ジュゴンとは、
概要
哺乳綱カイギュウ目ジュゴン科ジュゴン属に属する哺乳類。現在では1種のみでジュゴン科を形成している。全長は約3mほどで、体色は白っぽい灰色。人魚のモデルはジュゴンであるというのは有名な話であろう。同じくカイギュウ目に属するマナティーとよく似ているが、最も大きな違いとしてマナティは尾びれの形が円形なのに対し、ジュゴンは尾びれの形が三角形にとがっているということが挙げられる。その他、全体的にマナティーよりも一回り程小柄である。
一生を海で過ごす哺乳類のなかで唯一の草食性動物であり、海草(うみくさ。海の中には海藻だけではなく、葉緑素をもった種子植物も生えている)を食べる。海草が光合成できる水深には限りがあるので、必然的にジュゴンが生息する海域も(水深が浅い)沿岸域だけになる。[1]
熱帯や亜熱帯の浅い海に生息しており、日本では沖縄近海にのみ生息している(これがジュゴンの分布域の北限である)。繁殖形態は胎生。妊娠期間は約1年で、1回に1頭を産む。
ジュゴンは現在絶滅危惧種とされており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IA類に指定されている。現在は基本的に狩猟は禁止されているが、ボートのスクリューで傷ついたり、漁業の網にかかったりと、事故による減少が目立つ。神経質で飼育は非常に難しいとされており、飼育されているのは世界でも数えるほど。日本では三重県にある鳥羽水族館にて飼育されている。
関連項目
脚注
- 1
- 0pt