トゲトゲ星人ジャグラスジャグラーとは、特撮作品「ウルトラマンオーブ」の登場キャラクターである。
演:青柳尊哉
概要
ウルトラマンオーブ=クレナイ・ガイのことをつけ狙う謎の男。ガイのことは昔からの馴染みであるらしく、本編中ではガイの過去を知る唯一の存在だった。戦い以外ではかなりエキセントリックな言動を見せる事があり、視聴者からはしばしば「闇の仕草」とたとえられる。
日本刀のような刀を帯刀しており、「蛇心流」という剣技を取得している。その技は等身大の宇宙人なら一刀両断できるほどの腕前。
当初はダークリングを使って魔王獣を召喚、大魔王獣マガオロチを呼び出すためにオーブに倒させる策を弄していた。その後も幾度もガイやSSPの前に現れたり、惑星侵略連合に加入したと思ったらすぐに連合仲間を斬り捨てたり、ガイと一緒に恋人のフリをしたりしていたが、やがて闇の力に魅入られたオーブを自ら倒すために合体魔王獣ゼッパンドンを誕生させる。しかし真の姿を取り戻したオーブオリジンにゼッパンドンを倒されダークリングが消滅する。
その後はしばらく行方が知れなかったが、地球に眠る闇の力を通じて蛇心琉奥義「真月斬破」を取得、さらに闇の力を利用して巨大化しオーブと直接刃を交えた。
ジャグラスジャグラーがなぜ執拗にガイをつけ狙うのか…。それはかつてガイと共に戦い、ガイよりも優れた戦士と自負していながら光に選ばれなかったことがきっかけであり、闇こそが無限、闇の力で光を超えると自負していた。しかし超大魔王獣マガタノオロチの攻撃から夢野ナオミをふいに庇ってしまったこと、100数年前に地球でガイの思い人を助けたのがジャグラーだったことが明かされたことから、自分の中に光がまだあったことを認めざるを得なくなってしまう。
そして自らの光を認めたジャグラーは、マガタノオロチを倒すためにオーブと共闘する…。
本編終了後もガイをつけ回すも、「ガイを倒すのは俺だ」というベジータ理論でオーブらウルトラマンと共闘する機会も多い。
魔人態
蛇心流を究めるうちにこの姿へ変化する事が可能となったが、それはウルトラマンとなり、自分の助けを必要としなくなったガイへの劣等感と、少なからず心を許していた仲間の死による怒りがきっかけだった。
いわゆる等身大の変化で、単独では巨大化できないが、マガタノオロチから溢れ出した闇のエネルギーを吸収するなど様々な手段を駆使して巨大化戦闘を行うことがある。
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGAにて
ウルトラマンオーブの前日譚である本作では、ガイと共に精進する若き日のジャグラーが描かれている。
二人は惑星O-50の「戦士の頂」に挑戦し、ついに頂上の光の元にたどり着く。しかし、光の戦士として選ばれたのはガイだけであり、光に拒絶されたジャグラーは動揺する。それならば光の戦士をサポートしようとすぐに気持ちを切り替えたものの、その心にはぽっかりと穴が開いていた(後に「自分に裏切られた」と語っている)。
そのころ、ドクター・サイキが宇宙魔獣ベゼルブの毒「クグツ」を使って人々や怪獣を操るという事件が起こっていた。二人はベゼルブに立ち向かうが、「ウルトラマンとしての力を引き出せないガイ」や「アドバイスしかできない自分」、そして「戦いを経て急速に戦闘センスを磨くガイ」に焦燥を感じていく。
二人は惑星カノンの近衛隊員ミコットたちを救出する。「命の樹」が聳え立つ惑星カノンにサイキが現れ、命の樹が破壊されたくなければ女王アマテを引き渡すように脅迫しており、ミコットたちはサイキの元へ向かった隊長シンラを追っているのだという。
ミコットはジャグラーの蛇心流剣術に感銘を受け、勝手にジャグラーを師匠と呼ぶようになるが―。
その後はシンラやアスカ・シンと合流。カノンへ到着するもすでに戦闘は始まっており、戦神(女王アマテ)はクグツを撃たれてしまう。ジャグラーや光の戦士、カノンの兵士たちは協力して戦神を解毒することに成功するが、ミコットがベゼルブに殺されてしまう。目の前の命すら救えない無力さに絶望したジャグラーは怒りのままベゼルブの集団と戦闘を続け、やがてその姿は魔人態へと変貌する。
命の樹がこの戦いの原因だと判断したジャグラーは独断で樹を伐採。結果としてサイキたちは撤収、戦闘は終了する。しかし、ジャグラーを待っていたのは怒れるカノン兵たちと、アスカからの「光の戦士の戦い方ではない」という厳しい評価だった(一歩間違えば、多くのカノン住民が樹の下敷きになるところだった)。
まるで敵だでもと言わんばかりの待遇にジャグラーは失望。ガイをはじめとした光の戦士たちと決別、独自の判断で行動するようになる。
その後も結局オーブの助太刀をしたり、サイキの罠にはまったガイを助けたり、クグツによって暴走しかけるオーブを解毒したりと、中々関係を切り捨てられない様子だった。
しかし、戦いが終わって喜ぶガイたちの中にジャグラーの姿はなく、二人は決別したまま物語の幕は閉じる。
アニメ「怪獣娘~ウルトラ怪獣擬人化計画~」2期にて
ついに美少女化...というわけではなく、ジャグラーそっくりなJJというキャラクターが登場する。声はそのまま青柳尊哉氏が務める。
あっさり闇の力シャドウに操られてしまうなど、あくまでそっくりなだけの地球人(?)らしい。
アイドルを兼業しているキングジョーのファンで、オタクっぽい早口でお友達のことなどを楽しそうに語っていた。
ウルトラマンZにて
2020年放送の『ウルトラマンZ』にて、ジャグラスジャグラー役の青柳尊哉が本作の防衛隊の隊長である「ヘビクラ・ショウタ(蛇倉正太)」役で出演することが明らかになった
しかし、「役名からヘビクラ・ショウタ→蛇倉正太→ジャグラ ショウタイ、と読める」「随所で闇の仕草っぽいアクションをとる」などが序盤から視聴者の間で話題となり、視聴者の間では「ヘビクラの正体はジャグラー」説と、「ただのそっくりさん」説(JJという前例もある)に分かれていた。
ところが、展開的にはまだ序盤の第5話『ファースト・ジャグリング』にて、ヘビクラの正体が大方の予想通りジャグラスジャグラーその人であったことが判明。普段は防衛隊の頼れる隊長を演じつつ、裏では闇の魔人として怪しげなことをしており、目的は不明だが、『オーブ』の頃ほど単純な悪役ではなく、以前にもまして何をするかが分からない人物になっている。
第5話の登場ではゼットライザーを蛇心剣の力でコピーしてダークゼットライザーを作り出し、ゼッパンドンに変身してゼットと戦った。最終的に敗北したものの笑みを浮かべており、負けることは問題ではなかった様子。
また、地球にやってきたリク(ウルトラマンジード)の前に姿を現し、防衛チームの隊長をやっていることを伝えている。ストレイジメンバーに怪しまれるリクのフォローをすることも。リクが捕まった際には自ら助けに来て敵側の意図を伝え、ハルキたちの到着前に去っている。
正体判明後も、一連の事件の影にカブラギがいることを突き止めながらも泳がせたり、ハルキと一緒にセレブロのアジトにカチコミしたり、ハルキからベリアロクを奪取しようとしたり、ヤミノピザ配達員として潜入したりと相変わらず裏で好き放題やっている一方で、表では頼れる隊長ヘビクラを演じている...という割りにはヘビクラは上司として理想的であり、視聴者は一層困惑している。具体的には
- ミスした部下と一緒に頭を下げる
- 怪獣に苦戦する部下に体術を通じてヒントを与える
- 部下が上官に反発しそうになったらなだめる
- 部下が作戦内容に異を唱えても、意見を聞いたうえで折衷案を提示する
- 闇のダジャレ
- 闇の盆栽いじり
- 必要に応じて自ら現場に出る
- 混乱に乗じて魔人態に変身して、最小限のアシスト
- ハルキがカネゴンをかばっているのに気づいても、コントっぽく見逃す
- 正攻法で勝てないような敵が現れた場合は、絶対に出撃は許可しない
- 闇の電話応対
- 闇の中間管理職
ギルバリスやグリーザのような難敵が現れても無駄な犠牲を出さずにすんだのは、ジャグラーとしての知見によるものといっても過言ではないだろう。逆に未知の(はずの)怪獣に反応してしまうというボロを出すことも。
ちなみにハルキは魔人態ジャグラーの事を「トゲトゲ星人」と呼んでいるようだ。
「…ハァ、変な名前で呼ぶな。」
ストレイジの他の面々もヘビクラの正体には最後に魔人態への変身を見せられるまで誰も気づかれなかった。バレたらユカに解剖される。
ストレイジ解散と共に防衛軍を脱退し、ピザ配達員に転職。その後、ハルキとウルトラマンゼットの前で正体とその目的を明かす。上記ORIGIN SAGAで命の樹を伐採したことを一方的に否定されたと樹だけに根に持っており、「(光の戦士たちに彼らの)正義の危うさを見せつけること」であったことが語られる。セレブロの暗躍に乗じる形で防衛軍がどんどん強い特空機を作るように仕向け、最後はその特空機(ウルトロイドゼロ)を掠奪することで強大な力の危険性を思い知らせるつもりであった(その特空機は「ウルトラマンの力」を解析して作ったというイヤミ付き)。また、人類とセレブロ両方がやりすぎないようにバランス調整していたとも語っている。枝を剪定しながら育てる盆栽はジャグラーの目的の象徴だったのかもしれない(過去に命の樹を根こそぎ斬ったことの対比ともとれる)。
一方でセレブロもジャグラーの仮パクの危険性を認識しており、クリヤマ長官に乗り移ってストレイジを解散に追い込み、完成した特空機ウルトロイドゼロもギリギリのところでジャグラーの略奪を阻止する(人質に取られたハルキをジャグラーは見捨てられなかった)。このときの戦闘でダークゼットライザーは破壊されてしまう。ウルトロイドゼロはそのままセレブロが奪い取り、最凶の怪獣デストルドスに作り変えられてしまった。
しかしセレブロがデストルドスを使って地球を危機に追いやると、再びストレイジ隊長として戦うことを決意。解散したストレイジのメンバーを再結集して基地を奪還(このときストレイジメンバーに正体を明かした)。作戦開始前の演説はウルトラマンZ自らもウィンダムに乗り込み、特空機全機を使った総力戦を仕掛けてデストルドスに立ち向かった。基地奪還時以降は魔人態に変身することなく、最後までヘビクラとして戦い抜いた。
最後はデストルドスが倒されたところでおなじみのスーツ姿に戻り、セレブロに引導を渡そうとする。が、ユカたちがセレブロを捕獲したところを見届けると、どこへともなく去っていった。
名台詞
- オーブ、お前は希望の光か……。それとも、底知れぬ闇…かな?
- この怪獣たちのパワーを喰らい、悠久の眠りより目覚めよ!
- 最後の1枚もこの調子で頼むぜ、オーブ。
- 闇と光、そして風、土、水、火。これで全ての魔王獣はそろった。残るは黒き王の力のみ・・・。
- なんでだよガイ! 何なんだよ! 一度くらい俺に勝たせろよコノヤロー!
- さぁ……クライマックスだ!!
- 正義の味方って……めんどくせぇ……。
- ふん……守り抜いた後で、テメェをぶっ潰す。
- 見えるものだけ信じるな
- へぇ……やるねェ……。久しぶりに血が騒ぐぜ!
- ゼットンさん(先輩) 、パンドンさん(先輩)、 マガオロチ(同期)
- お待たせしました!闇の力、お借りします!
- 正義に目覚めたって言ったら信じるか?
- 愚か者は指を見る。賢いヤツは?
- バラバが……バラバラ……フフッ。(闇のダジャレ)
- なら見返してやれよ、えらっそーな能書きだけで人の生き方否定してくる奴らをな。方法ならいくらでもあんだろ。
- 見えるものだけ信じるな、って教えただろ?
- 危険を感じたらすぐ逃げろ、逃げていい。
- これが俺たちストレイジ最後の戦いだ!全員生きて帰って、バコさんのマグロで打ち上げするぞォ!!
- 行け……終わらせてこいハルキィッ!!
- ゲームオーバーだセレブロ、コンティニューはなしだ。
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