ジャガイモ飢饉(英語:Potato Famine, the Great Famine, the Great Hunger、アイルランド語:an Gorta Mór)とは1840年代にアイルランドで起こった飢饉である。
概要
長らく、アイルランドはイングランドの支配下にあったが、1801年のグレートブリテン連合王国成立以後は、直接統治がなされていた。またアイルランドには、人口の多数を占めるアイルランド人小作と土地の大半を所有するイングランド人地主及び貴族という構造が存在した。こうした中で、農地からとれた麦は税として払われる一方、地主に税を払わなくて済む庭でとれたジャガイモに食料を依存する構造が進んでいた。
こうした中で、1845年から1849年にかけて欧州全域でジャガイモ疫病が蔓延し、アイルランドも大不作に見舞われた。当時の欧州では収量豊富な単一品種の栽培がなされていたことで、疫病の影響が拡大した。この不作は、アイルランドにおいて、地税を欲する地主たちの影響もあって、食糧輸出禁止がなされず、飢餓輸出状態となったことで飢饉へと進行する。この不作の5年間アイルランドは純然たる食糧輸出地域であった。イングランド政府も救済に乗り出したが、救済対象が限定的だったことで飢饉に拍車をかけた。
1841年に800万をわずかに超えたアイルランド人口は十年後には650万程度まで減少。最終的に、アイルランド人口の1割から2割が餓死、同程度が新大陸への移民となり、加えて出生率の減少を起こして、最盛期に800万人いたアイルランド人口は、1940年代に400万人程度でようやく底を打った。なお、この人口は現在に至るまで回復していない。
また、アイルランド人人口の減少はアイルランド話者の人口にも直撃し、アイルランドにおいて今に至る英語の優勢が確立された。
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