ショートソードとは、ヨーロッパで用いられた刀剣の区分である。
概要
一般的には歩兵用の短い刀剣、またはロングソードに対して短い刀剣をショートソードと称すると紹介されることが多いが、その定義は曖昧かつ、不明瞭な部分も多い。そもそも中世においては余程特徴的な刀剣でもない限り、全て「刀剣(英:sword)」と呼び、分類わけすることは少なかった。
さらに言えば「長いから騎兵用の刀剣」「短いから歩兵用の刀剣」という区分は19世紀頃の学者達による推測によるものであるとされ、古代ローマの騎兵用長剣のスパタと歩兵の短めの剣グラディウスを基準にしたものらしい。
その他、ショートソードとは中世ヨーロッパにおける正式な刀剣ではない物に対する別名という説もある。中世における正式な「刀剣」というのは、貴族階級の兵士すなわち騎士が携帯するまっすぐな長めの刀剣の事である。
中世の長い期間にわたり、このような武器は高価であったため、騎士などの富裕層しか入手出来なかった。(このような刀剣を現代では便宜的な分類としてアーミングソードやナイトリィソードと呼ばれている。)
「刀剣」を入手出来ない多くの兵士たちは斧や棍棒を携帯したり、長めのナイフや剣鉈を携帯したりしたが、前者2つはともかく、後者2つは後世の視点から見ると刀剣とみられてもおかしくない程度に長寸である事が多く、「刀剣だけど刀剣じゃない」「ナイフと刀剣の中間」の刃物をショートソードと呼んだというものである。
例としては、北欧を中心に用いられたサクス、その発展型のファルシオンがこれに当たる。
関連項目
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