ジム・クゥエル(RGM-79Q ジムQ型)とは、アニメ『機動戦士ガンダム0083』などに登場するティターンズ/地球連邦軍のモビルスーツである。
名称は「反乱を鎮圧する、疑念を抑え込む」もしくは「QUEL=Qualified and Use Earthly Low(地球の法と権限を行使するGM)」に由来。
概要
デラーズ紛争後に開発されたジム系MS。ベース機はジム・カスタム(ジムN型)。
ガンダムNT-1やジムN型などのオーガスタ系MSの直系にあたり、N型のバージョンアップを主体に各部の機能、生産性、メンテナンスの向上を図っている。ティターンズという組織の傾向からアナハイムやジオン系の技術は取り入れておらず、技術は全てにおいて純地球連邦製となっている。
通常戦闘の他にはコロニーの暴徒鎮圧などに用いる事を考慮し、射撃武装はビームライフルでは無く実弾(90mmケースレス弾のジムライフル)を携行。シールドはこの時代標準のビーム耐性に優れた加工シールドを採用。
頭部センサー・情報解析能力はガンダムタイプのコ・プロセッサーを採用し、高性能化している。側頭部には各種通信用のマルチロッドアンテナが追加された(一説に機体の遠隔操作を可能とさせているとか)。
メンテナンス性改善のために腕部は装甲と可動部を独立させた画期的な構造を採用し、エネルギーサプライも可能であった。こうした構造はムーバブル・フレームの素案として見ることが出来る。
またこの機体の濃紺色は後にティターンズ・カラーと呼称され、ティターンズの威光を広める事となる。所属によってカラーが異なり、地球連邦軍の一般部隊の機体は白と赤に塗られている。
性能的にも構造的にも第1.5世代MSに分類されるような高性能機だが、連邦一般部隊に広まり第2世代MSが台頭した辺りからは一線での活躍が厳しくなり、グリプス戦役で大半が失われた。
「全機が失われた」と記した資料もあったが、サンライズ公式外伝『ADVANCE OF Ζ』や『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では残存機の存在が判明したためこの設定は上書きされたと思われる。
元々はジム・カスタムを改修しただけの、突出した性能が無い平凡なモビルスーツだった。ところがマスターグレードの機体解説により、ガンダムNT-1直系の機体とされた。見た目はジムだが、ガンダム系統のセンサーが搭載され、性能はガンダムタイプに匹敵したという。マニピュレーターはザクマシンガンを跳ね返すほどの強度を誇る。
活躍
設定ではティターンズの初期量産機として運用され、ジオン残党の締め上げや討伐任務に就いていた。コロニーで発生した過激派の暴動や、30バンチ事件の際にも鎮圧目的で出動している。
しかし生産された機体が少数だったのと、ハイザックやガルバルディβに役目を奪われたりする等をしてそれほど戦果が挙げられなかった。
残念ながら映像媒体ではあまり活躍してない。0083の最後に機体が少し出てくる程度で、後に劇場版Ζガンダムでも登場したが申し訳程度の出演だった。この機体が活躍するのは主に外伝シリーズである。
『GUNDAM LEGACY』では一年戦争後、フォルド・ロムフェローの乗機としてジオン掃討作戦に投入された。
『ADVANCE OF Ζ ティターンズの旗のもとに』ではガンダムTR-1[ヘイズル]のベース機に設定され、様々なバリエーションに派生した。今なおガンダムファンを混乱させている。
その続編『A.O.Z re-boot』では、グリプス戦後にティターンズ残党と共に火星まで落ち延びた機体が登場。少なくとも0091年まではクゥエルの残存が確定した。
『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』では民間軍事会社「テミス」に払い下げられた機体が登場。カラーリングは白と赤に塗り替えられた(帰還は0090年が舞台、先述したAOZの前の出来事)。
ADVANCE OF Ζでのバリエーション
グリプス戦役前には既に旧式化していたが、TR計画の実験機 ガンダムTR-1[ヘイズル]へと改修されガンダム・インレ完成のためにT3部隊が運用。オプション換装の有用性とガンダムヘッドが敵・味方に与える精神的影響が実証され、後のガンダムMk-Ⅱ、ガンダムTR-6に繋がる結果を残している。
(つまりクゥエル→ヘイズル系→ガンダムMk-Ⅱという系譜)。
現在、クゥエルは派生機の増加が問題視され、実に30~40機(数え方によっては40機以上)ものバリエーションに膨れ上がっている。といっても、そのほとんどがヘイズル系であり、クゥエルの名を関するバリエーションは少ない。
クゥエルとヘイズルの区別は単純に頭部を見ればいいだけなので、見分けるのは容易である(ヘイズル系を細かく区別しようとすると骨が折れる)。
立体化
ジム系としては立体化の頻度は多い。
1999年には、NT-1を流用する形でMGが発売された。
ヘイズル改などを流用する形でHGUCでも発売したが、こちらはAOZのデザインを踏襲しているため、クゥエルファンの間では好みが分かれる。ヘイズル改やMk-Ⅱとバックパックを交換できる。HGUCとしては珍しく左銃持手が付属するのが特長。
2019年にはヘイズル2号機(アーリータイプ)とコンパチ仕様で再度MG化。非ガンダムタイプが2度もMGになるのは(初代ガンダム登場のMSを除いて)極めて珍しい。こちらはMk-Ⅱ(Ver.2.0)の流用。本来の開発順とMGの開発順が逆になっている。
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