と接触していったためである。
湾刀は散開して戦闘を行う軽騎兵向けの刀剣であり、直剣は密集して敵軍に突撃をかける重騎兵向けの刀剣であるが東アジアや中央アジアの軍隊では騎兵に機動性を重視して前者を重用していた。
形状
湾刀化する以前は直剣だけでなく直刀もあり、いずれも柄頭付近が刃先側に向かって曲がっていた。鍔は中世ヨーロッパの騎士の刀剣に見られるような、棒状のモノだったが中世ヨーロッパのソレと比べればやや小型である。
湾刀化したモノの中には切っ先付近が刃先諸刃になっている場合が多く、刺突を重視したモノと考えられている。ただし、当時の刀剣の用法では刺突をほとんど行わなかったという。
刀身の幅は約3cm程度。刃渡りは90cm以内、平均的な重量は約1kgである。
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関連項目
脚注
- *シャムシェール/シャフシェールはアラビア語で「刀剣」を意味するサイフ سيف sayf 等と同語源で、いずれも遡れば金属鋳造に関する古代セム語に行きつく。つまり「鉄」を語源とする英語のソード sword と発想は同じである。
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