ジオン公国(Principality.of.Zeon)とは、アニメ『機動戦士ガンダム』と後に続くガンダムシリーズに登場する架空の国家である。また、前身および後身であるジオン共和国についても併記する。
概要
地球から最も遠い月の裏側に位置するサイド3のスペースコロニー国家。首都はズム・シティ。コロニー40基から構成され、0079年時点で約1億5000万人の人口を擁する。
宇宙世紀元年、地球連邦政府は人口爆発の対策として宇宙にスペースコロニーを建築し、そこへ人々を移住させる政策を取ったのだが、宇宙に移住した人の大半は貧困層で、一方官僚や富裕層、政府高官を中心とする特権階級の市民は安全な地球から動こうとしなかった。(ただし『機動戦士ガンダムUC』では「決して貧乏人が宇宙に追放されただけではなく、地球の環境が良くなることを考えて自分から宇宙に出て行った人も大勢いた」と、当時を知る人物が語るシーンがある。)危険の多い宇宙へ移民させられた貧困者を中心としたスペースノイド達は、地球に留まり続ける事実上の上級市民であるアースノイドに対し、少なからず不満を持っていた。さらに地球連邦政府はスペースコロニーに対し重税を課し、搾取し続けた。
そんな中、スペースノイドの意思に共感した数少ない地球連邦評議会の一人であったジオン・ズム・ダイクンは「地球から宇宙移民者を支配するのではなく、人類は一人残らず宇宙に去るべきである。さすれば平等な立場で各々の話し合いが進むし、また人類にとっても、宇宙に適応した新たな進化を遂げる可能性に繋がる」といったコントリズムを主張をするに至った(後のジオニズム)。だが当然彼は連邦議会では少数の一派に過ぎなかった為、議会で孤立する。そこで、彼は意を決して地球から最も離れたコロニー群であるサイド3へ移住し、支持者を増やしていった。その結果、宇宙世紀0053年にダイクンはサイド3の首相に任命される。
そして宇宙世紀0058年、連邦政府の所業に耐えかねたサイド3のスペースコロニー群はとうとうジオン共和国として、コロニー群の政府では初めて独立を宣言し、連邦政府へ独立した自治権を要求した。だが連邦政府はこれを認めず0059年、制裁として経済封鎖を行った。この制裁は20年間にも及んで続いたのだが、逆にこの制裁がジオン共和国の技術力を飛躍的に上げてしまう結果となる。更に連邦軍がこのことで宇宙軍を設立したことを踏まえ、自分たちの技術に自信を持つジオン共和国は国防軍を設立。連邦政府との冷戦状態に突入する。それでも首相ダイクンは平和的な解決策を模索したが、宇宙世紀0067年にダイクンが連邦議会へ提出したコロニー自治権に対する請願は棄却され、彼の思惑は暗礁に乗り上げてしまう。更に翌年、ダイクンは真相不明の心臓発作で急死。彼の側近であるデギン・ソド・ザビ率いる彼の血脈・ザビ家がサイド3の実権を掌握する。
急進派であるザビ家はダイクンに不満を持っていた一部の市民からの支持を受け、連邦政府との開戦気運が高まる。宇宙世紀0069年、共和制から公王制へと移行し独裁をより強め、国号はジオン公国となる。その10年後の宇宙世紀0079年1月3日、連邦政府に対し宣戦布告する事になる(一年戦争)。カリスマによる独立から一転して公王制への独裁となるなど複雑な遍歴がある為、一年戦争開戦の時点で様々な派閥が混在していた。具体的にはギレン派、キシリア派、ドズル派、ダイクン派などである。地球圏の総人口が100億を優に超していた宇宙世紀0070~80年代においてジオン公国の総人口は1億5000万。圧倒的に不利な状況にあり、国力は地球連邦の30分の1以下であったとされ、その圧倒的不利な状況で独立戦争(1年戦争)をしかけ、国民がそれをよしとした事は、コロニーの生活がそれほど逼迫していた事を表している。
国名にジオンの名を頂くとおり、表向きはジオニズムを国是としていた。しかし一年戦争勃発によりザビ家(特に総帥ギレン・ザビによる)の選民思想を推進した結果、後述の一年戦争においてサイド3以外のコロニーに対する毒ガス攻撃やそのコロニーを利用したコロニー落とし、自国民を強制疎開させコロニーをソーラ・レイに改造するなどスペースノイドに対する暴挙に及んだ。この戦時中における反ジオニズム的で宇宙移民者への裏切りとも呼べる行為は、元々宇宙に移民した人々の願いである地球再生や、スペースノイドの平和をむしろ脅かす本末転倒な結果となるのである。
なお、掛け声として「ジーク ジオン(Sieg Zeon)」というフレーズが作中で使われる。直訳は「勝利ジオン」。
一年戦争
宇宙世紀0079年1月3日、ジオン側の仕掛けた独立戦争という形で一年戦争が勃発。開戦当初から全く新しい兵器であるモビルスーツ・ザクを投入し、数で勝る地球連邦宇宙軍を圧倒。一週間戦争、ブリティッシュ作戦、ルウム戦役といった大戦初期の1ヶ月間の戦いで大きな勝利を収めた。連邦軍宇宙艦隊に壊滅的打撃を与えたばかりか、艦隊総司令官レビル将軍を捕虜にし、更に連邦政府に従属する他サイドのコロニー群の一部をも支配下に置き、一気に制宙権の確保に成功する。一方でジオン軍が目指した連邦軍本部ジャブローへのコロニー落としには失敗した。
同月末、ジオン公国はこの有利な状況から事実上の降伏勧告である休戦条約を持ちかけるが、その条約が調印されようとしたまさにその時、連邦軍からレビル将軍奪還の報が入り、将軍も自ら目撃したジオンの疲弊した内情を演説で暴露。その結果条約は休戦ではなく戦時条約となり、捕虜交換条約や大量破壊兵器の禁止条約、両国の合意した中立地帯の制定等に留まった。
開戦1ヶ月の戦いで優位に立ったとはいえ、ジオン側にも無視できない損害が生じていた。この為戦いの場を地球に移して長期持久体制を築くため、ジオン軍は同年3月より三次に渡る地球降下作戦を実施。無類の強さを誇るザクにより連邦軍は各地で蹴散らされ、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、東南アジア、アフリカなど地上の3分の2がジオンの勢力下に収まった。しかしここでジオン軍は攻勢限界点を迎え、補給が末端まで届かない事態に陥った為、北米キャリフォルニアベースを中心とした支配地域を維持しつつ、戦力の増強と新兵器開発に注力した。連邦軍もまた大打撃により身動きが取れず、しばらく膠着状態が続く。
その間連邦軍は鹵獲したザクを研究してモビルスーツ開発に力を入れ、同時にビンソン計画を始動して失った宇宙艦隊の再建に注力。11月に行われたオデッサ作戦を起点として、連邦軍の一大反攻作戦が始まった。ガンダムを始めとする連邦製モビルスーツと圧倒的戦力を持つ連邦軍を前に、今度はジオン軍が敗退を重ねる事となり、地球での戦況は絶望的となる。オデッサが陥落したジオン軍は残存戦力を用いてジャブロー攻略戦を仕掛けるも失敗に終わり、ジオン軍の地上戦力は壊滅。主戦場は再び宇宙へ移行する。
同年12月、地球ではアフリカ大陸や北米のジオン軍の掃討作戦が展開される一方、宇宙ではジオン軍の宇宙要塞ソロモンとア・バオア・クーの陥落を巡る連邦軍の大反抗作戦が始動する。ニュータイプパイロットによるサイコミュ兵器の投入や破格のスペックを持ったMS同士の戦闘、戦略兵器ソーラ・レイの使用等による激しい戦いが行われた結果、多数の上級将官が戦死し、ジオン軍は敗退。公国を牛耳り戦争指導をしていたザビ家が全員死亡した事でジオン側は降伏。連邦軍もジオン軍の猛攻やソーラ・レイ照射で大出血していた為サイド3本国を攻める余力は残っておらず、降伏を受け入れ双方の間で終戦協定が結ばれた。
一年戦争終結後
宇宙世紀0080年、一年戦争が終結しザビ家が(表向きには)滅亡したため、再びジオン共和国と改め、連邦政府との和平交渉の末、連邦から自治権を承認された。しかし、これはザビ家に戦争責任を押し付けたうえでの事であり、これに反発したザビ家を支持する旧公国派の残党軍からこのジオン共和国は非難された。その結果、その後サイド3がその後の戦争の舞台になることはなくなったが、一年戦争後に地球や小惑星帯アクシズ、果ては火星圏などに逃げ延びたジオン残党軍はその後も依然として地球連邦政府と争い続け、その後も十数年、様々な残党・後継組織に分派していくのである。
その後宇宙世紀0100年、ジオン共和国政府は自治権を放棄し、サイド3は再び連邦政府管轄のコロニー群となり、ジオンという国号は消滅した。消滅後、ジオン系の後継組織及び残党軍だった人々は地球連邦政府から生きる権利を保障されており、それらへの残党狩りは(形式的には)禁じられたとされる。
ジオン公国軍
- 総帥府
- ザビ家長兄ギレン・ザビ直轄の機関。別名、ペーネミュンデ機関。
- 主にプロパガンダを製作しているが、ギレン直轄という事で所属将校は最高機密に値する情報を知り得ている。
さらに特権まで与えており、総帥府所属のモニク・キャディラックは二階級上の中佐待遇を受けられる特務大尉の階級を持つ。 - 突撃機動軍
- 長女キシリア・ザビ直轄。宇宙では宇宙機動軍と呼称される。本拠地は月面基地グラナダ。
- 直轄の特別機動大隊にはジョニー・ライデン率いるキマイラ隊を始め多数のエリートや新型機が配備されるなど優遇された兵力を抱えており、軍隊としての実力は高い。更にニュータイプを研究するためフラナガン機関を設立したり、潜水艦隊を創立したりと目新しい事に手を出すキシリアの性格も色濃く反映している。中には戦後友軍から見放されたシーマ艦隊のような、公国軍の暗部に関わる部隊も所属しているなど、規模以上に軍部の中での影響力は高いものがあった。ドズルに左遷されたシャアが一年戦争後期に所属していた。
- 宇宙攻撃軍
- 三兄ドズル・ザビ直轄。本拠地は宇宙要塞ソロモン。
- 宇宙を中心に活動し、公国軍の中では最大規模を誇る。エリートの多いキシリアの突撃機動軍とは仲が悪い。冷遇された軍人が左遷されていることが多く、ランバ・ラルといった反ザビ家の派閥(ダイクン派)も属している。ソロモン陥落とともに消滅した。左遷前のシャアが所属していた。
- 地球攻撃軍
- 末子ガルマ・ザビ直轄。戦前から存在していた上記の軍隊と違い、地球侵攻の際に創設された。
しかし実際は突撃機動軍の一部で指揮権はキシリアにあり、ガルマが戦死した後はキシリアの腹心マ・クベが指揮を執っていた。 - 地球のジオン勢力圏は全て地球攻撃軍が維持しており、シャアの所属するマッドアングラー隊といった海軍や潜水艦隊も、地球攻撃軍が擁している。
- 技術本部
- アルベルト・シャハト技術少将直轄で突撃機動軍や宇宙攻撃軍に属さない第三の部署。
603や604といった技術試験隊を擁し、開発した試作兵器を評価して最前線に送るのが主な役割。 - 技術試験隊は本来戦闘部隊ではないのだが、一年戦争末期には技術試験隊も実戦に投入された。
if組織(「ギレンの野望」に登場)
- 正統ジオン軍
- 一年戦争後期に、キシリアが兄ギレン率いる既存のジオン軍に反旗を翻した際に搭乗する第三勢力。
- マ・クベや突撃機動軍(シャアとその配下、ジョニー・ライデン、黒い三連星)の他、サイクロプス隊を含むグラナダ艦隊や、ニュータイプ研究関連なのかマリオンやニムバスも配下に加わり、いきなりエルメスが複数機運用可能であるなど、戦力は十分。
ただし、地球方面を中心に初期の組織勢力がやや小規模なのが難点。 - 新生ジオン軍
- 一年戦争後期に末弟ガルマが生存し、兄ギレン率いる既存のジオン軍に反旗を翻した際に登場する第三勢力。正統ジオンはキシリアの私怨的な意味合いが強いが、こちらはギレンの政治的暴走によるジオン軍の過ちを正すためという大義を持つ。
- 正史でガルマが死んだ際、兄ドズルが「俺さえも使いこなす男」と語ったことが反映されており、こちらはガルマの地球攻撃軍とドズルの宇宙攻撃軍が中心となり、ランバ・ラル隊、ククルス・ドアン、ZZに登場したデザート・ロンメル、白狼シン・マツナガ、コンスコン…などで構成されるが、エースがやや不足している。
- ただし、初期の組織勢力は地球方面をはじめ宇宙でもソロモン要塞など充実しておりビグ・ザムもバリエーションを含めて開発が可能で、更に条件を満たすとキシリアやマ・クベも加入する。
- ネオ・ジオン(一年戦争)
- 一年戦争中にシャアがネオ・ジオンを起こした場合に結成される組織。
- 勢力や戦力は正統ジオンの下位互換という感じだが、ニュータイプを多数擁し、それなりの戦力を持つ。細かい部分ではアポリーとロベルトが加入している。
- 条件を満たすとシャアがアムロやセイラと和解し、ホワイトベース隊が仲間になる他、ハマーンも加入する。
サイド3及びジオン公国、ジオン共和国に関する年表
宇宙世紀 | できごと |
---|---|
0035 | サイド3建設開始 |
0040 | 世界初の実用核融合炉、ミノフスキー・イヨネスコ反応炉試作 ミノフスキー粒子と呼ばれる謎の粒子が発見される<STAMPEDE ミノフスキー博士物語 より> |
0044 | エレズム(地球聖地主義)定着 |
0045 | サイド3においてミノフスキー物理学会設立 |
0046 | ジオン・ズム・ダイクンがコントリズムを提唱 ここにエレズム+サイドズムの思想(サイド国家主義)がドッキング |
0047 | ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉の開発開始<STAMPEDE ミノフスキー博士物語 より> |
0052 | ジオン・ズム・ダイクン、サイド3に移住。コントリズムを提唱、実践 この頃からコントリズムはジオニズムと呼ばれるようになる |
0053 | ジオン・ズム・ダイクン、サイド3共和国構想を固める 人のニュータイプへの革新を説くジオン・ズム・ダイクンの指導のもと、サイド3独立宣言 スペースノイドの自治独立を主張 ジオン共和国樹立、及び国防隊発足 |
0059 | サイド3に対し、地球連邦政府による経済的圧力 これらの政策により、スペースノイドと地球居住者(アースノイド)の溝は、一層深まる 資金調達にデギン・ソド・ザビ暗躍 ジオン・ズム・ダイクンは各サイドを遊説、賛同者がサイド3へ移住 治安維持名目で宇宙軍設立 キャスバル・レム・ダイクン(後のシャア・アズナブル)誕生 |
0062 | ジオン国防隊、国軍へ昇格 連邦との対立 ジオン・ズム・ダイクン、特殊鋼獲得のため暗躍はじめる 連邦の動揺 アルテイシア・ソム・ダイクン(後のセイラ・マス)誕生 |
関連組織
- デラーズ・フリート
- 一年戦争でジオンが敗れた後もアクシズへ逃げることを良しとせず地球圏で抗戦活動を行うジオン残党の中でも特に有力な組織で、ギレンの親衛隊だったエギーユ・デラーズ大佐や彼に心酔しているアナベル・ガトー少佐らが中心となっている。
- 一年戦争に勝利し腐敗を進める連邦に対して、彼らは自らの信念のため散っていった。
その姿を肯定的に見るのも一つの見方であるが、その一方でシーマ様のように過酷な環境でもいつか平和な日々を送れるよう死にたくない一心で生き抜くような人達にとっては、彼らの生き様は決して相容れないものだったということを忘れてはならないだろう。 - また、彼らの蜂起が結果的に反スペースノイドを掲げる連邦の組織、ティターンズ設立の一因となっていることも注目すべきであろう。
- アクシズ/(ハマーンの)ネオ・ジオン
- 一年戦争後ジオンの残党は、火星~木星間のアステロイドベルトにある小惑星アクシズに逃げ込んだ。その後旧ジオン公国執政のマハラジャ・カーンを中心に再建を始め、ジオン残党内の穏健派/強硬派の争いなどを経て、U.C.0087に地球圏へ帰還。エゥーゴとティターンズとの争いに加わる(グリプス戦役:Z)。そしてティターンズ崩壊後のU.C.0088にネオ・ジオンと名称を変え蜂起する(第1次ネオ・ジオン抗争:ZZ)も若いガンダム・チームらを擁するエゥーゴに敗北。
- 指導者はマハラジャ・カーンの次女のハマーン・カーン。ミネバ様は単なる傀儡である。
- (シャアの)新生ネオ・ジオン
- U.C.0093にシャア・アズナブルは地球連邦政府よりアクシズを譲り受け、ルナツーにあった核兵器を利用し「地球寒冷化作戦」を決行する(第2次ネオ・ジオン抗争:CCA)が、実は指導者シャアが永遠のライバルたるアムロ・レイにかまってほしかっただけという噂もある。なお、地球寒冷化作戦はサイコフレームの共振現象により失敗。シャアもアムロも行方不明となり、公式文書では死んだことになっている。
- 袖付き
- U.C.0096ごろに勢力をつけてきたジオンの一派。「赤い彗星の亡霊」ことフル・フロンタルが立て直したのであるが、未だガランシェール隊などのミネバ派がいることも確か。ビスト財団の栄華を約束してきた「ラプラスの箱」を得ようと企図するが…(第3次ネオ・ジオン抗争:UC)
- フロンタルは「ジオン共和国(あるいはジオンでなくても指導力を持った政体)がスペースコロニーの経済連合体(="サイド共栄圏")を結成するのに必要な時間」が欲しかったが故にラプラスの箱を得ようとした(スペースノイドの自治を求めていた人たちにすればとんでもない考えであることは想像に難くない)。だがそんなフロンタルもインダストリアル7のコロニービルダー「メガラニカ」における攻防によりバナージ・リンクス、リディ・マーセナスの2人のニュータイプらにより撃破される。
- 火星独立ジオン軍(ジオンマーズ)⇒オールズモビル
- 一年戦争後に、アクシズとは異なり遠く離れた火星圏へ逃げ延びた人々が組織するジオン残党軍。
- 旧公国の機体やアクシズから提供された機体を独自改修し、RFシリーズなど独自のMSを運用する。
- 火星圏でのティターンズ残党との抗争の後、地球圏でもテロ活動を開始。ジオン共和国が消滅した後も生き残り、30年の潜伏期間を経て残党活動を再開する(オールズモビル)が、宇宙世紀0122年のオールズモビル戦役によって壊滅。この組織の消滅により、宇宙に残存していた正式なジオン残党軍は全て消滅した(但し翌年にはコスモバビロニア建国戦争が勃発しており、地球圏は依然として不安定な時代が続いた)。
- ネオ・ジオン残党(U.C.123)
- ゼブラゾーン暗礁宙域(詳細不明、一説にはサイド3とも言われる)の7バンチコロニーに隠れ住んでいたジオン系の残党の一つ。組織される程の規模さえない小規模なジオン系の集落。現段階では派生作品を含めたシリーズ中最も後年に登場する「ジオン」となっている。禁止されている残党狩りに手を染める一部の連邦軍を恐れ、旧式のMSで武装している。
- ジオン共和国
- 一年戦争の講和条約によってダルシア・バハロ首相は宇宙世紀0100年までの自治権をなんとか得ることに成功。息子のモナハン・バハロは自分の利益のため暗躍するのだが…(UC)
- 一年戦争後は一応共和国軍ということで、ムサイ改のような一年戦争時のものを改修した物やハイザックのような機体を配備している。また旧公国軍時代のジオニック社などの軍需産業は戦後アナハイム・エレクトロニクスに吸収された為、間接的に連邦軍への技術協力も行っていた。
関わった政治家や豪傑など
- ジオン・ズム・ダイクン
- ジオニズムを提唱した政治家で、シャア(=キャスバル・レム・ダイクン)やセイラ(=アルテイシア・ソム・ダイクン)の父親。U.C.0068に死去。その後はデギン・ソド・ザビが実権を握ることになる。
- このことからジオン・ダイクンの死は陰謀説だと語られることになる。が、真相は謎の中(但し『THE ORIGIN』著者の安彦良和氏は否定しており、キャスバルの心境もTV版とは異なる)。
- キャスバル・レム・ダイクン(=シャア・アズナブル、CV:池田秀一)
- ジオン・ダイクンの息子で、ガンダムファンにとっては最早説明不要の男。
- 詳細はこちらを参照→ シャア・アズナブル
- デギン・ソド・ザビ(CV:永井一郎)
- ジオン公国の建国者でギレンらの父、ミネバの祖父にあたる。ジオン・ダイクンの思想を利用し、地球連邦に独立戦争を仕掛ける。だが、彼は地球連邦の排除など全く考えていなかった為、ギレンやキシリアと対立する。溺愛していた末の子ガルマの死の後は和平を望もうとし、ソロモン陥落の後レビル将軍と接触するも、ギレンの策略によりソーラ・レイ(コロニーレーザー)によってレビル将軍もろとも塵と化した。
- ギレン・ザビ(CV:田中崇→銀河万丈)
- ジオン公国の総帥にしてザビ家の扇動政治家。35歳。ガルマの国葬のときの演説
やソーラ・レイ発射後の演説
に見られるように数々の名演説を残しており、その急進的なやり方と選民思想を打ち出す大胆な扇動により、反連邦政府運動の根深いサイド3国民からは強烈な支持を得ていた。
- 父デギンの隠棲後はジオンの実質上の指導者となるが、一年戦争が始まるとブリティッシュ作戦など開戦当初に勃発した一連の軍事行動によって、地球人口の半分を抹殺するなどしたため、結果的にサイド3を除くスペースノイドからも非難されている。更に弟ガルマの死も政治に利用してしまうその一面は、ある意味驚嘆に値する。
- 急進的な指導者であったが故に、大戦末期には父をソーラ・レイで抹殺したことが原因で妹キシリアにに殺害される。だが、彼の思想はジオンの残党を名乗るエギーユ・デラーズ(CV:小林清志)らが受け継ぎ、またジオン自体もスペースノイド自治の象徴としてU.C.00XX年代の数多くの戦争の思想的背景ともなっている。
- キシリア・ザビ(CV:小山茉美)
- とても24歳に見えないおばさん。いつもマスクをしている?
- 兄ギレンを好かずいずれは政敵になると予見しているが、政治力では10歳年上の兄には劣る。それでも血は争えぬもので、ニュータイプを政治的に利用するための「フラナガン機関」を創設したり、マ・クベ大佐を地球に派遣して地上用の拠点や兵器開発に力を入れるなど、兄とは違い実務での権力拡大に余念がなかった。
- シャアがキャスバル・レム・ダイクンだということを知った後でも彼を部下として使うことを決めていたものの、ア・バオア・クー脱出の際にシャアに暗殺される。
- ドズル・ザビ(CV:郷里大輔<TV/劇場版I>、玄田哲章<劇場版III>)
- 色々と危ない死に方をしたザビ家の中では一番まともに死んだ人。そして後々いろんな事に巻き込まれるミネバ・ラオ・ザビの父親でもある。
- 失礼ながら見た目が野獣のようにしか見えないが、占領政策やビグ・ザムしか寄越さなかったギレンに対する発言から見るに、単なる猛将ではなく頭も十分回る有能な人物であったと考えられる。
…がソロモン攻防戦でのアレをみたらやっぱり野獣猛将でしょ… - ガルマ・ザビ(CV:森功至)
- 末っ子でシャアの同期で彼の友人…だったのだがシャアに(事実上)謀殺される。「謀ったな、シャア!」は漫画『機動戦士ガンダムさん』で多々ネタにされる台詞である。ちなみに小説版ではシャアに謀殺の意志はなかった。
- イケメンで人気があったため、彼の死のあと、サンライズに剃刀が送られてきたなんて事があったそうな。
- なお、占領下で市長らを招きパーティを開いたり市長の娘と恋仲になるあたり、占領地との融和をしっかり進めようとしていたようである。
- シーマ・ガラハウ(シーマ様、CV:真柴摩利)
- ギレンが起こした政治的暴走と並んで、ジオン軍が遺したものはスペースノイドの自治権要求だけではないということを象徴するおば…お姉さん。
- 上官からはコロニーへのガス投入などもろもろのトラウマになるほどの汚れ役を命じられ、ギレンに故郷をソーラ・レイにさせられたり、汚れ役だった事を理由にアクシズへの亡命も拒否され宇宙海賊として宇宙を放浪する。その後デラーズ・フリートに召集された際協力したフリをしつつジオンへの復讐を図ろうとするも、オーパーツMSに乗った青臭い連邦の青年士官に信頼していた部下ともども宇宙の塵にさせられてしまう。
- デラーズ・フリートを裏切ったことはやり玉に挙げられることも多いが、そもそもこんな酷い境遇に追いやられた彼女らの境遇を考えた上で議論をすべきであろう。
- ハマーン・カーン(CV:榊原良子)
- ジオン公国高官マハラジャ・カーンの娘。一年戦争後に小惑星帯アクシズへ逃れ、ミネバの摂政となりアクシズの指導者となる。一年戦争後のジオン公国残党の最大勢力ネオ・ジオンの中心的人物。
- 詳細は当該項目を参照→ ハマーン・カーン
- ミネバ・ラオ・ザビ(CV:伊藤美紀<TV版Z>、平本亜夢<劇場版Z>、藤村歩<UC>)
- 野獣と酷い言われようの父親から生まれた美少女。一年戦争時代は赤ん坊で、家族とソロモン内部で暮らしていたが、ソロモン攻略戦の際に母親と共に脱出し、グラナダへ逃れ終戦を迎える。Zではハマーン様にザビ家の末裔として担ぎ出され、UCではビスト財団当主の息子さんと一緒に大変な目にあったり散々な人生である。
- ちなみにZZのミネバ様は影武者で、ホンモノはZの終盤でシャアに連れ出されたとされるが、ハマーンの手引きにより地球に降下したとする説もある。
余談・その他
- デギンの中の人である永井一郎氏は1stガンダムにおいて多くの役をやっている。有名なのはナレーション(ビスト財団宗主サイアム・ビストであることが後付けで設定された)や1st開始時のシャアの部下ドレンか。
- 池田秀一氏(シャア役)と小山茉美氏(キシリア役)のコンビはのちに『ガンダムSEED DESTINY』に登場するのだが、こっちはまともな元カップルであるので安心(?)してほしい。ただ小山女史は、「(池田氏演じる)議長の頭をバズーカで吹き飛ばす日はいつ来るんですか?」と、脚本の大野木寛氏に話していたようですが……。
- UCの舞台挨拶の際、ミネバの中の人である藤村氏が内山昂輝氏と一緒に爆弾発言をしてしまい、原作者でストーリー監修の福井晴敏氏に「空気読め」と言われてしまった。(掲示板>>13参照)
関連項目
- ガンダムシリーズの関連項目一覧
- ジオニズム
- ジオン・ズム・ダイクン
- アクシズ
- デラーズ・フリート
- ネオ・ジオン
- 袖付き
- 機動戦士ガンダム
- 機動戦士Zガンダム
- 機動戦士ガンダムZZ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
- 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
- 機動戦士ガンダム 第08MS小隊
- 機動戦士ガンダム MS IGLOO
- 慈恩弘国
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- ア・バオア・クー
- RX-78-2ガンダム
- 一年戦争
- 宇宙世紀
- 永遠にアムロ
- ガノタ
- ガンダムエース
- ガンダム大地に立つ!!
- 機動戦士ガンダム 劇場版
- 機動戦士ガンダムII 哀・戦士編
- 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編
- キャリフォルニアベース
- コロニー落とし
- ジェットストリームアタック
- ジャブロー基地
- ソロモン(ガンダムシリーズ)
- 地球連邦軍
- 翔べ! ガンダム
- トミノメモ
- ホワイトベース隊
▶もっと見る
- 16
- 0pt