シンフォニアテクノロジー株式会社とは、東京都港区芝大門に本社を構える重工業メーカーである。
概要
1919年、三重県鳥羽市にあった「鳥羽造船所」の中にあった電機製造部門が起源。
その後、鳥羽造船所は帝国汽船→神戸製鋼所と親会社がコロコロと変わり、1949年に神戸製鋼所から独立し「神鋼電機株式会社」となる。
2009年4月に現在のシンフォニアテクノロジー株式会社に社名を変更し現在に至る。
かつては電気自動車や電動フォークリフト、保線用モーターカー等を製造していたが、
現在では宇宙産業や鉄道産業、公共インフラ(発電機・上下水道監視)、産業インフラを支える部品を供給している。
垂直カルダン駆動
旧:神鋼電機時代であった1954年、日本独自のカルダン駆動を開発すべく選んだのがこの垂直カルダン駆動方式である。
その名の通り、モーターを車軸に対し垂直に配置しているのが特徴。なおモーターの部分が盛り上がるので台車のある部分は床板を嵩上げする必要があった。
全幅を非常に小さく出来るので、当時のカルダン駆動の方式のひとつである「WN駆動」では1067mm狭軌(旧国鉄等)ですら採用出来ないほど大型であったが、垂直カルダン駆動方式では762mm狭軌でも搭載可能なぐらい小型化が容易であった。
採用された事業者・車両
1954年、兵庫県淡路島にあった「淡路交通」(軌間1067mm)で試験が行われ、モハ2008形が改造対象となった。
1957年、旧:「栃尾電鉄」(軌間762mm)で走っていたクハ30形を改造し、モハ211形として電動車両化。その際に垂直カルダン駆動方式を採用した。1959年にはモハ200形を吊り掛け駆動から垂直カルダン駆動に改造。
1958年、旧:三重交通の志摩線(軌間1067mm)にモ5401形が投入された。翌年には三重線(軌間762mm)にモ4400形が投入された。
何故垂直カルダン方式は普及しなかったのか
結局垂直カルダン方式を採用した事業者は3事業者のみに留まった。
かつては軽便鉄道の近代化の切り札として期待されていたが、何故普及しなかったのか。
一説には以下の原因とされている。
- メンテナンスの問題
垂直カルダン方式は整備性が著しく悪かった。それが故に地方の零細鉄道事業者からは嫌われてしまった。
また、垂直にモーターを立てていることにより油漏れ等のリスクが高かった。 - 営業力の問題
当時の神鋼電機はいくら神戸製鋼所の名を受け継ぐメーカーと言えど、弱小重工業電機メーカーであった。
それが故、当時の鉄道事業者は特定の部品事業者との結びつきが強く、また未開の新技術の導入には慎重な保守的な空気が流れているのが一般的であった。
三重交通に関しては地元メーカーであったのが唯一の救いだったと言われている。 - 他カルダン駆動方式で1067mm狭軌軌間で使えるものが登場したこと
1956年に三菱電機が1067mm用WNカルダン駆動方式の開発に成功し、富士山麓電気鉄道(現:富士急行)3100形で本格採用となったのが致命傷となった。
また、他方式も技術開発が進み、直角カルダン駆動方式や中空軸平行カルダン方式は1067mm軌間でも導入可能となった。 - マーケットがニッチすぎた
日本の鉄道事業者の軌間の殆どは1067mmと1435mmであり、信頼性・メンテナンス性に問題のある垂直カルダン駆動方式をわざわざ好き好んで採用する事業者は現れなかった。
762mm軌間の電化鉄道が当時といえど少数派であり、マーケットがニッチすぎた。更に地方の軽便鉄道は経営難で廃止が相次ぎ、そのマーケットの縮小に拍車がかかってしまった。
垂直カルダン駆動車の末路
淡路交通は1966年10月に鉄道事業を廃止。モハ2008は水間鉄道に譲渡されるはずであったが結局譲渡されず解体されてしまった。
※淡路交通は現在はバス事業者に業態変更している。
栃尾電鉄は1960年10月に長岡鉄道・中越自動車と合併し現在の越後交通となるが、1975年3月に栃尾線は全線廃止。その際に解体された。
三重交通志摩線のモ5401形は1965年4月に近畿日本鉄道に移籍。モ5960形モ5961と改番された。
志摩線は1970年3月には1435mm改軌および電化方式が直流1500Vに昇圧された。改軌・昇圧に伴い1067mm軌間の養老線(現:養老鉄道)に移籍となったが、電装部品が直流750V使用であったモ5961は電装解除・運転台撤去の改造をされサ5961に改番された。1983年解体された。
三重交通三重線のモ4400形は、1964年3月に三重線が湯の山線および内部・八王子線に分割され、四日市~湯の山間が1435mm改軌および電化方式が直流1500Vに昇圧された。これをきっかけに三重交通北勢線に移籍となった。
北勢線移籍の際、電動車はモ200形・付随車はサ100形と改番されたが、1971年に上記のメンテナンス性の問題を受けて電装解除され付随制御車化され、ク200形と改番された。
垂直カルダン駆動の音は聞けなくなったが、現在もなお270系と編成を組んで現役で走行している。
※三重交通は1964年2月に鉄道事業を「三重電気鉄道」として分社化させ、現在はバス事業者に業態変更している。1965年4月に三重電気鉄道は近畿日本鉄道に吸収合併されている。
志摩線・湯の山線は現在もなお近畿日本鉄道の運営。
内部・八王子線は相変わらず762mm狭軌を堅持していたが、近畿日本鉄道の運営を経て、2015年4月からは四日市あすなろう鉄道が運営している。
北勢線も相変わらず762mm狭軌を堅持していたが、近畿日本鉄道の運営を経て、2003年4月からは三岐鉄道が運営している。
テレビ出演
2012年7月15日、ほこ×たてで同社の主力商品のひとつである超強力電磁石「リフマグ」と、滋賀県東近江市に本社を構える害虫駆除用品メーカー「株式会社SHIMADA」が開発した超強力粘着シート(要はゴキブリホイホイの超強力でデカい版)「モンスターバスター2」が対決。
結果はリフマグの勝利 (ネタバレになるので白文字にしています)。
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関連項目
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