ジュゼッペ・ヴェルディ(1813~1901)とは、イタリアロマン派オペラを代表する作曲家である。
概要
パルマの近く、ブッセートのレ・ロンコール村に生まれた。父親は宿屋の経営者であり、村のオルガニストから教育を受け、地元の雑貨屋の主人の支援でミラノ音楽院で学ぶ資金を得た…のだがピアノが下手だったため結局音楽院には入れず、個人レッスンを2年受けた後は村に戻り、家庭と職を持ったようだ。
やがてオペラ作曲家を志すも失敗が続き、妻子も失って逆境に陥ってしまった。そんな彼の転機となったのはスカラ座の支配人に押し付けられた「ナブッコ」であり、「民族の独立」をテーマにした愛国的題材が彼に霊感を与え、ほぼ年一作のペースでオペラを書き上げ成功していった。
作風は後期のロッシーニやベッリーニといった人々の影響から、やがて1850年代に入ると人間心理の細やかな描写とドラマティックな表現を確立し、「リゴレット」、「椿姫」、「イル・トロヴァトーレ」といった作品を発表していった。その後同い年のワーグナーの影響を受け、「アイーダ」、「オテロ」、「ファルスタッフ」などを作曲していく。彼のオペラは当時のイタリア統一を目指すリソルジメント運動とも絡んでいき、国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の略称として「ヴェルディ万歳!」と称えられたともいわれている。
また著作権が作曲家にも認められるようになってきた風潮の中でリコルディ社と契約し、のちのイタリアオペラ界にある意味で強い影響を与えている(詳しくはプッチーニの記事で)。
ただ彼の代表曲のひとつがレクイエムであるように、決してオペラばかり手掛けていたわけではなく、声楽曲を中心に宗教音楽にも取り組んでいた。
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関連項目
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