ジュゼッピーナ・チュインニ(Giuseppina Cenni)とは、「ワールドウィッチーズ」シリーズの登場人物である。
ノベル『スオムスいらん子中隊』シリーズのキャラクター。CV.齋藤小浪。
プロフィール
モデル
モデルはイタリア王立空軍のエース・パイロット、ジュゼッペ・チェンニ。
反跳爆撃戦術を初めて実戦使用した爆撃エースとして知られる。スペイン内戦に際し戦闘機パイロットとして派遣され戦闘機エースとなるが、第二次世界大戦勃発に前後して爆撃機乗りに転向。反跳爆撃でもって対ギリシャ・ユーゴスラビア戦で艦艇を複数撃沈破する戦果を挙げた。急降下爆撃を命令する際の「Valzer, ragazzi!」というフレーズから、「ワルツを踊る小人(少年)」とあだ名されていたという。
1943年、イタリア半島での戦いで戦死。撃墜数8。
容姿・人物
ロマーニャ人らしい健康的な褐色肌、正反対に幼気な顔立ちと神秘的な銀色の癖毛、そして薄蒼の色の瞳を持つ少女。モスグリーンの軍服を着用している。
ヒスパニアでの実戦経験を持ち、空中戦のみならず地上爆撃に高い才覚を持つウィッチ。急降下爆撃の技術を持ち、のちに”チュインニ方式”と呼ばれるようになる反跳爆撃を編み出した、ロマーニャにおける地上爆撃の第一人者。准尉の階級は「下士官の元帥」とすら呼ばれる歴戦の叩き上げであることを示すもの。「ワルツの時間だ!」というかけ声とともに急降下爆撃を実施したこと、三拍子のリズムによる順々の急降下がワルツ・ダンスを想起させたことなどから、彼女の部隊は”ワルツを踊る少女たち”として知られた。
のちのスオムス義勇独立飛行中隊への合流時には、ロマーニャ人らしからぬ物静かでおとなしい性格、儚げな印象で、作り物のような無表情と機械的な口調を見せる不思議な人物のように見えたが……。
経歴
第143飛行隊に配属され、曹長としてヒスパニア戦役に派遣。戦役中、霧中での衝突事故で負傷療養を余儀なくされ、部隊解隊にともない第51航空団への派遣を想定してG.50へと機種転換する。しかし戦況の変化とカールスラントから導入した急降下精密爆撃を目的とする第239飛行隊の新設により、最終的に同部隊への転属となった。
はじめはカールスラント製Ju87の購入が間に合わずG.50を使用して1937年頃の地中海方面での作戦に参加したが、1937年冬にはJu87へと機種転換。この戦闘ではアドリア海沿岸に進出した沿岸要塞型ネウロイへの反跳爆撃を試行して戦果を挙げ、これが賞されて同年末にはカールスラント=オストマルク方面へと派遣された。同方面ではG.50も併用して空戦・爆撃双方で多大な活躍を示し、准尉に昇進する。
その後、ロマーニャ半島方面へのネウロイの進撃に伴って召喚を受け、ヴェネツィア公国方面で防衛戦闘に従事。1939年10月、ネウロイの迎撃に出撃したが戦闘中に行方不明となる[2]。捜索もむなしく戦死が認定される直前に徒歩で友軍基地に帰還してきたが、当時のジュゼッピーナは失踪時の状況から空戦・爆撃技術までも含め、すべての記憶を喪っていた。
これを受けたロマーニャ空軍は、記憶の回復のためにジュゼッピーナを北欧スオムスの”いらん子中隊”ことスオムス義勇独立飛行中隊へと派遣。彼女はこの北辺の地で、未知の人型ネウロイとの戦いに貢献するとともに記憶と技倆を取り戻すこととなった。やがて1942年、同僚のキャサリン・オヘアとともにネウロイの拠点「ヒーシ」の偵察を敢行して成功させ、1943年にスオムスを離任。以降は地上勤務となり、ロマーニャ公国空軍飛行学校で教官を務めている。
交友関係
優れた爆撃の技倆は他国のウィッチにも知られており、ハンナ・U・ルーデルとアーデルハイドはカールスラント南部で戦っていた際、アーデルハイドがロマーニャ側の腕のいいウィッチとしてジュゼッピーナの名を聞いている(ルーデルは入院中だったため聞いていない)。二人とは後にスオムスで出会い、記憶を取り戻すためにスオムス空軍第28戦隊第1中隊に対するルーデルの爆撃技術指導を見学している。
また、1939年に行方不明となった際の戦闘で共同戦闘を行った第236飛行隊には当時フェルナンディア・マルヴェッツィが所属しており、面識はないものの名前を認識していた。
登場
ヤマグチノボルによるノベル『スオムスいらん子中隊』三巻で謎めいたいらん子中隊の新メンバーとして登場したキャラクター。この巻で記憶喪失の問題が解決したところで『いらん子中隊』シリーズの続刊が途絶え、その後はアニメ『ストライクウィッチーズ2』BD/DVD特典全記録弐第三集、および2012年に雑誌連載「ワールドウィッチーズ」で紹介されたのみだった。
2017年、築地俊彦のノベル『ブレイブウィッチーズPrequel』三巻において1944年のスオムス義勇独立飛行中隊が登場した際、巻末の登場ウィッチ設定に「いらん子中隊」初期の面々とともに収録され、『いらん子中隊』シリーズ後の消息も明示された。この時の新設定は、『WORLD WITCHES 2018』での再録時にも反映されている。
そして2018年、築地俊彦によるフルリメーク『サイレントウィッチーズ スオムスいらん子中隊 ReBOOT!』がスタート。リメークのため発表PVや『いらん子』一巻相当の同一巻では登場がなかったが、以降のストーリーの変化によって第二巻から改めて登場した。第三巻プレミアム特装版ドラマCDでは声付き登場を果たす。担当声優は齋藤小浪。
関連動画
関連項目
- ストライクウィッチーズ
- ワールドウィッチーズ
- ストライクウィッチーズ スオムスいらん子中隊
- ストライクウィッチーズの関連項目一覧
- ロマーニャ公国
- スオムス義勇独立飛行中隊(1940年時)
- エルマ・レイヴォネン - 初代中隊長
- 穴拭智子 - 二代中隊長
- エリザベス・F・ビューリング
- キャサリン・オヘア
- ウルスラ・ハルトマン
- 迫水ハルカ
- ハンナ・U・ルーデル
脚注
- *アニメ「ストライクウィッチーズ2」全記録弐 第三集および『ブレイブウィッチーズPrequel』三巻での紹介では156cm。
- *『スオムスいらん子中隊』ではカールスラント空軍第4航空群第2大隊に編入されての戦闘中とされる。
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