ジャストブリード(JUST BREED)とは、
エニックス(現スクウェア・エニックス)から発売されたファミリーコンピュータ用シミュレーションRPGである。
この記事は、一部ネタバレを含みます。 閲覧の際はお気をつけ下さい。 |
概要
発売日:1992年12月15日 |
発売元:エニックス(現スクウェア・エニックス) |
定価:9,700円 |
ハード:ファミリーコンピュータ |
ジャンル:シミュレーションRPG |
開発元:ランダムハウス |
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開発スタッフ
- シナリオ:コラムニストの佐藤克之(通称カーツさとう)
- プログラム:『森田将棋』を生み出した、森田和郎が率いるランダムハウス
- 音楽:『ONE PEACE』や『サクラ大戦』等でおなじみの田中公平
- キャラクターデザイン:「3×3EYES」の高田裕三
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隠れた名作となったわけ
- 特徴的なこと
ファミコンには珍しく、セリフ等の文章が漢字混じり表記であり、フォントも大きめ。
このため、テキストが非常に読みやすくなっている。
だが、そのために大容量ROMを使う事となり、定価が高くなってしまったらしい。
ちなみに前述のDQⅤは9,600円、FFⅤは9,800円と同価格帯である。
- 製作者のこだわり
街を一列になって歩いている事が不自然という観点から、
主人公以外の隊長を自由行動させ、主人公と会話させることで、 各キャラクターの性格を出すようにした。
RPGの小さな街(人口はせいぜい20~30人程度)で王様が税金で暮らせるはずがない。
もし暮らしているのであればそれは重税を課す暴君であるという観点から、王様(王制)を廃止させた。
- キャラクターグラフィック
各隊長には公式のイラストが用意されているが、ゲーム内では一切用いられていない。
しかし、敵モンスターは公式イラストがある上にゲーム内のステータス画面でそれが確認できる。
各部隊の隊員に至っては公式イラストが存在しない上、
男性剣士と弓使いはユニットグラフィックすら使いまわしという不遇な扱いとなっている。
フィリス以外の女性司祭はラフ絵のみ存在している。
ストーリー
遙か昔、世界はランブルビルという国により平和に治められていた。
7人の導師の導きと、7つの聖なる石の力に守られ、永遠に平和と繁栄が続くと信じられていた。
しかし、魔物の侵入によりその平和は崩れ去った。
導師達は魔物に対抗するため、聖なる石の力を借りて国と民を守ろうとした。
しかし一人の導師の心に潜んでいた邪心により、多くの善き民が命を落とす事となってしまった。
その結果、栄華を誇ったランブルビルは滅び去った。
邪心を抱いた導師は追放され、残る6人の導師は聖石を携え、それぞれの民を率いて新天地を求め、旅立っていった。
時は流れ、ある夜のこと。
聖なる石の一つ、サファイアの加護を受けた町アストホルムでは、
聖石を受け継ぐ“司祭”と呼ばれるの家系の少女フィリスが新司祭となり、
年に一度のサファイア祭りの儀式を行っていた。
祭りの盛り上がりを背に、フィリスは町の守備隊長であり、恋人でもある青年と街外れで落ち合う。
しかし突然雷鳴が轟く中、姿を現した見たこともない怪物により、フィリスがさらわれてしまった。
後に残されていたのは、フィリスが儀式で身につけていたサファイアが輝くティアラ。
悲しみに包まれ、活気を失った街とフィリスを救うため、青年はサファイアを手に、
守備隊の仲間と共に旅に出た。
システム
戦闘パートはユニット型の交互ターン制シミュレーションRPG。
『ファイアーエムブレム』のような戦闘アニメは存在せず、
マップ上でエフェクトを交えながらの戦闘となる。
街などでは「ドラゴンクエスト」に代表される、オーソドックスなコマンドウインドウ型。
通貨単位は「G」と、ドラクエっぽい。
戦闘
戦闘は6ユニットが形成する部隊が基本単位となり、最大4部隊24ユニットで戦闘が行われる。
1部隊は隊長・魔法使い・剣士×2・弓使い×2(剣士×1・弓使い×3の部隊もあり)で編成される。
(ただし、一部洞窟やストーリーの後半は隊長のみ参加の戦闘となる)
経験値は部隊単位での取得となり、レベルアップも部隊全員が同時に行われる。
隊長以外の各ユニットはHPがゼロになると戦いからは離脱する。
隊長のHPがゼロとなった場合はその部隊全ユニットが離脱する事となる。
主人公が離脱した場合、聖なる石の加護により安らかな眠りにはつかせてもらえず、
近くの町に強制送還となる。
部隊内のユニットは“隊長を中心とする1画面内”からはずれて行動する事はできない。
逆に画面の上下の端に自部隊ユニットがいる場合、隊長は上下方向に移動できなくなってしまう。
その他のシステムの概要は関連動画でわかりやすく紹介されているので参照して下さい。
登場人物・司祭・敵
主人公
- アストホルムの街を守る守備隊長に18歳の若さで就任している無口な青年でイロオトコ。
- 化物によって連れ去られた幼馴染であり恋人でもあるサファイアの司祭フィリスを助け出すために
守備隊の部下とともに旅立つ事となる。 - 隊員はアイザック(魔法使い)、マーレイ(剣士)、ギリアン(剣士)、エルク(弓使い)、レニー(弓使い)
ロラン
- セガルテアの守備隊長で、エメラルドの司祭エレンの恋人。
- 熱くなりやすい性格の上に思い込みが激しく、しばしば単独行動を取っては返り討ちにあっている。
前半は頼りないが後半になると覚醒する。 - 性格のモデルは「柔道一直線」時代の近藤正臣。
- 隊員はカレン(魔法使い)、ヘルベルト(剣士)、ゲイル(剣士)、フォクナー(弓使い)、ウェルテル(弓使い)。
オルロフ
- 身寄りの無い娘を見ると拾って育てたくなる性分のやさしいお金持ちのおじさん。鳥料理が大好物。
- 育てていたラピスラズリの司祭ティファを怪物にさらわれ、捜し出す旅に出る事になる。
- 一番早く伝説の武器を手にするため、猛烈な強さを発揮する。性格のモデルは長門勇。
- 隊員はルシール(魔法使い)、パティ(剣士)、サラ(弓使い)、シャーリー(弓使い)、アンナ(弓使い)
ハンス
- 砂漠の移動都市ウインガの弓使い。お調子者で、女のコにモテたいという一心で主人公と旅を共にする。
- 性格のモデルは稲川淳二にサンバルカンの黄色のやつを加えた感じ。
- 隊員はミハイル(魔法使い)、リカルド(剣士)、セルゲイ(弓使い)、ラクロ(弓使い)、ニコライ(弓使い)。
デュバル
- 元ジャーミーの町の守備隊長であったが、見切りをつけて独自に部隊を組織した老将軍。
- 情報収集は戦略の基礎と位置づけ、緻密な情報網を持つ。
- また、作中に出てくる難解なツンガル弁を理解できる人物。
- 性格のモデルは大滝秀治。
- 隊員はロドルフォ(魔法使い)、アシュレ(剣士)、ジェイコブ(剣士)、モルトン(弓使い)、マルコム(弓使い)
リディア
- エセンシアの町の守備隊長で、いいチチとケツをした美しい女戦士。
- 町が化物に襲われ、親友でもあるアメジストの司祭セシルがさらわれてしまった。
また、町も占領されてしまったため、近くの洞窟に身を隠しながら奪回の機をうかがっていた。
その後、セシル救出を目的に仲間に加わる事となる。性格のモデルは不明。 - 隊員はエバ(魔法使い)、オリガ(剣士)、ジェシカ(剣士)、パメラ(弓使い)、ディアーナ(弓使い)。
司祭
サファイア
エメラルド
ラピスラズリ
クリスタル
アメジスト
ターコイズ
ルビー
中心となる敵モンスター
エゼルキエル
追放されたルビーの導師の末裔。ある目的のため、6人の司祭をさらう。
ゲル・ド・レイ
セコル
ゲーム中、所々に現れては間抜けな行動を取っていく化物。物語後半ではある意味重要な存在となる。
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外部リンク
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