シャナとは、灼眼のシャナに登場するキャラクターである。声優は、CDでは堀江由衣、アニメでは釘宮理恵である。
概要
『灼眼のシャナ』の主人公の一人。そしてヒロインでもある。
タイトルになってる上に表紙絵は全てシャナが独占しているなど、二人の主人公の中でも特にメインに据えられている。
「フレイムヘイズ」と呼ばれる異能者であり、人の世の影で跋扈し、世界のバランスを乱す異世界人“紅世の徒(ぐぜのともがら)”と戦っている。
諸事情で名前がなかった彼女は、日本の地方都市「御崎市」で偶然もう一人の主人公坂井悠二と出会い、不可抗力や成り行きでの交流、戦いを通して「シャナ」という名前を付けられ、変化していく。
『灼眼のシャナ』ではシャナと坂井悠二の成長や戦いや恋愛、そしてそれを取り巻く世界に住む人々の思惑や世界の大きな流れについて描かれており、
シャナも物語が進むに連れて成長し、同時に世界の大きな流れに自らの意志で立ち向かうことになる。
アニメ版のCVを担当する釘宮理恵の影響で釘キャラとしての認識もそれなりに広まっている。
フレイムヘイズ
フレイムヘイズは人間が異世界人“紅世の徒”と契約、“徒”を召喚し固定する代償として、
人間としての未来・過去・現在の全ての“存在の力”(この世に存在するための根源的なエネルギー)を捧げ、
失った空白を『器』に見立てて“徒”を召喚・休眠させることで誕生する。
シャナの場合は“天壌の劫火”アラストールと契約しており、彼のフレイムヘイズとしての称号『炎髪灼眼の討ち手』と言う呼称を持つ。
『器』に収まっている“徒”とは文字通り一心同体だが意識は別々であり、『神器』と呼ばれる器物に意識のみを表出させてフレイムヘイズと会話をしたり、周りの状況を見聞きすることも出来る。
アラストールの意思を表すシャナの神器は黒い宝石のペンダントに金の輪を衣装した“コキュートス”。
ちなみに正式に名乗る場合は「“天壌の劫火”アラストールのフレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』シャナ」という風にやたら長くなり、作中でも「侍の名乗りみたい」「名乗るだけで一行使う」とツッコミが入っている。
よく勘違いされるが名乗りの大部分は個人とは関係ない、フレイムヘイズが死亡し代替わりしても変わらない形式的な呼び名であり、よくある二つ名や異名とは異なる。
他作品で近いのは、例えば聖闘士星矢の冥闘士・天猛星ワイバーンのラダマンティスが仮に「ハーデスに仕える冥闘士『天猛星ワイバーン』のラダマンティス」と名乗るようなものか。
名前のなかったフレイムヘイズ
特殊な育ちの人間であり、元々は名前が無く、必要性も感じていなかった。
徒から狙われる坂井悠二をエサにする際、悠二を守るために傍にいるのに都合が良い身分を得るためにトーチである「平井ゆかり」に割り込んだ際、
本当の「平井ゆかり」が存在していたことを覚えている悠二が、「本物の平井ゆかり」と「平井ゆかりに割り込んだフレイムヘイズ」を区別するために、その武器である「贄殿遮那(にえとののしゃな)」から取って「シャナ」と名付けた。
呼び名なんてどうでもいいとしてその名前に特に関心は無かったが、坂井悠二と共にフリアグネと戦って奇跡の勝利を迎えたその後、
消えかけになった坂井悠二が、シャナという名前をずっと使ってくれないか、と願ったことで、以後は自分の名前として少年が付けてくれた名前を名乗るようになる。
学校等フレイムヘイズであることを隠す場面などでは「平井ゆかり」として通っているが、「本物の平井ゆかり」は既に死んでいることにショックを受けた吉田を佐藤と田中が気遣って、
後にシャナが「平井ゆかり」と呼ばれる機会を減らすために、「シャナ」をあだ名として周りに定着させた。
容姿
契約の際に人間としての全てを失っていることで肉体的な成長・変化は基本的に不可能。
人間としては12歳+αの時に契約しており、見た目的にはそれぐらいの小柄な体格で坂井悠二曰く「中学生も怪しい」「ちびっ子」。
腰の下まで届く長さの長髪で、容姿的には恵まれているとされる(本人にはその点に関心は無いが)。
普段は黒髪黒眼だが、フレイムヘイズとしての力、特に自在法(存在の力を使う術の総称)を発揮する際は称号の通り『炎髪灼眼』となり、
焼けた鉄のように赤く輝き火の粉を散らす「炎髪」、焔のように赤く煌く「灼眼」となる。
なお、この炎髪や火の粉は存在の力が炎のように見えるだけで、実際に熱いわけではない。間違ってもフケではない。
戦闘の際は炎髪灼眼に加えて『炎髪灼眼の討ち手』の力の一端である黒衣『夜笠』を纏い、宝具(様々な力を宿す不思議物体)である大太刀『贄殿遮那(にえとののしゃな)』を構えるのが基本的なスタイル。
性格
性格は至って生真面目で真っ直ぐで素直。そして子供っぽさも残しながら頑固で使命感を持って動く「仕事人間」といったところ。
戦闘においては単純明快な力押しを好むが、必要ならいくらでも工夫し様々な戦略を行うタイプでもある。
人間時代、物心ついた頃から契約までずっと閉鎖空間でフレイムヘイズとなるべく教育・鍛錬が行われ、
シャナも自分をフレイムヘイズにするべく熱心に鍛錬に望んでいたため、勉学・教養については人並み以上の知識・思考力を持つ。
ただ、閉鎖空間で情報は管理されていた上に、異世界人3人に元人間1人という非常識な環境などから、知識には偏りや欠損もあり、
またフレイムヘイズには必要ない社会常識(掃除や料理)などに付いては教えられなかったので、そこら辺はそもそも必要性すら認めていない。
「普通の人間」としての生活習慣がほぼ皆無なため、フレイムヘイズとしては完璧に近い精神構造を備える反面、逆にフレイムヘイズ以外の人間に違和感なく混じること、他者との職務以上に深い交流は苦手とし、また必要性も感じていなかった。
特に恋愛感情については育ての親たちは「まだ早い」と愛娘に対する親馬鹿心もあって教えていない未知のもので、
なおかつシャナの価値観における『自分がなろうとするフレイムヘイズ』にとって恋愛感情はあってはならないものであったため、
初期の頃はそもそも恋愛感情が理解できず、その後も好きという気持ちをどうするべきかで悩んだり、
フレイムヘイズとしてそんな気持ちを抱くことの是非について悩んだり、好きという気持ちをどう伝えるべきかで悩んだりと悩み通し。
そしてそうやって悩みながら徐々に徐々に成長していく。
メロンパン
シャナの好物。曰く「メロンパンはカリカリモフモフの食感が大事」。
フレイムヘイズに食事は必要なく、同時にいくら食べても体型に変化は起きないため、食事は基本的に味を愉しむための嗜好品である。
ただシャナの場合、メロンパンを食べることは人間時代に感じていた想いからの「自分がここにいるってこと」という思い入れもある。
メロンパン以外にも甘い物が大好きな甘党であり、お菓子もよく食べている。そして苦いものは苦手という子どもっぽい味覚。
一度アラストールに甘いもの以外ももっと食べるように注意されたが反発、さらに甘いものに食生活が偏ったという過去もあるが、
甘いもの以外が嫌いというわけでなく、美味しい物は基本的に喜んで食べる。
戦闘・能力
基本的に実践じみた鍛錬を通して自分で学び工夫したもので、師匠こそいたものの基本的に我流の戦闘スタイル。戦いの際の攻撃や防御の気配を独自に『殺し』と名付けて呼ぶなど、独特な戦闘感覚。
また卓越した戦闘センスを持つとされ、特に白兵戦に優れる。
フレイムヘイズ全般の能力としては、“存在の力”の感知や操作、そして身体強化や自在法の使用が可能。
『炎髪灼眼の討ち手』の固有能力として、アラストールの力である「討ち滅ぼすための力と、炎そのもの」のシャナの「強さのイメージ」と合致する部分を行使することも可能だが、
アラストールの力のあまりの強大さから常時暴走状態のようなもので感覚が掴めず、しかも若年での契約であったため、その力のほとんどが使えなかった。
そしてシャナ自身も自在法への適正に優れているというわけでもないため、固有能力以外も基礎的かつ初歩的ないくつかの自在法しか使えないという酷い自在法音痴っぷりだった。
炎こそ自分の体の表面や刀に瞬間的な爆発を起こす程度にしか出せない反面、白兵戦能力には非常に優れており、
足裏に爆発を生むことでの加速、頭突きや蹴り、斬撃や刺突の瞬間に爆発を生むことで威力を引き上げるなどの工夫でそれなりに上手くやっていたが、
まともに炎を出せないことは密かにコンプレックスであった。
作中におけるマージョリーとの戦いのおいて、自身の力の源たるアラストールの顕現した巨大な感覚を事前に感じていたこと、悠二と一緒に戦っていることへの高揚感、
戦闘における新たな力の必要性が求められるなどの状況から、「飛翔」のイメージを具現化した炎『紅蓮の双翼』の引き出すこと成功し、
以後は一部とは言え引き出すことに成功した『炎髪灼眼の討ち手』の固有能力をより実践的にするべく、毎夜鍛錬に励み、火炎放射や物体として具現化した炎など様々な力の開発や精度の向上に取り組んでいる。
主な道具や術や技
『贄殿遮那』
大太刀型宝具。あらゆる敵意による力の干渉を受け付けないという能力を持ち、要は最高に頑丈な刀である。
剣としての切れ味も最高級で、その能力から折れも刃こぼれもしないため、白兵戦に優れたものが持てば、白兵戦においては強力な武器となる。
夜笠
『炎髪灼眼の討ち手』が纏う黒衣であり、アラストールの翼の一部が顕現した物。
『炎髪灼眼の討ち手』の意志で自在に動かせ、形も変化させることが可能な自在な衣。
硬化させれば防御壁になるし、形を変形させれば様々なことに応用が利く。
また、翼に押し込むような形で物を収納・自在に出し入れすることが可能で、
中には『贄殿遮那』を始め色々なものが入っている。
トーチ生成・加工・割り込み
人間の代替物であるトーチを人間の存在の力から作る自在法と、
トーチの組成に干渉し、トーチを殺さず壊さずに変形させる自在法と、
トーチが保つ周囲との関連性を借り受ける自在法。
いずれもフレイムヘイズにとっては基礎的な物。
封絶
火線の紋章と、陽炎のドームを形成し囲んだところをこの世の流れから切り離す自在法。
これも簡単かつ初歩的な自在法。
双翼
飛翔をイメージした炎を具現化する。炎の噴射・爆発によるジェットで飛ぶ、シャナの背に現れる炎の翼。
シャナが初めてまともに使えるようになった炎であり、以後多用されるようになる。
大太刀
巨大な刀状に火炎を形作る。深夜の鍛錬で編みだした。刀から出すこともあるが、素手でも出せる。
巨腕
物体として具現化した炎。熱は無いため物を掴んだり打撃に使用できる。深夜の鍛錬で編みだした。
炎弾
存在の力を炎の砲弾として撃ち出す。本来契約してすぐでも仕えるような初歩的な自在法だが、シャナの場合は使えるようになるまで相当かかった。鍛錬を通して徐々に精度や放出量が上がっていき、途中からは巨大な波のような火炎放射の域に達している。
審判
終盤に編みだした自在法。巨大な炎の一つ目を生み出すことで、存在の力の流れを視認し、隠蔽や幻影などを無効化する。
断罪
炎を巨大な刀状に放出・凝縮させる自在法。以前の大太刀の完成形であり、より精度が向上している。
真紅
炎を「飛翔」「物体」など様々なイメージに具現化させる自在法。今までの双翼や巨腕を総称したもの。
主な交友関係
“天壌の劫火”アラストール
シャナと一心同体である契約した“徒”にして“紅世の王”とも呼ばれる強大な存在であり、他に異世界紅世の神の一柱で『天罰神』と呼ばれる存在でもあるがそこら辺の詳細は割愛。とりあえずカタブツ大魔神である。
シャナにとって師匠にして親、友人や家族とも呼べる仲であり、とても親しく、同時に慕っている。
彼もシャナを非常に可愛がっており、厳しい口調であるがかなり親馬鹿。
坂井悠二
本編のもう一人の主人公で、人間の代替物『トーチ』。宝具『零時迷子』を宿す。
彼の中の『零時迷子』を狙うと共に御崎市で『都喰らい』を企んでいた“徒”、“狩人”フリアグネとの戦いを通して、
ありのままの自分を理解して協力、信頼してくれ、さらには敵の立てた作戦の布石を多く見抜いて遂には瓦解させ、
戦いの始まり、自分が撃たれた時、戦いの終わりに笑い合うことが出来た信頼のおける有力な助力者として、
特別な感情を持つようになり、その想いはシャナにとって未知の恋愛感情へと発展していく。
吉田一美
クラスメイト。悠二に恋心を持っているため、恋のライバルとして張り合い、そしてお互いを認め合って友人関係となる。
『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル
“夢幻の冠帯”ティアマトーのフレイムヘイズで、二人揃ってシャナの育ての親。衣食住や設備の整備など身の回りの世話担当をしていた。
“虹の翼”メリヒム
紅世の王の一人で、シャナの育ての親。戦闘教育担当をしていた。
『震威の結い手』ゾフィー・サバリッシュ
“払の雷剣”タケミカヅチのフレイムヘイズ。フレイムヘイズとして旅だったばかりのシャナに女性としての一般常識や簡単で便利な自在法の幾つかを教えており、その後も交流がある。
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