シンクロ召喚とは、遊☆戯☆王ファイブディーズおよび遊戯王OCGの召喚ルールである。
概要
2008年3月15日発売のSTARTER DECK(2008)の収録カードである「ジャンク・ウォリアー」「大地の騎士ガイアナイト」「ギガンテック・ファイター」が、シンクロモンスターとして登場した初めてのカードである。2008年4月2日から始まったアニメ「遊戯王5D's」の中核をなす召喚である。
synchro(シンクロ)には同期という意味がある。映像と音声を合わせ同調させるsynchronism(シンクロニズム)という言葉やtuner(チューナー)の調律、周波数を合わせるチューニングから楽器のようなイメージを持ったのではないかと思われる。
シンクロ召喚は遊戯王の原作者である高橋和希先生が考案したもので、「低レベルモンスターも重要」になるという発想のもとに生まれた。5D'sの主人公「不動遊星」のデッキもこの言葉から、低レベルをかき集めて作ったデッキというコンセプトである(その割には完成度が高い)。
シンクロ召喚の内容
(モンスターの名前)
シンクロモンスター
星?/?属性/?族/攻?/守?
(例)チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分のターンのメインフェイズ時に自分のフィールド上に表側表示で存在する、種族の横にチューナーと記載されたモンスターとそれ以外のモンスターの合計二体以上を選び、その星(レベル)の数を合計してそれと同数の星(レベル)のモンスターをエクストラデッキ(シンクロモンスターと融合モンスターを入れるデッキ、15枚以下)から呼び出し、フィールドに表側表示で出す。
同じエクストラデッキを使用するにしても、モンスター以外に魔法「融合」のカードを必要とし、融合モンスターが限定されている「融合召喚」に比べて、あらゆる組み合わせで召喚できるシンクロ召喚ははるかに簡単で、遊戯王5D'sの話の中核な為か強力なモンスターが多い「シンクロ召喚」は、瞬く間に遊戯王を塗り替えていった。
特に主戦力をEXデッキに頼ることでその分メインデッキの空きを展開要員に費やせるという事は利点であり、シンクロ召喚の導入後はそれまでにないペースでゲームスピードが加速していった。
とはいうものの欠点も多数あり、まずレベルを合わせる必要がある事。レベル操作ができるシンクロ補助カードは多いが、必ず場にあるとは限らない。
また属性縛り・種族縛りの素材条件もあること、更に最低2体のモンスターが必要なため大量展開を抑制するタイプのメタカードに弱いこと、基本的なことだがチューナー同士が2体出てもシンクロ召喚はできない等がある。
後その性質上シンクロを得意とするカテゴリはシンクロ召喚を連打する傾向があり、そのための展開もあってソリティアになりやすい。見ている相手としてはたまったものではない。
この手のデッキとしてはジャンク・電脳堺・スピードロイドが特にその傾向が強い。
5D's終了後
ZEXALに突入後も、カタストルなどの一部の汎用シンクロは根強い支持率を誇り、エクシーズ召喚特化カテゴリーの続出に押され気味になりながらも愛用された。エクシーズ召喚に秀でたカテゴリーのなかにも、炎星や幻獣機と名のついたチューナーも僅かながらも登場。2013年からは征竜という際物の登場で、エクシーズともども大変な事態になったものの、青眼新規チューナーとともに一応立て直した。
ARC-Vに突入してからは、エクシーズに続く新たな召喚法・ペンデュラム召喚の導入や、スピードロイドなどの新たなシンクロ特化カテゴリーの登場により、さらなる発展がされるようになった。
旧来のアドバンス召喚や融合召喚、儀式召喚なども強化されたため、全盛期ほどの繁栄は難しくなったが、既存シンクロカテゴリーであるリゾネーターや音響戦士といったカード群も強化されている。
VRAINSからは新マスタールールとしてエクストラモンスターは基本専用のモンスターゾーン(エクストラゾーン)を始め、その新ルールに対応した召喚システム・リンク召喚が導入されたため過去の召喚法と同じく不利な状況にあった。
それでもアニメVRAINSのリボルバーを始めとするデュエリストが使用したり(前作から召喚演出は一新されている)、新たなシンクロモンスターもOCG化されたためそれなりに強化がなされている。
特に水晶機巧-ハリファイバーというリンクモンスターがデッキからチューナーを出せる効果で環境を席巻した。まあ大体アクセスコード・トーカーに変わるんだけどね
その後2020年にルールが再び改正され、リンク召喚導入前と同じくメインモンスターゾーンにシンクロモンスターを出すことが可能になった。2020年からはラッシュデュエルの新設に伴い既存のOCGの展開が幾分鈍ったものの、以降も少数ながら新規シンクロモンスターが登場している。
口上
「集いし願いが新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ、《スターダスト・ドラゴン》!」
原作のアニメにおいて、シンクロ召喚の際にプレイヤーが、呪文のように唱えるのが口上である。ほぼアニメ全てのシンクロモンスターに存在しており、気合を込めて発言する。大体はそのモンスターにまつわる様な口上を唱えるが、ディヴァインなどはあまり関係性のない口上を唱えていた。言わない時は言わないので別になくても構わないのだが、気持ちの問題であろう。この口上を覚えると登場前にどのモンスターが使われるか分かるため、既存モンスターの時は「キタ━(゚∀゚)━!」といった期待感を、初登場モンスターの時は何が登場するのかといったwktk感が味わえる。
それこそ遊戯王の無印時代から口上そのものはあった。(武藤遊戯のブラック・マジシャン「今、千年の時を超え~」、海馬瀬人の青眼の白竜「我が魂~」など)。エクシーズ召喚では「オーバーレイ・ネットワークを構築~」と全ての召喚が同じ言葉になってしまったが、時々は口上を唱える。
(ARC-Vに移行してからはシンクロ召喚だけでなく、アドバンス召喚・融合召喚などを行う場合も、登場人物がそれぞれ同じような口上を言うようになった。)
現実でも口上を唱えるデュエリストは存在する。鬼柳京介の声優である小野友樹は、トリシューラ召喚の際にオリジナル口上を考えた(詳しくは小野友樹の記事で)。大会などでも口上を唱えること自体は禁止されていないが、遅延行為と取られてジャッジに注意される可能性がある。そもそも唱えた側は楽しいかもしれないが、友人でもない無関係のプレイヤーがそれを聞いても、愉快な反応は期待できない。口上を唱えて召喚したモンスターが、召喚されてすぐに奈落の落とし穴で除外されたり、強制脱出装置でデッキに戻されたら目も当てられない。
時・場所・状況を考えて、プレイしよう。
関連動画
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関連項目
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