シュレーディンガーの猫/シュレディンガーの猫(独:Schrödingers Katze)とは、量子力学の(未解決)命題となっている思考実験の一つ、またはその思考実験上に登場する猫である。
曖昧さ回避
- 同名のポップンミュージックの楽曲については、シュレーディンガーの猫(BEMANI)を参照。
- ゲームソフトについてはシュレディンガーの猫(ゲーム)を参照。
概要
どういう実験?
- 「箱」、箱を用意する
- 箱にね、なんかね、放射性物質入れるの
- なんかね、あんね、崩壊するのを検出する装置がいるはず
- 検出装置は毒ガス発生装置とつながってるから、あまりぬこの好みじゃない!!
- つまりねぇ、なんか毒ガスが発生すると、なんか猫が死んじゃうような感じでね
- 蓋を閉めるから中身は観測できないよ
- 猫を入れて蓋をして・・・
- あのさ、そろそろ放射性物質が5割くらいの確率で崩壊したかもって感じ
- わかんない。あ、半分くらい死んでるかも
- でもこれって観測しないと、生きぬこと死にぬこが重なったりしてるんだよね?
- ウィグナーきゅんの言うとおりならね!
(⌒⌒⌒)
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ノ ァ'´⌒ヽ ,
( (iミ//illi))) < 絶対こんな説明じゃわかんないよ!
)⊂リ・ω・ノ(
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し'⌒ J |l| | ペシッ!!
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- 箱と猫を用意する。
- 箱に放射性物質(ラジウムなど)を入れる
- 放射性物質は完全にランダムにアルファ崩壊し、その際放出した放射線を検出する装置(ガイガーカウンター)と青酸ガス発生装置を入れる。
- 検出装置は青酸ガス発生装置とつながっており、もし放射性物質がアルファ崩壊した場合青酸ガスが発生し、猫は死ぬ。
- 猫を入れ、蓋を閉め中を観測できないようにする
- この実験の場合、猫の生死は放射性物質のミクロな振る舞い(アルファ崩壊)にのみ決定すると仮定する。
- さて、一定時間経過したら箱の中の猫は死んでいるのか生きているのかどっち?
この実験で箱のなかの猫は、放射性物質のアルファ崩壊という量子力学的な振る舞いにのみ生死が決定するため、観測者が箱を開けて中を観測しない限り、猫は 量子力学のウィグナーらが唱えた確率的解釈により生きている猫と死んでいる猫が50:50で重ね合わせで存在している事になる。
つまり箱の中の猫はふたを開けて観測するまで、生きてもいないし死んでもいないことになる。
ふたを開けて観測した場合は観測した瞬間に猫の波動関数は重ね合わせの状態から猫が生きている状態か死んでいる状態どちらか一方に収束する。
あくまでもシュレーディンガーが量子力学の確率的解釈を批判する為に提唱した思考実験であり本当に猫を殺したりはしていないので安心してほしい。
猫が生まれた経緯
シュレーディンガー 「存在確率が0.5ってよく考えると意味わかんなくね?」
A 「えーマジ 重ね合わせもわかんないの!?」
B 「プサーイ」
A 「振り賜わずが許されるのは アインシュタインまでだよねー」
B 「キャハハハハハハ」
どうする?
rァ 駄目だこいつ・・・早くなんとかしないと・・・
悔しいっ・・・でも・・・幹事長・・・!
シュレーディンガー 「↑のぬこについてkwsk」
A 「余白が狭すぎるので、ここでは解説できない」
シュレーディンガー 「ですよねー」
超大雑把に言うと、『ミクロ世界では粒子が波みたいに動くようだ』という実験結果(粒子と波の二重性)に当時の物理学者は頭を悩ませていた。
この波みたいな動きを式にしたものを波動関数というが、これが本質的に何を示すのかがさっぱりわからなかったし、解いても場所を決定できないという問題点もあった。
これについてボルンは「これは粒子の存在確率と一致するんだよ」という説を唱え、アインシュタインが「んなアホな! 今は隠れた変数があるからわからんだけだよ」という反論をしたことはちょっと有名な話(神はサイコロを振らない)。
しかしそれにしてもわからないのが『波みたいに動くくせに観測結果ではやっぱ粒子に戻ってる』という点(これが波動から粒子に収束してるように見えるので、便宜上「波動関数の収縮」と呼ばれる)である。
加えて、『マクロ世界ではミクロ世界みたいな粒子と波の二重性は見られないけど、どこにミクロとマクロの境界があるんだろう?』という疑問も上がっていた。
そこでノイマンやウィグナーが叫んだのが、「ミクロとマクロに差なんてないよ! ただ自我が認識した時に波動関数の収縮が起きるだけだよ!」という観測理論である。
これに対してシュレーディンガーが皮肉って論文に載せたのが、シュレーディンガーの猫の思考実験だった。
すなわち「こんな実験を考えたらこういう結果になるけど、こんなことは現実にあり得ないよね。つまり観測理論は分け隔てないと言ってはいるけど、実はその裡にミクロとマクロの差を前提とした理論だったんだよ!!! あと確率がどうとか認識がどうとかも以下同文」と、言いたかったらしい。
シュレーディンガーの猫は仮説的な実験系の構築として画期的な示唆をもたらしたとされるが、その反面あくまで思考実験であるために結論どころか実験結果自体を未だ得られておらず、その後も未解決な命題として存在しているのは皮肉な話である。
解釈
箱を開ければ猫の生死は簡単にわかる。じゃあ、開けて生きてたら開ける前も生きてて、死んでたら開ける前も死んでたでいいじゃんと思うかもしれないが、そうはいかないらしい。この問題に関しては様々な解釈が存在する。そのうちの一部を紹介しよう。
┣ 開けてみなけりゃ分からないよ派 (波動関数収束派)
┃ ┃
┃ ┣ やっぱ開ける前から収束してるだろ・・・jk (量子デコヒーレンス派)
┃ ┃
┃ ┗ ちょっとあの子のスカートの中を観測してくる (たとえ火の中水の中派)
┃
┣ 生きてる世界と死んでる世界があるよ派 (エヴェレットの多世界解釈派)
┃ ┃
┃ ┣ じゃあおれがモテモテの世界もどこかにあるんだね (希望的観測派)
┃ ┃
┃ ┣ 観測したけど中に誰もいませんよ (桂言葉派)
┃ ┃ ┗ 誠死ね (School Days過激派 - 主流派)
┃ ┃
┃ ┣ 時の止まった世界では死んだことさえも気付かない… (DIO派)
┃ ┃
┃ ┗ 生きている猫を観測している世界と死んでいる猫を観測している世界があるんだよ (エヴェレット派)
┃ ┃
┃ ┗ 俺達が観測している側だと、いつから錯覚していた?派 (観測者も箱の中派)
┃
┣ やっぱり両方の状態だよ (重ね合わせ派)
┃ ┃
┃ ┣ 猫は生きているのと死んでいるのと同時に存在しているよ(コペンハーゲン解釈派)
┃ ┃
┃ ┣ 出家とは生きながら死ぬことだよ (瀬戸内寂聴派)
┃ ┃
┃ ┣ 数えたら半分くらい死んでるよ (ご冗談でしょう派)
┃ ┃
┃ ┗ 生きてるのも死んでるのも大して変わらないよ(自宅警備員派)
┃
┣ 猫を殺すとか許せないよ(想像と現実の区別がつかない派)
┃ ┃
┃ ┣ 犬ならいいよ (過激愛猫派)
┃ ┃
┃ ┣ 俺ならいいよ (自暴自棄派)
┃ ┃ ┗ 50年ROMってろ (ツンデレ派)
┃ ┃
┃ ┣ ドラえもんなら毒ガスでも大丈夫だよ (2112年派)
┃ ┃ ┗ タヌキ型ロボットじゃ意味がないよ (猫原理主義派)
┃ ┃
┃ ┗ 江頭2:50ならいいよ (1クールのレギュラーより1回の伝説派)
┃
┣ 猫駆除だぜ~通☆風☆性 (ピヨシート派)
┃
┣ 神がサイコロを振るわけがない(因果的決定論 - アインシュタイン派)
┃
┣ RegSeekerを使う [せいかい](RegSeeker派)
┃
┗ よく分からないよ (俺)
○○派と聞くと信仰のようにも見えるが、ようは"そういう仮定の下"で理論立てや実験を重ねているという事である。(確かに信仰している人間の多さは否めないが)
結局の答えは何なのよ?
猫に聞いてくれ
シュレーディンガー先生
かつて、シュレーディンガーは量子力学を数式で表現する基礎を固めた(波動力学)。
しかし、その自作の方程式を実際に解いてみると、粒子の位置が確率でしか予測出来ないという結果が出てきてしまった。
シュレーディンガーはアインシュタインと同様、”神はサイコロを振らない”と思っていたので、結局、自作の方程式の解に自分自身が反論するという不可思議な現象が起きてしまったという歴史がある。
彼らに限らず、20世紀初頭の科学者は、物理法則は決定論的、つまり常に「1+1=2」であると考えていた。
だが物理学を取り巻く論調が次第に
「1+1=2、と思うけどさ~、ひょっとしたら3かもしれないじゃん? いやまじ、俺は2だと思うんだけどさ~、たまーに3とか4だったりとかさ~、するときあるじゃん? いやもちろん、滅多にないけどね? もしかすると、てゆーかね? いやまじ、もー怒るなよー、あるかもしんないってだけの話じゃん~」
ということになってきたので、色々と腹に据えかねたのである。
また、その後「確率」とか「観測」とか「不確定」とか混迷を深めわけのわからないものと化していく量子力学に嫌気が差したのか、後年物理学を辞めたらしいです。でも哲学に走って著名な本を残しています。
さらに、幼女好きだったり奥さんを2人抱えようとしたり、その道の人々に多大な希望を与えてくれるお方でもあるそうです。
『シュレーディンガーの猫』が関連する作品
- 『姑獲鳥の夏』京極夏彦(小説)
物語冒頭で壷とその中に入っている干菓子を用いて説明されている。認識論そして宗教的なこの物語の鍵となる部分を科学だと否定し、この考え方が物語が進むにつれて大きなポイントとなってくる。 - 魔法陣グルグル(漫画)
13巻120話のタイトルが「観測者」で扉絵には猫・容器・観測用望遠鏡とシュレーディンガー方程式が。章の重要人物、トリコさんの読む本の表題もシュレーディンガー方程式で、ストーリーの無限ループに「ハマって」しまった主人公一行に対し傍観者ガルリロから「観測者の目を逃れられない限り状態は決定されてしまう」というヒントが与えられる。 - ノエイン もうひとりの君へ(アニメ)
本編中で『シュレーディンガーの猫』を用いた作品世界の解説が行われている。 - 時をかける少女(劇場アニメ)
本編中に段ボールに入った猫・金槌・青酸カリが入ったガラス瓶・ガイガーカウンターが登場し、監督が作品中のタイムリープは量子力学に基づくものだと語っている。 - pop'n musicの楽曲名。(ゲーム)
「わけのわからないもの」と呼ばれる中盤の発狂地帯など、色々とはっちゃけすぎた難易度で話題に。「ひとつの ものごとに とらわれると すべてを みうしなってしまう にゃ」 →シュレーディンガーの猫(BEMANI)/トイコンテンポラリー - とある魔術の禁書目録(小説/アニメ)
アニメ本編12話冒頭にて「超能力とは何か?」との問いに回答する形で使用されているが、猫の生死という表現が「果てしなく残酷」なので、チョコの箱の中にチョコが入っているか飴玉が入っているかの2択に変更されている。
箱の中にチョコが入っているのを確認した上で、飴玉が入っていると確信し、それを現実化することが出来る力(パーソナル・リアリティ)が「超能力」だと結論付けている。 - とある科学の超電磁砲(漫画/アニメ)
アニメ本編8話冒頭で、超能力を理解するのに避けて通れない物として「ハイゼンベルクの提唱する不確定性原理を基にする量子論」が出て来て、そこからシュレーディンガーの猫に話が繋がる。
予約特典DVDでは、実際にスフィンクスと言う名の猫を箱に入れているが、箱を開けたら「とらドラ!」に出てきた「手乗りタイガー」になっているというパロディを行っている。 - HELLSING(漫画/OVA)
敵サイドの組織「ミレニアム」に「シュレディンガー准尉」という外見がネコ耳少年なそのまんまを狙ったキャラクターが登場する。「僕はどこにでもいるし、どこにもいない。」という台詞が印象的。 - さよなら絶望先生(漫画/アニメ)
第170話(アニメは懺・第12話Aパート)『三次のあと』の全体にわたって「シュレディンガーの○○」ネタが使われている。 - らき☆すた 〜陵桜学園 桜藤祭〜(ゲーム)
第5章「乙女的肉体改造☆ラキレボ!!」の中の「あんらき☆しすた」において、「シュレーディンガーのぬこ」として桜庭ひかるが『シュレーディンガーの猫』を解説している。この場で述べられたことはその後のゲームの根幹に深く関わってくる。 - 遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX(アニメ)
第96話「相対性フィールド! 十代vs天才博士」の十代vsツヴァインシュタイン博士のデュエルにおいて、博士が「シュレディンガーの悪戯猫」という永続魔法カードを発動している。カードの効果とシュレーディンガーの猫との関連性は薄い。 - DEVICEREIGN(ゲーム)
SC空間 (Schrödinger Cat Field)と言う、特殊な空間(結界)を展開する武器「オーギュメント」が話の主題になっているSF作品。SC空間とは、端的に言えば「他者からは認識出来ない異空間」の事。 - 電子猫(短篇小説)
堀晃作、新潮文庫「エネルギー救出作戦」収録。とあるコンピュータメーカで商社に納める最新鋭のコンピュータが完成する。哲学の嗜みがあった社長のたっての希望により、納品前にシュレディンガーの猫のシミュレーションを走らせてみることになった。シミュレーションの結果、猫は死んでしまったようだ、ということで出荷されたのだが……。 - ウィザーズ・ブレイン(小説)
シティ・モスクワの魔法士、イルの持つ能力『量子力学制御』の呼び名。対象物を構成する粒子の存在確率を改変する事により、「壁をすり抜ける」「攻撃を透過させる」「相手の主要な血管や神経を抜き取る」等の技を使える。一見無敵に思えるが実際はある重大な欠陥を孕んでおり、イルをイルたらしめた能力。 - キッド・ピストルズシリーズ(小説)
探偵が推理小説の中ではなく本当に実在しているパラレルワールド。そのパラレルワールドの説明に於いて、シュレディンガーの猫が用いられている。 - シュレディンガーの猫(ゲーム)
1997年にタカラから発売された、プレイステーションのゲームソフト。 主人公の女の子「アイリス」を操作して、居なくなってしまった飼い猫「シュレディンガー」を探して様々な世界を彷徨うアドベンチャーゲーム。詳細は「シュレディンガーの猫(ゲーム)」の記事を参照。
関連動画
関連項目
- 物理学
- ぱんつはいてない
- シュレディンガーのぱんつ
- ニゴニゴ動画
- フェルミ推定
- シュレーディンガーの猫(BEMANI) (トイコンテンポラリー)
- シュレーディンガーの猫(動画)
- シュレディンガーの猫(ゲーム)
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