ジェームズ・キャメロン(ジェームズ・フランシス・キャメロン)とは、カナダ出身の映画監督である。
概要
低予算映画『ターミネーター』で一躍有名になり、それ以降も『エイリアン2』『ターミネーター2』などの大ヒットを飛ばした。
1997年の『タイタニック』によって映画の興行成績の世界記録を樹立したが、2009年末に12年ぶりの新作『AVATAR』が公開され、世界中で空前の大ヒットを記録。『タイタニック』の収益記録を監督自身の作品『AVATAR』で塗り替え、2019年に『アベンジャーズ:エンドゲーム』に更新されてるまで、なんと全世界歴代興行収入1位と2位を同じ監督で独占するという偉業を成し遂げた。2021年5月現在では中国での再公開などもあり再び『AVATAR』が1位の座を奪還している。
映画の監督のほかにも、海底に眠る本物のタイタニック号を探る『ジェームズ・キャメロンのタイタニックの秘密』や、戦艦ビスマルクに関する『ジェームズ・キャメロン 海底の戦艦ビスマルク』等のドキュメンタリーを手がけるほか、『ダーク・エンジェル』などテレビドラマシリーズも製作している。
第82回アカデミー賞の賞レースでは、キャスリン・ビグロー監督(キャメロン監督の元妻)の戦争アクション『ハート・ロッカー』に負けてしまうが、『AVATAR』の歴史的な大ヒットにより名実ともにトップレベルの監督であることを再認知させることとなった。
また、記録的ヒット作が続いたことにより、当然ながらヒット作の続編や次回の映画への期待も高まっている。しかし、『ターミネーター』シリーズはキャメロン本人が原案・制作を務めた『ターミネーター:ニューフェイト』も含め、苦戦が続いている。
『AVATAR』の続編『AVATAR:Way of Water』は2022年12月16日公開。前作よりさらに洗練された映像で大ヒットし、公開約6週間後の2023年1月28日に興行収入が歴代4位になった。これで世界興収上位5作品のうち3つ(タイタニック、AVATAR、AVATAR2)が彼の作品で占められることとなった。『AVATAR』シリーズは第5作までの構想ができており、第3作はすでに撮影は完了している。第3作は2024年12月に公開予定。
日本のアニメマンガに深く興味を持っており、2019年には『銃夢』の実写化『アリータ:バトルエンジェル』の製作・脚本も務めた他、『AVATAR』にはスタジオジブリの『もののけ姫』へのオマージュを含んでいると自ら話している。ちなみに国内外の映画評論家からは、むしろ『風の谷のナウシカ』との関連が指摘されている。
作風
SFX、VFXの分野での第一人者として知られ、その作品の殆どが、公開当時の最高峰と言える驚異的な視覚体験を観客に提供している。
特に90年代以降は、T-1000型の液体金属の体を映像で表現することに成功した『ターミネーター2』、一世紀前の大型客船を現代に再現した『タイタニック』、そして異星の風景から生物からの何もかもを細部まで描ききった『AVATAR』など、潤沢な予算をフルに使ったVFXの評価が高い。
が、出世作となった『ターミネーター』は逆に凄まじい低予算映画としても有名であり、例えSFXを使用出来る箇所が限られていても、その手腕は遺憾なく発揮されている。
また、完璧主義として知られ、リアリティを追及する点が挙げられる。
- 監督したほとんどの作品で脚本を担当している。
- 絵心があり、『ターミネーター』の内骨格や殺人ロボット、『エイリアン2』のエイリアンクイーンやパワーローダーなどのイラストと『タイタニック』の主人公ジャックのスケッチもキャメロンの書き下ろしである。また、『AVATAR』に登場する生物や植物も彼がデザインした。
- 考古学に関心を示しており、奇抜な学説を提唱しているらしい。
- 『AVATAR』の脚本そのものは1995年に出来あがっており、その構想自体は彼が中学生の頃から練られていたらしい。『タイタニック』から『AVATAR』まで12年間ブランクが空いたのは、本人曰く「CG技術の向上と3D技術の開発」のため。
なお、『AVATAR』は3Dでの映画製作の動きを世界的に本格化させることになったが、キャメロン本人も3Dに深く惚れ込んでおり、「私は最早3D映画を撮ること以外に興味は無い」と断言しているほどである。
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関連項目
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