シミュレーションRPGツクールとは、ASCIIから発売されていたシミュレーションRPG作成ソフトである。
ここでは先に発売されたシミュレーションRPGツクール95に関しても解説する。
概要
シミュレーションRPGとは昔からかなりの人気ジャンルであった。
その人気に後押しされてか本作もPC版の95とほとんど同時期にプレイステーション用ソフトとして発売される。
しかし、本作ほどコンシューマ版とPC版の評価がザックリ分かれているものもないだろう。
そもそもツクールシリーズはほとんどそれぞれにおいて開発元が違う。
そのため、たまたま本作が外れを引いてしまったということである。
シミュレーションRPGツクール
プレイステーション&セガサターン版、1998年9月17日発売。
移動などは普通にシミュレーションRPGと同じだが、今作では1~4人構成のユニット方式が採用されている。
既存のゲームで簡単に例えるとするならば……。
ファイアーエムブレムに伝説のオウガバトルの要素を足したような感じと言えばおわかりいただけるであろうか?
とまぁ、基本システム的にはなかなか面白いものが組み込まれている。
また、素材の質はグラフィック、BGM、効果音ともにツクールシリーズの中でもかなり品質が高いといえる。
だが、このゲームはツクラーの中では一・二を争うクソゲーとして有名である。
クソゲー扱いされる理由
- SS版は不明だが(著者不所持)PS版はメモリーカードのブロックを全て使用する。
が、そのわりにゲームの制限容量が少なく、作れるイベントも数はかなり限られてしまう。 - ユニット方式であるがために、隊長が倒されるとユニットは問答無用で消滅してしまうシステム。
これを設定で変えることは出来ず、しかも攻撃標的はランダム。
なのであえて隊長を狙わずザコから消していくなどの行動は不可能であり、戦略性に乏しい。 - イベントは一回作ると訂正不可能。訂正するためには全てを一回消さないといけない。
そのため誤字チェックには神経質にならなくてはいけない。 - 敵も味方も増援を作成することが不可。それに関連してその場寝返りなども不可能である。
仮に説得したとしてもユニット追加は全て戦闘終了後になる。なんのために説得コマンドをデフォルトで付けたんだ。 - イベント上、仲間内で強制出撃させたい、などがあってもそういう設定に出来ない。
- 敵の思考ルーチンがあまりにも雑。
自分に一番近い敵を狙うということしかしないので、敵が弱ったキャラを集中攻撃とかそういうのがない。 - クリティカル率が高いうえに、それの発生に関係するパラメータ「技」は0でも、クリティカルは発動してしまう。
- キャラチップの出来は良いのに、アニメーションはそれぞれ武器が固定されている。
なので何も装備していなくても剣を持ったままという状況が生まれる。 - ステータス調整が恐ろしく難しい。
- 味方は死んだら生き返らない方式固定。
そのため主人公や一部のキャラの死亡を敗北条件にしないと、死んだはずの仲間が会話に紛れ込んでくる。
あるいは主人公以外はその場その場のゲストキャラクターに台詞を回してもらわないといけないことにもなる。
シミュレーションRPGツクール95
上記のものより幾分早く発売されている。
が、こちらのほうはプレステ版とは大違いで評価が高く、長らく愛用者が多かった。
何故ならまるで「PS版を見直したうえでの仕様では?」とすら思える自由度の高い内容が盛り込まれているからである。
(パソコン版なので当たり前ではあるが)
画像の自作は勿論だが、シミュレーションRPGの基本的な要素はほとんどが網羅されていると言っていい。
PS版になかった射程の概念の搭載、魔法習得による戦術の幅の広げやすさ、増援設定などもお手軽に出来る。
発表当初からそれなりに人気を博しており、現在でもこれを愛用するツワモノもよく見られる。
しかしRPGツクールに対するウディタ同様、このシミュレーションRPGツクールにはSRCというライバルが既に存在した。
しかもそっちのほうが有名かつ、無料なので非常にお手軽である。
ただしこちらは戦闘アニメーションを設定がしやすいし、なによりSRCはスパロボベースである。
そのためファンタジー系を作るのであればこちらのほうが自然と製作出来るという利点がある。
そういう意味ではSRCより優っている部分も結構多い。
ただし前者は最近SRCでも戦闘アニメの搭載がスタートしている。
長い長い新作リリース停止により、結局そのSRCに追い抜かされてしまっている、という現状がある。
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関連項目
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