ジャヒーとは、ゾロアスター教で伝えられる女性の悪魔である。ジェーとも、ジェハとも呼ばれる。
概要
聖典「アヴェスター」に登場する女性悪魔「パリカー」の一人で、中でもトップクラスの知名度と力を誇り、ゾロアスター教の善神「アフラ・マズダ」をして「最も自分に敵対する」と言われるほどの存在である。アンラ・マンユ涙目。
どのような悪魔かと言うと、一言で言ってしまえば「女性の悪徳を濃縮・具現化した存在」。世界中の売春婦を従え、男を誘惑し欲情させる。彼女自身も数限りないほどの男と交わっており、相手を堕落させてしまう力を持っている。
また、人間の女性に月経(生理)を与え、穢したのも彼女である。ゾロアスター教では体より流れた血は不浄なものとされ、月経がはじまった女性は隔離されるなど現代の基準では不当な差別を受けていた(なお月経中の女性と性交した男には厳罰があったという)。
他にも、彼女が見たものは「良い部分が1/3奪われる」とされており、大地の1/3が荒れたり人間の善の心が2/3になるなど、その能力は物にも概念にも及ぶ強力なものである。
アンラ・マンユとの関係
悪の神「アンラ・マンユ」にとっては愛する存在(資料や解説サイトにより血縁としては妹だとも母だとも、関係としては妻だとも愛人だともされ、はっきりしない。複数該当しているものもある)。かつてアフラ・マズダが創造した巨人を前に3000年もの間呆然としてしまった彼をジャヒーが強く励まし(巨人もアフラ・マズダの軍勢もみんな私が攻撃してやる、と豪語したそうな)、それによりアンラ・マンユは再奮起したのである。彼女の持つ女性穢す力や男性を誘惑する力は、その褒美として与えられたものである。
関連項目
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