シラオキとは、1946年生まれの日本の元競走馬・繁殖牝馬である。
「シラオキ系」と呼ばれる一大牝系についてもここで記述する。
概要
基本的に旧年齢で表記。
1946年、小岩井農場で生まれる。父は戦前から戦後にかけて数多くの活躍馬を輩出した大種牡馬プリメロ、母は本馬の他にも複数の重賞馬を送り出した第弐スターカツプ。牝系をたどると小岩井農場の基礎輸入牝馬の1頭フロリースカツプにあたる。母の血統表にもダイオライト、シアンモア、ガロンと当時を代表する名種牡馬たちが並ぶ超良血馬である。
現役時代は48戦9勝。6歳に函館記念を制したほか、東京優駿で半馬身差の2着(勝ったのは19番人気のタチカゼ)、優駿牝馬で3着などの実績を残した。クリフジやトキツカゼなんかに比べると地味な成績だが、6歳9月まで約50戦を戦い抜いた頑健さは称えられるべきだろう。なにせ最後の年には7連闘を2回もやっているのである。よく壊れなかったものだ…。
繁殖牝馬としては、二冠を制した「超特急」コダマ、皐月賞馬シンツバメを輩出し成功。その後も長く繁殖牝馬を続け(少なくとも25歳時の産駒がいる!)、1973年に老衰のため28歳で大往生を遂げた。
シラオキ系
さて、シラオキにとってコダマは2頭目、シンツバメは3頭目の産駒であるが、それ以外の産駒は競走馬として大成できなかった。しかしながら、シラオキの5頭の娘たちは繁殖牝馬として大活躍。さらにその子孫からも活躍馬が続々と誕生し、一気にその牝系を広げていった。今やシラオキ系と呼ばれる一族にはダービー馬のスペシャルウィークやウオッカ、桜花賞馬シスタートウショウ、最強馬菊花賞馬マチカネフクキタルなどのGⅠ馬の他、サンエイソロンやシーイズトウショウなど多くの重賞馬がいる。勿論牝系は今も続いており、最近では芝1600mの日本レコードを叩きだしたレオアクティブの7代母がシラオキである。
特にスペシャルウィークの活躍は、在来牝系復活の契機となった。当時はスピードに優れた輸入種牡馬・牝馬の最盛期で、重厚な、ややもすればスピード不足とも映る在来牝系は切り捨てられつつあった。一方で、競馬界はスピードを追求するあまり早熟化やスタミナ不足が進行していた。そんな中で、米国産でスピード競馬の申し子だったサンデーサイレンスとシラオキの子孫キャンペンガールの子スペシャルウィークがダービーを制し、古馬になってもGⅠ3勝を挙げる活躍を見せたことで、スタミナに富み、高い成長力を持つ在来牝系の底力が改めて見直されるようになったのである。
その後スペシャルウィークの娘シーザリオから3頭のGI馬が輩出され、その仔たちであるエピファネイアが種牡馬として大成功を収め、その弟リオンディーズの産駒成績も好調な滑り出しを見せ、さらにはその後にサートゥルナーリアも控えており、日本競馬界におけるシラオキ系の当面の繁栄は事実上約束されたものとなっている状況にある[1]。
日本を代表するビッグマザー、シラオキ。彼女の血統はこれからも日本競馬界に強く影響していくだろう。
血統表
*プリメロ 1931 鹿毛 |
Blandford 1919 黒鹿毛 |
Swynford | John o' Gaunt |
Canterbury Pilgrim | |||
Blanche | White Eagle | ||
Black Cherry | |||
Athasi 1917 鹿毛 |
Farasi | Desmond | |
Molly Morgan | |||
Athgreany | Galloping Simon | ||
Fairyland | |||
第弐スターカツプ 1937 栗毛 FNo.3-l |
*ダイオライト 1927 黒鹿毛 |
Diophon | Grand Parade |
Donnetta | |||
Needle Rock | Rock Sand | ||
Needlepoint | |||
スターカツプ 1930 鹿毛 |
*シアンモア | Buchan | |
Orlass | |||
フロリスト | *ガロン | ||
第四フロリースカツプ |
クロス:Isinglass 5×5(6.25%)、Gallinule 5×5(6.25%)、Orby 5×5(6.25%)
関連動画
さすがになかった。子孫の活躍はいっぱいあるから調べてみてね。
関連コミュニティ
関連項目
簡易ファミリーライン(青字は牡馬、太字は八大競走/GI級勝ち馬)
シラオキ 1946
|コンゴーセキ 1953
||ゴーフウ 1958
|||フーセン 1973
||||シンシラオキ 1978
|||||シヨノロマン 1985 '88ローズS
||ミスサチヨ 1959
|||サチカマダ 1968
||||ノスタルヒアス 1974
|||||ヤエシラオキ 1989
||||||テイエムドラゴン 2002 '05中山大障害など重賞4勝
|コダマ 1957 '59阪神3歳S '60皐月賞、東京優駿、'62宝塚記念など重賞7勝
|シンツバメ 1958 '61皐月賞
|ワカシラオキ 1960
||ローズトウショウ 1965
|||グレイトウショウ 1974
||||アテナトウショウ 1981
|||||マチカネフクキタル 1994 '97菊花賞、神戸新聞杯、京都新聞杯
|||コーニストウショウ 1977
||||エナジートウショウ 1987
|||||タニノシスター 1993
||||||ウオッカ 2004 '06阪神JF、'07東京優駿、'08・'09安田記念、'08天皇賞(秋)などGI7勝
||||シスタートウショウ 1988 '91桜花賞
||ヒデハヤテ 1969 '71阪神3歳Sなど重賞3勝
||クイーンシラオキ 1982
|||ダイカツストーム 1990 '95中山大障害(春)
|ミスアシヤガワ 1964
||レディーシラオキ 1978
|||キャンペンガール 1987
||||スペシャルウィーク 1995 '98東京優駿、'99天皇賞(春)、天皇賞(秋)、ジャパンCなど重賞9勝
脚注
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