ジャブローとは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場する地下施設である。
概要
南米アマゾン川流域にあるとされる、地球連邦軍の本部。オデッサやキャリフォルニア、ベルファストとはことなり、ほぼ架空の地名・地域である。
地下の広大な鍾乳洞を利用して作られており、主要施設は全て地下に収容されている。堅牢な鍾乳洞は同時に防壁の役割を果たしており、核攻撃にも耐える恐るべき防御力を誇る。Gジェネ魂のMS IGLOO第4話『ジャブロー上空に海原を見た』によると、基地施設、モビルスーツや艦船の工場、艦隊も停泊できるドック、参謀本部まで内包しており、名実ともに連邦軍の心臓部とされた。ゆえにここを陥落させる事が出来れば、連邦軍そのものが崩壊するとさえ言われる。
地上からは出入り口が見えないよう、巧妙にカムフラージュされている。また対空砲やトーチカが無数に配備されており、見た目からは想像できないほどの対空迎撃能力を持つ。ただし小説版『第08MS小隊』では南極条約でICBMの使用が禁じられたため、対空能力が意外と低い事になっている。
ジャブローに配属される=出世街道を走れる事を意味しており、快適な環境も手伝って多くの連邦軍将兵がジャブロー勤務を望む。またジャブローには保守派の高官が引きこもるように過ごしていた事から、ジオン軍はおろかレビル大将にすら「モグラ」と揶揄されている。
歴史
宇宙世紀0051年、連邦軍は極秘裏にジャブローの建造を開始。地球連邦軍の本拠地として機能する。
一年戦争期
0079年に勃発した一年戦争では、開戦当初からジオン軍の第一攻略目標に定められた。しかしジャブローの出入り口はジオン軍の諜報機関ですら把握できておらず、核攻撃にも耐える堅牢な地下に隠されている事から、コロニー落としによる覆滅が企図される。1月4日、ジオン軍はブリティッシュ作戦を開始。サイド2コロニー「アイランド・イフィッシュ」の住民を毒ガスで虐殺し、無人になったコロニーを巨大な弾頭に見立てて地球へと落とそうとした。翌5日、連邦軍はコロニー落としの標的がジャブローであると確信、ティアンム中将率いる迎撃艦隊をルナツーから出撃させる。1月8日、現場に到着したティアンム艦隊は核攻撃でコロニーを破壊しようとしたが、ダニガン中将率いるジオン艦隊に阻まれて失敗。艦隊の70%以上を喪失する大損害を受けて撃退された。地球軌道上に集まった連邦軍艦艇の必死の抵抗によりコロニーはアラビア上空で四散し、ジャブローへの直撃は避けられた。
コロニー落としが失敗したため、ジオン軍は作戦の変更を強いられた。ジャブロー攻略のためジオン軍はビグ・ザム、アプサラス、アッグシリーズといった特殊兵器を考案するが、いずれも試作機こそ完成したものの、実戦投入する前に終戦を迎えてしまった。
3月13日に北米キャリフォルニアベースをジオン軍が制圧した後は、ガウ攻撃空母が定期的にジャブロー地表を空襲するが、地下の本部には全く効かず、連邦兵からは「定期便」と揶揄されるだけの結果に終わった。ジオン軍のモビルスーツ・ザクが地球の各地を蹂躙している頃、ジャブローではレビル大将主導でV作戦が進められていた。また同時にビンソン計画を推し進め、緒戦で失った宇宙艦隊の再建に全力を注いだ。
オデッサ作戦後、ベルファストを出港した連邦軍艦ホワイトベースがジャブローに到着するが、これを追尾していたシャア・アズナブル大佐のマッド・アングラー隊が、ジャブローの入り口をついに発見する。オデッサを失陥して追い詰められたジオン軍は宇宙艦隊の再建を少しでも遅らせようと、11月30日にジャブローを襲撃。宇宙港やモビルスーツ工場の爆破を狙ったが、戦力の大半を失い、作戦は失敗した。以後ジャブローからは連邦軍艦隊が出撃し、主戦場は宇宙へ移っていく。
デラーズ紛争前後
一年戦争終結後、場所を隠匿する必要が無くなったこともあってか、地上に航空機用の巨大滑走路が増設された。後に就航するガルダ級超大型輸送機の寄港地とする必要もあった。
デラーズ紛争後にティターンズが結成されると、やがて肥大化したティターンズに主導権を奪われ、実質ティターンズの拠点となる。
グリプス戦役期
エゥーゴのガンダムMk-Ⅱ強奪によって始まったグリプス戦役だが、エゥーゴとティターンズの戦いは局地戦に留まり、ジャブローはさほど重要視されていなかった。ところがアナハイム・エレクトロニクスを始めとするエゥーゴの出資者たちはわかりやすい戦果を求め、クワトロ・バジーナらエゥーゴ首脳陣の反対を押し切ってジャブロー攻略を決定する。
0087年5月11日、衛星軌道上から出撃したエゥーゴMS隊と、これを阻止しようとするティターンズMS隊がジャブローに降下し、ジャブローの防衛部隊も入り乱れての戦闘が生起する。しかしティターンズ上層部は既にジャブローを引き払い、エゥーゴ主力を誘い込んで時限式核爆弾で殲滅する外道の作戦を立てていた。二線級の戦力しか残されていないジャブロー防衛部隊はあっさり無力化され、エゥーゴは地下基地を制圧するが、捕虜とスパイの報告から事態を察知し、ガルダ級輸送機2機を強奪して間一髪で脱出する。
核自爆によってジャブロー中央部は壊滅し、以降は放棄された。
関連項目
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