ジェミニアとは、『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』(以下『時獄篇』)に登場するバンプレストオリジナルロボットである。
搭乗者はガドライト・メオンサム。
※注意!この記事には時獄篇及びスパロボZシリーズのネタバレが含まれています!!
概要
解説に入る前に、以下のことを確認して欲しい。
- ジェニオン……時獄篇の主人公ヒビキ・カミシロが乗るバンプレストオリジナルロボット。ジェミニアに酷似している。
- ジェミニア……本項で説明するロボット。ジェニオンに酷似しているが、搭乗者のガドライト曰くこっちが本家らしい。
- ジェミニス……ガドライトを隊長、ジェミニアをフラグシップとする機動兵器部隊。なんと念動力者で構成されている。
- ジェミナイ……ガドライト達ジェミニスの故郷である惑星。『時獄篇』の時点で既に滅んでいる。
やたらと‘ジェ’のつく単語が多い時獄篇のバンプレストオリジナルであるが、見分けはついただろうか?
では、解説に入ろう。
前述の通りジェミニアは惑星ジェミナイで開発された人型機動兵器で、パイロットになるガドライト・メオンサムのためだけに造られた。
ディオスクという念動力制御の量産型スーパーロボットをベースとして惑星ジェミナイの最新技術を惜しみなく投入して念動力制御機体として元から高かった機体制御・追従性を更に高め、
動力源として目されていたZシリーズの重要アイテム『スフィア(スパロボ)』からも高レベルの次元力を抽出することにも成功し、全高76.8mのスーパーロボット・ジェミニアは完成した。
武装は「光の剣を精製して斬る」「両掌からエネルギー粒子を収束してビームを撃つ」「機体全体にエネルギーを纏って突進する」の三つのみという非常にシンプルなものだが、それゆえにジェミナイ最強のパイロットであるガドライトの戦技を非常に高いレベルで反映し、 動力も次元力由来なために一撃一撃が必殺の威力を持つ。
実体剣に近い状態のエネルギーソードを無から精製し、八つ当たり程度にぶっ放した砲撃一撃でジェガン二十機以上と戦艦十数機を宇宙の塵へと変えた、といえばどれほどトンデモスペックを誇っているかわかって頂けるだろう。
防御面も、『再世篇』で自軍を苦しめた次元歪曲バリア「D・フォルト」を備えているなど硬さも十分。
攻撃・防御・機動性、全てが超ハイスペックにバランスよくまとまっており、惑星ジェミナイの危機を幾度となく救ってきたスーパーロボットであった……が、もちろん弱点も存在している。
それは『スフィアで動力から攻撃まで全てを賄っているため、搭乗者のガドライトの精神状態に全てを依存している』ということ。
スフィアというものは搭乗者の特定の感情や精神状態によって無限エネルギーや事象制御を発生させるため、ジェミニアに限らずスフィアを搭載したマシンは著しく安定性に欠けるという一面を持つ。例えば、「嘘、偽る心」を力の源としていたスフィア搭載機は「本名」と「知られたくないひた隠しにしていた過去」という「真実」を暴かれたことによって、攻撃すらままならないただのカカシへと一気に機能不全へと陥った。
ジェミニアに搭載されているスフィアは「相反する二つの感情」を力の源としている。例えるなら、ポジティブとネガティブが拮抗してせめぎ合う精神状態を保つ必要がある。
時獄篇DLCストーリーに見られる彼のような、惑星ジェミナイに降りかかった災厄を幾度も退けた誇り高い戦士のガドライト・メオンサムなら問題は無かっただろう。スフィアを発動させるために「母星を滅ぼした敵に怒りを持ちながら、あえてそれを許す」といったような聖人じみた精神を抱いていた。
が、無敵無敗を誇っていたジェミニアを以てすら惑星ジェミナイを救えなかった以後は敗北に心を毒され「母星を滅ぼした組織には敵わないという諦め」を抱き、プライベートでは髭も剃らず酒浸りの日々を送り、それでもスフィアの稼働を維持するために何と「母星を滅ぼした組織には叶わないから、その組織に護られている地球に怒りをぶつける」という八つ当たり以外の何物でもない感情を抱くようになった。
かつてのガドライトならいざ知らず、上述のような不健全極まりない状態になった彼とジェミニアに明るい未来が待っているはずもなく、
ジェミニスの隊員全てが‘イミテーション(模造品)’ と忌み嫌うジェニオンの出現を皮切りに怒りが煽られ、
放っておけばいいものをシン・アスカを始めとする主人公たちの逆鱗に触れて目論見を崩され、
下衆な性根を暴かれて筋違いの「怒り」が膨らみ感情のバランスを崩した結果、「絶望の中にあってもなお希望を失わない」ヒビキ・カミシロの駆るジェニオンにスフィアを奪われて撃破された。
搭乗者の御陰で母星の誇り・希望とまで言わしめ幾人もの民の拠り所となるほどの栄光を得たが、同時に搭乗者のせいでイミテーションに力を奪われ敗北するという何とも皮肉な「相反する」結末を迎えてしまった。
作中でもプレイヤーの間でも胡散臭いと囁かれるジェニオン共々、ジェミニアは未だに謎が残る機体ではあるが、 そこのところは続編の『天獄篇』に期待しよう。
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